著者
松本 正生
出版者
Japanese Association of Electoral Studies
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.39-50,214, 2006-02-28 (Released:2009-01-22)
参考文献数
17
被引用文献数
2

1995年統一地方選の「青島•ノック現象」を嚆矢とする無党派の時代も,ようやく終焉を迎えつつある。93年政変からはじまる連立政権期の十数年間に,有権者レベルでは,政党支持の質的変化が生じていた。旧来の政党支持の退場による,「潜在的支持」層化の進展である。すなわち,特定の支持政党を持たないという前提の上で,そのつど政党を選好する新しい政党支持の時代の到来だ。「そのつど支持」層(contingent voters)は,政党を横並びで比較し,政党本位の選択を行う。「政党」支持から政党支持への変容と表現することもできよう。いずれにせよ,無党派層と政党支持層との間の区分は,もはやあまり意味をもたない。無党派を政党支持の残余カテゴリー(残りの部分)と捉えるのは,そろそろ終わりにすべきだろう。「無党派層の反乱」に象徴される政党を否定した時代から,相対化して比較する時代へと変わった現在,無党派層という呼称もやめた方がよいかもしれない。

3 0 0 0 OA 学校試験法

著者
松本卯之助 著
出版者
金港堂
巻号頁・発行日
1892
著者
落合 敏秋 臼井 章夫 松本 清司 関田 清司 内藤 克司 川崎 靖 降矢 強 戸部 満寿夫
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.605-616_1, 1985-12-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
18
被引用文献数
1 2

緑青の主成分とされる塩基性炭酸銅の急性及び慢性経口毒性試験をSlc: Wistarラットを用いて行った. 急性毒性試験で, LD50値は雄: 1350mg/kg, 雌: 1495mg/kgであった. 慢性試験では0, 70, 220, 670及び2000ppm塩基性炭酸銅添加固型飼料を12か月間投与した. 2000ppm群で体重増加抑制 (雄, 雌), 血清GOT,GPT, LDHの上昇が実験期間を通して観察された. 組織学的には, 雌雄2000ppm群で肝臓の単細胞壊死の発現数が有意に増加した. 以上, 塩基性炭酸銅の2000ppmはラットに肝臓障害を起こすものと結論された.
著者
高見 知寛 鈴木 功一 馬場 達也 前田 秀介 松本 隆明 西垣 正勝
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.26(2006-CSEC-032), pp.209-214, 2006-03-17

本稿ではキーボード入力を取得するというキーロガーの挙動に着目し,キーボード入力に用いられるAPIの使用を検出することでキーロガーの検知を行う方式を提案する.本来のDLLの代わりにAPIの使用を検出する機能を付加した検査用DLLをプログラムにロードさせた上で試実行させることが本方式の特徴であり,ウイルス検知における動的ヒューリスティック法的なアプローチによるキーロガー検知方式となっている.本稿では本方式の基礎実験を行い,その検知率と誤検知率について評価する.
著者
辻 慶太 芳鐘 冬樹 松本 直樹 影浦 峡
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.166-179, 2008-09-01 (Released:2017-05-24)

司書資格は取得者にどのような仕事をもたらしたか,満足をもたらしたのか,を明らかにする為,司書資格を取得(して/しないで)図書館に勤務(したことがない/している)者,及び資格取得を目指して(いる/いない)大学生,の6グループにインターネット調査を行った。回答者は1,829人で,資格を取得し図書館員にならなかった者には非正規職員が多く,現状に満足しておらず,年収は一般人より低いことが示された。資格を持つ図書館員には専門的業務に従事する者が多く,年収は低いが非常に満足していることも示された。
著者
野田 優希 古川 裕之 松本 晋太朗 小松 稔 内田 智也 石田 美弥 佃 美智留 藤田 健司
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.197-200, 2017
被引用文献数
1

<p>バレーボールの傷害調査を行い,男女間の傷害発生の傾向を分析した。対象は469名1046件(男性142名332件,女性327名714件)であった。部位別傷害発生率は男女ともに膝関節と足関節が上位を占めた。疾患別傷害発生率は足部,腰部,肩関節,下腿において男女間で有意な差がみられた(P<0.01)。足部では,女性において中足骨疲労骨折の発生率が高かった。腰部では,男女共に筋筋膜性腰痛が多くを占めた。また男性において椎間板性腰痛症の発生率が高かったことが特徴的であった。肩関節では,男性で肩関節インピンジメント症候群,女性では動揺肩が多かった。下腿では,女性においてシンスプリントの発生率が高かった。バレーボールでは足部,腰部,肩関節,下腿において発生する傷害が男女で異なっており,コンディショニング指導の際は性差による傷害発生の特徴を考慮する必要性が示された。</p>

3 0 0 0 文化と政治

著者
松本学 著
出版者
刀江書院
巻号頁・発行日
1939
著者
笠原 義晃 松本 亮介 近藤 宇智朗 小田 知央 嶋吉 隆夫 金子 晃介 岡村 耕二
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-40, no.2, pp.1-6, 2018-02-26

インターネットを介して多種多様なサービスが提供されるようになり,そのサービス基盤となるホスティングやクラウドサービスには高効率化,耐障害性,負荷変動への耐性,柔軟性,セキュリティなどさまざまな要件が求められている.本研究では,これらの問題を解決するため FastContainer と呼ぶ軽量コンテナに基づくシステムアーキテクチャの改良を進めており,特にオートスケーリングのために必要な状況検知やリソーススケジューリング機能の研究開発のため,パブリッククラウド上にテスト環境を構築している.本論文では FastContainer の概要とテスト環境の詳細,現状と今後の課題について述べる.
著者
久保 田清 栗栖 真悟 鈴木 寛一 松本 俊也 保坂 秀明
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.195-201, 1982-04-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1 5

油脂を含む食品を調合製造するさい原材料になると考えられる8種の植物油(大豆油,菜種油,トウモロコシ油,落花生油,ゴマ油,ヤシ油,綿実油,オリーブ油)と,これらより調合製造されている市販のサラダ油と天ぷら油について,流動特性と密度の測定を,温度10~60℃において行った。流動特性の測定には,管型粘度計を使用した。いずれもニュートン挙動を示した。本実験結果に対しては,粘度および密度の温度関係式は次のように表わすのがよいという結果になった。K=a exp(b/T3)ρ=a+b Tここで,Kは粘度(g/cm・sec),ρは密度(g/cm3),T温度(0K)である。
著者
飯干 寛幸 松本 康太郎 鵜川 始陽
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2020-OS-148, no.2, pp.1-10, 2020-02-20

近年,電源が失われても内容が保持されるメモリとして不揮発性メモリ(NVM)が市場に登場した.NVM を使ったシステムでは,データがキャッシュから NVM に書き出されて初めて永続化される.そのため,いつ電源が失われても良いように,常に NVM 上のデータの整合性を保つための方法が研究されている.その中には,個々のデータ構造を NVM に対応させるアプローチと,汎用のデータ構造を永続化するためのシステムを開発するアプローチがある.本研究では,NVM を使ってデータ構造を永続化するためのシステムである NV-HTM の評価を行った.そのために,NV-HTM を使い永続化した B+-木と,B+-木を NVM に特化させた FPTree の性能を比較した.NV-HTM は性能評価用の DRAM を用いたエミュレータを使うソースコードしか存在しなかったため,実機で動作するように修正が必要だった.FPTree もアルゴリズムの記述から実装する必要があった.これらを実装して比較したところ,NV-HTM は FPTree に比べて遅く,スレッド数を増やしても 4 スレッドまでしかスケールしなかった.そこでさらに,NV-HTM の性能ボトルネックを詳細に調査した.
著者
水越 美奈 松本 千穂 脇坂 真美
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.119-125, 2017-09-25 (Released:2018-09-25)
参考文献数
16

加齢により犬は人における年齢が関係する認知機能不全や認知症と同様な症状を示す。これらの臨床徴候は飼い主が排泄の失敗や睡眠と覚醒サイクル,見当識障害など実際的に観察することでわかることがほとんどである。6歳以上の健康な犬のこれらの徴候を調べたところ,CDSの徴候は年齢と共に上昇し,13歳で70%を超えた。また比較的若い6~9歳では雌より雄,14~18歳では未避妊雌より避妊雌,10~13歳では日本犬系より洋犬で高いことがわかった。さらに認知の低下は飼い主との散歩や遊びに関連することが示された。多くの飼い主は年齢と共に現れる行動変化について気づいていたが,これらについて相談する人はほとんどいなかった。相談しなかった多くの飼い主はこれらの行動変化は問題でないと感じていた。
著者
松本 裕子 小林 友彦 坂田 雅夫 遠井 朗子 落合 研一 桐山 孝信 上村 英明
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

人権法以外の国際法の文脈(国際環境法・国際開発法・国際経済法)でも、先住民族が影響を受ける国際規範の定立にその参加が認められる場合があり、程度の差はあるものの、規範の実施にその権利尊重の必要性が認識されつつある。ただし、国家中心的な国際法が構造転換したといえるかについては、現状ではそれを肯定するに十分な実行の積み重ねはない。国際法上の先住民族の権利の日本国内への影響については、国連宣言採択を受けて、国及び一部の地方自治体による公文書等への一定の反映や政策決定の正当性の根拠とする動きはある。ただし、国連宣言の採択が国及び地方自治体の既存の政策の根本的変更を招くような状況は存在していない。
著者
松本 晴美 深澤 早苗
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.681-692, 2007-11-15
被引用文献数
3

健康上望ましい食意識・食行動の確立に及ぼす中学生の家庭での食生活環境と給食調理方式の影響を明らかにすることを目的として,給食が外部委託方式,センター方式,単独調理場方式の各2校,計6校の中学生の家庭の食生活状況,日常の食意識・食行動,学校給食に対する意識・評価,健康状態について調査を行い,それら相互の関連及び給食調理方式問の比較を行った.さらに,家庭における適切な食品摂取や夕食摂取状況は,中学生の健康的な食生活管理に対する意識を高め,そのことが学校給食での食教育や食料・食文化に対する関心の高さにつながっているという仮説をたて,パス解析による解明を試みた.分析対象は1年生から3年生計1,378名であり,以下の結果を得た.(1)中学生の家庭での食生活状況,日常の食意識・食行動,学校給食に対する意識・評価,健康状態では,各項目の回答割合や標準因子得点で学校間に有意差が認められた.学校給食が単独調理場方式である2校では,朝食及び獣鳥肉類,豆類,野菜類,果物類,牛乳の摂取頻度が高く,健康状態も良好であり,うち1校では給食に対する意識・評価が高かった.センター方式の1校では,学校給食に対する意識・評価の6つの標準因子得点のすべてが6校中最も高かった.とくに第I因子「嗜好」の得点が他校に比べて極めて高く,成人期の健康に対する関心も高かったが,他の1校とともに家庭での食品摂取状況が適切でなく,健康度が低かった.外部委託方式である2校では,学校給食に対する意識・評価の6つの因子の標準得点すべてが他の4校に比べて低く,うち1校では家庭での朝食摂取や食品摂取状況が最も不適切であり,精神的健康度が低かった.(2)学校給食に対する意識・評価の潜在変数を「食教育への関心」と「文化・社会性」,日常の食意識・食行動の潜在変数を「安全性・栄養表示への関心」と「摂食行動」,家庭での食生活状況の潜在変数を「食品摂取状況」と「夕食摂取状況」としてパス解析を行った結果,豆類や魚類のような伝統的な食品の摂取に配慮された家庭での食事内容や,楽しく会話の多い夕食摂取状況が,食品の安全性や栄養表示への関心,健康に配慮した望ましい摂食行動を伴う日常の食意識・食行動に大きく影響し,そのような食意識・食行動が,学校給食における食教育や地域の食文化,食料生産に対する意識や関心を高めていることが示された.
著者
松本 三和夫
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.15-30, 1980-06-30

従来、科学社会学は、科学者集団を、外部社会から自律した閉鎖系ととらえることによって、人々の生活に不都合を及ぼす現実の科学活動の側面 (社会問題としての科学) に対して、必ずしも十全な解明を与えていない。本稿のねらいは、科学者集団の特性を外部社会との関連の下に把握する、初期マートン (R. K. Merton) の科学社会学に立ち帰って、社会問題としての科学の特性を解明することにある。<BR>そこで、以下ではまず、一七世紀イングランドに関するマートンの歴史的事例研究に注目して、二つの論点を析出する。 (1) 科学者集団と外部社会の関連様式を特徴づけるマートンの論証事実 (ピューリタニズムの倫理と近代科学の属性相互間の「親和性」) を確定する。 (2) しかる後、科学者集団の発生過程-適応過程の分節に着目して、マートンの解釈枠組を吟味し、科学者集団の特性を形作る基本的なモメントとして制度化を取り出す。<BR>次いで、 (1) 及び (2) から、科学者-非科学者の内的連関に則して、科学活動のあり様を整理する類型を引き出す。そして、この類型に依拠して、社会問題としての科学の特性を解明するモデルを構成してみょう。