著者
新井 潤美 西川 克之 松本 朗 小山 太一 佐々木 徹 丹治 愛 草光 俊雄 加藤 めぐみ 前 協子 安藤 和弘
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

① 1981年の『炎のランナー』以降、サッチャー政権下のイギリスは、のちにヘリテージ映画と呼ばれることになる多数の映画を生み出していく。代表的なヘリテージ映画を解釈しながら、それらの映画がどのような主題的、映像的、イデオロギー的特徴を共有しているのかを具体的に議論した。② その一方で、ヘリテージ映画にかんする代表的な批評論文(とくにアンドリュー・ヒグソンのもの)を読み、自分たちが進めてきた個々の映画の作品論に照らして、その一般的な定義を批判的に検証し、それがもつ問題点をあぶり出すとともに、ヘリテージ映画にかんする新たな定義にむけて議論を重ねた。
著者
石川 一葉 松本 希 東野 好恵 田泓 朋子 中川 尚志
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.328-335, 2021-08-30 (Released:2021-09-22)
参考文献数
18
被引用文献数
1

要旨: 聴覚情報処理障害の検査として使われている聴覚情報処理検査 (APT) の正常聴力成人の基準値を決定した。健聴ボランティアを募集し, 20歳から37歳の成人21名の協力を得た。標準純音聴力検査, Fisherの聴覚的問題に関する質問紙日本語版, 小渕の聞こえにくさのチェックシートの全てで異常なしと判定された20名の APT 結果を集計した。平均 ± 2 × 標準偏差を基準範囲とし, 低成績側の限界を基準値とした。各項目の設問数と基準値を元に, 基準を満たす最低の正答数の百分率を各項目のカットオフ値とした。また, 検査項目毎の正答率とカットオフ値が一覧できるように工夫した APT 記録用紙を作製した。
著者
黒野 保三 石神 龍代 堀 茂 渡 仲三 松本 美富士
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.95-101, 1986-06-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
18

鍼刺激のヒト免疫能へ与える影響を調べるため, 単クローン性抗体によるヒトの末梢血Tリンパ球サブセットの変動について検討を行った。健康成人男子10名, 女子3名の被験者に対し, 脉診法にて2穴を選穴し, 5Hz, 2V, 5min の低周波通電鍼刺激を行った。鍼刺激前および直後に採血し, 末梢血Tリンパ球サブセットの変化をOKT, Leu シリーズの単クローン性抗体を用いて Laser Flow Cytometry によるTリンパ球サブセット自動解析を全血法で行った。末梢血Tリンパ球であるOKT 3+細胞は, 一定の変動を示さないが, Eロゼット形成細胞である OKT 11+細胞は, 鍼刺激後に増加した。免疫反応に対して helper/inducer Tリンパ球となるOKT 4+細胞は, 一定の変動をみなかったが, suppressor/cytotoxic Tリンパ球となるOKT 8+細胞は鍼刺激後増加した。また, 生体の免疫学的監視機構を担う natural killer (NK) 細胞に属する Leu 7+細胞は, 増加するが, 同じくNK細胞の一部である Leu 11+細胞は, 低下を示した。単クローン性抗体による末梢血Tリンパ球サブセットの変動は, 我々がこれまで行ってきた in vitro におけるリンパ球機能の変化をより特異的に確認するとともに, NK前駆細胞をより活性化することを示している。このように, 鍼刺激によって, ヒトの免疫反応系に変化をもたらすことがさらに示された。
著者
田尻 尚士 松本 熊市 原 和子 黄 波泉
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.33-40, 1975-03-15

[Author abstract]"Bean-Curd" mixed in canned fruit salad became generally soft and melting therefore same technical treatment were necessary. Followings might be important points for making of canned fruit salad with "Bean-Curd". 1. Agar about 10% used for coagulating "Bean-Curd". It must be selected one which has high melting point. If some gelatin were mixed in it, the texture of the jelly would be improved. But in this case more than 0.5% of gelatin were not mixed, because more gelatin the "Bean-Curd" become weaker for heating. 2. As the mixing of milk, fresh milk, skim-milk, and evaporated milk could be used favorably, but powdered skim-milk was not suitable for this purpose. Quantity of these milk 10% of fresh milk, and 5% of evaporated milk were usable. If skim-milk could be supplied enough, it might be used as it was low in cost. 3. Percentage of sugar, 22.0% were desiable to get high quality of product, but usually 15.0% might be suitable. 4. As coloring material erythrosin was the best, bust natural color Sun-Red No. 1 also gave good color. 5. If pH control desired, just soak in 0.4% citric acid solution for 30 minutes. 6. Fruit salad with other subtropical fruit such as litchi longan papaya and pineapple could be made as the present experiment.[著者抄録]季節産業である農産缶詰の端境期のつなぎ操作として杏仁フルーツサラダ缶詰の製造法について研究した。1.杏仁豆腐ベースとしては、溶解点の高い寒天1.0%、良質のゼラチン0.5%を併用するのが食感的に最良であった。2.ミルクとしては、牛乳、脱脂乳を10%,無糖練乳5.0%が良好であった。3.糖度は製品糖度22%が好ましいが、杏仁豆腐としては15%前後が最適と考えた。4.着色料サンレッドNo.1も使用可能であるが、人工着色料エリスロシンが最良であった。5.pH調節法としては、必要あれば0.4%クエン酸液で30分処理すれば充分であった。6.トロピカル風のフルーツサラダの製造が可能であることが認められた。
著者
二宮 有輝 松本 真理子
出版者
一般社団法人 日本児童青年精神医学会
雑誌
児童青年精神医学とその近接領域 (ISSN:02890968)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.597-613, 2018-11-01 (Released:2020-02-28)
参考文献数
42

【問題と目的】日本の大学生を対象にSNSの活動データを収集し,抑うつ症状を伴う青年におけるSNS上の特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】Twitterを利用している大学生158名(男性94名,女性63名,不明1名,平均年齢18.89,SD=0.90,有効回答率73.8%)を分析対象として,抑うつ得点に基づき,正常群(57名),軽度群(75名),中程度以上群(26名)に群分けした。各参加者のTwitterから1カ月分の活動データを収集し,群間の差異を検討した。【結果および考察】Twitter活動データについて群間の差異を検討した結果,正常群に比して,軽度群および中程度以上群の方が午前中のオリジナルツイート(独り言)の割合が高くなる傾向が認められた。午前中のオリジナルツイート1,919件を対象にテキストマイニングを用い,対応分析により抑うつ群変数と抽出語との関連を検討した結果,「現実生活の多忙さ」と「現実生活からの逃避」の2成分が得られた。また,対応分析の布置図から,軽度群では学業などの現実生活の多忙さが表現されやすく,中程度以上群では学業からの逃避態度や,躁的な防衛と考えられる特徴がTwitter上に表現されやすいことが示された。今後は午前中のツイートだけでなく,対象とする投稿の範囲を広げ,本研究で得られた示唆が投稿全体に認められるのかどうかを検討する必要があるだろう。
著者
松本 健次
出版者
社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維工学 (ISSN:18838731)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.P341-P347, 1966-05-20 (Released:2010-09-27)
参考文献数
14
著者
上山 浩也 八尾 隆史 岩野 知世 内田 涼太 宇都宮 尚典 阿部 大樹 沖 翔太朗 鈴木 信之 池田 厚 谷田貝 昴 赤澤 陽一 竹田 努 松本 紘平 上田 久美子 北條 麻理子 永原 章仁
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1310-1322, 2021-09-25

要旨●胃底腺粘膜に発生する胃腫瘍の中で,H. pylori未感染胃に発生する胃腫瘍の臨床病理学的・内視鏡学的特徴について概説した.今回,H. pylori未感染胃底腺粘膜に発生する胃腫瘍の中で,特に胃底腺型腺癌,胃底腺粘膜型腺癌,胃型分化型腺癌,胃型腺腫を抽出し解析した.細胞分化では,胃底腺型腺癌は胃底腺のみ,胃底腺粘膜型腺癌は腺窩上皮+胃底腺(+幽門腺),胃型分化型腺癌・胃型腺腫は腺窩上皮+幽門腺(+胃底腺)への分化を示し,通常型の胃癌に比較して異型度や悪性度は低く,内視鏡治療を選択された症例が多かった.内視鏡診断は,各タイプの特徴を理解したうえで,NBI併用拡大内視鏡診断と内視鏡所見から表層の腫瘍成分の有無,表層と上皮下の成分の関係性を推測することが,H. pylori未感染胃底腺粘膜に発生する胃腫瘍の内視鏡診断と各鑑別につながると考えられた.
著者
松本 一記 吉野 晃平 清水 栄司
出版者
日本不安症学会
雑誌
不安症研究 (ISSN:21887578)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.46-51, 2021-11-30 (Released:2022-01-14)
参考文献数
19

「ママ友」との付き合いがストレスになる人もおり,場合によっては社交不安症の発症につながることもある。本症例では,ひきこもり状態の女性に認知行動療法を提供した際の治療経過を報告する。
著者
國井 泰人 池本 桂子 和田 明 楊 巧会 志賀 哲也 松本 純弥 丹羽 真一
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.105-112, 2010 (Released:2017-02-16)
参考文献数
5

我々は,精神疾患死後脳集積システムの構築とそれに並行した精神疾患の啓発活動を 1997 年より行ってきた。本稿では,福島精神疾患死後脳バンクのシステム及び,発足して以来現在までの歩みと実績を紹介するとともに,財政的問題や専属スタッフの不足,臨床医と基礎医学研究者との連携の必要性,全国規模でのバンクネットワークの必要性など,バンクの運営に従事する中で直面している課題について報告する。
著者
松本 友一郎 釘原 直樹
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.167-173, 2009 (Released:2009-03-26)
参考文献数
21

本研究は,看護師を対象に,上司との関係についてのスタッフの評価,そのスタッフによって推測された上司からの評価,上司との関係における対人ストレスコーピングの3つと部下の心理的ストレス反応の関連について検討した。上司との関係を公的な側面と私的な側面から検討した結果,特に公的な側面において,上司との関係に関するスタッフ自身の評価よりも,上司からの評価に対する推測の方が,そのスタッフの心理的ストレス反応と強く関連していることが見出された。この結果は,自己の抑制を必要とする感情労働としての特徴が,患者との関係と同様に,上司との関係においてもみられることを示唆している。私的な側面については,上司からの評価に対する推測が心理的ストレス反応と正の関連があった。さらに,本研究の対人ストレスコーピングに関する結果は,患者との関係における看護師の対人ストレスコーピングに関する先行研究の結果と概ね一致していた。よって,看護師における対人ストレスの特徴は,患者との関係だけでなく,上司との関係においてもみられるといえる。
著者
清田 貴茂 高田 彰子 松本 陽 大塚 誠 糸谷 真保 足立 徹 大木 玲子 木許 賢一 小副川 敦 杉尾 賢二 西川 和男 西田 陽登 駄阿 勉 浅山 良樹
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.17-22, 2022 (Released:2022-02-14)
参考文献数
12

眼症状を有する脈絡膜転移に放射線照射を行い,症状緩和の得られた3例を報告する.症例1は71歳女性.右乳がん術後7年目に多発転移を認め化学療法が行われていた.術後16年目に右眼痛と視力障害を伴う右脈絡膜転移が出現し,同部への緩和照射により,右眼痛の軽減と腫瘍の縮小を認めた.症例2は54歳男性.右眼痛および視野異常を自覚し,精査にて右下葉肺がんおよび右脈絡膜を含む全身多発転移と診断された.右脈絡膜転移巣への緩和照射により,眼痛の改善と腫瘍の縮小を認めた.症例3は71歳女性.右上葉肺がん術後1年5カ月で左眼痛が出現し,精査にて左脈絡膜転移の診断となった.同部に対して緩和照射を施行し,照射後は腫瘍の縮小と左眼痛の一時的な消失を認めた.脈絡膜転移に対する緩和的放射線治療は,眼症状の軽減に有効と思われた.
著者
松本 美鈴
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.31, 2005

<br>【目的】わが国では、年中行事には日常とは異なる特別の食べ物を供えて祝い、皆が揃って食事を共にしてきた。しかし、正月を初めとして、伝統的年中行事は、われわれの生活から失われつつあるといわれて久しい。正月の3が日の間、おせち料理や雑煮を、食べ続ける家庭は少なくなり、時代とともに行事食の意義は薄れ、変容している。そこで、本研究では、女子学生の家庭における行事と食べ物の関わりの実態調査を行い、わが国の家庭における行事食の変化を捉えることを目的とした。<br>【方法】都内の女子短大および女子大学の家政系に通う学生を対象として、留め置き法によって調査紙に回答を求めた。調査は、年中行事あるいは人生儀礼行事などの実施状況と食べ物について、また、地域や親族との関わりなどに関する設問を設定した。さらに、日本の食生活全集(農文協)を資料として用い、各地域における行事と食べ物について調査し、現代の女子大生の家庭における行事食との比較を行った。<br>【結果】女子学生の家庭における、代表的な行事は、正月、クリスマス、誕生日であった。伝統的年中行事である正月には、おせち料理や雑煮が祝いの席に用意された。また、クリスマスや家族の誕生日のような新しい年中行事には、クリスマスケーキのような西洋菓子と家族の好きな料理が食卓に整えられ、家族と共に食卓を囲んでいた。立春の前夜に行われる節分には、豆を食べるに加えて、恵方巻きを食べるという答えが多く、行事食への中食産業の影響が見受けられた。なお、女子学生の家庭における行事食の出現頻度は、居住地の地域性やコミュニティーとの関わり方などにより異なるように思われた。<BR>
著者
松本宗久著
出版者
河出書房新社
巻号頁・発行日
1993