著者
香川 敬生 野口 竜也 赤澤 隆士 小林 明夫 北村 正志
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

2007年10月より緊急地震速報が運用され,他にもP波センサーが機器の緊急停止に用いられ,計測震度計で得られた各地の震度が速報されている。しかし,これらは独立に設置・運用されており,有機的かつ総合的な活用には至っていない。そこで,市販の計測震度計に緊急地震速報受信およびP波センサーの機能を付加することでP波センサーによる推定震度,緊急地震速報を用いたその場所の予測震度,実際の揺れによる計測震度を出力する「三段階震度計」を試作し,その活用方法の検討をおこなった。
著者
谷 早織 新谷 幹夫 白石 路雄 林 明照 丸山 優
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.14, pp.33-36, 2011-03-04

頭蓋顔面骨の形態的特徴を分析し数値化することは解剖学上重要である.従来研究には頭蓋の推定体積や面積比を求めた研究や,解剖学的な特徴点間の距離を計測し平均や相関を求めたものがある.しかし,特徴点全体にまたがる多変量解析を行った報告は無く,複数の特徴点問における関係や変量空間全体の性質は解析されていない.本研究では特徴点53点の座標に対して多変量解析を行った.まず主成分分析を行ったところ,上位35程度の主成分の和によって元の特徴点データを99%の精度で表現できることを確認した.ついで独立成分分析を行い,統計的に独立な変形パターンを求め,考察した.また,メッシュの3279頂点に対しても主成分分析を行った.
著者
横田 修 林 明典 高橋 宏和
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.18, pp.2-3, 2009-07-30

In the batch type equipment, the results of the reforming examination for crude oil were indicated. Experimental conditions are "pressure 25MPa temperature 400 degrees Celsius and water-oil ratio 0-4". Concentrations of Asphaltene and Coke were investigated under the experimental conditions.
著者
林 明子
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.5-24, 2014-11-28 (Released:2016-11-15)
参考文献数
22
被引用文献数
5 1

本稿の目的は,生活保護世帯に育つ子どもの中卒後の進路を「移行」の経験として連続的に捉え,その多様性を描き出すことである。生活保護世帯の子どもの中には高校非進学者や高校中退者も多く,彼らの進路を「進路選択」や「進路形成」の枠組みで読み解くことは難しい。このような視点に立ち,本稿では,首都圏近郊のある地域において,生活保護世帯に育つ子ども363名(16歳から22歳)の中卒後の進路を連続的に明らかにする。また,高校非進学者・高校中退者(非直線型)とそうではない者(直線型)とを比較し,両者を分かつ要因について検討する。さらに,非直線型の移行をたどる者に焦点をあて,学校離脱後の移行パターンを見出す。 主な知見は以下の通りである。(1)生活保護世帯の子どもの全日制高校進学率は50.4%と全国の値より約40ポイント低い。また19歳以上の者を対象とし,カプラン・マイヤー法を用いて大学・短大進学率を算出したところ,16.7%となった。(2)直線型と非直線型の分岐には,母親の学歴や就労状況,きょうだい数,引越し回数,不登校経験が関連している。(3)非直線型の移行をたどる者は調査対象者の17.1%を占めており,その移行パターンは①求職・アルバイト型,②更生保護・医療・福祉型,③妊娠・育児型,④編入型という4つに分類された。以上をふまえて,最後に子どもを対象とした,多様で連続的な支援が構築される必要性を述べた。
著者
内野 博司 本多 勇介 中島 健太 佐々木 功二 小林 明 田中 江里 久米 信夫 酒井 崇 嶋崎 豊 石川 巌 岡野 信雄 京極 英雄 船越 昭治 北田 嘉一 淵之上 康元 田中 萬吉
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.107, pp.107_19-107_30, 2009-06-30 (Released:2011-12-09)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

茶新品種‘ゆめわかば’が埼玉県農林総合研究センター茶業特産研究所で育成された。‘ゆめわかば’は1968年に‘やぶきた’ב埼玉9号’の交配により得られた個体群より選抜され,1994年から2003年に県単試験を含む栄養系適応性試験,裂傷型凍害抵抗性及びもち病抵抗性検定試験を実施し,更に2004年,2005年には香気の更なる発揚を目的に試験を行った。この結果,優秀と認められ,2006年10月17日に茶農林53号‘ゆめわかば’として命名登録,2008年10月16日に品種登録された。‘ゆめわかば’は摘採期が‘やぶきた’より1日から2日遅い中生品種である。生育,収量とも‘やぶきた’並である。耐寒性は赤枯れ抵抗性が「強」,青枯れ抵抗性が「やや強」,裂傷型凍害抵抗性が「強」でいずれも‘やぶきた’より強い。また,病虫害抵抗性は,炭疽病に「やや強」である。製茶品質は外観が優れ,内質も‘やぶきた’並に優れる。また,摘採葉を重量減15%から20%に軽く萎凋させることによって,香気及び滋味が向上する。耐寒性が強いために,関東やそれに類似した冷涼な茶産地に適する。
著者
岡田 哲弘 水上 裕輔 林 明宏 河端 秀賢 佐藤 裕基 河本 徹 後藤 拓磨 谷上 賢瑞 小野 裕介 唐崎 秀則 奥村 利勝
出版者
一般社団法人 日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.302-312, 2020-08-31 (Released:2020-08-31)
参考文献数
58
被引用文献数
3 2

膵癌のゲノム解析では,4つの遺伝子異常(KRAS,CDKN2A,TP53,SMAD4変異)を高率に認める.最近の研究により,ゲノム,遺伝子発現,タンパク,代謝などの様々なレベルでの異常が明らかとなり,これらのプロファイリングによる個々の患者の発癌や進行パターン,治療効果予測に応用されることが期待される.2019年に適切な薬物治療の提供を目的とした遺伝子パネル検査が保険収載され,本格的なゲノム医療の時代を迎えた.このような新しい診断技術を早期膵癌の発見や遺伝素因など高い発癌リスクを有する人々の発病予防を目指した医療へと拡大するには,多様な分子異常の検出方法の確立が求められる.これら膵癌の分子診断には,膵内の多発病変の存在と腫瘍内の不均一性,癌のクローン進化の理解が重要となる.本稿では,膵癌の発生過程でみられる分子異常を概説し,診療への活用が期待される最新の技術革新について紹介する.
著者
平林 明憲 伊庭 斉志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.FIN-001, pp.01, 2008-09-13 (Released:2023-01-06)

The generation of profitable trading rules for Foreign Exchange (FX) investments is a difficult but popular problem. The use of Machine Learning in this problem allows us to obtain objective results by using information of the past market behavior. In this paper, we propose a Genetic Algorithm (GA) system to automatically generate trading rules based on Technical Indexes. Unlike related researches in the area, our work focuses on calculating the most appropriate trade timing, instead of predicting the trading prices.
著者
田林 明
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.146, 2014 (Released:2014-10-01)

領域 北陸地方は古代の北陸道に由来する名称で、福井(若狭、越前)、石川(加賀、能登)、富山(越中)、新潟(越後、佐渡)の4県(7国)の範囲である。北端と東端は山形県境の念珠ヶ関と朝日岳、南端と西端は京都府境の三国岳と青葉山であり、東西の直線距離は約480kmもあるが、幅は最も広い能登半島付近でも100kmほどで、狭いところでは10~20kmにすぎない。2012年の面積と人口は25,208km2と539.1万で、それぞれ全国の6.8%と4.3%を占めた。自然環境 北陸地方では、海岸から他地域との境界の方向に平野と丘陵そして山地と配列されており、山地の面積が広い。境界地帯には北東から南西方向に、朝日・飯豊山地、越後山地、三国山脈、飛騨山脈と両白山地、伊吹山地と続き、険しい地形は他地方との人や物や情報の流動を妨げてきた。また、フォッサマグナが新潟県西部を南北に走っており、その西縁をなす飛騨山脈が日本海岸まで達していることから、北陸地方内の流動が大きく妨げられた。それ以外では、主要平野相互の境界となる山地や丘陵は、交通の大きな障害とはならなかった。陸地は他地方に対して閉鎖的であったが、日本海は他の地方に対しても、対岸のアジア大陸に対しても開かれていた。北陸地方はまた、世界有数の豪雪地帯でこれが人々の生活に大きな影響を与えてきた。積雪日数は平地で60日、山地で120日におよび、積雪量は平野部では50cm程度であっても、山地では4~5mにも達することがある。積雪は日常生活や稲作、水力発電などのために貴重な水資源であったが、農業やその他の経済活動、交通、日常生活の障害となってきた。地域の性格 北陸地方は日本の中央部に位置するが日本海側にあるため、中心部からの隔絶性が強い。また、日本中央部に東西に長く広がっている北陸地方は、西日本と東日本の漸移的な性格をもっている。新潟県と富山県は東京と、福井県は大阪との結びつきが強く、石川県は大阪とのほか東京との結びつきも無視できない。また、北陸地方は寒地型稲作の南限に位置するとされ、寒さや短い成長期間を克服するために歴史的に様々な技術改良が試みられた1つの拠点としての性格をもっていた。文化的に北陸地方が西日本の境界であることはよく指摘されている。例えば、富山・新潟県境と愛知・静岡県境を結ぶ線が、東西方言の境界とされている。また、経済活動についても独特な性格がみられる。積雪によって冬季の農作業が制限されるために、農業は水稲単作によって特徴づけられ、また、古くから出稼ぎなどの農外就業が盛んであった。1960年代からの工場進出によって、出稼ぎが通勤兼業に転換された。北陸地方では古くから地場産業が盛んであり、各地での織物業のほかに、刃物や食器、漆器や陶磁器、薬、桐ダンスなど多様な産業があった。さらに大正期から昭和初期にかけ電力と石灰石、石油や天然ガスなどの資源開発によって近代工業が発達した。江戸期から明治初期にかけては、高い米の生産性と北前船による物流の繁栄により、北陸地方の経済的地は高かった。しかし、明治期後半以降、太平洋側を中心とする経済開発が進められる、北陸地方の経済的地位は低下し、労働力とエネルギー、食料の供給地となった。 北陸地方の人間に共通する特徴としては、まじめさ、がまん強さ、人情の厚さ、近所づきあいの深さとよそ者意識の強さなどがある。また、北陸地方では浄土真宗が古くから栄えたところである。浄土真宗の教えは「弥陀の本願を信じて念仏となえることであり、勤勉に働き蓄財することが弥陀のみこころにかなう」とされた。1960年代までは浄土真宗が北陸地方の人々の生活に深く浸透しており」、これが北陸地方の人々の生活を規定する重要な要因であった。地域性とジオパーク 北陸地方の各県にはそれぞれ性格の異なったジオパークが立地しており、それぞれが固有の地域資源を活用してジオストリーをつくり地域振興を進めようとしている。さらには、北陸地方という1つのまとまった独特の地域の性格を活かしながら、ジオパーク相互の連携が図られるならば、より複合的で多様なジオパークの魅力を発信することができるだろう。
著者
宮田 康人 本田 秀樹 薮田 和哉 林 明夫 山本 民次
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_394-I_399, 2011 (Released:2011-12-08)
参考文献数
20

海域環境修復材として製鋼スラグ製品を組み合わせた製鋼スラグマウンドの適用性を検討するため,実海域試験を実施した.設置15ヶ月までの調査の結果,ミルが繁茂し11ヵ月後の被度調査において100%近い被度であったこと,クロダイ,メバルなどの魚類の蝟集が観察されたこと,底生生物の個体数や湿重量が砂泥質の原地盤よりも多くメバルなどの摂餌対象の種が多く認められた.以上より,製鋼スラグマウンドの藻場・魚礁としての有用性が示唆された.今後,効果の継続性を明らかにする必要がある.