著者
平林 淳利
出版者
日本アフリカ学会
雑誌
アフリカ研究 (ISSN:00654140)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.97, pp.1-11, 2020-05-31 (Released:2021-05-31)
参考文献数
21

シエラレオネで1991年から2002年まで続いた内戦の要因の一つに,伝統的指導者であるパラマウント・チーフによる不公平な統治や権限乱用があげられている。内戦後の2004年にシエラレオネ政府が施行した地方自治法では,地方議会を復活させ,パラマウント・チーフの権限を制限し,民主的な統治および地方開発を推進する動きが見られる。本論文では,シエラレオネの地方自治法が規定する地方開発体制と仕組みに準じて実施した,日本の技術協力「シエラレオネ地域開発能力向上プロジェクト」を事例とし,同プロジェクトリーダーを務めた筆者が,現地の聞き取り調査およびプロジェクト報告書などをもとに,地域活動におけるパラマウント・チーフの関与の実態とその仕組みを分析する。そのうえで,シエラレオネの地方自治制度が意図する民主的な地域活動の状況を考察する。
著者
林 淳
出版者
山川出版社
雑誌
歴史と地理 (ISSN:13435957)
巻号頁・発行日
no.610, pp.44-49, 2007-12
著者
牛田 啓太 林 淳哉 チャントラシリ ナイワラ P. 原島 博 石川 洵
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.133-141, 2006
参考文献数
21

This paper focuses on platforms for computer-human interaction and communication, with intuitive interfaces. The authors propose and examine "i-ball 2 (interactive/information ball 2)", which consists of a crystal-ball-like display and several types of input interfaces. i-ball 2's display system is unique. By using lens, the image appears as if it were in the ball. And i-ball 2 has two display systems and up to two users participate in interactive experience. Input interfaces of i-ball 2 are ball rotation, camera input and optical switches. The authors implemented 1) 3-D display, 2) amusement-oriented, 3) communication-oriented based on facial expression, and 4) simplified mutual telexistence (videoconference) applications. The authors exhibited i-ball 2 and believed that it is effective for intuitive computer-human interaction through the users' reaction.
著者
Gabius Hans-Joachim 平林 淳
出版者
FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
雑誌
Trends in Glycoscience and Glycotechnology
巻号頁・発行日
vol.6, no.29, pp.229-238, 1994
被引用文献数
7

ヤドリギは、ケルト人によって伝統的にすべての病を癒す「万能薬」とみなされていたことが古代ローマの歴史家プリニウスによって記されている。しかし一方では、北欧神話にでてくるバルドルの物語のように、致死毒をもった兵器としての側面もあわせもつ。けっして科学的な根拠に裏付けられたわけではないが、こういった伝承が今世紀になってR. スタイナーがヤドリギ抽出物を癌治療へと用いるひとつのきっかけになった。今日の西ヨーロッパでは、いわば非科学的といえる種々のヤドリギ製剤が出回り、かなりの人気を博している。しかし、一般に主張されるような医学上の効用については、いまだに科学的な証明がなされておらず、無神論的立場をとる医学界での評価を受けていない。効用についての判断に際し明らかに障害となっているのは、市販の抽出物中に含まれる各化合物の濃度が明記されていないことだ。そこには生理活性を示す物質も含まれているはずだが、どのように処方すべきかも定っていない。このように、現状では真相解明以前の問題で、用いる側の願望が先行し、性状が明らかにされた物質を用いた無作為試験などによる将来につながる方策が取られていない。しかし、最近になって臨床研究へと発展させるべく、地道ではあるが着実な生化学的、細胞生物学的、そして実験動物を用いた研究がなされるようになってきた。ここで焦点を当てるのはヤドリギに存在するレクチンである。動物腫瘍モデルを用いた in vitro、in vivo の実験によると、ある種のガラクトシド結合性レクチンがさまざまな生物応答反応を調節することが示されている。レクチンによる免疫調節能の医療効果については早急には結論づけられないが、このような神話や伝説が伏線となって現在のレクチン研究が医療応用に向けて動き出そうとしている。
著者
荻 和弘 小林 淳一 竹田 康佑 井手 隆 宮崎 晃亘 平塚 博義
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.173-176, 2015
被引用文献数
2

Carcinoma ex pleomorphic adenoma mainly occurs in the major salivary gland, and a tissue type of myoepithelial carcinoma is extremely rare in the minor salivary gland.<br>We report a case of myoepithelial carcinoma ex pleomorphic adenoma of the hard palate in a 65-year-old man. At presentation, a tumor measuring 23 × 16 mm, which had a painless elastic hard, smooth surface and clear border, was found in the right side of the hard palate. Computed tomographic scanning and magnetic resonance imaging indicated the suspicion of malignancy. Histological examination suggested a myoepithelial carcinoma. A partial maxillectomy combined with a supraomohyoid neck dissection was performed. The histological diagnosis of the resected specimen was a myoepithelial carcinoma ex pleomorphic adenoma. There has been no sign of recurrence as of 2 years postoperatively.
著者
小林 淳希 宮下 洋平 大洞 裕貴 織田 さやか 田中 邦明 松野 孝平 山口 篤 今井 一郎
出版者
Faculty of Fisheries Sciences, Hokkaido University
雑誌
Memoirs of the Faculty of Fisheries Sciences, Hokkaido University (ISSN:24353361)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.33-67, 2021-12

Onuma and Konuma are belonging to the Onuma Quasi-National Park and are located in southern Hokkaido. The fisheries and tourism are important industries in this lake area. Eutrophication has progressed in these lakes since the 1980s, and nuisance blooms of cyanobacteria have occurred every summer to autumn. The outbreaks of cyanobacterial blooms substantially destroy the ecosystem due to the production of cyanobacterial toxins, and effective countermeasures are urgently needed. However, in the lakes of Oshima Onuma, there is a paucity of knowledge about the appearance trends of phytoplankton including cyanobacteria. Therefore, seasonal monitorings were carried out on the phytoplankton community in the water column and the relatioships were discussed between dynamics of phytoplankton communities and changes in environmental factors in the lakes of Oshima Onuma. The survey was conducted once a month as a rule at Stns. 1-5 (Stn. 1 is the northeastern end of Onuma, only Stn. 5 is in Konuma) and at Stn. OP and Stn. OC along the shore of the Lake Onuma during the period of May-November 2015 and April- October 2016. The parameters of hydraulic environments were measured about water temperature, pH, transparency, dissolved oxygen, nutrient concentrations (NO3-N, NO2-N, NH4-N, PO4-P, SiO2-Si), chlorophyll a concentration, and pheophytin. The chlorophyll a concentration of the surface water showed a single-peak type fluctuation with the maximum value (28.7 μg L-1 at Stn. 2) in August at all stations in 2015. In 2016, the largest single-peak type fluctuation was observed in September- October with the exception of Stn. 3. Concerning the seasonal variation of the phytoplankton species, the proportion of Uroglena volvox (Chrysophyceae) was high at Stn. 5 in May, but the pennate diatoms Fragilaria crotonensis and Asterionella formosa, and the centric diatoms Aulacoseira spp. at other stations other than Stn. 5. As for cyanobacteria in August 2015, Dolichospermum planctonicum, possessing an ability of nitrogen-fixation, dominated (maximum 4.4×104 cells mL-1) at all the stations under the severe nitrogen-deficient conditions (N/P &lt; 16). In the following year 2016, the cell densities of Dolichospermum spp. were low, and Microcystis spp. dominated at all the stations (up to 5.6×104 cells mL-1) with the enough nitrogen conditions. It is hence thought that the N / P ratio determined the dominant species of cyanobacteria in the summer season. In September and thereafter, the number of phytoplankton cells decreased on the whole in both years, and the centric diatoms Aulacoseira spp., Cyclotella spp. and the cryptophyte Cryptmonas spp. tended to increase. Considering the occurrence mechanisms of cyanobacterial blooms based on the fluctuation trends of cyanobacteria in the water columns, it is found that the supply of Microcystis aeruginosa from the lake bottom sediment to the water column (water temperature of 10-15ºC is required) is progressing at all stations in April-June. Since Onuma and Konuma are shallow with an average depth of 4.7 m, wind-inducing resuspension of bottom sediments probably contribute to the supply of cyanobacteria to water columns. In addition, since cyanobacterial cells tend to float and accumulate in surface water, it is needed to take physical factors such as wind and flow into consideration regarding the distribution of the blooms of cyanobacteria.
著者
藤井 千里 赤間 明子 大竹 まり子 鈴木 育子 細谷 たき子 小林 淳子 佐藤 千史 叶谷 由佳
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1_117-1_130, 2011-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
42

本研究の目的は,訪問看護ステーションの収益と管理者の経営能力との関連を明らかにすることである。全国のステーション管理者を対象に質問紙調査を行い,有効回答数64ヶ所のデータを集計分析した。 その結果,次のことが明らかとなった。管理者が収支を予測したり,経営戦略の策定,経理・財務を理解している割合や他職種にステーションの過去の実績を示す,利用者獲得に向けた活動の評価について実施している割合が低かった。一方,従事者数や利用者数が中央値より多い,管理者が経営学を学んでいる,経営戦略や経営計画を策定し,採算性の評価をしている,必要な情報を収集・分析し,有効に活用しているステーションは,有意に収益が高かった。 以上より,ステーションの経営の安定化には,計画に基づいた事業の実施とその評価,利用者だけではなく,医師や介護支援専門員等の専門職を顧客と位置づけて営業活動を実施していくことの重要性が示唆された。
著者
永田 員也 日笠 茂樹 酒木 大助 小林 淳 宮原 謙二 和泉 俊弘 須田 敬也 豊原 麻美 加藤 淳 中村 吉伸
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.343-349, 2007-09-01 (Released:2015-04-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

高速撹拝ミキサーを用い炭酸カルシウム(CaCO3;平均粒子径1.4μm)とタルク(3.2μm)の複合化とステアリン酸表面処理とを同時に行い調製したハイブリッドフィラー(Hybridized Filler),,エチレンープロピレンージエン三元共重合体(EPDM)およびPPとを二軸押出機により混練し,複合材料を調製した。得られた複合材料はマトリックスPPにタルク,CaCO3,EPDMがそれぞれ単独に均一分散していた。PPにHybridized Fillerを充填した複合材料の衝撃強度はタルク充填複合材料に比べ優れていた。さらに,EPDMをPPに添加(ブレンド)によりHybridized Filler充填複合材料の衝撃強度は大きく向上した。EPDM(2mass%)ブレンドPPにHybridized Fillerを充填した複合材料の衝撃強度はタルクを充填した複合材料に比較し50%以上向上し,弾性率はタルクを充填した複合材料とほぼ同じであった。複合材料の弾性率向上にはCaCO3に比較してタルクが大きく寄与しており,衝撃強度の向上にはCaCO3が寄与していると考えられる。さらに,CaCO3による衝撃強度の向上においてEPDMのブレンドがその効果を著しく向上させおり,CaCO3粒子とEPDM粒子が共存するとその衝撃強度が相乗的に向上することが明らかとなった。アイゾット衝撃強度試験の破壊を顕微鏡観察した結果,マトリックスとは構造の異なる領域(白化領域)が観察され,これは,フィラー粒子界面に形成されるボイド,エラストマー粒子近傍に形成されるPPのクレーズ,フィラー粒子間でのせん断降伏に起因して形成されたと考えられる。この白化領域が形成される体積が大きいほど複合材料の衝撃強度が大きいことが明らかとなった。
著者
黄木 千尋 赤間 由美 森鍵 祐子 小林 淳子
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 医学 : 山形医学 = Bulletin of the Yamagata University. Medical science : Yamagata medical journal (ISSN:0288030X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.25-35, 2021-02-15

背景】日本人の2人に1人ががんに罹患するといわれている。喫煙は、がんに最も大きく寄与する因子であり、がん患者のたばこ対策は大変重要であるが、がん患者の喫煙の実態や関連要因・社会的ニコチン依存度に関する報告は少ないのが現状である。外来化学療法を受けている患者の喫煙の実態と認識を明らかにすることを目的として、がん患者に対する効果的な禁煙指導、喫煙防止対策を検討した。【方法】対象はA病院において外来化学療法を行う患者のうち認知症や質問紙調査票への記入が困難な患者を除外した257名。調査内容は、基本属性、対象者と家族の喫煙状況(「非喫煙」「過去喫煙」「現在喫煙」とブリンクマン指数(一日喫煙本数×喫煙年数))、喫煙に対する認識(加濃式社会的ニコチン依存度(KTSND)と加熱式タバコに対する認識)、禁煙理由である。本研究は山形大学医学部倫理審査委員会の承認(2019-22)を得て行った。【結果】分析対象は257名、有効回答率100%であった。対象者の喫煙状況は、「非喫煙」106名(41.2%)、「過去喫煙」144名(56.0%)、「現在喫煙」7名(2.7%)であった。同居家族に喫煙者がいる割合は、「非喫煙」19.8%、「過去喫煙」25.0%、「現在喫煙」57.1%であった。「現在喫煙」のブリンクマン指数は「過去喫煙」よりも高く、喫煙による健康への影響を強く受けていることが推察された。KTSND得点は、「非喫煙」よりも「現在喫煙」「過去喫煙」が有意に高く、喫煙経験者は非喫煙経験者よりも社会的ニコチン依存度が高く喫煙を容認していた。「加熱式タバコは禁煙の場で使用してもよいと思う」割合は「現在喫煙」が「非喫煙」「過去喫煙」よりも有意に高い結果であった。また、「加熱式タバコを使う事は健康に対し害が少ないと思う」「加熱式タバコを使うことは禁煙に役立つと思う」者がそれぞれ約30%となり、加熱式タバコに関する正しい知識の普及啓発の必要性が示唆された。【結論】外来化学療法を受けているがん患者について、現在喫煙している患者への禁煙支援は重要な課題であり、家族を含め、過去喫煙者・非喫煙者に対しても喫煙による健康被害の知識の普及・啓発と継続した喫煙状況の把握に基づく禁煙支援の必要性がある。
著者
倉沢 新一 菅原 龍幸 林 淳三
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.400-406, 1982-07-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
14
被引用文献数
10 15

栽培種および野生種のキノコ類の31種43試料について,その一般成分と26種27試料につきのDF量の分析を行った。その結果,タンパク質や脂質は一般に低い値であったが,炭水化物や灰分はかなり高い値を示した。DFを定量する際,試料を加熱乾燥すると加熱によりNDF量の増加が認められた。DFについては,NDF, ADF,リグニン,ペクチン様物質および粗繊維を定量した。キノコ類中のDFの平均の値は,乾燥重量あたりNDF 35.7%, ADF 14.3%,リグニン2.9%,ペツチン様物質3.7%であった。したがってセルロース量11.4% (ADFとリグニンとの平均値の差でも11.4%),ヘミセルロース量21.4%(NDFとADFとの平均値の差でも21.4%),総DF量39.4%ほどであった。NDFとペクチン様物質を合計し総DFとし,これと粗繊維との比を求めると5.8となり高い比率が得られた。
著者
鈴木 勝昭 武井 教使 土屋 賢治 宮地 泰士 中村 和彦 岩田 泰秀 竹林 淳和 吉原 雄二郎 須田 史朗 尾内 康臣 辻井 正次
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、自閉症の病態において脳内コリン系の果たす役割を明らかにすることにある。自閉症者脳内のアセチルコリンエステラーゼ活性を陽電子断層法(PET)により計測したところ、顔認知に重要な紡錘状回において有意に低下していた。さらに、この低下は社会性の障害の重症度と逆相関していた。すなわち、紡錘状回におけるコリン系の障害が強いほど、社会性の障害が強いという相関関係が示唆された。この結果は、自閉症のコリン系の障害は発達の早期に既に起こっており、顔認知の障害がもたらされ、もって社会性の障害の基盤となっていることを示唆している。そこで、認知の障害を注視点分布によって検出し、早期診断に役立てるために、乳幼児でもストレスなく注視点を測定可能な機器の開発を産学連携で行い、現在も継続中である。
著者
小清水 直樹 井上 裕介 伊藤 靖弘 岩嶋 大介 菅沼 秀基 小林 淳 朝田 和博 須田 隆文 千田 金吾 田井 久量
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.25-30, 2009-01-25 (Released:2016-10-29)
参考文献数
15

背景.気管気管支アミロイドーシス(以下ア症)は中高年に多くみられる疾患であり若年者の報告はまれである.症例.15歳女性.2004年より嗅覚の低下があり,アレルギー性真菌性副鼻腔炎が疑われた.2006年8月鼻出血が続き,易出血性の副鼻腔ポリープがみとめられた.当院耳鼻科でポリープ切除術を施行し,鼻腔アミロイド(AL型)と診断された.全身検索目的および乾性咳嗽にて,当科に紹介となった.気管支鏡検査では,気管下部よりびまん性に粘膜の発赤・浮腫性の腫脹があり,易出血性で気道は狭小化していた.気管支粘膜生検でもアミロイドの沈着をみとめた.明らかな基礎疾患はなく,その他の臓器にはアミロイドの沈着はみられず,原発性と考えられた.呼吸器症状は軽微で,若年者でもあることから,吸入ステロイド剤投与にて経過観察をしている.4ヵ月後の胸部CTでは,気道病変に変化をみとめていない.検索した限りでは,原発性気管気管支ア症としては,本例が最年少であった.結論.基礎疾患のない若年者にも,気管気管支ア症がみられることがある.びまん性気管気管支ア症に対する副作用の少ない有効な治療法の開発が望まれる.