著者
鈴木 莉子 小西 幹人 池田 順哉 林 大地 深井 颯 菅原 優 町井 湧介 山浦 佑介
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.3Q5GS901, 2020 (Released:2020-06-19)

ドキュメントに含まれる画像はテキストの内容理解を助ける役割を持つが、画像とテキストの間に整合性が無い場合は、読み手の理解を妨げる恐れがある。ドキュメント作成時の人的ミスやデータの改ざん等により、画像に対してテキストの意味が部分的に変わってしまう場合は、作成者が矛盾点に気付きにくいため、意図せずドキュメントの品質を落としてしまう可能性もある。本研究では、マルチモーダル深層学習を用いて、画像とテキストの整合性判定を行い、画像の物体領域とテキストの単語の関連性を学習するCross Attentionにより、画像とテキストの矛盾点を可視化するモデルを構築する。画像とキャプションが対になったデータセットを元に、キャプションの意味を部分的に変更したデータセットを作成し、提案モデルの有効性を検証すると共に、Cross Attentionにより可視化される画像とテキストの対応関係について考察する。
著者
林 孝一 御園 秀一 渡邉 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.2_1-2_8, 2014-09-30 (Released:2014-10-25)
参考文献数
9

日本の代表的なセダンの全高の推移において'80年代半ばに減少から増加に転じ、更に'90年代後半から2000年初頭にかけ100mm近くも急増する特異性を指摘した。その因子を抽出し、将来の自動車デザインのための知見を得ることを目標とした。全高の変化の様子から、1954年から2012年までの期間を4つに分け考察を行った。その結果、道路環境の変化、スポーツカーや帽子着用等の流行すたり、車自体の構造変化、プレス技術の進化、ユーザーの車への要求の変化、石油高騰と環境問題の悪化、エコカー減税や補助金政策の影響など、時代による各因子の影響で全高は特異な変遷を示したことが推定された。特に新たな快適性の提案をしたプリウスの影響が最も大きかった。一方、全高/全長というプロポーションの値で見ると、時代変化には左右されにくい、人が受容し得るセダンとしての領域、更には各車格毎の領域が存在する可能性が見えてきた。この領域の中央値を高級セダン、小型セダン、大衆セダン毎に導出した。
著者
松本 亮介 田平 康朗 山下 和彦 栗林 健太郎
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-36, no.26, pp.1-8, 2017-02-24

Web ホスティングサービスにて管理者がテナントごとのコンテンツを制御できないような高集積マルチテナント Web サーバ環境では,ホスト間のリソース競合を減らすことが安定運用にとって不可欠である.しかしホスト数が増えるにつれ,サーバ内の原因となるホストの監視や制御のコストも増加するため運用は難しくなる.本論文ではリソースの各指標の時系列データの変化点検出,ならびにサーバ内ホストやプログラムの各指標の重みづけによって,システムリソース逼迫状況下で多量のリソースを消費するリクエストを同定し隔離する自律的アーキテクチャを提案する.
著者
服部 正嗣 澤田 宏 殿岡 貴子 坂田 岳史 藤田 早苗 小林 哲生 亀井 剛次 納谷 太
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.3M1GS1203, 2020 (Released:2020-06-19)

児童や生徒は、期末テストや模試等で問題を解くことによってその時点での学習状況を把握している。これに加えて共通の問題を解いた集団のテスト結果を適切に分析できれば、テスト後の学習に有用な情報を得ることができると考えられる。本研究では、集団のテスト結果を対象にVariational Autoencoderを適用し、児童生徒の各問題への回答傾向および同様の解かれ方をしている問題の集合について分析する。具体的には、生徒一人ひとりが各問題に正答したか誤答したかを入力とし、同じ出力を得られるようAutoencoderを学習する。学習の際に、従来の損失関数に加えて入力がすべて0、1(誤答、正答)であるならば潜在変数もすべて0,1となるような制約など、潜在変数が正答率と相関するような複数の制約を加えた。このことによって得られたVariational Autoencoderの潜在変数を用いると児童生徒や問題についての解釈を加えることが可能であり、問題の集合や解くために同様の能力を要求されると考えられる問題の集合や各児童生徒が前述の問題の集合のいずれが得意でいずれが不得意かについての知見が得られた。
著者
茅原 紘 中川 賢司 只左 弘治 林 俊英 米田 公生 武藤 紀生 中川 博司
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要
巻号頁・発行日
vol.33, no.1-2, pp.1-8, 1996-12-31

アラキドン酸(AA)のシクロオキシゲナーゼ系代謝産物の一つであるトロンボキサンA2(TXA2_)は,血栓症や動脈硬化症の発症に深く関与している事が知られており,近年,TXA2生合成の選択的抑制についての研究が多くなされる様になって,天然物及び合成物から活性物質が見いだされてきた。しかしハーブ類に関するこの種の研究はほとんどなされていない。本実験では従来ハーブの中で血液及び循環器系に対して何らかの効果があるとされているハーブ13種類を選出し,主としてAAによって惹起される血小板凝集の抑制能を調べた。その結果,バジル,ゲラニウム,ジャスミン,ペパーミント及びローズウッドに顕著な抑制能が観察され,ジュニパー及びネロリもかなり高い阻害能を有する事が判った。更に,ハーブ精油成分について抑制能を調べた結果,オイゲノール及びカルバクロールに強い抑制能が見られ,特にオイゲノールは0.75μMの濃度で完全に抑制した。最後に,被験物質がアラキドン酸カスケードのどの段階に作用しているかを調べた結果,シクロオキシゲナーゼの活性を抑制しているか,またはアラキドン酸に直接作用している可能性を示唆する結果を得た。 本研究は最近特に注目されだした芳香療法(アロマテラピー)の分野において,血栓症や動脈硬化症の予防および治療を目的としてハーブの種類を選択する際の指針を提供するものと考える。
著者
吉田 明夫 小林 昭夫 塚越 利光
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.401-406, 2006-03-31 (Released:2010-03-11)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Areal strain increased noticeably in the region around the northern boundary of the Izu Peninsula in September to December 2000 when a lot of low-frequency earthquakes occurred beneath Mt. Fuji. In the same time the seismic activity in eastern Yamanashi Prefecture became low. Since increase of the areal strain indicates reduction of the pushing force of the colliding Izu block, the decrease of seismicity in eastern Yamanashi Prefecture is easily understood. Further, because diminution of the tectonic stress beneath Mt. Fuji implies reduction of the confining pressure in the magma reservoir, we think it is probable that degassing took place in the magma to build up high pressure in the focal region near the chamber which caused the remarkable activity of the low-frequency earthquakes. We suggest the noticeable increase of the areal strain in late 2000 might be produced by a mechanical separation of the Izu block from the Philippine Sea plate or detachment of the crust of the Izu block as proposed by Seno (2005).
著者
堀尾 裕俊 野守 裕明 森永 正二郎 冬野 玄太郎 小林 龍一郎 伊賀 六一
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.439-443, 1996-04-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
8
被引用文献数
1

症例は51歳, 男性. 特発性間質性肺炎の経過観察中, 肺癌を発見された. 肺癌の病期および間質性肺炎の活動性や呼吸機能の結果より手術可能と判断し, 左上葉切除を施行した. 術後9日目に間質性肺炎の急性増悪を認めたが, 迅速な診断と早急なステロイド治療により救命し得た. 肺癌術後急性増悪例は致命的であり, その救命率はきわめてまれであるため報告した.
著者
林 優一
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.28-37, 2019-07-01 (Released:2019-07-01)
参考文献数
13

情報セキュリティ確保に関する重要性が日々増大する中,上位レイヤにおけるセキュリティ確保と同様,物理層におけるセキュリティ確保の重要性も高まっている.近年の計測器の高精度化・低価格化,計算機の高速化と記憶装置の大容量化に伴い,従来では技術的に困難だった高度な攻撃の脅威が増大しており,こうした脅威は軍事・外交分野のみならず民生品へと拡大している.本稿では,物理層におけるセキュリティの中でも,攻撃の痕跡が残り難いため,その脅威の検出が困難とされる電磁波を通じたセキュリティ(電磁情報セキュリティ)の問題に焦点を当て,民生用機器にも拡大している電磁波を通じた情報漏えいの脅威について解説するとともに,情報漏えいのメカニズム,そして,メカニズムに基づく上位レイヤのプロトコルやアプリケーションに依存しない情報機器全般に適用可能な漏えい情報の計測を困難化する対策手法を紹介する.
著者
酒谷 薫 岡本 雅子 小林 寛道 辻井 岳雄
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

現代社会に蔓延するストレスは、様々な疾患の主要原因の一つである。本研究では、近赤外分光法(NIRS)を用いて、前頭前野の神経活動を計測し、自律神経系・内分泌系機能及び心理状態とともに、ストレスを客観的に評価する方法を開発した。さらに本法を用いて、中高齢者における運動療法のストレス緩和効果について検討し、軽い運動でもストレス緩和効果があることを明らかにした。さらに高齢者に軽い運動を負荷することにより、前頭前野のワーキングメモリー課題に対する反応性が上昇し、パフォーマンスが向上することが示唆された。本ストレス評価法と運動療法を組み合わせることにより、ストレス性疾患を予防できる可能性がある。
著者
野村 和孝 山本 哲也 林 響子 津村 秀樹 嶋田 洋徳
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.143-155, 2011

本研究の目的は、性加害行為経験者を対象とした認知行動療法的治療プログラムを構成する心理社会的要因が、性加害行為抑止効果に及ぼす影響についてメタ分析を用いた検討を行うことであった。性加害行為抑止を目的とした認知行動療法的治療プログラムを心理社会的要因の構成に基づき分類したところ、セルフ・マネジメントの有無に基づく分類がなされた。セルフ・マネジメントの有無が性加害行為抑止に及ぼす影響についてメタ分析を行った結果、性的嗜好、歪んだ態度、社会感情的機能、リラプス・プリベンションから構成される治療プログラムの性加害行為抑止効果が確認された一方で、ストレスマネジメントなどのセルフ・マネジメントの向上を目的としたアプローチの手続き上の工夫の必要性が示唆された。
著者
木林 悦子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.112-120, 2020-06-01 (Released:2020-07-17)
参考文献数
35

【目的】中学生の朝食欠食者における食生活改善への準備性からみた変容ステージと食事摂取状況の特徴について明らかにすること。【方法】兵庫県の公立中学校(2校)に在籍する2年生325名を対象とした。朝食欠食者は,「朝食を毎日食べる」の質問に対し,二者択一で回答させ,変容ステージは,Transtheoretical Modelに基づいた5段階の選択肢から決定した。食事摂取状況には,半定量食物摂取頻度調査票を用いた。朝食欠食と変容ステージの関連は,従属変数を朝食欠食の有無,独立変数を変容ステージ,性別と家族構成を調整因子として二項ロジスティック回帰分析を行った。【結果】朝食欠食者の変容ステージが前熟考期の割合は45.2%であった。食事摂取状況では,朝食欠食者において,男子では脂肪エネルギー比率が高く(p=0.017),女子ではカルシウム摂取量が低くなり(p=0.013),朝食欠食の有無との間に有意な関連が認められた。二項ロジスティック回帰分析をした結果,前熟考期における朝食欠食のオッズ比(95%信頼区間)は,準備・実行・維持期を基準として,2.61(1.02~6.71)と有意に高かった。【結論】中学2年生の朝食欠食者において,男子では脂肪エネルギー比率が高く,女子ではカルシウム摂取量が低いことが示唆された。また,食生活改善への準備性からみた変容ステージが前熟考期であることと朝食欠食には関連があることも示唆された。
著者
林 知己夫 林 文
出版者
統計数理研究所
雑誌
統計数理 (ISSN:09126112)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.p27-80, 1995
被引用文献数
1
著者
大下 優介 八木 敏雄 平林 幸大 石川 紘司 江黒 剛 逸見 範幸
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.384-388, 2019 (Released:2019-11-08)
参考文献数
8

登山ブームに伴い富士登山を楽しむ方が増えてきている.しかし登山に伴い受診を要する疾患についての報告は多くない.そのため当院に受診した症例を調査し今後の予防と対策を検討した.2018年の富士山の登山シーズンに受診された症例を後ろ向きに検討した.受診された症例は24名(男性10名,女性14名)であった.平均年齢は48歳(16歳~73歳)であった.受傷患者の富士登山経験回数は初回が13人(54.2%)であり,1~3回目が6人(25%),4~5回目が1人(4.2%),10回以上が4人(16.7%)であった.登山のレベルの自己評価では16人(66.7%)が初心者,5人(20.8%)が中級者,3人(12.5%)が上級者と答えた.また16人の初心者の内3人(12.5%)は登山そのものが初めてであった.受傷時の疲労度は,「とても疲れていた」6人(25.0%),「やや疲れていた」10人(41.7%),「やや余裕があった」2人(8.3%),「十分余裕があった」6人(25.0%)であった.当院に受傷された症例は,登山初心者が,疲れている状態で受傷されていた.
著者
小林 康夫 小林 元雄 KOBAYASHI M.
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2001

前年度の研究を基に英文モノグラフの草稿作成を主とし、新たに下記のトピックを研究した。1.明治30年代小説が前景化した「社会」「家庭」とそれをめぐるドラマを国民国家生成に関連づけ、そこに固有の主体形成に関わる物語として分析した。近代文学史的枠を外し、尾崎紅葉、広津柳浪、川上眉山等、代表的文壇作家の小説を同じメディア空間に現れた、徳富蘆花、菊地幽芳、村井弦斎等の非文壇的「流行」小説と対比し、関連づけた。特に、弦斎の『日之出島』、蘆花の『黒潮』に注目した。2.20年代「美文」と近代紀行文成立との関係を、表象としての「自然」の生成過程として考察した。さらに、30年代の蘆花、子規の写生文との関連を探った。背景に明治初頭以来の近代地理学的知の移入、『日本風景論』に至る国粋保存的地政学言説の勃興、そして近代的「地誌」の「民俗誌」への変成という歴史過程がある。この背景も含めて「日本」というトポスがいかに形成され機能したかを考察した。『自然と人生』等の詩的自然風物誌に対象化された「自然」、そして同時代小説で他者として表象される「地方」はこの「日本」を共通の背景として生成する。3.出版資本の発達に伴う想像の共同体の成立は、知のパラダイム転換として理解されているが、文学がナショナリズムに関わるいま一つ重要な様式は、声、物語の共有に基づく情念の共同体の形成である。大衆小説の原型とされる講談落語そして歴史小説における、「実録物」的物語の再説話化は、活字化されても、声の共同体の記憶をひきずっており、そのことで大衆的道徳感情に訴える。明治20年代に勃興する新派劇、浪花節は、このメカニズムを内包しており、講談落語の速記出版、歴史小説の流行とも相関関係にある。この視角から、村上浪六、村井弦斎等の大衆歴史小説に焦点を当て、近世的世俗道徳理念を国民国家の情緒的共同性のエトスとして転位させる説話構造を探った。