著者
清水 泰生 岡村 正史 梅津 顕一郎 松田 恵示
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.25-45,119, 2006
被引用文献数
1

本稿は、平成15、16年度の2年間にわたり、本学会において設置された「スポーツとことば」に関するプロジェクト研究報告である。最初にテレビのスポーツ実況中継の特長について整理をした。そして、札幌オリンピックと長野オリンピックの純ジャンプ競技の中継を文字おこししたものを基に両者に違いがあるかどうかを調べた。札幌は文の形 (主語+述語) がしっかりしているのに対して長野は述語の反復の表現が目立つなどの違いが見られた。このことを踏まえて考えると1972年から1998年の間に実況中継に変化があったと考えられる。次に、この変化を説明するために、プロレスと「古舘伊知郎」という問題に着目してみた。プロレスはスポーツにとって周縁的な存在である。近代スポーツが真剣勝負を追求することによって抜け落ちた要素を体現したからだ。古舘伊知郎は1980年代初頭にプロレスの虚実皮膜性を過剰な言葉で表現し、それ自身虚実皮膜的な「古舘節」を創った。プロレス実況を辞めた後の彼は主として芸能畑をフィールドとしたが、舞台でのトークショーの試みの中で新境地を開き、今ニュースキャスターとして、「古舘節」を抑える日々を送っている。そして最後に、我々は1980年代における新日本プロレスブームと古舘節の、ポストモダン的文脈について考察した。周知のようにプロレスは80年代に再びテレビ文化の主役に踊り出たが、それはかつての力道山時代ような大衆文化としてではなく、若者を中心としたサブカルチャーとしてであった。そして、1980年代における状況は、その後のポストモダン状況に比べればほんの入り口に過ぎず、東浩紀も指摘するように、日本の若者文化は1996年以降、ポストモダンの新たなる段階へと突入する。そうした中80年代型スノッブ文化の申し子とも言うべきプロレスは埋没し、古舘節だけがプロレスという本来の文脈を離れ、スポーツ観戦のサブカルチャーにおける、ある種の「萌え要素」として機能することとなったのである。
著者
菅野 敦 正宗 淳 花田 敬士 真口 宏介 清水 泰博 植木 敏晴 長谷部 修 大塚 隆生 中村 雅史 竹中 完 北野 雅之 菊山 正隆 蒲田 敏文 吉田 浩司 佐々木 民人 芹川 正浩 古川 徹 柳澤 昭夫 下瀬川 徹
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.16-22, 2017-02-25 (Released:2017-03-17)
参考文献数
16
被引用文献数
5 3

膵癌早期診断研究会が主導して行った,早期診断された膵癌の実態調査について報告する.40例のStage 0膵癌と119例のStage I膵癌が集積された.膵癌全体に占めるStage 0膵癌とStage I膵癌の割合は約2%であり,Stage 0膵癌は0.6%であった.症状を認めたために医療機関を受診した症例は38例(23.9%)と少なかったのに対して,検診にて異常を指摘され受診した症例は27例(17.0%),他疾患の経過観察中に異常を指摘された症例は85例(53.5%)と無症状で医療機関を受診した症例が多かった.検診にて異常を指摘された27例中,膵管拡張を指摘された症例が19例と画像における副所見の指摘から精査を行った症例が多かった.術前の病理診断では,超音波内視鏡下穿刺吸引法を用いた症例(30.8%)と比較して,内視鏡的逆行性胆管膵管造影下にて病理検体を採取した症例(77.8%)が多かった.予後は良好であったが,14.5%の症例で術後の残膵に膵癌が新たに発生した.今回の調査が,膵癌の早期発見ならびに予後改善に寄与をすることが期待される.
著者
清水 泰雄
出版者
The Showa University Society
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.71-83, 1989

〈目的〉筋運動には従来より等尺性運動と等張性運動があったが, 最近, これらの運動の長所を取り入れ, 欠点を改善した等運動がスポーツ医学やリハビリテーション医学の分野で行われるようになったが臨床的にはいまだ不明な点が多い.そこで, 等運動機械により筋力測定を行い, 一流スポーツ選手の筋力特性を種目別に検討した.また, 一流スポーツ選手と一般人の膝関節損傷後のリハビリテーションに等運動訓練を行うと同時に筋力値, 仕事量, トルク加速エネルギー等の筋力要素などから筋力回復過程, スポーツやADLへの復帰について, 客観的に評価しうるか検討した.〈対象〉 (1) 各種目陸上競技選手39名 (2) 一般膝関節損傷例5名 (3) 一流スキー選手膝関節損傷9名である.〈方法〉等運動機器CYBEX II (サイベックス) 及びCYBEX data reduction systemを用いて膝関節運動の筋力測定を行った.〈結果〉 (1) 陸上競技選手の測定, 分析で, 膝伸展最大筋力 (Mean±SD) (FT-LBS) において低速群では投擲 (216.3±48.0) , 短距離 (178.5±36.7) , 跳躍 (174.6±35.0) , 中距離 (140.6±8.4) , 長距離 (132.9±18.4) で瞬発力を要する種目ほど高い値を示した.筋仕事量では高速群ほど高く, 40RPMで各種目の最高値を示し, 投擲 (612.6±192.1) が最も高く, 長距離 (292.8±34.1) が最も低かった.また, 筋仕事量耐久率 (30RPMにおいて) では遅筋線維優位型の長距離, 中距離が高く, 速筋線維優位型の短距離, 跳躍, 投擲では50%以下と低い値を示し, スポーツ医学への応用が可能であると考えられた. (2) 一般膝関節損傷例では膝伸展筋力, 屈曲筋力の最大筋が絶対値は訓練日数とともに直線的, 対数的増加を示し, 筋仕事量, power enduranceの要素も, 筋断面積の増加と単位断面積あたりの筋出力の増加とともに向上していた.また, 患側最大筋力が健側に対して30~50%に達したところでADLへの復帰も可能ではないかと考えられた. (3) スポーツ選手のリハビリテーションにおいては, 筋力絶対値の回復より健側に対する患側の筋力回復率を指標とした方が有効であり5RPM, 30RPMの伸展筋力回復率においては有意水準0.01で訓練日数と直線的増加を示したが, 5RPM, 30RPMの屈曲筋力回復率は訓練日数と相関はみられなかった.スキー選手の現役復帰には回復率が70%に達することが重要であり, また, 瞬発力を要するスキー選手の回復にはピークトルク加速エネルギー (PK-TAE) などの回復も重要な指標であると考えられた.以上よりCYBEX IIによる筋力測定からスポーツ医学, リハビリテーション医学への応用が可能であることが示唆された.
著者
清水 泰生 シミズ ヤスオ Shimizu Yasuo
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.91-103, 2017-01-31

Haruki Murakami is a novelist who also competes in triathlons and marathons. How has his running affected him and his literary work? Furthermore, has he read any books about running that offer interesting viewpoints? In addition, how does he train? For this report, I considered works that feature in printed media, such as interviews, essays and other texts. Since many novelists do not participate in sports, Murakami was regarded as a heretic and received continuous criticism. He fought for people who were criticized all the time. It may be said that he is an atypical runner, and is therefore isolated. Also, it can be seen from the Murakami works that literary language and rhythm are important attributes. As well as music, running must affect the form of writing immensely. Additionally, there is the theoretical question about his training, but it may be said that his original training has helped him form a writing style.
著者
清水 泰幸
雑誌
共通教育フォーラム
巻号頁・発行日
vol.13, pp.3, 2011-01-07
著者
藤吉 俊尚 肱岡 範 今岡 大 原 和生 水野 伸匡 田中 努 田近 正洋 清水 泰博 丹羽 康正 山雄 健次
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
巻号頁・発行日
vol.111, no.12, pp.2346-2354, 2014

症例は40歳代の男性.20歳から印刷業に12年間従事し,塩素系有機溶剤に曝露していた.肝機能障害で前医を受診し,肝門部胆管癌と診断され陽子線治療を施行したが,約3年後にリンパ節再発を疑われて当科紹介され,EUS-FNAで診断し化学療法を開始したが,2年でリンパ節が再増大し,外科的リンパ節摘出を施行した.その後1年8カ月再発していない.印刷業従事者が発病し,労災と認定された職業性胆管癌を報告する.
著者
清水 泰行
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.148, pp.123-141, 2015 (Released:2016-05-17)
参考文献数
40

この論文は,「熱っ!」のように,形容詞語幹が声門閉鎖を伴って発話され,感動の意味が表現上実現する文(形容詞語幹型感動文と呼ぶ)を扱い,「感動の対象」を表す「主語」をとるかとらないかに着目して考察する。その結果として,形容詞語幹型感動文について,①即応性と対他性による分析から,構造上の「主語」をとらないと考えられること,②「これうまっ!」における「これ」のような形式は,話し手が聞き手に注意喚起を呼び掛けるための「感動の対象」の提示部であること,③形容詞語幹型感動文を構成する形容詞の性質の違い(属性形容詞か感情形容詞か)の観点から,属性形容詞によるものと感情形容詞によるものの二種に大別できること,④属性形容詞によるものも感情形容詞によるものも体言化形式を持ち,名詞句として感動の表出に用いられることで同じ感動文として機能すること,という四点を述べる*。
著者
清水 泰生 シミズ ヤスオ Yasuo Shimizu
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.131-141, 2015-01-31 (Released:2015-02-04)

The Tokyo marathon has become the first full-scale urban marathon in Japan. People who previously took no interest in running have begun to show interest in the Tokyo marathon. Thus a second running boom is now taking place. This is different from that of the late 1970s because the media covers marathons on a large scale. I would like to consider how Japanese running culture has been built up by the media and how the culture has penetrated Japanese society. The results are as follows. Newspapers covered ordinary participants and citizen runners in the Tokyo marathon and spotlighted them. Family ties was seen in the newspaper articles, and such words as Thanks, thank you and supporting appeared frequently. These words may be closely connected with the fact that marathons are extreme and that no one can run without the support of other people. They may also be connected with Japanese gregariousness and bonding.
著者
船山 理恵 小椋 千沙 清水 香織 国崎 玲子 藤原 武男 越智 真奈美 高橋 美惠子 松岡 朋子 清水 泰岳 新井 勝大
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.718-724, 2016 (Released:2016-04-26)
参考文献数
24

【目的】小児クローン病 (Crohn's Disease; 以下、CDと略) 患者における栄養療法・食事療法の QOLへの影響について検討する。【方法】小児 CD患者27名を対象に、栄養療法や食事療法に関するアンケート調査を行い、IBDQスコアを用いて QOLを評価した。栄養療法実施群と非実施群で IBDQスコアを比較し、重回帰分析により栄養療法・食事療法 と IBDQスコアの関連性を検討した。【結果】栄養療法実施群と非実施群の IBDQスコアに有意差は認めず、重回帰分析より「体調悪化を感じる」食品数が IBDQスコアに有意に関連し、一方で栄養療法は IBDQスコアに関連しないことが明らかとなった。栄養療法実施群では、実施の理由を「医師に言われたから」「病気の悪化を予防できる」と回答していた。【結論】栄養療法は患者の QOLに関連しないことが明らかとなった。栄養療法を行っている患者は、その意義と効果を理解していると思われた。
著者
清水 泰生
出版者
学校法人 京都外国語大学国際言語文化学会
雑誌
国際言語文化学会日本学研究 (ISSN:2424046X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.71-80, 2021 (Released:2022-01-06)

This paper examines the relationships among Haruki Murakami's running, music and his creative activities, such as novel writing. First, I describe the characteristics of Murakami's style and introduce Makino (2013)'s idea that music is what makes his style, along with Shimizu (2017)' s idea that running influences his writing. Based on these considerations, this paper introduces a theory on connecting these two assertions. It next examines the characteristics of Murakami's running in terms of exercise physiology. The results show that running produces serotonin, which greatly influences his creative activities.
著者
井門 彩織 足立 樹 楠田 哲士 谷口 敦 唐沢 瑞樹 近藤 奈津子 清水 泰輔 野本 寛二 佐々木 悠太 伊藤 武明 土井 守 安藤 元一 佐々木 剛 小川 博
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.257-264, 2014 (Released:2015-01-30)
参考文献数
19
被引用文献数
1

チーター(Acinonyx jubatus)において,種を保存するうえで飼育下個体の繁殖は極めて重要である.しかし,飼育下での繁殖は困難とされ,繁殖生理の解明が重要となっている.本研究では,飼育下での環境変化がチーターの発情に与える影響と要因を探ることを目的として,4頭の飼育下雌チーターの行動観察及び糞中エストラジオール-17β含量の測定を行った.各放飼場には,1日に2~3個体を交代で放飼し,雄の臭いや鳴き声などが雌の行動と生理にどのような影響を与えるのか調べた.その結果,4頭中1頭で,放飼方法を雌2頭交代から雌雄2頭交代に変化させることによって,行動の増加と糞中エストラジオール-17β含量の上昇が見られた.また,一部の雌の繁殖状況が同時に飼育されている他の雌の発情に影響を与えるのかを調査するため,育子中個体の有無で期間を分け,各期間で行動数と糞中エストラジオール-17β含量を比較した.その結果,同時飼育の雌に育子中個体がいた期間では,行動数と糞中エストラジオール-17β含量が発情と共に増加した.しかし,育子中個体の育子が終了した後の期間では,糞中エストラジオール-17β含量の変化と関係なく行動数に増減が見られた.以上のことから,雌チーターにおいては雄との嗅覚的接触が発情を誘発するとともに,同一施設で飼育される雌の繁殖状況が他雌個体の繁殖生理と行動に影響を与えている可能性が考えられた.
著者
清水 泰宏 中野 哲雄 阿部 靖之 越智 龍弥 中馬 東彦
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.587-590, 1997-09-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1

We describe the results of conservative treatment using a Kyuro knee brace in 12 cases (6 males and 6 females, ranging in age from 6 to 64 years) who had fresh tears of their cruciate ligament. The treatment consisted of eary continuous passive knee motion with protective bracing for three months. The mean follow-up period after injury was 5 months. M R imaging at follow-up revealed two different modes of conjoining. Seven cases with ACL tears had successful results at 6 months. However one case with on ACL tear and plateau fracture did not achieve such successful results. Two cases with avulsion fractures of the PCL had successful results at 3 months. We believe that conservative treatment is effective for treating fresh tears of the cruciate ligament.
著者
清水 泰行 Yasuyuki Shimizu
雑誌
日本文藝研究 (ISSN:02869136)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.1-21, 2020-03-30