著者
清水 正之
出版者
日本ディルタイ協会
雑誌
ディルタイ研究 (ISSN:09142983)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.22, pp.1-16, 2011 (Released:2022-02-02)

Die wissenschaftliche Forschung zur japanischen Geistesgeschichte, die es sich zur Aufgabe gemacht hat, die Entwicklung des japanischen Denkens vom Altertum bis zur Moderne philosophisch zu erfassen, begann in der Meiji-Zeit. HAGA Yaichi und MURAOKA Tsunetsugu, die als Väter der Disziplin gelten, standen forschungsmethodisch gesehen unter dem Einfluß der deutschen Philologie, vor allem der philologischen Arbeiten von August BÖCKH. Die Methode von WATSUJI Tetsuro baute sowohl auf der deutschen Philologie als auch auf der Hermeneutik von Wilhelm DILTHEY auf. Seine wissenschaftlichen Bemühungen wurden wie die einiger anderer im Zuge der in den letzten Jahren geübten Kritik am „Nationalstaat“ mit Vorwürfen belastet, weil sie nationalistisch seien und „das Japanische“ überbetonen. TSUCHIDA Kyoson fertigte einen weiteren theoretischen Entwurf zur Geistesgeschichte an. Obwohl er in den wissenschaftstheoretischen Gedanken Wilhelm Diltheys eingehend geforscht hat und ihm respektvoll gegenüberstand, lag ihm mehr an der Phänomenologie. Seine „offene“ Forschungsmethode zeigt m. E. eine Möglichkeit, Geistesgeschichte und Philosophie zu verbinden.
著者
濱本 博美 清水 一紀 佐々木 元章
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.429-434, 2016-06-30 (Released:2016-06-30)
参考文献数
16

我々は妊娠成立と同時期に急性発症1型糖尿病を発症した2症例を経験した.症例1は10代女性,口渇,多飲が出現した数週後に妊娠が判明し,産科を受診.体重減少が著明で血液検査にてHbA1c 12.5 %,随時PG 790 mg/dL,抗GAD抗体陽性,ケトアシドーシスを呈し,急性発症1型糖尿病と診断した.症例2は30代女性,高血糖症状を訴えて内科を受診.HbA1c 10.1 %,随時PG 599 mg/dL,抗GAD抗体陽性,ケトアシドーシスを呈し,急性発症1型糖尿病と診断した.その3か月後に腹部膨満を契機に妊娠が判明.いずれの症例も,逆算すると妊娠成立と1型糖尿病の発症が同時期であり,またHLA DR9を有していた.妊娠に合併する1型糖尿病の多くは劇症1型で妊娠後期に集中するため,稀なケースと考えられる.妊娠悪阻とケトアシドーシスの症状は類似しているため,妊娠と1型糖尿病の診断には注意を要する.
著者
清水 雅俊 奥野 恵子 島 尚司 正井 博之 三輪 陽一
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.53-58, 2006-01-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
13

症例は41歳女性.20歳代後半で退職してから午前4時に入眠し,12時に起床するという生活が続いており,また,同時期からストレスや寒冷時に動悸を自覚していた.24時間心電図検査における心拍数の平均は97/分であり,覚醒時には大半が100/分以上で睡眠中には70台にまで減少するという日内変動を呈していた.さらに,強い動悸を自覚した際には心拍数200/分の発作性上室性頻拍が認められ,この出現と停止は突然であり,基本調律である洞性頻脈との間に連続した心拍数の増減は認められなかった.各種精査の結果,洞性頻脈は二次性のものではなく,起立試験で体位性頻脈も否定された.本症例はinappropriate sinus tachycardiaに発作性上室性頻拍の合併したものと診断された.電気生理学的検査において内因性心拍数は113/分と予測値95/分より増大しており,発作性上室性頻拍は左室側壁部の潜在性ケント束による房室回帰性頻拍と判明した.同束に対してはカテーテル心筋焼灼術がなされ,ベラパミル120mg/日の開始によって心拍数は平均90/分に減少(最低67,最大120)し,房室回帰性頻拍の再発は認められていない.明け方前に入眠して昼頃に起床するという概日リズム障害は睡眠相後退症候群と診断され,ビタミンB12投与が開始された,inappropriate sinus tachycardiaや睡眠相後退症候群は,社会適応に重大な障害を起こし得るものである.どちらも,比較的新しい疾患概念であるので,広く認識されて適切な治療がなされることが望まれる.
著者
伊藤 憲佐 中山 恵美子 梶川 奈津子 清水 翔志 野田 剛 中村 隼人 村中 清春 林 真也 伊藤 太一 中井 智子 田中 研三 大橋 正樹 不動寺 純明 葛西 猛
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.419-426, 2011-10-20 (Released:2020-09-11)
参考文献数
36

鈍的胸部外傷による肋骨骨折患者の入院日数と, 初診時に得られる臨床情報について重回帰分析を行い, 入院日数の推定式を構築することを目的とした後ろ向き研究である. 肋骨骨折にて入院した患者92例を対象とし入院日数と, 性別, 年齢, HR, SBP, 血気胸の有無, 胸腔ドレーン挿入の有無, 硬膜外麻酔・神経根ブロックの有無, 肋骨骨折の本数を調査した. これらの項目に対し入院日数を目的変数として, 探索的に重回帰分析を行った. 最終的に推定入院日数=4.9+肋骨骨折の本数×0.9日に, 年齢が60歳以上の場合, +3.3日, 胸腔ドレーン挿入が施行された場合, +3.6日が加算される, 単回帰推定式が得られ, 95%信頼限界は±15.6日であった. この推定式により鈍的胸部外傷による肋骨骨折患者の入院日数が, 初診時に得られる情報から推定可能と思われる. また入院期間を短縮するためには肺炎の予防が重要である事が暗示された.
著者
岩崎 峯夫 永井 紀彦 清水 勝義 安立 重昭
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1416-1420, 2006-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
4

検潮井戸がローパスフィルターとして機能するため, 周期数分から数十分程度の津波に対しては, その周波数応答特性を把握しないと津波高を過小評価することがある. しかし, 周波数応答特性を算定する実務的手法は, 確立されていない. また, 検潮井戸の導水管は, 土砂の堆積等によって目詰まりが進むため, 定期的な清掃を行い, 副標観測によって清掃の効果を検証をする. しかし, 副標観測は, 長時間を必要とする問題がある. このため, 検潮井戸を線形2次のローパスフィルターと仮定し, 模型実験でその線形性を確認し, ステップ応答測定により, 短時間で検潮井戸の周波数応答特性を計測するシステムを開発した.
著者
清水 浩 林 節男
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.551-557, 1977 (Released:2010-04-30)
参考文献数
4
被引用文献数
1

この報文は, もみがらを熱利用した残滓のもみがらくん炭が, ろ材として利用されるときに示す特性についての研究結果である。研究には, もみがらおよび各種燃焼度で各種破砕度のもみがらくん炭の計7種の材料を対象とした。これをろ材として利用するときに関係する基礎的な物性値を, まず把握した。その同一材料を供試して, 各種加圧力条件下での流水抵抗と圧縮歪とを求め, これを Kozeny-Corman の式に適用して, 圧縮層の仮想毛細管の直径を供試材料別に算定した。また, 実用装置の場合について, 流速と層厚との関係で最終加圧力を計算し, 供試材料別にろ過層の機能を明かにして, 適正条件を探究したものである。
著者
清水 芳男
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

血液透析では血漿を濾過することにより、余剰体液が除去(除水)される。この間、間質液が血液循環へ戻るリフィリングにより血圧が維持される。リフィリングは、間質液のリンパ管からの吸収・輸送によって行われる。リンパ管の吸収・輸送能力は、運動や電気刺激などの外的刺激で上昇することが知られている。透析中に運動・下肢マッサージ・低周波電気刺激などの外的刺激を行うことにより、リフィリング速度を意図的に変化させることが可能であるかを検証し、血液透析中に生じる循環血漿量減少性ショックを防止する新しい方策を開発する。