著者
大橋 幸泰 清水 有子 平岡 隆二 岸本 恵実 折井 善果 牧野 元紀
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2019年度も前年度に引き続き、世界各地に散在しているキリシタン関係史料の調査を進め、科研メンバーの研究課題に有益な成果が得られた。ポルトガルのアジュダ図書館・エヴォラ公共図書館における調査では、キリシタンが殉教者として認定されるために必要とされた情報・証言の史料や、イエズス会日本管区代表プロクラドールの関係史料を見いだした。スペインの王立アカデミー図書館における調査では、「鎖国」へ向かう時期の日本の殉教報告、教皇への書翰の作成に関する史料、ヨーロッパで日本布教をめぐる主導権争いの史料などを発見した。国内では、国立公文書館のほか、高知・長崎・大分・天草などで調査を行い、キリシタン禁制関係の史料を採集した。これにより、キリシタン禁制政策を維持する宗門改・類族改の実情を明らかにできる。ただし、年が明け新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年3月の調査が不可能になった。そのため、一部の予算を2020年度に繰り越し、調査予定を繰り延べた。一方、2019年度で特筆するべき点は、6月22日にシンポジウム「近世東アジアにおけるキリシタンの受容と弾圧」を早稲田大学で開催したことである。清水有子「日本におけるキリシタン禁令の成立過程―正親町天皇の永禄8年京都追放令を中心に―」、マルタン・ノゲラ・ラモス「失われたキリシタン民衆の声を求めて―島原天草一揆後の排耶書を中心に―」、ピエール・エマニュエル・ルー「日本から中国までの禁教―清代の絵踏を中心に―」、牧野元紀「近世ベトナムにおけるキリシタンの受容と弾圧」の4本の報告と、三野行徳「支配・統治の仕組みとしてのキリシタン禁制・弾圧を考える」の1本のコメントを用意し、近世東アジアのキリシタンをめぐる対応について、共通点・差異点を議論した。50人以上の参加者を得て、有意義な討論ができたと思う。
著者
清水 潤三
出版者
三田史学会
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.p227-232, 1977-10

論文
著者
李 家華 周 紅傑 清水 圭一 坂田 祐介 橋本 文雄
出版者
農業生産技術管理学会
雑誌
農業生産技術管理学会誌 (ISSN:13410156)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.73-79, 2008
参考文献数
18
被引用文献数
2

製造発酵過程における雲南プーアル茶のポリフェノールとカフェイン含量について,発酵期間を設定するため,雲南省鎮康県,双江県および景谷県の3地域で収集した日干しした緑茶(晒青緑茶)を発酵処理開始後10日毎に茶葉サンプルを採取し,分析を行った.(-)-エピガロカテキン3-ガレート(EGCG),(-)-エピカテキン3-ガレート(ECG),テオガリン(TG),ストリクティニン(STR),1,4,6-トリ-O-ガロイル-β-D-グルコース(1,4,6-tri-O-G-β-D-G)の5種の含量は発酵に伴って有意(1%レベル)に減少したが,40日以降のそれらの含量の減少の程度は小さくなった.また,(-)-エピカテキン(EC)と(-)-エピガロカテキン(EGC)含量は発酵開始後10日目までに増加し,その後急激に減少に転じた.これに対して,没食子酸(GA)含量は発酵40日目まで有意(1%レベル)に増加し,その後有意(1%レベル)に減少した.この結果,従来から報告されている,発酵中に微生物の産生するエステラーゼによってエステル類が加水分解を受けてGAが生成することを追認し,併せて加水分解型タンニンの加水分解もGA含量の増加に関係していることを初めて明らかにした.一方,紅茶の紅色色素であるテアフラビン類は検出されなかったことから,発酵によりプーアル茶に生成している色素類は紅茶のものとは異質のものであることが明らかとなった.カフェイン含量は発酵に伴い徐々に増加し,発酵開始後60日目には最高値となった.以上の結果から,プーアル茶製造における発酵期間は40日間で十分であると結論づけられた.
著者
迫 ゆかり 清水 寛
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.31-43, 1989-12-28 (Released:2017-07-28)

岡山県の大正期・「劣等児・低能児」教育の特徴を明らかにするために,対象児,教育方法,教育思想の観点から明治期との比較や一般教育との関連について検討した。その結果,「劣等児・低能児」教育は,一般教育と同じく大正新教育にみられる個人主義的側面と国家主義的側面の下に進められており,この二つの側面は次の結果をもたらしていた。1.個人主義的側面(肯定的側面)(1)明治期より特殊教育の必要性が高まった。(2)「劣等児」と「低能児」の定義は知能検査の導入で明治期より明確になった。(3)「劣等児・低能児」の教育方法に関心が寄せられ,特別学級の設置が提起された。2.国家主義的側面(否定的側面)(1)特殊教育対象児のうち,「劣等児・低能児」より優等児の方に重点が置かれた。(2)学業不振児として成績の向上が目指された。(3)「劣等児・低能児」を危険視した観点から教育の必要性が唱えられた。
著者
清水 美雪 頼 紘一郎 鮫島 正 野々山 良介 神野 誠
出版者
一般社団法人日本医療機器学会
雑誌
医療機器学 (ISSN:18824978)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.433-439, 2018 (Released:2018-10-03)
参考文献数
25
被引用文献数
1 3

Aim: The commercialization of cellular products for the regenerative medicine business has already begun. However, the profitability between the regulated aseptic production cost and insurance reimbursement price might be a major hurdle. Automated culture devices are developed for improving the cultural- and cost-efficiency. In this study, we investigated the automated culture devices to discuss the approach to overcome the existing problems and simulated the reduction of operating time with culture assist devices.Method: Web and literature surveys were performed to investigate the automated culture devices and their functionalities. Based on the investigation, the simulation was conducted by integrating the operation time in each culture steps via culture assist devices.Result: Automated culture devices for adherent cells, floating cells, and liquid handlers were developed. In Japan, the devices for adherent cells were majorly produced, and these devices used single- or double-arm robots for complete automation. A reduction of 22.5 min in the medium replacement step was achieved after simulation with the culture assist devices for injection and drainage.Conclusion: Since the present cellular products were approved of working with humans, the culture assist device for working with human is preferable and can contribute in reducing the working hours and cost.
著者
福井 未来 清水 和秋
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.147-150, 2015-11-20 (Released:2015-12-05)
参考文献数
11
被引用文献数
3 2

This study developed a Vitality Scale (VS), and examined its reliability and validity with 518 participants including undergraduates and adults. Factor analysis revealed that the VS consisted of six factors: vigor, flexibility, social withdrawal (reversed scoring), activeness, mental toughness, and positiveness. Six subscales were developed according the factor analytic results, which had sufficient internal consistency (α=.74–.82). Correlational validity was demonstrated in terms of the relationships of the VS with sleep and eating. These results indicate that each subscale was useful to measure an individual's vitality. Males obtained higher mean scores than females did on flexibility, social withdrawal (reversed) and activeness. The mean of adults' scores was higher than undergraduates' scores on the most of vitality subscales.
著者
清水 惠子
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.44-54, 2010-06-30 (Released:2017-07-01)
参考文献数
27
被引用文献数
1

本研究の目的は,地域で生活する統合失調症患者のメタボリックシンドローム(以下,MS)発症に関連する要因の検討であった.対象者はA精神科病院を定期的に通院する18歳以上の統合失調症圏内で,支援を受ければ自記式調査票に答えられる人であった.MS状態の評価については血液検査や身体計測を実施し,生活状況および身体活動量などは筆者作成の調査票を用いた.精神機能評価や抗精神病薬に関する患者情報は,主治医より提供を受けた.分析にはSPSS15.0を用い,単純集計,t検定,χ^2検定,多重ロジスティック回帰分析を実施した.結果は,有効数男性191人,女性144人で,平均年齢は男性43.8歳,女性44.6歳であった.MS発症率は全体では22.1%,男性27.2%,女性15.3%で,ともに一般成人より有意に高かった.MS発症に関連する要因の検討では,全体と男性では「BMI」と「喫煙の傾向」がMS発症頻度を増加させ,「洗濯をする」がMS発症頻度を減少させた.女性では「BMI」がMS発症頻度を増加させ,「リスペリドン服用」がMS発症頻度を減少させる結果であった.実践への示唆として,腹部肥満の改善,家事の実行,喫煙の改善,抗精神病薬による影響のモニタリングが挙げられた.
著者
大塚 宜一 清水 俊明 永田 智
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

食物アレルギーや炎症性腸疾患の病態を解明する目的で、食物の未消化産物との関連を検討した。その結果、未消化産物の明らかな抗原性は確認できなかった。一方、それぞれの消化管粘膜の生検標本を用いmicroarray法、RT-PCR法、免疫組織染法などの検討を行ったところ、新生児・乳児消化管アレルギーにおいてCCL21、CXCL13の、また、小児炎症性腸疾患においてCXCL9、CXCR3などの発現亢進を認め、それぞれの病態に食物の侵入経路であるリンパ濾胞との関わりが示唆された。
著者
大塚 宜一 清水 俊明 鈴木 竜洋
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

新生児一過性好酸球性腸炎(NTEC)、食物過敏性直腸炎(FPIP)、小児炎症性腸疾患の粘膜をMicroarray、RT-PCR、免疫組織染色法を用い解析した。NTEC, FPIPではCCL11、CXCL13の関与が、小児クローン病ではCXCL-9,-10,-11、小児潰瘍性大腸炎ではMMP-1,3,7,10の関与が示唆された。両者で発現亢進が確認されたCXCL13は、B細胞を誘導するリンパ濾胞形成因子であり、新生児期からの食物に対するIgA産生や寛容誘導に深く関わっている。その発現亢進は、小児に欠かせない免疫応答であると考えられる一方、炎症増強に関わっている可能性が示唆された。
著者
大塚 宜一 清水 俊明 藤井 徹 工藤 孝広
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

H.pyloriに感染した小児と成人の胃粘膜に発現する免疫・癌関連分子を、microarrayなどを用いて網羅的に比較検討した。対象は各種消化器症状に対して消化管内視鏡検査を施行した患者とし、H.pylori感染小児群、非感染小児群、感染成人群、非感染成人群の各々6症例、合計24症例の胃粘膜(前庭部・胃体部)を検討した。その結果、成人感染群でより強い発現のもの(OLFM4)、成人・小児感染群で同等に発現するもの(PIM2,REG3A,LCN2,CXCL13)が確認された。発癌の機序として、H.pylori感染に伴う小児期からの癌関連分子の発現の亢進及び慢性炎症性変化の関与が示唆された。
著者
松﨑 隆朗 清水 太郎 安藤 英紀 異島 優 山中 勝弘 三輪 泰司 濱本 英利 石田 竜弘
雑誌
日本薬学会第142年会(名古屋)
巻号頁・発行日
2022-02-01

【目的】近年、がん抗原に対して特異的な免疫反応を誘導できるがんワクチンが注目されている。従来の皮下投与に比べて、免疫反応を増強するために抗原提示細胞が多く存在する皮膚を標的としたワクチンが注目されてきている。以前、我々は角質層透過性を持ち経皮吸収促進剤として利用できるイオン液体(ILs)にアジュバントとがん抗原模倣ペプチドを溶解させたワクチンを調製した。腫瘍を皮下移植したマウスの腹部にアジュバントを24時間貼付した後にペプチドの24時間貼付を行う免疫を3週間で3回行ったところ、有意な腫瘍増殖抑制効果が得られることを示した。本検討では、腫瘍増殖抑制効果が得られたメカニズムを明らかにするために、貼付部位の皮膚および流入リンパ節での免疫細胞の存在割合の変化を経時的に評価した。【方法】アジュバントであるResiquimod(R848)を含むILs(R848-ILs)およびOVAペプチド(OVAp)を含むILs(OVAp-ILs)を調製し、それぞれを貼付したマウスの貼付部位の皮膚およびリンパ節を経時的に回収し、その中の白血球(CD45)、更にはマクロファージ(CD11b)及び樹状細胞(CD11c)の存在割合をフローサイトメーターで測定した。【結果・考察】R848-ILsを貼付したマウスの皮膚では、各細胞の割合が貼付12時間以降に有意に増加した。また、R848-ILsの24時間貼付し続けた後にOVAp-ILsを貼付したところ、OVApの抗原提示を行っている細胞の割合が皮膚ではOVAp-ILs貼付3時間後から有意に増加し、リンパ節では貼付の6時間後から増加した。腫瘍増殖抑制効果が得られたメカニズムとして、R848-ILsによって皮膚免疫細胞が増加し、そこにOVAp-ILsを貼付することで、皮膚でペプチドが抗原として捕捉される機会が増加するのと同時にリンパ節へと運搬されやすくなり、結果として細胞傷害性Tリンパ球の活性化が強くなり、高い腫瘍増殖抑制効果に繋がったものと考えられた。以上より、イオン液体を利用したワクチン製剤は皮膚免疫反応の増強を可能とすることが示され、新規の非侵襲性ワクチンへの展開が可能であることが示唆された。

1 0 0 0 藤原行成

著者
清水潔[著]
出版者
皇學館大學出版部
巻号頁・発行日
1996
著者
清水潔編
出版者
皇學館大學神道研究所
巻号頁・発行日
2002
著者
清水 昭彦 山縣 俊彦 上山 剛 早野 智子 立野 博也 江里 正弘 大村 昌人 田村 健司 松崎 益徳
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.195-202, 1998
被引用文献数
1

心房細動の発生機序を検討するために, 右房に期外刺激法と洞調律時の心房内マッピング, P波同期加算平均心電図を行い, 発作性心房細動例 (paf) の心房筋の電気生理学的特性を検討した.高位右房期外刺激で反復性心房応答 (RAF) と最大伝導遅延を求めると, RAF誘発例の83%の有効不応期 (ERP) は250ms以下でかつ最大伝導遅延は40ms以上であった.ジソピラマイドは有意にERPを延長させ, 逆に, イソプロテレノールは有意にERPを短縮させた.両薬剤ともに最大伝導遅延を短縮させて, RAFの誘発は抑制された.心房内マッピングとP波同期加算平均心電図を行った症例では, paf群は対照と比較して有意に異常心房電位数が多く, フィルター化P波持続時間は延長し, P波初期および終末期ベクトルマグニチュードは低値であった.<BR>心房細動の発生には, 心房細動の基質, 心房筋ERPの短縮と伝導遅延が重要である.<BR>心房細動の発生機序に関しては, 今世紀の前半よリリエントリーと自動能亢進の問で長く論争が行なわれている.最近でも, fooal atrial fibrillationの報告が行なわれているし, 心房細動の一部の機序に撃発活動も考えられている.リエントリーとしては, Moeらの唱えたmultiple wavelet説が有力であり, 解剖学的欠損を持たずにリエントリーの中心に向かう興奮波によって作られた機能的ブロックの形成によって興奮波が回旋する"leading circle" (図1) 説や興奮が螺旋状に回旋してその中心の核が移動するSplral wave説がある.以上, 心房細動の発生機序は種々考えられているが, 現在の臨床レベルでこれらの電気生理学的現象を直接証明することは不可能であり, 通常は心房細動例と対照例の心房内マツピングやP波同期加算平均心電図あるいは心房期外刺激による心房筋の反応を検討することで, 心房細動の心房筋の電気生理学的特性が検討され, 間接的に心房細動が起こる基質の存在が調べられている.
著者
清水 房枝 作田 裕美 坂口 桃子 伊津美 孝子 Shimizu Fusae Sakuta Hiromi Sakaguchi Momoko Izumi Takako
出版者
三重大学医学部看護学科
雑誌
三重看護学誌 (ISSN:13446983)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.33-45, 2008-03-05
被引用文献数
2

目的】病院で働く看護師が患者から受ける暴力の特徴から暴力が起こる要因を明らかにすることを目的とした. 【結果及び考察】病院で働く看護師が, 患者から受けた暴力の特徴は 〔身体的暴力〕 と 〔言葉の暴力〕 と 〔精神的暴力〕, 〔暴力は 1 回で終結した〕, 〔暴力は一人の看護師が何度も受けた〕, 〔暴力は同一単位の複数の看護師が受けた〕 の 6 つのカテゴリーで構成された. 身体的暴力は刑法に抵触するため暴力が起こった事象に対応しやすく, 患者も不名誉な結果を回避するため看護師に謝罪をするが, 言葉による暴力は容易に終結しない. 暴力が起こった後, 看護師が誤る, 注意をするなどでさらに患者の攻撃性を増加させていた. 暴力の要因と考えられるものとした 〔暴力行為者である患者が持つ背景〕, 〔暴力対象者の看護師が持つ背景〕, 〔病棟環境が持つ要因〕 の 3 つで構成されていた. 暴力行為者が持つ要因に, 暴力の前歴があるが, 暴力に価値を見出した者が, 暴力対象者である暴力に怯える看護師に, 言葉の暴力や精神的暴力を続けていたと考えられる. また, 患者は病気の苦痛や病院という異文化の社会で苦痛やストレスを持ち, 看護師の対応が意に添わないことで暴力行為に及んでいたとこが考えられる. 暴力行為者が持つ背景, 暴力対象者が持つ背景, 暴力の場となる病棟環境か, それぞれ関連しながら暴力が起こっていたことが示唆された. 今後, 看護師が暴力にあわないより良い職場環境で, 看護の提供ができるためには, 暴力の起こる可能性を予知した防止策が必要である.Objective: To clarify the characteristics of violence towards hospital nurses and related factors. Results and Discussion: Six categories of violence towards hospital nurses were identified: physical violence; verbal violence; mental violence; single episode of violence; multiple episodes of violence aimed towards one nurse; and violence towards the same group of nurses. As physical violence is illegal this category of violence is easy to address, and patients often apologize to nurses to avoid legal troubles. However, verbal violence is not easily stopped. Patients become more aggressive when nurses make errors or give warnings. The following 3 factors were related to violence: background factors for aggressors(patients); background factors for victims(nurses); and environmental factors of hospital wards. One of the background factors for aggressors is a previous history of violence, and patients who find some meaning in violence continue to verbally and mentally abuse frightened nurses. In addition, patients appear to resort to violence when they did not like how nurses act and respond because they are suffering from illnesses and are stressed about being in an unfamiliar hospital environment. These results suggest that violence towards hospital nurses involves background factors for aggressors, background factors for victims, and the physical environmental factors of hospital wards. In future, preventative measures for violence against nurses will need to be established so that nurses can perform their duties in good working environments without being subjected to violence.
著者
清水 英里 長尾 知香
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.CbPI2230, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】我々は変形性膝関節症に対する運動療法として、ピラティス専用器具リフォーマーを使用している。その際、自重で行う場合よりリフォーマーを使用した後の方が、歩容改善や患者の自己効力感が得られるケースが多い。そこで今回、実際に自重で行う場合とピラティス専用器具リフォーマーを使用して行った場合、どのような効果の違いがあるか検証する。【方法】対象は変形性膝関節症を有する患者で、本研究の概要を説明し同意が得られた患者16名(女性14名男性2名、平均年齢74.8±8.1歳)。除外基準は、急性症状を有する者、観血的治療の既往、圧迫骨折、重度の骨粗鬆症を有する者とした。評価項目は基本属性(性別、年齢、身長、体重)、日本版膝関節症機能尺度(以下JKOM)、徒手筋力計にて大腿四頭筋・ハムストリングス・中殿筋・腸腰筋の筋力、体幹MMT、5m歩行速度、フットプリントとした。くじ引きでピラティス群とコントロール群の2群に分類し、週2~3回来院時に以下の運動を約3ヶ月間実施した。コントロール群:ハーフスクワット,片脚ハーフスクワット,ランジ,段差使用での足関節底背屈運動。ピラティス群:タワーバー、リフォーマーにてフットワーク,フットワークシングルレッグ,ランジ,ローワーアンドリフト,ランニング【説明と同意】被験者には書面にて研究内容を十分に説明し、ヘルシンキ宣言に基づき了承と同意サインを得た。【結果】各評価項目を介入前後で測定し、得られた結果についてt検定もしくはWilcoxon符号付順位和検定を行ない、有意水準は5%未満とした。介入前後において、ピラティス群のJKOM、VAS、中殿筋疼痛側・非疼痛側、5m歩行速度、コントロール群の中殿筋疼痛側、5m歩行速度に有意差を認めた。【考察】筋力の有意差が認められたのは、ピラティス群の疼痛側・非疼痛側中殿筋、コントロール群の中殿筋疼痛側のみであった。全て立位で行う運動であったコントロール群の支持基底面が足部であったのに対し、主にsupineで行うピラティス群は体幹が支持基底面となっていたため、骨盤の傾斜や回旋などの代償運動がおこりづらかったこと、目からのfeedbackにより自ら修正できた点が大きな要因となったと考える。また、70歳前後の高齢者では、最大努力筋収縮の50%でのトレーニングの方が筋力増強率が高いという報告もあり、ピラティス群はコントロール群に比べ低負荷であった為、運動制御がしやすかったという点も、ピラティス群のみ両側共に有意差が認められた理由と考える。中殿筋は立位時において膝関節の内側負荷を減少させる為、除痛効果につながるとされている。その為、今回大腿四頭筋やハムストリングスには有意差がみられなかったが、中殿筋の筋力upによって膝の痛みが軽減したと思われる。また、コントロール群においても中殿筋は疼痛側のみ有意差が認められたが、中殿筋によって歩行時の立脚期の安定化が得られ、5m歩行速度は両群ともに改善がみられたと考える。一方で、5m歩行速度は両群共に有意差が認められたにも関わらず、JKOMスコアはピラティス群のみに有意差がみられた点だが、第1報でも述べた通り、ピラティス・エクササイズは自己効力感が高く、心と体のコントロールを可能にする為、身体機能面のみならず心理面においても改善が図れたものと考える。また、ピラティス・エクササイズでは筋出力の量的な改善は中殿筋のみであったが、下肢・体幹の動きの中での筋出力、筋間協調性の質的な面での改善が得られ、それがADL、QOLの向上に繋がったのではないかと考える。【理学療法学研究としての意義】高齢化の進む中、ますますクリニックでの予防的リハが重要となるであろうが、その中でもより加速的・効果的な運動療法の展開が、外来通院患者のモチベーション向上も含めて必要であると思われる。単に減量や関節内注射、筋力トレーニングだけでなく、運動様式の違いによって、より目的とする部分へ加速的に効果を出していくために、今回はCKCでも支持基底面、関節固定部位、姿勢と抵抗量の異なる様式での差を検証した。得られた結果から強調されるべきことは、厳密な条件設定で行えるピラティス・エクササイズの方が有意に機能面の変化をもたらし、更にADLや心理面にも波及するということである。筋力増強という観点だけにこだわらず、筋の機能をいかに引き出し、それをいかにADL,QOLの向上に繋げていくかという点では、変形性膝関節症に対し、CKCで行う運動療法の手段としては、ピラティス・エクササイズの方がより効果的であったことが、本研究により実証されたといえる.
著者
室 伊三男 清水 俊太郎 塚本 ひかり
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.13-22, 2022
被引用文献数
3

<p>【目的】深層学習によるモーションアーチファクト(以下,アーチファクト)削減のアプローチが脳MR画像に有効かを検証する.【方法】本研究ではアーチファクトを含んだ画像と含んでいない画像が学習データとして大量に必要である.臨床画像で学習データを集めるには多くの労力と時間を要して困難である.われわれは脳のアーチファクト画像をシミュレーションによって作成した.ボランティア20人の動きのない頭部画像を取得し,この画像を使用してアーチファクトの異なる画像をシミュレーションによって作成して深層学習を行う.得られた学習モデルのアーチファクト除去効果の検証は,別途テストデータを作成し,テストデータの入力画像と出力画像間のピーク信号対雑音比(peak signal-to-noise ratio: PSNR)と構造的画像類似性(structural similarity: SSIM)を3種類のデノイジング手法で比較した.使用したニューラルネットワークはU-shaped fully convolutional network(U-Net),denoising convolutional neural network(DnCNN)とwide inference network and 5 layers Residual learning and batch normalization(Win5RB)である.【結果】アーチファクト除去効果はU-Netが最も高く,SSIMの平均値は0.978, PSNRの平均値は32.5であった.【結語】本法は脳MRI画像の画質を劣化させずにアーチファクトを軽減できる有効な方法である.</p>