著者
渡辺 智暁
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.64-69, 2011-02-01 (Released:2017-04-20)
参考文献数
22

本稿ではウィキペディアを使う上で重要となるメディア・リテラシーを論じている。具体的には, ウィキペディアの運営・品質管理体制や方針, 参加者の動機, 利害関係者の動機や影響力などを解説し, ウィキペディアの特定の項目の信頼性を見積もる上でそれらがどのように手がかりとなるかを論じる。また, ウィキペディアの信頼性・品質に関する既存の調査の傾向に触れつつ, 限界を指摘する。他の資料との併用が有益であること, ウィキペディアは他の資料への入口としても有用性を増しつつあることを述べる。最後に, 中長期的な視点に立つと, ウィキペディアへの貢献も, 信頼性の問題への有意義な解決方法であり, 直接的な貢献の他にも多様な間接的貢献法があることを説明する。
著者
河村 公隆 渡辺 智美 持田 陸宏 畠山 史郎 高見 昭憲 ワン ウエイ
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.166-166, 2006

2002-2004年の冬、夏、春において航空機をもちいて中国上空(沿岸域、内陸域)でエアロゾルを採取した。本研究では、水溶性ジカルボン酸の高度分布を示し、その季節的特徴を報告する。特に、夏に行われた観測では、ジカルボン酸濃度は高度とともに増加し、対流圏下部(境界層)において、光化学的に生成していることが強く示唆された。しかし、高度2.5km以上では、それらの濃度は急激に減少した。有機炭素や硫酸で規格化したジカルボン酸の濃度は、同様な高度分布の特徴を示した。
著者
渡辺 智暁 野口 祐子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.151-155, 2010-04-01 (Released:2017-04-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

本稿では,オープンアクセスの法的な課題として,著作権の利用許諾(ライセンス)の果たす役割について述べる。学術文献を共有し,情報の活用を促進する上では,著作権は障害になりかねない。これを解消する一つの手段がライセンスである。多様なライセンスが互換性を考慮しないままに開発・利用されると,再利用や複数の著作物の組み合わせによる利用の妨げとなるケースがあるため,ライセンスの標準化や互換性の確保が重要である。興味深いことに,再利用や組み合わせ利用に配慮することが特に重要な科学データベースについては,そもそも著作権を放棄し,パブリック・ドメインに帰属させることが望ましいとする立場も存在している。
著者
渡辺 智暁 野口 祐子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.151-155, 2010-04-01

本稿では,オープンアクセスの法的な課題として,著作権の利用許諾(ライセンス)の果たす役割について述べる。学術文献を共有し,情報の活用を促進する上では,著作権は障害になりかねない。これを解消する一つの手段がライセンスである。多様なライセンスが互換性を考慮しないままに開発・利用されると,再利用や複数の著作物の組み合わせによる利用の妨げとなるケースがあるため,ライセンスの標準化や互換性の確保が重要である。興味深いことに,再利用や組み合わせ利用に配慮することが特に重要な科学データベースについては,そもそも著作権を放棄し,パブリック・ドメインに帰属させることが望ましいとする立場も存在している。
著者
佐藤 克 村中 志朗 増川 洋史 杉山 和寿 小林 元郎 今林 徹 南 尚人 渡辺 智之 鈴木 綾香 重松 美加 井上 智
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.33-34, 2011-07-20 (Released:2013-01-04)

Overseas, the surveillance on companion animals have been reported by "NASPHV (National Association of State Public Health Veterinarians)", "CCWHC (Canadian Cooperative Wildlife Health Centre)", "ECDC-EFSA (European Center for Disease Prevention and Control - European Food Safety Authority)", "CSVID (Chilean Society of Veterinary Infectious Diseases)". According to pet boom in Japan, the disease surveillance of pets utilized IT (information technology) becomes available by spreading of "insurance-for-pets" and Electric Health Record in animal hospitals. We report challenges and results of new pet-surveillance by using of clinical data in animal hospitals. Clinical data of companion animals were analyzed by using cloud computing and electrical patient records without personal identifiers. Analyzed history, profile and clinical information of cases were rapidly feedback to veterinary surgeons in automated fashion from the system. The surveillance is designed with intention to answer some questions of the transmission routes of zoonotic diseases. Cloud computing combined with electrical patient records provided environment for easy daily operation with automated real-time feedback of data collation and limited descriptive analysis as additional advantage. Public and animal health epidemiologist may be able to provide further time trend, statistical, and geo-spatial analysis using with whole or subsets of this readily available database. Together the surveillance will improve understanding of pet animal health in the community and transmission of zoonosis in between human and animal.
著者
高田 宗樹 宮尾 克 大森 正子 渡辺 智之 蛭田 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.653, pp.25-32, 2002-02-15
被引用文献数
4

ジェットコースター乗車時の3次元動画映像を立位姿勢の健常な被験者に対して、音響の有無などいくつかの条件のもとに与え、重心動揺検査を同時に行った。本論では2次元重心動揺時系列を用い、音響付き立体画像の複合現実感に関する評価を行う方法論を提示する。この画像を知覚情報として持つ被験者の動揺図にはカスプ型運動成分の増加が認められたため、加速度ベクトルを解析に用いた。このベクトルの大きさがある閾値より大きい部分列を構成することにより、この運動成分を抽出することができる。この運動パターンの出現頻度が高い時間における被験者の視覚情報となった画像のコマを対応させて、与えた3次元立体画像のリアリティーについて評価を行った。
著者
渡辺 智恵美
出版者
別府大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

古墳時代の金属製品(刀やよろい、馬具、耳飾りなどの装身具)に残された製作時の痕跡から、それらを製作する技術や道具を調査した。調査方法として顕微鏡観察のほか、X線CTスキャンや三次元計測、材料の成分分析といった自然科学的方法も応用した。その結果、耳飾りの製作工程の復元を通して、使用された道具や方法を解明することができた。また、よろいなどの鉄製品に残された、板を切断した痕跡から、使用された道具の刃先の大きさも推定できた。
著者
田近 栄治 渡辺 智之 佐藤 主光 山重 慎二 國枝 繁樹 竹内 幹 別所 俊一郎 林 正義 小林 航 油井 雄二 河口 洋行 菊池 潤
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

長期にわたるデフレと進行する高齢化のなかで日本の財政は、厳しさを増している。同時に経済のグローバル化のなかで賃金は伸び悩み、非正規雇用の増大など雇用の流動化が生じている。そうした経済状況のもと、本研究は税と社会保障を一体でとらえ、受益と負担の実態分析を踏まえ、政策への貢献を目指した。研究成果は個別論文としてだけではなく、雑誌特集号として出版した。そのほか国家戦略相を招聘した政策シンポジウムや、財務省・財務総合研究所との共催事業および書籍出版などにより成果の公表を図った。
著者
Ables G.P 西堀 正英 印牧 美佐生 渡辺 智正
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.1081-1083, 2002-10
被引用文献数
19

結核菌やサルモネラ菌などの細菌感染抵抗性に関して,マウスには系統差がある.この形質は特定の遺伝子に支配され,ポジショナルクローニングによって,Natumlresistance associated macrophage protein1(KRAMP1)遺伝子と同定された.抵抗性の場合,169番地のアミノ酸がGlyであるのに対して,感受性ではAsnである.そこで,この周辺の領域が重要であると考えて,牛(黒毛和種,ホルスタイン,アンガス,韓牛,アフリカダマ牛)と水牛(フィリピン沼,インドネシア沼,バングラデツシュ沼と河)のNRAMP1遺伝子の,エクソンVとVIを含む781塩基対を決定した.その結果,この領域は非常によく保存されており,牛と水牛間でアミノ酸置換はエクソンVにおけるThrとIleだけであった.マウスの169番地に相当するアミノ酸は全てGIyであった.その他,エクソンVに2箇所(サイレント),イントロン4および5にそれぞれ2箇所と10箇所の塩基置換が検出され,これらを用いて系統樹が作成された.
著者
渡辺 智山
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
図書館学会年報 (ISSN:00409650)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.19-37, 1997-03
被引用文献数
1

本稿はCarol C. Kuhlthauによる研究のレビューである。彼女は, およそ10年間, 図書館利用者の情報探索過程を追跡調査し,「知(思考)」「情(感情)」「動(行動)」の三要素から成る情報探索過程モデル (Information Search Process Model : 以下は「ISPモデル」と表記する) を構築した。このモデルは, 利用者研究にとって新たな観点を生み出したという点で評価されるべきモデルであるが, 問題解決過程という領域の狭さ,「情(感情)」の捉え方, モデルを構築するにあたってとられた調査方法など, 多くの間題点を指摘することができる。結果として以下の点が明らかになった。それは「ISPモデル」を一般化していくためには, 異なる観点によって再構築され, 図書館という枠組みに囚われることなく他の領域で検証されなければならないこと, である。この間題を克服した時, 新たに「情報」探索過程のモデルが生まれることになる。