著者
渡辺 裕文 中野 貫二 森田 啓義 阪田 省二郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.10, pp.1099-1102, 1987-10-15

フィリップスらの陰関数表現された曲面の交線を微分方程式の解として表す方法をテンソル積曲面に拡張して テンソル積曲面パッチの組で与えられた2つの曲面モデルの交線を数値的に算出するアルゴリズムを提案する.この方法では いったん交差パッチ対が求まれば初期点によらず交線上の1点が直ちに求められる.さらに交線から離れることなく交線上の相続く点を次々求めることができ しかも複数のパッチ対にわたり連続的に交線を求めることができる.なお この方法の簡単な適用例によってその有効性を確かめた.
著者
松迫 拓朗 渡辺 裕司 大畠 賢一 山下 喜市 安井 修一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.52, pp.51-56, 2007-05-17

近年、電気式システムに代わるものとして、光ファイバセンサを用いたセンシングシステムの研究開発が活発に進められている。本稿では、FBGを用いたセンシングシステムのOTDR高速・高精度計測方式の提案と実証試験の結果について報告する。本システムでは、光源には波長可変光源を、外部変調器に偏波の影響が少なく、光増幅機能を持つSOAを導入した。連続走査された送信光をSOAにてスイッチングしてプローブ光パルスを生成し、このパルスの波長を送信側で特定する送信波長連続走査・特定方式とFBGのスペクトル特性の傾き(微係数)から中心波長を特定するスペクトル微係数検出中心波長特定方式の考案による高速・高精度計測の実現に本研究の特徴がある。実証試験では、送信波長連続走査・特定方式を用いた場合のシステム基本動作確認とFBG中心波長特定評価を行い、従来方式の8倍の高速化と2倍の高精度化が可能である見通しを得た。
著者
今井 照彦 堅田 均 西浦 公章 錦織 ルミ子 浜田 信夫 濱田 薫 渡辺 裕之 成田 亘啓 三上 理一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.268-274, 1987
被引用文献数
4

症例は, 47歳男性。既往歴は42歳時肺結核, 糖尿病。61年1月10日ころより微熱, 咳, 労作時呼吸困難出現。2月5日洗面器約半分の喀血を2回繰り返し, 当院第二内科へ入院した。検査の結果, 右上葉の肺結核の遺存空洞に発生した肺アスペルギルス症と判明した。気管支鏡では右主気管支および上葉枝入口部は全体に発赤腫脹し, B^3入口部は拡大がみられ, 末梢は空洞様であった。壁は凹凸不整で全体に膜がはったようになり, 黒い部分や, 発赤, 新生血管と思われる赤い部分, 苔状物と思われる黄白色の部分が混在してみられた。アンホテリシンB空洞内注入療法により発赤部分, 黄白色の部分が次第に減少して, 治療終了後には凹凸不整がとれ平坦となり, 色調も赤みが消失して全体に一様に黒くなり, 一部線維化のごとく白くなっていた。この所見と平行して臨床症状も改善し, 胸部X線でも空洞壁が著明に薄くなり, これらの空洞壁の内視鏡所見は, アスペルギルス症の治癒過程を示していると思われる。
著者
渡辺 裕文
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
応用糖質科学 (ISSN:13403494)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.343-351, 2001-08 (Released:2011-03-05)
著者
渡辺 裕子 鈴木 和子
出版者
千葉大学看護学部
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
no.15, pp.149-154, 1993-03

家族成員間の介護労働の分散化とは何かを明かにするため,要介護老人を介護している18家族について,家族の介護労働に関するデータを収集し分析した。その結果,介護労働の分散化を構成する因子として,(1)家族成員(2)介護労働(3)人間関係を抽出し,この構成因子の特徴の組み合わせにより,介護労働の分散化の分類を試みた。また,影響因子の作用としては,(1)促進(2)阻害が,影響因子の内容としては,(1)情緒,(2)コミユニケーション,(3)手段,(4)認識を抽出した。これにより,家族の介護労働の分散化を総合的に捉え,誰にどのような援助が必要かを導き出す援助アセスメントに有効な示唆が得られた。
著者
秦泉寺 久美 渡辺 裕 岡田 重樹 小林 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.758-768, 2001-05-01
参考文献数
13
被引用文献数
15

新しい画像符号化標準のMPEG-4が標準化されつつある。これは、低いレートにおいてはH.26XやMPEG-1,2に代表される従来符号化法と比較してより高品質の画像を提供するものである。また、新しい機能であるオブジェクト単位の符号化を提供するものである。筆者らはインターネット等に適用できる超低ビットレート符号化方法の開発を行っている。従来法に比べて劇的な符号量削減が可能であるMPEG-4の符号化ツールである「スプライト符号化」に着目し、前景、背景の2層からなるビデオオブジェクトの自動抽出アルゴリズムを提案する。生成した前景、背景のビデオオブジェクトをそれぞれMPEG-4オブジェクト符号化並びにスプライト符号化に適用(スプライトモード)して、スプライトを用いないMPEG-4 Simple profileの符号化法(ノーマルモード)と比較検討を行った。特に、フレームレートや前景オブジェクトの割合を変化させ、符号量に与える影響を調査した。その結果、フレームレートに関係なく、前景比率が画面全体の10〜15%程度である場合にMPEG-4通常符号化方法の1/4〜1/2程度の符号量で同程度の画質を実現できることを確認した。また超低レート(128kbit/s、64kbit/s)においてフレームレート、客観画質の評価を行ったところ、同程度のSNRで倍以上のフレームレートを達成できることを確認した。
著者
五十殿 利治 井上 理恵 渡辺 裕 上村 清雄 木下 直之 古川 隆久 京谷 啓徳 大林 のり子 阿部 由香子 日比 嘉高 寺門 臨太郎 川崎 賢子 菊池 裕子 江 みなみ
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

芸術の受容者の鑑賞行動に関する史的な研究については、たとえば近代文学史におけるアンケートに基づく読者調査のような基礎的な資料を欠くところから、研究対象にどのようにアプローチするのか、学術的な方法論が問題である。これに関連して研究対象である受容者の様態を検証することも重要である。本研究においては、共同研究により、従来に顧みられなかったカメラ雑誌の月評など、資料の発掘を含めてその方法論が多様であることが明らかとなり、むしろ研究として今後十分な展開の可能性があることが明らかになった。
著者
光岡 真一 池添 博 西尾 勝久 チョン スンチャン 渡辺 裕
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

原子番号が104番より大きな超重元素は自然界には存在せず、加速器からの重イオンビームを標的原子核に照射して人工的に合成されおり、120番元素の合成候補であるニッケル64と変形したウラン238との反応において、入射エネルギーの微調整が容易でエミッタンスのよい重イオンビームを供給できる日本原子力機構のタンデムブースター加速器を用いて、融合障壁分布を測定し、重い元素合成への新たな道を拓く。
著者
渡辺 裕
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

土地に関わる記憶が人々のうちに形作られ、また変容してゆく過程で、その土地に関連する芸術作品がどのように機能し、その際にいかなるメカニズムが作動しているか、それが人々の共同体意識やアイデンティティ意識の形成にどのように関わっているか、といったことを明らかにするため、小樽市(北海道)、軍艦島(長崎県)、東京タワー、日本橋といった事例を取り上げ、それらの場所を舞台とした映画作品などの作品や、その周辺にある言説の分析を行うことを通して、このような過程に関わる諸要素やそれらのおりなす力学の一端を解明し得た。
著者
神林 恒道 渡辺 裕 上倉 庸敬 大橋 良介 三浦 信一郎 森谷 宇一 木村 和実 高梨 友宏
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

この「三つの世紀末」という基盤研究のタイトルから連想されるのは、十九世紀末の、いわゆる「世紀末」と呼ばれた時代の暗く停滞したム-ドかもしれない。われわれはいままさに「二十世紀末」を生きている。そこからややもすれば「世紀末」という言葉に引きずられて、われわれの時代をこれと同調させてしまうところがあるのではなかろうか。しかしまた実際に、六十年代頃から現在に及ぶ芸術の動きを見やるとき、そこには芸術それ自体としてもはや新たなものは生み出しえない一種の先詰まりの状況が指摘されもする。といってかつての「世紀末」のような暗さはあまり感じられない。ダント-の「プル-ラリズム」、つまり「何でもあり」という言葉が端的に示すように、その気分は案外あっけらかんとしたものだと言えなくもない。今日の「何でもあり」の情況の反対の極に位置づけられるものが、かつて「ポスト・モダン」という視点から反省的に眺められた「芸術のモダニズム」の展開であろう。ところで「ポスト・モダン」という言い方は、いってみれば形容矛盾である。なぜならばmodernの本来の語義であるmodoとは、「現在、ただ今」を意味するものだからである。形容矛盾でないとすれば、この言葉のよって立つ視点は、「モダン(近代)」を過ぎ去ったひとつの歴史的時代として捉えているということになる。それでは過去にさかのぼって、いったいどこに「芸術における近代」の始まりなり起点を求めたらよいのだろうか。そこから浮かび上がってくるのが、「十八世紀末」のロマン主義と呼ばれた芸術の動向である。ロマン主義者たちが掲げた理念として、「新しい神話」の創造というものがある。そこにはエポックメイキングな時代として自覚された「近代」に相応しい芸術の創造へ向けての期待が込められている。この時代の気分は、「世紀末」の暗さとは対照的であるとも言える。つまりこの「三つの世紀末」という比較研究を貫く全体的テーマは、「芸術における近代」」の意味の問い直しにあったのである。
著者
河村 圭 渡辺 裕 富永 英義
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.99, pp.7-16, 2003-10-03
被引用文献数
9

マンガは線画を中心に構成されているため,ベクトル化が有効な符号化手法である.しかし,単純なベクトル化は,網点の存在により逆に符号量の増加をまねく.また,網点を含んだままの解像度変換はモアレの発生原因となる.そこで,本稿では,マンガをベクトル表現する際に網点部分を分離して多階調近似し,残りの線分と共に符号化する手法について検討する.Vectorization is an effective technique for comic image coding, since comics are mainly consist of line drawings. However, an existence of halftone-dots causes an increase of coding bitrate if simple vectorization is used. In addition, moires occur when a resolution of the image with halftone-dots is changed. In this paper, we propose a new technique to achieve highly efficient comic image coding. First, we separate the area of halftone-dots and line drawings from an image. Then, a continuous tone approximation is applied to the area of halftone-dots. Next, the conventional vectorization is applied to line drawings. Finally, these two components are mixed together.
著者
後藤崇行 常松 祐一 渡辺 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.66, pp.31-36, 2005-07-08

フィルムグレインは、フィルムで撮影したコンテンツ特有の模様である。一般に雑音成分として捉えられがちだが、フィルムグレインによってフィルムコンテンツの質感を表現することができるため、質感を表現したい場合、除去されないことが望ましい。しかし、フィルムグレインを含んだ画像に圧縮符号化を施すと符号化による影響を受け失われてしまう。特に近年標準化された動画像符号化方式H.264/AVCにおいては、デブロッキングフィルタや4x4整数変換により、フィルムグレインが失われやすくなっている。H.264/AVCの拡張方式FRExt(Fidelity Range Extensions) では、映画コンテンツなどフィルムグレインを含む高解像度画像において画質改善を行う様々な符号化ツールが追加された。そこで筆者らは、更なるフィルムグレインの再現性を考慮したH.264/AVC符号化方式について検討してきた。本稿では、符号化モード決定のコスト値について考察し、フィルムグレインの再現性を更に向上させる手法の検討を行う。Film grain is a specific texture of film conttents. Though it generally tends to be recognized as a noise,it is preferable for film grain not to be removed to express the feeling of quality of film contents. However,film grain is influenced and lost easily by encoding. Especially,in H.264/AVC which is the state-of-the-art video coding standard,it is more easier for film grain to be lost by performing de-blocking filter and 4x4 integer-transform. In FRExt(Fidelity Range Extensions) which extended the conventional H.264/AVC,various coding tools were added to improve the quality of high definition size images such as movies containing film grain. We have been studying the H.264/AVC encoding method considering the fidelity of film grain. In this paper we consider the method to improve the fidelity of the film grain further by changing the cost value of the encoding mode decision.