著者
渡辺 誠治
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.178, pp.109-123, 2021-04-25 (Released:2023-04-26)
参考文献数
6

日本語には,ヒトやモノの存在を表す動詞として「アル/イル」がある。しかし,「V テイル」を用いてヒトやモノの存在を表す場合も多く見られる。両者の間には使い分けが見られるケースがあるが,使い分けの実態とその規則性にはまだ明確でない点が残されている。 本稿では有情物の存在を表す種々の「V テイル」を俯瞰したうえで,存在動詞「イル」との使い分けが特に問題となる,移動を表す動詞の「V テイル」について考察する。本稿では,用例の分析を通して,存在主体の意図が有情物の存在を表す「V テイル」と「イル」との使い分けに関与していることを明らかにする。同時に,この意図をはじめとする複数の要因が相互に作用しあって有情物の存在を表す「V テイル」と「イル」の間の選択がなされていることを示す。
著者
高橋 靖 長谷川 桂介 杉山 和雄 渡辺 誠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.15-24, 2000
参考文献数
14
被引用文献数
1

本研究は映画における物語の構造を簡潔に表現し, タイトルや内容の検索, ブラウジング, 編集, 要約等に活用するために, 映画における物語の意味的単位であるシーンを複雑化・解決化の尺度で評価するセマンティックスコア法を提案した。5ジャンル15タイトルのセマンティックグラフの解析から重要シーン抽出の手がかりが得られ, またジャンル別にグラフを特徴づける4つの特徴関数, すなわち最高シーン率, 最終複雑度率, 平均シーン秒数, フラクタル次元が導かれた。これよりジャンルのグラフの型が次のように定められた。アクションタイプ「右上がり型」ドラマタイプ「山型」コメディタイプ「台地型」ラブストーリータイプ「右寄り山型」ファンタジータイプ「連峰型」さらに, 4つの特徴関数を用いたジャンルの判別分析によって15タイトルの映画が効果的に判別され, 映画の構造記述におけるセマンティックスコア法の有効性が示された。
著者
高橋 靖 長谷川 桂介 杉山 和雄 渡辺 誠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.57-66, 2000-03-31
被引用文献数
9

本研究は映画における物語の構造を簡潔に表現し, タイトルや内容の検索, ブラウジング, 編集, 要約等に活用するために, 映画における物語の意味的単位であるシーンを複雑化・解決化の尺度で評価するセマンティックスコア法を提案した。5ジャンル15タイトルのセマンティックグラフの解析から重要シーン抽出の手がかりが得られ, またジャンル別にグラフを特徴づける4つの特徴関数, すなわち最高シーン率, 最終複雑度率, 平均シーン秒数, フラクタル次元が導かれた。これよりジャンルのグラフの型が次のように定められた。アクションタイプ「右上がり型」ドラマタイプ「山型」コメディタイプ「台地型」ラブストーリータイプ「右寄り山型」ファンタジータイプ「連峰型」さらに, 4つの特徴関数を用いたジャンルの判別分析によって15タイトルの映画が効果的に判別され, 映画の構造記述におけるセマンティックスコア法の有効性が示された。
著者
杉山 和碓 金 哲浩 小野 健太 渡辺 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.11-18, 1999-03-31 (Released:2017-07-21)
参考文献数
2
被引用文献数
1

デザイン決定プロセスはその企業の状況, 体質などによって異なる。その中で本研究ではデザイン決定プロセスに影響を与えると思われる要素の一つとして組織体系(企業におけるデザイン機能の組織的な位置)を取り上げ, 各企業におけるデザイン決定プロセスと組織体系との関係を明らかにし, 効率的なデザイン決定プロセスを行うための方向性を示すことを目的とした。そして, 各社のプロセスの現状を把握するために調査を行い, 各社のデザイン決定プロセスと組織体系を分類し, 比較を行った。その結果, デザイン決定プロセスの効率化においては, 事業部内デザイン組織の方が, 企業内独立デザイン組織に比べて効率的なプロセスをとっていることが分かった。しかし, 企業内独立デザイン組織であっても, 情報・知識の共有, 思考様式の統一を図るための工夫, 努力をすることによリ, 効率的なプロセスをとることは可能であることもわかった。
著者
小沢 慶彰 村上 雅彦 渡辺 誠 冨岡 幸大 吉澤 宗大 五藤 哲 山崎 公靖 藤森 聡 大塚 耕司 青木 武士
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.696-700, 2015 (Released:2016-09-10)
参考文献数
8

直腸腫瘍に対し砕石位にて手術施行後に下肢コンパートメント症候群を合併した2例を経験したので,その予防対策とともに報告する.症例1は61歳男性.直腸癌に対し腹腔鏡下低位前方切除術施行した.体位は砕石位,下肢の固定にはブーツタイプの固定具を用い,術中は頭低位,右低位とした.手術時間は6時間25分であった.第1病日より左下腿の自発痛と腫脹を認めた.後脛骨神経・伏在神経領域の痺れ,足関節・足趾底屈筋群の筋力低下を認めた.下肢造影CTで左内側筋肉の腫脹と低吸収域を認めた.血清CKは10,888IU/Lと高値,コンパートメント圧は22mmHgと高値であった.左下腿浅後方に限局したコンパートメント症候群と診断し,同日筋膜減張切開を施行した.術後は後遺症なく軽快した.症例2は60歳男性.直腸GISTに対し腹会陰式直腸切断術を施行した.体位,下肢の固定は症例1と同様であり,手術時間4時間50分であった.術直後より左大腿~下腿の自発痛と腫脹を認めた.術後5時間には下腿腫脹増悪,血清CKは30,462IU/Lで,コンパートメント圧は60mmHgと高値であった.左下腿コンパートメント症候群と診断,同日筋膜減張切開を施行した.術後は後遺症なく軽快した.直腸に対する手術は砕石位で行うことが多いため,下腿圧迫から生じる下肢コンパートメント症候群の発症を十分念頭におく必要がある.一度発症すれば重篤な機能障害を残す可能性のある合併症であり,砕石位を取る際には十分な配慮をもって固定する必要がある.また,発症した際には早期に適切な対処が必要である.当手術室ではこれらの臨床経験から,砕石位手術の際に新たな基準を設定,導入しており,導入後は同様の合併症は認めていない.それら詳細も含めて報告する.
著者
藤枝 幹也 脇口 宏 川久保 敬一 渡辺 誠司 倉繁 隆信 弘井 誠 原 弘
出版者
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.499-503, 1992

症例は7歳女児.3歳7ヵ月頃から出血傾向, 血小板減少, 巨核球減少, 赤芽球形態異常とHbF高値などが持続し, 6歳2ヵ月に骨髄芽球の増加がみられ, 骨髄異形成症候群 (MDS, RAEB) と診断された.少量cytosine-arabinoside (Arac-C) 療法で, 貧血と出血傾向の改善, 芽球の減少がみられたが, 約1年後にovert leukemla (FAB分類M2) に急性転化した.多剤耐性で寛解がえられず, 入院9ヵ月目から咳嗽出現し, 胸部レ線像でび慢性の浸潤像と心陰影の拡大が認められた.抗生剤, 抗真菌剤, 強心剤に反応せず死亡した.剖検では, 左肺上葉に空洞形成がみられ, 組織学的にアスペルギローシスの像を呈していた.全肺胞はPAS染色で顆粒状に染まる物質でみたされ, 一部oil redに染まっていた.電顕像でmultilamellated structureが認められアスペルギルス感染に伴う肺胞蛋白症と診断された.
著者
渡辺 誠 村上 雅彦 小沢 慶彰 五藤 哲 山崎 公靖 藤森 聡 大塚 耕司 青木 武士
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.647-651, 2015 (Released:2016-09-10)
参考文献数
18

炭水化物含有飲料水 (CD) の胃内容排出時間を超音波検査にて検討する.健康成人被験者4例 (男女各2例,平均年齢52歳) に対して,水,6.2% CD (ポカリスエット®),12.5% CD (100mlあたり6.3gのブドウ糖末を付加したポカリスエット®) を,中7日隔日で各々400ml全量摂取し,腹部超音波検査にて胃幽門部面積 (PA) を経時的に測定した.全例,各飲料水の摂取は可能であった.水では,45分で摂取前のPAと同等になった.6.2% CDでは60分で全例,摂取前のPAと同等になった.12.5% CDでは,4例中2例において摂取後60分で,また90分で残り2例も摂取前のPAと同等になった.健康成人被験者において,400mlの12.5% CDは,摂取後90分以内に胃から排泄された.全身麻酔導入2時間前までの12.5% CD摂取は可能であることが示唆された.
著者
田口 隆信 高橋 仁 渡辺 誠衛 大野 剛 宮崎 敏夫 伊藤 英晃
出版者
The Society of Materials Engineering for Resources of JAPAN
雑誌
素材物性学雑誌 (ISSN:09199853)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.48-52, 2011 (Released:2012-08-01)
参考文献数
6
被引用文献数
1

We studied the effect of fermented sake (moromi)solutions and sake cake extracts on the growth of cancer cells. The long fermented moromi solutions inhibited the growth of cancer cells. On SDS/PAGE (sodium dodecyl sulfate/polyacrylamide gel electrophoresis), we found that decreasing of 52-kDa and 28-kDa protein bands in long fermented solutions. The 28-kDa protein may play an important role in the inhibition of cancer cell growth by fermented sake solutions.
著者
平川 善之 野原 英樹 北條 琢也 蓮尾 幸太 山崎 登志也 原 道也 花田 弘文 渡辺 誠士
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0331, 2005 (Released:2005-04-27)

【目的】反張膝はスポーツ障害・外傷に結びつくマルアライメントの一つである。臨床上、反張膝が原因と思われる半月板・靭帯損傷や、膝を徒手的に強制過伸展させることで再現できる膝蓋下や膝窩の疼痛を経験する。しかしこの疼痛を説明できる反張膝の過伸展域での運動動態を現したものはみられない。そこで今回健常者を対象に、膝過伸展角度を測定後、X線透視下にて膝伸展0°位(以下0°位)及び最大努力伸展位(以下HE位)の2条件の膝関節肢位で形態的特長を分析し、興味ある知見が得られたので報告する。【対象】下肢に疾患を有しない健常者19名(男性10名女性9名)36肢、平均年齢25.4±4.2歳である。【方法】a、膝過伸展角度の測定:被検者全員を立位にて、膝を最大過伸展させ、大転子・膝関節中央・外果を結んだ線を計測した。伸展角度15°以上を重度過伸展群(以下A群)、5°以上15°未満を中度過伸展群(以下B群)、5°以下を非過伸展群(以下C群)に分類した。b、X線透視:X線透視は全被験者に本研究の十分な説明を行い、同意を得た上で行った。東芝製透視装置(KXO-15C)を使用し、被験者は座位で矢状面より透視下にて大腿骨が真側面となるよう調節し、0°位とHE位の2肢位を3秒間静止させ録画した。録画した映像を画面上でトレースし以下の項目を測定した。脛骨関節面傾斜角(以下TJA):中点法により求めた大腿骨長軸と脛骨関節面のなす角とし、膝の前方で大腿骨側を計測した。脛骨前方変位量(以下TAD):大腿骨長軸と平行に大腿骨外・内顆と脛骨外・内顆に接する線を作図しその距離を測定し、大腿顆部最大前後径で除して標準化した。これらの形態的数値を基に0°位、HE位で、各群間を比較することにより、過伸展域での運動学的特性を分析した。統計処理は分散分析(有意水準5%未満)および多重比較(有意水準1%未満)を用いた。【結果】1:被検者の内訳はA群5名、B群6名、C群8名であり、平均膝過伸展角度は7.5°(±4.5°)であった。2:TJAは被験者の群間および膝関節肢位の両方の主効果が有意であった。HE位においてA群はC群よりも有意に大きかった。3:TADは群間の主効果に有意差はなかった。【考察】結果2、3より、0°位では膝過伸展角度の程度に関らず、各群間で形態的な特徴はみられないが、HE位ではA群はC群と比べ、脛骨前方変位に差はなく脛骨関節面の傾斜が大きくなることがわかった。このことはC群に比べてA群では、0°位から過伸展する際に、いわゆる「滑りと転がり運動」のうち、「滑り」に差はないが「転がり」が強いと考察された。これにより膝前方では脛骨関節前面と大腿骨関節面が衝突し、ここが支点となって後方では大腿・脛骨間距離が開大し、関節構成体の緊張の増大が起こることが推測される。このため強制過伸展により膝蓋下や膝後面に疼痛を生じさせる機序が考えられた。
著者
渡辺 誠 牧原 寛之 矢吹 みや子
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.413-417, 1988-09-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
12

倍体/4倍体モザイク染色体異常を有する5歳5カ月の女児の1症例について, その発達的側面を含めて報告した. 重度精神遅滞, 小頭症, 両眼離開, 耳介低位, 口蓋裂, 小下顎症, 第5指内攣・単一屈曲線, 内反足, 内斜視などの臨床像を認め, 頭部CTでは, 無脳回症を疑わせる脳回異常および側脳室拡大がみられた. また, 小脳虫部欠損も疑われた. 脳波検査で右側頭部に鋭波の出現がみられたが, 臨床的には何ら発作は認められなかった. 遠城寺式乳幼児分析的発達検査法を用いて2歳11カ月より5歳5カ月までの発達を経時的に追跡した. その結果, 発達の全般的な遅れおよび発語面における発達の著しい遅れという特徴をみた. 緩徐にではあるがなお発達を示しつつあり, 今後精神発達を促進するために治療教育的アプローチが必要であると考えられる.
著者
吉村 理 前島 洋 小林 隆司 峯松 亮 佐々木 久登 田中 幸子 金村 尚彦 白濱 勲二 上田 健人 上田 千絵 渡辺 誠 矢田 かおり 宮本 英高 森山 英樹 加藤 浩 河元 岩男
出版者
広島大学大学院保健学研究科
雑誌
広島大学保健学ジャーナル (ISSN:13477323)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.73-77, 2001

頚髄損傷の評価では,頚髄の損傷の程度と損傷高位が重要である.米国脊髄損傷協会は,脊髄損傷の障害の評価法を発表し,脊髄損傷の神経学的および機能的分類のための国際基準として現在国際的に使用されている.しかし可能性に挑戦するリハビリテーションとしては,より詳細な高位分類が必要である.Zancolli分類は頚髄損傷四肢麻痺の上肢機能を細かく分類し,リハビリテーションからみても車椅子ADLが自立する可能性のあるC6を細かく分けているのは有用である.しかしマット上基本動作,移乗・移動などの動作が自立するか否かの判断に重要な肩甲帯筋群の評価がない.従来肘伸展筋である上腕三頭筋はC7髄節筋であるが,Zancolli分類ではC6髄節残存群のサブグループとしているのは混乱をまねく.そこでZancolli分類を改良し,損傷高位別の機能到達目標を決定するための評価表を作成し,ADLが自立する可能性について検討した.改良Zancolli分類でみるとC6BⅡが車椅子ADL自立の境界レベルである.
著者
渡辺誠
出版者
思索社
雑誌
ブナ帯文化
巻号頁・発行日
pp.87-106, 1985
被引用文献数
1
著者
星 真人 中島 洋平 上田 義弘 渡辺 誠 杉山 和雄
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.176, 2005

近年、携帯電話市場では同じスペックの新しい製品が登場し、デザインによる差別化をはかろうと各社努力している。しかしながら、現状では何が消費者の興味を惹いているのか、またどの部分のデザインが購買意欲に結びついているのかは明確ではなく、デザイナーが注力すべき部分や素材の選定などが困難である。そこで本研究では、多変量解析を用いて購買意欲につながる構成要素を明らかにすることを目的として行った。その結果、全体的にカラーが最も購買意欲に影響を与えており、さらにセグメントごとに、着目点は異なり、サブディスプレイ周りやカメラ位置に着目しているセグメントもあることが分かった。