著者
渡邊 裕樹 和田 明哲 月崎 竜童 池田 知行 WATANABE Hiroki WADA Asato TSUKIZAKI Ryudo IKEDA Tomoyuki
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告: 将来深宇宙探査に向けた革新的超小型推進系研究グループ 2020年度研究成果報告書 = JAXA Research and Development Report: Technical Report of the Research Activity for Innovative Micro Propulsion Systems for Future Deep Space Explorations (2020) (ISSN:24332216)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RR-20-008, pp.6-12, 2021-02-12

Research and development of low-power Hall thruster system is important for the realization of space explorations using micro spacecrafts. In this paper, technical problems for the development of low-power Hall thruster system was discussed based on the previous experimental results of 100-W class Hall thruster.
著者
渡邊 裕子 赤星 千絵 関戸 晴子 田中 幸生 田中 和子 下条 直樹
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.98-104, 2012
被引用文献数
3

全卵・卵白・卵黄を用いた菓子・肉団子・パスタ・プリンモデル食品を作製し,調理による卵タンパク質の検出値の変化を,抽出液にトリス塩酸緩衝液を用いたELISAキットにより測定した.菓子,肉団子では揚調理が最も低下し,肉団子はレトルト処理によりオボアルブミン(OVA)は検出限界以下(<1 μg/g)となり,オボムコイド(OVM)も最も低下した.ゆえに,調理温度とともに均一な加熱処理が加わる調理方法が卵タンパク質の検出に影響した.また,卵黄使用の肉団子レトルト処理とパスタでは,いずれの卵タンパク質も6 μg/g以下となり,さらに患者血清中のIgE抗体によるウエスタンブロット法では,OVA,OVMは検出されなかった.一方,抽出液に可溶化剤を用いたELISAキットでは,前述のキットに比べ定量値が上がり,加熱処理したタンパク質が検出された.
著者
渡邊 裕子 秋山 晴代 大澤 伸彦 井村 香織 伊関 直美 植田 壽美子 政岡 智佳 赤星 千絵
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.193-202, 2021-12-25 (Released:2021-12-25)
参考文献数
28
被引用文献数
3

大豆の調理・加工によるタンパク質定量への影響を検討した.リン酸緩衝食塩水抽出画分はビシンコニン酸法で測定し,ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)と2-メルカプトエタノール(ME)含有緩衝液抽出画分は2-D Quant Kitで測定し,各画分のSDSポリアクリルアミド電気泳動分析を行い,さらに各種ELISAで測定を行った.豆腐調理過程では浸漬大豆と生呉でタンパク質濃度が変動し,試料均一化時の水分量によるタンパク質溶解性の変動が要因と考えられた.豆乳作製時の生呉の加熱でのタンパク質濃度の低下は熱変性を表すと考えられた.豆腐ではSDS,ME抽出による測定系への影響が考えられた.加熱調理では炒り豆を除き50 kDa付近以上と20 kDa付近のタンパク質が変性し,2度揚げ豆腐で40 kDa付近のタンパク質が変性したが,煮豆を除いたタンパク質濃度は低下しなかった.さらに炒り豆,ゆば,炒りおから,揚げ豆腐では調理時間に伴いタンパク質濃度が増加したことから,水分の低下に伴いタンパク質の変性温度が高温にシフトしたと考えられた.食品表示法に準拠した2種のELISAは大豆調理加工品や納豆を除いた発酵食品,健康食品中のタンパク質とペプチドを検出し,大豆タンパク質の検出に有用であった.
著者
原 匠一郎 渡邊 裕司 清水 昭信
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.255-256, 2020-02-20

本研究では、組み合わせ最適化問題の1つである巡回セールスマン問題(TSP)を、物理的な現象を用いて解く方法を提案する。物理的な現象そのものを用いることで計算量を減らし、より短時間で解を得られると期待できる。本手法では、各2都市間を抵抗のある導線ですべて繋げたモデルを考える。このモデルに対して垂直に一様な交番磁界をかけると、各導線に渦電流が流れる。この渦電流の値を測定し、測定した値を用いてTSPの解を得ようとするのが、本研究の狙いである。本研究では、TSPで与えられている移動コストに加えて、提案する物理モデルによって測定された渦電流の値を用いることで、Greedy法の改良を図り、提案手法が有効に働くことを示す。
著者
渡邊 裕文
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.23-29, 2005 (Released:2006-01-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1

There are a lot of motor related areas in cerebral cortex. This paper describes the premotor area (PM) and supplementary motor area (SMA). These areas belong in area 6 of Brodmann's areas and they are very important for preparation and planning of movement, although each of them has an independent function. We hope this article will help you to understand those functions and your clinical treatment.
著者
本山 達男 尾川 貴洋 小川 貴久 古江 幸博 永芳 郁文 川嶌 眞之 佐々木 聡明 渡邊 裕介 小杉 健二 川嶌 眞人 田村 裕昭
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.481-484, 2015-09-25 (Released:2015-12-03)
参考文献数
6

膝前十字靭帯(ACL)損傷に伴う骨挫傷は,MRIでのACL損傷診断の補助となる.ACL新鮮例のMRIでの骨挫傷について検討した.対象と方法)対象は2011年7月より2014年7月まで当院でACL損傷にて関節鏡もしくは鏡視下靭帯再建を行った41例,41膝,男性21例,女性20例,平均年齢30歳(13-58)右膝12例,左膝29例であった.MRIにて骨挫傷の有無,部位について,また受傷機転,スポーツ種目について検討した.結果)41膝中39膝(95.1%)に骨挫傷を認め,脛骨外側顆36膝,大腿骨外側顆28膝,脛骨内側顆13膝,大腿骨内側顆6膝であった.また内側コンパートメントの骨挫傷単独例はなく,外側コンパートメントの骨挫傷を合併していた.41例中39例はスポーツが原因で,バレーボール17例,バスケットボール10例,サッカー6例などであった.受傷機転はジャンプし着地時の受傷が21例と多かった.非接触型の受傷は34例(82.9%)を占め,接触型より内側の骨挫傷を多く合併していた.
著者
穐山 浩 五十鈴川 和人 張替 直輝 渡邊 裕子 飯島 賢 山川 宏人 水口 岳人 吉川 礼次 山本 美保 佐藤 秀隆 渡井 正俊 荒川 史博 小笠原 健 西原 理久香 加藤 久 山内 淳 高畑 能久 森松 文毅 豆越 慎一 村岡 嗣朗 本庄 勉 渡邉 敬浩 坂田 こずえ 今村 知明 豊田 正武 松田 りえ子 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.120-127, 2004-06-25
参考文献数
16
被引用文献数
2 12

特定原材料である牛乳タンパク質測定のELISA法の確立のために10機関による検証評価試験を行った.カゼイン,β-ラクトグロブリンおよび牛乳タンパク質を測定する3種類のELISA法とも同時再現性はおおむねCV値10%以下と良好であった.10機関で牛乳標準溶液を添加した5食品の各食品抽出液を分析した際の平均回収率は,3種類のELISA法とも数種類の食品抽出液を除きおおむね40%以上であった.しかしカゼインキットでは,回収率が極端に低いソースの抽出液の場合,抽出液のpHを中性に調整した後に測定すると回収率が改善された.また牛乳エライザキットでは,クッキー,シリアル,パスタソースの抽出液において,回収率が低かったが,プレート上の抗体量を増加させることにより改善された.3種類のELISA法の検出限界は,測定溶液の濃度で1 ng/mLであった.
著者
桝本 妙子 山田 陽介 山田 実 中谷 友樹 三宅 基子 渡邊 裕也 吉田 司 横山 慶一 山縣 恵美 伊達 平和 南里 妃名子 小松 光代 吉中 康子 藤原 佳典 岡山 寧子 木村 みさか
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.390-401, 2015 (Released:2015-10-27)
参考文献数
43
被引用文献数
6

目的 地域在住自立高齢者の転倒リスクとその関連要因および性差を検討した。方法 京都府亀岡市の65歳以上の全高齢者の中で要介護 3 以上を除く18,231人に対して2011年 7~8 月に行った自記式留め置き式質問紙調査への回答者13,159人のうち(回収率72.2%),要支援・要介護認定者を除く「自立高齢者」12,054人について分析した。調査票は個別に配布し郵送で回収した。調査内容には,基本属性,鳥羽らによる転倒リスク簡易評価指標 5 項目,日常生活圏域ニーズ調査基本チェックリスト25項目,老研式活動能力指標13項目を用い,高齢者の諸機能や生活機能の低下の有無を示す 9 つの指標(①運動機能,②低栄養,③口腔機能,④閉じこもり,⑤物忘れ,⑥うつ傾向,⑦ IADL,⑧知的能動性,⑨社会的役割)で調査した。分析は,性,年齢別の転倒リスクとその関連要因および性差をカイ二乗検定とロジスティック回帰分析により把握し,9 つの評価指標を独立変数,年齢と教育年数を共変量,転倒リスクを従属変数とするロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)を行って各要因による転倒リスクへの独立した影響を性別ごとに分析した。結果 本調査回答者の過去 1 年間の転倒率は20.8%で,転倒リスク高群は26.6%であった。転倒リスクは,男女とも加齢とともに高くなり,女性はすべての年齢層において男性よりも高かった。また,男女とも,すべての評価指標と転倒リスクとの関連がみられ,それぞれの要因を調整した結果では,男性は運動機能,低栄養,口腔機能,物忘れ,うつ傾向,IADL に,女性は運動機能,口腔機能,物忘れ,うつ傾向,IADL に有意な関連がみられ,運動機能低下は男女とも最も強い要因であった。性差では,低栄養,口腔機能は男性の方に,IADL,知的能動性は女性の方に転倒リスクとの関連が強かった。結論 地域在住自立高齢者の 5 人に 1 人は過去 1 年間に転倒を経験し,4 人に 1 人は転倒リスクを有していた。転倒リスクと 9 つすべての評価指標との間に有意な関連がみられ,とくに男女とも運動機能低下が最も大きかった。また,転倒リスクに影響する要因に性差がみられ,性別を考慮した支援策が必要と示唆された。
著者
髙森 絵斗 水口 真希 早田 恵乃 渡邊 裕文 文野 住文 鈴木 俊明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.939-943, 2015 (Released:2016-01-09)
参考文献数
9

〔目的〕脳血管障害片麻痺患者の麻痺側母指球筋の筋緊張抑制に対する手太陰肺経の尺沢への経穴刺激理学療法の効果を明らかにすることとした.〔対象〕本研究に同意を得られた脳血管障害片麻痺患者7名とした.〔方法〕尺沢への経穴刺激理学療法施行の前後に麻痺側母指球筋からF波を測定し,安静試行と他の試行との間で振幅F/M比,出現頻度,立ち上がり潜時をそれぞれ比較した.〔結果〕振幅F/M比は安静試行と比較して,経穴刺激理学療法試行中,終了直後,5分後,10分後,15分後に有意に低下した.出現頻度,立ち上がり潜時は,経穴刺激理学療法試行前後の変化を示さなかった.〔結語〕筋緊張抑制目的の経穴刺激理学療法では,脊髄神経機能の興奮性を抑制することが示唆される.
著者
安井 重男 藤本 将志 渡邊 裕文 大沼 俊博 赤松 圭介 中道 哲朗 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.69-73, 2008 (Released:2009-01-15)
参考文献数
5
被引用文献数
3

We have experimented with physical therapy for patients with difficulty of body weight transfer due to hyperactivity of the latissimus dorsi and muscular contractions. For lateral body weight transfer, training changed the distance of lateral transfer in the sitting position. Recent electromyographic (EMG) studies on the latissimus dorsi reported activities in its upper and lower fibers in the scapular brachial joint during trunk exercise. However, the activities of this muscle on lateral transfer in the sitting position have not been analyzed. In this study, we examined the influence of changes in the distance of lateral transfer in the sitting position using the EMG of the upper and lower fibers of the latissimus dorsi. Initially, in the end-sitting position (starting limb position), in which the bilateral arms were folded, we measured integrated EMG (iEMG) for the upper and lower fibers of the bilateral latissimus dorsi. Subsequently, the shoulder girdle was transferred in the lateral direction at distances of 5, 10, 15, and 20 cm without inclining or rotating the line between the bilateral acromions, while maintaining the head in the vertical position, with both feet placed on the ground from the starting limb position. We determined the respective iEMGs. There were no significant lateral transfer distance-related changes in the relative iEMG for the upper and lower fibers of the mobile side latissimus dorsi. Furthermore, the value for the upper fibers of the non-mobile side increased with the distance of lateral transfer. In addition, the value for the lower fibers of the non-mobile side also elevated with the lateral transfer distance; at a distance of 20 cm, the value was significantly higher than those at distances of 5 and 10 cm. Based on the results of this study, it may be important to evaluate the abdominal oblique muscles, dorsolumbar muscles, and latissimus dorsi in performing lateral body weight transfer. Training chang the distance of lateral transfer in the sitting position of patients with difficulty of lateral transfer . In addition, the actions of the upper fibers of the latissimus dorsi differed from those of the lower fibers, suggesting the necessity of assessing these fibers individually.
著者
永田 健一郎 辻 敏和 村岡 香代子 米滿 紘子 久光 莉瑛 舞 彩華 橋本 昂介 月野木 祥子 渡邊 裕之 金谷 朗子 江頭 伸昭
出版者
一般社団法人 日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.83-90, 2020-08-31 (Released:2020-09-18)
参考文献数
10

Objective: In this study, we aimed to develop a new system that can centrally manage and share drug information, and also evaluated its usefulness.Methods: Using PHP v5.3.3 as the programming language and MySQL v5.1.73 as the database, we built a web application that constantly runs on the server. Various drug information was registered in this system, and its usage status was analyzed based on the access log.Results: The system was accessed 31,678 times during the survey period (October 1 to December 31, 2019). The information sought included: basic drug information (ordering category of drugs, dosage forms and strengths, drug price, etc.) (13,962 times, 44.1%),question and answer records (7,221 times, 22.8%), pharmaceutical documents (package inserts, interview forms, documents regarding compatibility of injections, etc.) (7,172 times, 22.6%), notifications regarding new and discontinued drugs (727 times, 2.3%), websites (676 times, 2.1%), PreAVOID reports (663 times, 2.1%), pharmaceutical safety information (525 times, 1.7%), information regarding off-label drug use (409 times, 1.3%), and bibliographic information and guidelines (323 times, 1.0%). Among the users (62 pharmacists), 59.7% accessed the system only via a personal computer (PC), 38.7% via a PC and smart device (smartphone or tablet),and 1.6% via only a smart device. The median number of accesses to this system was significantly higher in pharmacists in charge of wards (190 [9-1,435]) or drug information (3,750 [2,957-5,548]) than dispensing pharmacists (68.5 [3-193]) (p<0.001).Conclusion: This system allowed the central management and sharing of various drug information on the web, permitting access regardless of device type. Since this system was frequently used by pharmacists in charge of wards or drug information, this system was considered particularly useful in hospital pharmacist ward services and drug information services.
著者
渡邊 裕文 大沼 俊博 藤本 将志 水上 俊樹
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.5-11, 2011 (Released:2012-01-06)
参考文献数
1

In this paper, we introduce some approaches that have been used for hemiplegic patients with serious sensory disturbance in our hospital's convalescence rehabilitation ward. The highest function level in the present case was sitting in a leaning position, and this patient needed assistance in all the activities of daily living. Our treatment aimed to adjust the alignment of the trunk and the neck and improve the mobility of the non-paralyzed upper and lower limbs. Herein, we discuss our goal, potential outcome, and problems of impairment through the treatment and sitting posture in the wheelchair before and after treatment.
著者
山縣 恵美 渡邊 裕也 木村 みさか 桝本 妙子 杉原 百合子 小松 光代 岡山 寧子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.369-379, 2020-06-15 (Released:2020-07-02)
参考文献数
33

目的 高齢者の閉じこもり予防および改善の支援に向けて,地域在住自立高齢者を対象とした体力測定会に参加した者の2年間の閉じこもりに関する状態の変化とその関連要因を明らかにすることを目的とした。方法 亀岡市10地区の高齢者6,696人に対し2011年7月に日常生活圏域ニーズ調査(以下,ベースライン調査)を実施し,その回答者に2012年3~4月に体力測定会を開催し1,379人が参加した。この1,379人に対し2013年9月に再度体力測定会の案内を郵送し,参加を希望した638人に質問紙調査(以下,追跡調査)を実施した。本研究の対象者は,両調査で閉じこもり関連項目に回答した522人とした。分析には,ベースライン調査より基本属性,日常生活状況,健康状態,基本チェックリスト,生活機能に関する項目を,追跡調査より閉じこもりに関する項目を用いた。閉じこもりは,基本チェックリストの2項目のうち,1項目以上該当したか否かで評価した。両調査から,1) 非閉じこもりであった者が,そのまま非閉じこもり(非閉じこもり維持群)であったか,閉じこもり項目に該当(閉じこもり移行群)したか,2) 閉じこもり項目該当者が,それを改善(閉じこもり改善群)したか,そのまま(閉じこもり継続群)であったかで対象者を分類した。各群の特性を比較後,ロジスティック回帰分析を行い,閉じこもりに関する状態の変化に関連する要因を明らかにした。結果 ベースライン調査で非閉じこもりであった375人中,非閉じこもり維持群が326人(86.9%),閉じこもり移行群が49人(13.1%)であった。また,閉じこもり項目に該当した147人中,閉じこもり改善群が85人(57.8%),閉じこもり継続群が62人(42.2%)であった。2年後に新たに閉じこもり項目に該当する要因として,社会的役割が低いこと(OR=1.481,CI=1.003-2.185)が,閉じこもり改善の要因として,治療疾患がないこと(OR=14.340,CI=1.345-152.944),知的能動性が高いこと(OR=2.643,CI=1.378-5.069)が選択された。結論 2年間の縦断研究より,非閉じこもりであっても社会的役割の乏しい高齢者への支援の必要性が,また,閉じこもり項目該当者に対しては,治療疾患,知的能動性を考慮した支援の必要性が示唆された。
著者
大沼 俊博 渡邊 裕文 蔦谷 星子 三好 裕子 山口 剛司 赤松 圭介 藤本 将志 鈴木 俊明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.B0551, 2004 (Released:2004-04-23)

【はじめに】臨床場面において歩行の立脚期に体幹・骨盤・下肢に不安定性を認める患者の理学療法を経験することがある。この時立脚側の支持性向上を図る目的で、片脚立位にて非支持側股関節を外転させての練習を実施することがある。我々は先行研究にて前方台へのステップ保持が、体幹筋や下肢筋の筋積分値に与える影響について検討してきた。今回我々は片脚立位における非支持側股関節外転角度を変化させた場合の両側外腹斜筋、内腹斜筋および腰背筋群の筋積分値変化について検討し、若干の知見を得たので報告する。【対象と方法】対象は、整形外科、神経学的に問題のない健常男性7名、平均年齢は28.9歳であった。まず被験者に安静立位保持をさせた。この状態で筋電計ニューロパック(日本光電社)を用いて、双極導出法にて両側外腹斜筋、内腹斜筋、腰背筋群の筋積分値を測定した。外腹斜筋の電極は第8肋骨下縁に電極間距離2cmにて配置し、内腹斜筋は両側上前腸骨棘を結ぶ線より2cm下方の平行線と鼠径部との交点、および2cm内方へ電極を配置した。さらに両側腰背筋群の電極は第3腰椎棘突起側方3cmおよび上方2cmの位置へ配置した。測定時間は10秒間とし、3回測定した。次に非支持側の下肢において股関節外転角度を0°、15°、30°、45°、60°と変化させ、同様に筋積分値を測定した。この時の股関節外転角度は非支持側上前腸骨棘を通る床面への垂線を基本軸とし、大腿中央線を移動軸とした。また骨盤の傾斜角度を確認するため、両側の上前腸骨棘にマーカーを貼付し、前方よりビデオ撮影した。【結果および考察】骨盤傾斜角度は、股関節外転角度の増大に伴い増加した。外腹斜筋の筋積分値は両側共に有意な変化を認めなかった。内腹斜筋、腰背筋群については両側共に股関節外転角度の増大に伴い増加した。三浦らによると、外腹斜筋は動作と同期して活動しやすく、体幹回旋時の求心性収縮作用に関与すると述べている。またSnijdors、三浦らは、片脚立位や歩行の立脚期において、仙腸関節へ生じる剪断力に対して内腹斜筋の筋活動はそれを防ぐ効果があると報告している。さらに市橋らは立位での非支持側股関節外転時、支持側の中臀筋に筋活動の増加を認めたと報告し、またCastaingは片脚立位の場合、支持側の中臀筋、大臀筋、大腿筋膜張筋が骨盤の非支持側への傾斜を制御すると報告している。本結果から両側外腹斜筋に関しては、本課題では体幹回旋動作がなく、求心性収縮の要素がなかったため筋積分値に変化を認めなかったと考える。また両側内腹斜筋に関しては、非支持側股関節外転位での片脚立位時に生じる仙腸関節への剪断力の増加に対して筋積分値の増加を認めたと考える。さらに両側腰背筋群に関しては、本課題では支持側中臀筋、大臀筋、大腿筋膜張筋と共に骨盤の非支持側への傾斜に対する制御に関与したと考える。
著者
渡邊 裕太 上原 巌 田中 恵
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第127回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.226, 2016-07-08 (Released:2016-07-19)

一般に樹木菌根は土壌中で菌が根に感染することで形成され、養分の受け渡しをするなどの役割が知られている。これらの働きは実生の生残や成長にも重要な役割を果たしていると考えられる。そこで、実生への菌根菌感染はいつ行われ、どのような菌根菌相を持つのか明らかにするために、有用広葉樹であるミズナラ実生を対象として調査を行った。東京農業大学奥多摩演習林と山梨県小菅村鶴峠付近のミズナラ林で2015年2月からミズナラ実生を採取した。採取した実生の根から菌根の特徴ごとに形態的分類を行いその後DNA解析による菌根菌の種推定を行った。実生1本あたりの菌根数は100~200個程度が多く見られた。一方感染していなかった個体は1本のみで他はすべて感染が確認された。これにより自然下ではほぼ確実に菌根菌に感染すると考えられる。未感染の個体も発芽後あまり時間がたっていなかったためであると思われる。今回確認された菌種は、Tomentella、Russula、Sebacina、Cenococcum geophilm、Laccaria、Lactarius、Inocybe、Amanita 等に属していた。
著者
渡邊 裕文
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.15-19, 2006 (Released:2007-01-30)
参考文献数
7
被引用文献数
1

Generally diseases which cause disorder of coordinated movement are cerebrovascular diseases, brain tumors, multiple sclerosis, spinal cerebellar and degeneration. Especially, many patients with cerebellum disease have disorders of coordinated movement. This paper describes the function of the cerebellum and disorders of coordinated movement. For physical therapy of disorder of coordinated movement we define the part of instability and provide compensatory fixation. Then, it is important that we facilitate the stabilized movement of patients in a functional setting.