著者
牛島 大志 田中 周平 鈴木 裕識 雪岡 聖 王 夢澤 鍋谷 佳希 藤井 滋穂 高田 秀重
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.107-113, 2018 (Released:2018-07-10)
参考文献数
14
被引用文献数
1 9

近年, マイクロプラスチック汚染が世界中で注目を集め, 生態系への悪影響が懸念されている。マイクロプラスチックとは粒径5 mm以下のプラスチック粒子である。本研究では日本内湾5ヶ所および琵琶湖における魚7種を対象とし, その消化管中の粒径100 μm以上のマイクロプラスチックの存在実態の把握を目的とした。魚197匹中74匹から140個のマイクロプラスチックが検出され, すべての地点でその存在が確認された。魚1匹あたりから検出されたマイクロプラスチック数は平均1.89個であり, その大半がポリプロピレン (40.7%) とポリエチレン (35.0%) であった。平均粒径の中央値は543 μmであった。摂食方法別にろ過摂食魚類とろ過摂食以外の魚類に分類すると, 前者97匹中54.6%, 後者100匹中21.0%からマイクロプラスチックが検出された。摂食方法によるマイクロプラスチックの誤飲量への影響が示唆された。
著者
王 欣蕙
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-70, 2016-03-25

世界の先進諸国では、外国籍であって、かつ定住する大量の移民人口が生まれている。「定住外国人」と呼びうる人々が先進国で人口の5%以上、国によっては一割以上にも達している(ハンマー1999)。日本は外国籍者についても、もはや外国人市民の参加をめぐる議論の埒外に置くことはできなくなっている(宮島2000)。これからの自治体に必要なことは、それぞれの地域で本当に必要とされ、自らの責任において住民のニーズに応え、住民のための政策を設計することである。現在の日本で外国人が多く居住する地域では、地域社会の構成員として共に生きていくような社会づくりを実現する為、外国人住民の声を積極的に聞こうとする「外国人住民会議」が、地域自治へ参加する一つの手段として考えられる。本研究は、外国人市民が集中する地域において、外国人市民が地域自治により参加しやすくなるように自治体の政策設計の有効な方法を提案する。本研究においては、外国人市民の割合が高い自治体の多文化諮問機関としての川崎市外国人市民代表者会議、外国籍県民かながわ会議と神戸市外国市民会議を対象事例に選び、設置根拠、代表性、フォローアップ体制の三つの要素が外国人住民会議の実効性に与える影響について比較分析を行う。本研究で用いる「実効性」とは、外国人住民会議を設置して以来、提案に基づき、どのような問題を解決されたかという事を指す。そこで、外国人住民会議の実効性に影響する原因について、本研究では、大きく以下の3つの仮説に基づいて、分析を行う。仮説1: 多文化の歴史や構造的条件の違いが、参加の制度に影響を与え、外国人会議の設置条例を制定するか否かに影響を与える。会議の実効性はその設置根拠に影響される。仮説2: 会議の宣伝のあり方と代表者募集のあり方は会議の代表性と実効性に影響を与える。仮説3: 提言の実施のフォローアップ体制は、会議の実効性に影響を与える。仮説を検証するため、三つの対象会議について、会議の設置背景と目的、参加者の募集方法、会議の宣伝方法、会議の提言の実施のフォローアップ体制、提言の実施状況について、文献調査等で基本状況を把握した上で、各会議の担当者と会議の参加者にヒアリング調査を行う。会議の効果の検証に、必要とされる行政データを用い、三つの会議を比較することで実効性を測定した。その結果、仮説1については、三つの事例の過去の経緯や歴史的な分析の結果を踏まえ、多文化の歴史や構造的条件の違いにより、会議の設置根拠は会議実効性に影響があることについて明らかにした。仮説2について、三つの外国人市民代表者の応募者数の増減傾向の分析を踏まえ、応募者数の増加により、本研究で用いる「代表性」の評価基準から見た外国人住民の人口の構成に対する会議の代表性が高くなった。会議の宣伝と代表者募集のあり方は会議の代表性に影響を与えたと言える。さらに、会議の代表性は会議の実効性に影響を与えたことが分かった。仮説3は、フォローアップ体制の分析では、会議の過去の提言と取り組み状況を確認した結果、会議の実効性に影響を与える要因であることを明らかにした。以上の結果を踏まえ、会議の実効性を向上するための提案を行った。まず、参加の制度において、会議は条例設置とすべきである。次に、代表性について、会議の参加者を増やすことが必要である。そのため、川崎市や神奈川県など、日本国籍を有するものの認可しない多くの自治体の外国人住民会議も、神戸市と同様、その参加条件を和らげる事は検討に値する。また、会議の傍聴者の増加は、会議の参加を促す。会議傍聴の案内はホームページだけでなく、市民会館、交流センターなど等々に配布すべきである。より多く、より多様な傍聴者を得ることは、会議の状況を実際に把握し、参加者になる可能性があると考える。最後に、外国人住民会議の過去の提言の取り組み状況を調査し、チェックするフォローアップ体制を作ることが会議の実効性の向上に繋がる。以上は会議の実効性を向上するための提案である。
著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
著者
王 勇
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国際日本文学研究集会会議録 = PROCEEDINGS OF INTERNATIONAL CONFERENCE ON JAPANESE LITERATURE (ISSN:03877280)
巻号頁・発行日
no.24, pp.1-15, 2001-03-01

The very interesting point is how Japanese were described in Chinese material and drawn in pictorial material. Waren (Japanese) in Zhigong Tu is said to be the oldest portrait of Japanese, but I would like to observe both literal and pictorial material focusing on the figure of members of kentôshi.It is well known in Japan that they had to be intellectual and handsome in order to become members of kentôshi. What kind of impression did they give to Chinese?First I would like to examine the member's image that Chinese had referring to description written in material about Awata no Mahito as handsome with dignity, Abe no Nakamaro as breathtaking handsome and Sakaibe no Okita as tall without much of hair. The meaning of "shintokukan (jindeguan)" that Awata no Mahito wore, the origin of the phrase of “breathtaking handsome” and the background of the phrase of “tall without much of hair” are especially considered.Secondary, I would like to take a look at Liben-tu in the tomb of Zhanghuai-Taizi, The Portrait of Jishi Zhangdan in Tokyo National Museum, Minghuang Huiqi-tu and the like. There are two theories; one is that the member on a mission drawn in Liben-tu is a man of Gaojuli. The other one is that he is a Japanese. I will guess which one referring to the literal material and presume the Japanese in The Portrait of Kishi-no Nagani drawn by Tang royal painters. A monk playing a game of go with Emperor Xuanzong in Minghuang Huiqi-tu should be examined with a Japanese monk, Benshô.Based on the literal and pictorial material listed above, I would like to consider the diplomatic significance that the figure of members to Tang gave in the ancient eastern Asia and emphasize the historical facts of the pictorial material.
著者
王 爽 藤井 さやか
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.954-961, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1

近年、外国人人口が急増しており、今後も増加する可能性が高い。本研究では、全国の外国人集住がすすむ公的住宅団地を抽出し、外国人集住の実態と課題、対策の現状と効果を把握し、今後の対応策の検討を目的とする。団地の抽出は2015年の国勢調査小地域集計を利用して110の外国人集住団地を抽出した。外国人集住団地は、300戸以下の小規模かつ外国人率20%以下のものが多いが、一部に外国人率45%以上の団地もあった。半数以上は中部圏に立地している。次に外国人集住の実態と課題を調査するために110団地の118管理者にアンケート調査を行った。半数以上の団地で特定の国籍住民の集住があり、騒音問題、ごみ問題、無断転居、無断駐車といった管理上の問題と自治会不参加、コミュニケーションといったコミュニティ上の問題が発生していた。集住している国籍ごとに問題傾向の違いがあった。トラブルへの対応を進めている団地は半数で、一部の改善はありつつも、抜本解決には至っていない。外国人のコミュニケーションに苦労しており、新しいツールの活用や担い手との連携が必要なことが分かった。
著者
紅粉 睦男 井川 裕之 森 孝之 山口 美香 北口 一也 島崎 洋 赤池 淳 真尾 泰生 川崎 君王
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.32-39, 2021 (Released:2021-07-01)
参考文献数
19

目的:当院人間ドック健診では,2010年より頚部超音波検査を導入し,動脈硬化性病変評価と同時に甲状腺スクリーニング検査も実施している.2010年~2013年度の4年間の甲状腺超音波検診の成績と課題について報告する.対象と方法:オプション検診として12,827例に実施.男女ほぼ同数,平均年齢56.8±11.0歳であり,50歳代,60歳代が多かった.甲状腺には治療対象にならない軽微な病変も高頻度にみられ,受診者に過剰な不安・負担を与えないように当院独自の判定基準を作成した.5mm以上の悪性を疑う病変,10mm以上の濾胞性腫瘍,びまん性の甲状腺病変を精密検査の対象とした.結果:①何らかの超音波所見を有する頻度は,男性42.1%,女性61.6%で,その多くは嚢胞や腺腫様結節,小さな濾胞性腫瘍であった.②精査を要するC判定は359例:2.8%で,そのうち腫瘍性病変は205例:1.6%であった.当院での精査受診率は57.1%であった.③4年間の甲状腺がん発見数は54例(濾胞癌,髄様癌が各1例,乳頭癌52例)であった.甲状腺微小乳頭癌18例で,手術13例,経過観察5例であった.④甲状腺がん発見率は0.42%で,精査を要する全例が当院受診したと仮定した場合の甲状腺がん推定発見率(罹患率)は0.74%であった.結論:当院独自の精査基準により,要精査率を多くせず効率よく甲状腺がんが診断され,人間ドック健診での甲状腺超音波検査の有用性が示唆された.さらなる甲状腺検診の精度向上は必要と思われ,特に甲状腺微小乳頭癌への対応が重要と思われた.