著者
村尾 忠廣 新美 成二 新山王 政和 南 曜子
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究は、裏声を視点としてジェンダーの問題を学際的に問い直そうとしたものである。以下、今回の研究で明らかになったことについて述べる。1)男性の歌声が80年代後半から急激に高くなってきていることを、日本の歌謡曲の音域のデータを解析して明らかにしたこと。2)男性の高音化と女性化、ユニセックス化がリンクしていたこと。3)男性の高音化には、裏声の活用が関わっていること。4)裏声と頭声、ファルセットなどの用語を歴史的、音声生理学的に整理、解明をはかったこと。5)カウンターテナー、カストラートなど西洋音楽における男性ファルセットを歴史的、社会的にとらえなおしたこと。6)フォーマルとインフォーマルな場では、日本の女性が今なお声のピッチを区別し、公の場所でキーを上げて女らしさを見せようとする傾向にあること。7)学校の音楽教育においては、声による芸術が混声合唱中心となっており、そのため男性が裏声を使うことができない状態にあること。8)平成13年に、国際シンポジウム「International Symposium on Falsetto and Gender」を開催したこと。9)国際シンポジウムの開催によって、日本で現在おこっている声とジェンダー意識の変化が世界的に共通していること、また、その中で何が日本で特に顕著な傾向であるかを明らかにしたこと。以上のように今回の研究は、多分野にわたり、数多くの副次的テーマが広がっている。そのため、鳥瞰図的な研究成果になった嫌いはあるものの、裏声とジェンダーの関係を包括的に扱った最初の研究と言えるだろう。
著者
松野 栄雄 王 秀霞 宛 文涵 松井 健一郎 大川 尚子 杉山 徹 甲野 裕之 清水 昌寿 頼 精二 山口 昌夫 山口 宣夫
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.135-140, 1999 (Released:2010-08-06)
参考文献数
9
被引用文献数
2

We have simultaneously proved that cell populations taking charge of immunity in human peripheral blood can be regulated quantitatively by hot spring bathing. Now, we investigated the effect of hot spring bathing qualitatively on cytokine production by lymphocyte cell in human peripheral blood estimating by cytokine containing cell by FACScan. We found a significant increase in IFN-γ containing cells after hot spring bathing and an increase in IL-4 with no statistical significance after hot spring bathing. In addition, we found significant negative relationship between the level of IFN-γ, IL-4 and IL-1β before hot spring bathing and the ratio of cytokine that increased in variation after hot spring bathing. Namely, after hot spring bathing, there was a decrease of cytokine producing cells in subjects who had higher level before hot spring bathing. But an increase in subjects who had lower level before hot spring bathing, the trend was concentrated toward average levels in the cytokine production by lymphocyte in peripheral blood. So we suggest that hot spring bathing can promote acquired immunity to make it possible more suitable as immune reaction.
著者
新山王 政和
出版者
日本音楽教育学会
雑誌
音楽教育学 (ISSN:02896907)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.1-9, 2008 (Released:2017-08-08)
参考文献数
14

これまで音高に問題のある歌唱を扱った研究では, 100セント以上ピッチが外れた事例を取り上げる場合が多かった。これとは異なり筆者の一連の研究では50セント程度以内の微小なピッチ差で低く歌い続けてしまう現象 (以下, フラットシンギングと記述) に着目し, 他の先行研究でも報告されている「提示に用いる音 (以下, 提示音と記述) の種類によって声の再生ピッチが異なる現象」に関して, ピッチ知覚の面から洗い直すことを試みた。その結果, 声による提示とピアノによる提示では, 指導現場における現実的対応にも直結する次の4つの傾向が潜んでいる可能性を確認した。1. ピッチを知覚する段階 (ピッチ知覚レベル) と発声で再現する段階 (ピッチ再生レベル) では, 提示音に対して異なる反応が顕れる。2. ピッチを知覚する段階では, 提示音に対する慣れや聴き取り方の習熟度が影響する。3. ピッチを知覚する段階では, ボーカル音よりもピアノ音の方がピッチを判別し易い傾向がある。4. ピッチを知覚する段階では, 高い方向へのピッチ差は判別し易く, 低い方向へのピッチ差は判別しにくい傾向がある。これがフラットシンギングの発生する一因である可能性も考えられる。
著者
王 成
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.117-145, 2004-12-27

本稿は漱石文学の読者層を解明するために、当時流行していた<修養>思想をめぐる研究の一環である。先行の漱石研究では、<修養>を無視したために、多くの問題が解明されていないのではなかろうかという疑問から始まって、近代における<修養>という言葉がいつ、どのように現れたか、<修養>という概念がいかに解釈されたか、<修養>をめぐる近代日本の言説空間がどのように形成されたか、という課題について、解明しようとしたものである。
著者
大門 大朗 渥美 公秀 稲場 圭信 王 文潔
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.18-36, 2020 (Released:2020-08-20)
参考文献数
53
被引用文献数
1

本研究は,2016年に発生した熊本地震後の2町村(益城町・西原村)の災害ボランティアセンター(災害VC)の運営の事例について,インタビューと参与観察により,組織論的観点から分析したものである。災害VCの組織モデルの比較研究からは,混乱を回避することを主眼に据える管理・統制モデルが益城町災害VCを,課題の解決を主眼に据える即興・自律モデルが西原村災害VCを捉える上で有効であることを明らかにした。そして,熊本地震においては,被害の最も大きかった益城町から,管理・統制モデルは現場に根ざした支援から垂直的に,即興・自律モデルは支援の届かないところ(西原村)へ向かうことで水平的に支援が離れていってしまうことで,構造的空隙が生じていた可能性があることを指摘した。その上で,多様なボランティアによる支援を展開する上で,即興・自律モデルを目指す必要があるものの,被害の大きいエリアでは管理・統制モデルが現れやすい。結果的として構造的空隙が生じないよう,即興・自律モデルを被害の大きいエリアで意図的に生成する必要があることを,災害ボランティアの社会運動的側面から提示した。
著者
吉池 俊貴 庄司 りか 助友 文香 對月 沙織 西川 忠宏 菊川 裕也 王 丹青 馬場 哲晃 串山 久美子
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.10, pp.1-6, 2011-08-23

著者らはマスクや仮面,フルフェイスヘルメット,着ぐるみ等使用した際に顔面の動きを非接触にて計測しインタフェースとして利用可能なセンシング技術の開発を行っている.これまで,マスク型のオブジェクトにフォトリフレクタを多点配置する事で,非接触にて顔面の動きを計測する事ができた.顔面の動きは主に口,目,眉,頬の動きを計測している.本稿ではこの仕組みを利用して,顔面を入力としたインタフェースとして本機構がどのように利用可能かを提案する.We develop noncontact sensing technique to detect user's facial movement with a mask interface such that a mask, face guard, stuffed animal suit and so on. Multiallocated photoreflectors on the mask type object measures user's facial movement with no touch. This interface mainly measure movement of user's mouth, eye, eyebrow and cheek. In this paper we research the possibility of this sensing technique and propose to develop a new mask interface which can detect user's facial movement with no touch.
著者
大沼 保昭 斎藤 民徒 川副 令 豊田 哲也 伊藤 一頼 申 惠〓 王 志安 伊藤 剛
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本共同研究は、多極化・多文明化へと向かう今日の国際社会の現実が、欧米中心の現行国際法秩序の再考を迫っているという問題意識の下、21世紀の国際社会の現実に即した国際法秩序のあり方を模索し、研究の公刊を通じてその理解を広めることを目指すものであった。その際特に、世界人口の過半数を占め、歴史的に豊かな文明を生み出しながらも、国際法秩序の形成にその地位に見合った役割を果たすことなく、欧米中心の国際法秩序の消極的受容者と見なされてきたアジアの存在に着目し、21世紀の国際法秩序におけるアジアの位置、その貢献可能性を明らかにした。
著者
王 成
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.117-145, 2004-12

本稿は漱石文学の読者層を解明するために、当時流行していた<修養>思想をめぐる研究の一環である。先行の漱石研究では、<修養>を無視したために、多くの問題が解明されていないのではなかろうかという疑問から始まって、近代における<修養>という言葉がいつ、どのように現れたか、<修養>という概念がいかに解釈されたか、<修養>をめぐる近代日本の言説空間がどのように形成されたか、という課題について、解明しようとしたものである。本稿では、明治から大正にかけては、教養という言葉より<修養>という言葉のほうがよく使われていたことを明らかにした。中村正直の『西国立志編』(Self-Help)から始まって、自分自身を修練する「自修」的な教育という理念が浸透していった。<修養>は、翻訳語として現れる以前には、漢語の熟語としてはあまり使われていなかった。したがって、<修養>は、古典的な儒教道徳の意味を担った言葉ではなく、近代的な用語として誕生したのである。伝統的な道徳が崩壊し、新しい道徳の建設のために、個人を中心とした<修養)が、伝統と近代、東洋と西洋とが衝突する時代に、広まっていった。東西の学問を身につけた知識人が、<修養>を近代的な新しい倫理の理念として取り入れたのである。<修養>の流行に伴って、修養運動が広まり、ベストセラーになった修養書が修養理念を流行させ、定着させた。本稿ではさらに、<修養>の時代に、<修養>提唱者として活躍した人物やその著作を分析し、また修養団体の活動のひろがりの実態を調査することによって、<修養>の広範な広がりを確認した。
著者
小林 彰夫 王 冬梅 山崎 美保 巽 規子 久保田 紀久枝
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.613-618, 2000-08-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
5
被引用文献数
4 7

(1) 豆腐香気成分の捕集法として,ポーラスポリマービーズ充填カラムによる吸着とエーテルによる脱着が有効であった.(2) 国産大豆3種,米国産大豆1種から同様な条件で豆腐を調製しその香気組成と官能評価を比較した結果,エンレイ,フクユタカの高い評価にはマルトールの増加による甘い風味が関連すると考えられる.(3) 豆腐製造中の加熱温度条件として,磨砕時の温度および磨砕後の温度上昇速度について検討した.前者についてはっきりした違いは認められなかったが,後者では緩慢な上昇が風味の増加に寄与しており香気成分としては,ヘキサノール,マルトールが増加していたことから,これら2成分が風味の向上に寄与しているものと思われる.
著者
趙 英侠 厳 振国 余 安勝 王 財源 吉備 登 高橋 研一
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.299-301, 1997-12-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
7

老年ラット30匹を用いて足三里に相当する部位に鍼刺激、生姜灸刺激を行い、末梢血液中の好中球の貧食機能について比較検討を行った結果、生姜灸刺激群に著しい差異が認められた。
著者
北川 寛 古谷 元康 王 正貫 櫛渕 大策
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.933-936, 1987-11-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
11

当院においては農協検診を推進しており, この際, しばしば子宮筋腫がみつかり, これに対して子宮全摘出術が行なわれているが, 女性にとって特有な臓器である子宮を摘出することは, 肉体的, 精神的苦痛が大きいと考えられる。そこで子宮摘出を受けた128名の婦人に対し, 手術前後に性生活において, どのような影響を受けているかを, アンケート調査するとともに考察を行なった。1) 子宮筋腫の診断を受けると, 46.1%の人が性生活に変化を来たすが, 手術後は23.5%が手術前の性生活に戻る。2) 術後の性生活開始時期は, 31~61日が最も多く44.5%, 次いで61日以後27.3%, 30日以内22.7%であった。3) 性交時の症状として, 疹痛9.4%, 出血5.5%, 分泌物減少19.5%があり, 30%に性欲低下がみられた。日常生活では月経が無くなり, 快適になった者が多いが (57.8%), 術後頭重感, 疲労感, 体力低下を訴える者もみられた。4) 術後の性障害を軽減するために, 心因的なものには術前術後に, 患者および夫への指導を十分行ない, 時には漢方療法やバリ治療も試みるべきである。5) 今後高令化社会を迎え, 子宮全摘女性も増加することから, 心身医学的カウンセリングや一般社会への啓蒙的なアプローチも必要である。
著者
王 長汶
出版者
愛知大学
巻号頁・発行日
2018-03-20

2017年度