著者
佐長 健司 中山 亜紀子 村山 詩帆 栗原 淳 田中 彰一 栗山 裕至 板橋 江利也 庄田 敏宏
出版者
佐賀大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

国立大学の附属学校を中心に、その教育効果を測定するために調査を行った。それは、いわゆる学力テストではなく、児童・生徒にインタビューを行い、得られた語り(学びのヒストリー)を解釈する方法によるものであった。明らかになったことは、児童・生徒の学びは多様で個性的であるが、学校や家庭等の状況に埋め込まれていることである。そのため、学校や家庭等の状況的圧力によって学びが制限されるが、それらからリソースを得て積極的に学びを拡張していることも大ある。そこで、学校や家庭の学習状況を重視した教育が強く求められると言えよう。

1 0 0 0 OA 心身脳問題

著者
田中 彰吾 浅井 智久 金山 範明 今泉 修 弘光 健太郎
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.90, no.5, pp.520-539, 2019 (Released:2019-12-25)
参考文献数
123

This paper reviews past research on bodily consciousness and its neural representations, as well as current research on the body, self, and brain. In the early 20th century bodily consciousness was first conceptualized as body schema and body image. Empirical findings on phenomena such as phantom limbs suggested that body consciousness could be reduced to body representations in the brain. Body schema and body image have firm foundations in related brain areas including somatosensory and motor cortices, although they cannot be completely reduced to neural processes. In addition, the body image can be better categorized into two aspects (body semantics and body topology) that correspond to different streams of neural processing. Finally, we explored the self that emerges through interactions between the sense of body ownership and the sense of agency. The subjective sense of the self could well be the result of the bottom-up integration of multiple body representations.
著者
田中 彰一
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.138-151, 1989 (Released:2008-03-27)
参考文献数
14
著者
大貫 貴清 田中 彰 鈴木 伸洋 秋山 信彦
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.57-66, 2008-03-20 (Released:2012-09-04)
参考文献数
30

静岡県におけるスジエビの生殖活動を調べるために2002年12月から2004年10月にかけて,静岡県静岡市三保半島の水路におけるスジエビの雌の生殖周期を調べた。また,この結果を基に本種の成熟と水温および日長時間との関係を飼育実験により検討した。生殖腺の組織学的観察により,卵巣卵の発達過程を6期に分類した。さらに卵巣卵の発達過程や卵巣の内部構造,生鮮時の色調やGSIから,増殖相,卵黄蓄積相,成熟相,排卵相の4相の成熟段階に分類した。静岡県三保半島におけるスジエビの生殖周期は,産卵開始1~2カ月前である11~1月に雌の卵巣卵に卵黄蓄積がおこり,1~6月のおよそ4カ月間に産卵を数回行うことが明らかとなった。さらに小型個体の出現や大型個体の減少から,本種は産卵期の終了後に多くの個体が死亡するが一部は生残することが示唆された。また,本種の雌の生殖腺の成熟には秋分点以降の降温,短日化が関与しており,水温17~20℃,日長時間9~12時間の範囲内に雌の成熟を開始する要因があると考えられた。また,短日条件においても高水温では成熟に至らないことや,長日条件でも低水温で卵黄蓄積が確認されたことから,本種の雌の成熟は日長時間よりも水温に強く依存していることが示唆された。
著者
田中 彰 黄 孝春 康上 賢淑
出版者
産業学会
雑誌
産業学会研究年報 (ISSN:09187162)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.31, pp.27-39, 2016 (Released:2017-04-03)
参考文献数
16

This article discusses the 2010-2013 supply restrictions on rare earths called the “rare-earths crisis,” and examines the strategies of sogo shosha, or Japanese general trading companies. In particular, we focus on three companies—Sojitz, Mitsubishi Corporation, and Toyota Tsusho—as study cases.China has dominated the world’s rare-earths supply, accounting for more than 90% of global production since the early twenty-first century. The Chinese government began restricting exports of rare earths by the late 2000s, introducing an export surcharge and export quota in 2006. Furthermore, following the 2010 Senkaku incident, it halted exports of. This caused a severe supply shock and a 10-times rise in international prices. In response, the Japanese government planned urgent countermeasures via such means as innovation for the development of substitutes, reduction in the use of rare earths, recycling from used products, and diversification of sources via development of alternative mines. However, no measure other than source diversification was likely to yield immediate results.Sogo shosha historically took a significant role in investing in overseas natural resources and importing the same to Japan, and have redefined natural resources as one of their core businesses based on the returns on risky assets. Several sogo shosha reacted to this crisis. However, the rate earth business is small as compared to other major resources such as iron ore, coal, and oil and gas, and accordingly, sogo shosha merged their rare-earths and rare-metals field units, and instead divided their operations into two units, one for commodity trading and another for customer-oriented activities, particularly for long-term procurement for the Japanese automobile industry. Sojitz committed to a huge production project for an Australian supplier with financial assistance from the Japanese government, while Mitsubishi Corporation was not willing to invest in green-field rare-earths mines. Toyota Tsusho moved to secure alternative sources for the Toyota Group.
著者
田中 彰
出版者
東海大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

試魚として卵生種のヤモリザメ64個体、ニホンヤモリザメ47個体、卵黄依存型胎生種のラプカ90個体、ユメザメ31個体、ヘラツノザメ16個体、サガミザメ56個体、ヨロイザメ7個体を用いた。これらの標本は全て成熟しており、卵生種の2種は卵発達中、排卵直前、卵殻形成中、卵殻保持、卵殻産出後の各発達段階にあり、また胎生種の5種の卵発達中、排卵直前、排卵中、排卵終了、妊娠前期、妊娠後期、出産後の各段階をほぼ網羅した標本である。卵生種2種とラブカでは卵殻腺のアルブミン分泌域と卵殻分泌域の境界部分に精子が観察されたが、他の4種では同じ部位に精子は観察されなかった。また、これら4種の生殖輸管を詳細に調べ、精子の貯蔵部位を検査したが、精子は確認できなかった。卵生種2種における精子の発見率は排卵直前の段階で最も高く卵殻形成中の段階で最も低かった。これら2種はほぼ周年にわたり数週間に1回の割合で産卵を行っており、精子の貯蔵期間はある程度長いと考えられるが、その精子量の減少状態から自然界では2〜3ヶ月に1回ぐらいの割合で交尾を行っていると考えられる。卵黄依存型胎生種で唯一精子が確認できたラブカでは排卵直前と排卵中の段階の個体はすべて精子を持っており、精子量は排卵直前、卵発達中、排卵中の順で多かった。また、妊娠前期の個体の60%は精子を持っていたが、妊娠後期では35%の個体で精子を確認できた。ラプカの出生全長は約550mmであるが、全長356mmの胎仔を持つ個体でも精子が確認できたことから、精子の貯蔵期間はかなり長いと考えられた。電子顕微鏡での観察では精子と管状腺を形成する細胞との結び付きは見られなかった。繁殖様式が同じの卵黄依存型胎生種5種のうち、ツメザメ目に属する4種において排卵直前、排卵中の段階にある標本でさえ精子が確認できなかった。このことが精子を貯蔵しないことを意味しているのか今後解明する必要がある。
著者
足立 透 田中 彰 山羽 力
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.120-126, 1979-04-05 (Released:2010-03-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1

35S-オクタデシル硫酸ナトリウムをラットに経口投与した後, 吸収, 排せつ, 体内分布ならびに尿中代謝産物の検討を行った.1) 経口投与した35S-C18ASは24時間以内に投与した35Sの約93%が尿中に, 2%程度が糞中にそれぞれ排せつされた. 一方, 臓器内への35Sの取り込みは少なく, 特に親和性のある臓器は認められなかった. したがって, 本化合物は吸収, 排せつが速く, 体内蓄積性の少ないものと思われる.2) 投与した35S-C18ASは生体内で代謝されて最終的には大部分がBA 4-Sとして, また一部が加水分解された無機硫酸が少量尿中に排せつされた.3) 尿中の主代謝物はDewex-1カラムクロマトグラフィーで分離した後, TLC, GLC, GC-MS並びに逆同位体希釈分析などから, BA 4-Sと同定した.
著者
田中彰著
出版者
青木書店
巻号頁・発行日
1970
著者
舩津 保浩 哥 明葉 島 里美 田中 彰 寺井 格 眞船 直樹
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.162-169, 2016

本研究では,II型糖尿病予防効果のある食品開発を目指し,道産黒千石大豆の機能性成分に着目し,ACとIFの含有量や化学組成を調査し,機能性を十分に活用したおにぎりの加工方法を検討した.その結果,黒千石大豆は他の黒大豆と同様にACやIFを豊富に含有していた.煮豆加工時にACが煮汁へ溶出したが,炊飯時に煮汁を利用することで,ACを有効活用することができ,黒千石大豆の機能性を活かしたおにぎりの加工方法が開発できた.<BR>糖質50g相当量のおにぎり摂取試験での血糖値とGI,昼食相当量のおにぎり摂取後の血糖値とインスリン値は,いずれも対照おにぎりと比較して黒千石大豆おにぎりで低値を示し,特に昼食相当量摂取試験では食後120分において有意に低値であった.したがって黒千石大豆おにぎりはタンパク質,脂質,食物繊維,ACおよびIFなどの単一,あるいは複合的作用により食後の血糖値の上昇を抑制し,その結果インスリンの過剰な分泌が不必要となり食後のインスリン値の上昇が抑制されたと考えられた.嗜好性試験では,対照おにぎりと比較して黒千石大豆おにぎりで調査した全ての項目で優れない結果となったが,今後,黒千石大豆の軟化や調理形態の工夫により嗜好性を高めることが考えられ,II型糖尿病予防食としての有用性が期待された.
著者
田中 彰
出版者
Japan Society for Distributive Sciences
雑誌
流通 (ISSN:09149937)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.19, pp.82-86, 2006 (Released:2010-08-05)
参考文献数
9
著者
矢野 和成 田中 彰
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.341-360, 1984

駿河湾の水深450mから830mで得られた新種イチハラビロードザメ<I>Scymnodon ichiharai</I>を記載した。さらに, これまで世界中で知られている同属の4種にっいても形態的比較を行った.<BR>従来日本から報告されていたビロードザメ<I>S.squamulosus</I>の模式標本を再調査した結果, 鱗にtransverse ridgesが存在し, またその種の外部形態, 脊椎骨数が, 大西洋から報告されている<I>S.obscurus</I>と変わらないことが判明した.従って, <I>S.obscurus</I>はビロードザメの同種異名と考えられた.ビロードザメ属は, 新種を含め4種が存在する。これら4種の検索表を以下に掲げる.
著者
田中 彰 安藤 直子
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.63-72, 2016
被引用文献数
1

トリコテセン系マイコトキシンは<i>Fusarium graminearum</i>を代表とする<i>Fusarium</i>属やその他の糸状菌が生産する二次代謝産物である.トリコテセンは穀類を汚染する代表的なマイコトキシンであり,汚染された穀物をヒトや家畜が摂取すると下痢や嘔吐,食中毒性無白血球症などの中毒症状を引き起こす.そのため,食物や飼料におけるトリコテセンの混入を調べることは食の安全を守るために非常に重要である.ここでは,LCMSnやimmunoassay,TLC,bioassayによるトリコテセン検出について概説する.
著者
藤波 裕樹 田中 彰
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.968-976, 2013 (Released:2013-11-18)
参考文献数
29
被引用文献数
3

ドチザメは伊豆半島下田周辺海域において混獲されるが,その生物学的知見は少ない。そこで,下田周辺海域におけるドチザメの年齢・成長・繁殖について調査した。試魚は,1991~2012 年に採集された雄 113 個体,雌 123 個体である。椎体に形成される輪紋は雄で 3~15 輪,雌で 2~18 輪確認された。観察値より求めた von Bertalanffy の成長式は雄:Lt=1329−1079 exp(−0.178 t),雌:Lt=1436−1186 exp(−0.165 t)であった。50% 成熟全長および年齢は雄で 914 mm,5.7 歳,雌で 1083 mm,8.6 歳であった。近年,大型個体の数が減少しているため,継続的な調査の必要が示唆された。
著者
鈴木 克美 西 源二郎 田中 彰 久保田 正
出版者
東海大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

駿河湾産の深海性軟骨魚類のうち、生物学的に最も貴重とされるカゲラザメ目のラブカの生態に関する知見を得ることを研究の主目的とした。1984年1月〜1988年12月に、湾内で操業されているサクラエビ中層曳網等の深海漁業を利用し、沼津から焼津にかけての沿岸水深60〜450mから、242個体(雌116個体、雄126個体)を得た。全体の90%の標本が水深200m以浅で得られた。雌の全長125.6〜181.0cm、体重3670〜17370g;雄の全長117.8〜155.9cm、体重2780〜6360gであった。成体70個体の水槽飼育において最長飼育日数は7日間であった。長期間飼育のためには、網にかかってから輸送終了までの体の損傷防止が必須と考えらた。一方、低比重の肝臓の浮力が水槽内での遊泳を著しく妨害げている様子が見られたので、タロウザメで再加圧試験を行ったところ、常圧から45気圧に加圧して17分後に、水面直下に浮く状態から中層付近への移動が見られた。食性調査に用いた139個体(雌77個体、雄62個体)の胃内容物は、イカ類23例、魚類4例、同定不能な飼料残査の見出された1例であった。一方、空胃率が73.4%と高く、他の大型中深層性魚類と同じく、ラブカが慢性的飢餓状態にあるもおとみなされた。生物学的最小形は雄全長約110cm以下、雌全長約140〜150cmで、特定の繁殖期は認めにくい。卵巣卵は径80〜90mm、卵重230〜250gで排卵され、卵殻腺内で受精し、卵殻に包まれ子宮内で発生する。胎仔は全長約80mmで卵殻から出て子宮内で育ち、全長約550mmで出生する。雌2個体から取り出した受精卵を、自然海水を満たした小水槽内でしいくし、水温8.3〜15.5°Cにおける最長生存期間は134日で、胚体は最初の全長約29mmから全長69.4mmに成長した。