著者
松田 文子 田中 昭太郎 原 和秀 松田 伯彦
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.134-143, 1995-12-10 (Released:2017-07-20)

27名の児童が, 小学1年生から小学6年生まで, 毎年1回約30分, 時間, 距離, 速さの間の関係概念 (速さ=距離/時間) の形成過程を具体的操作を通して調べる縦断的研究に参加した。この児童達が小学5年生になって算数「速さ」を学習したとき, このような実験に参加しなかった児童と比較して好成績をあげたことから, その原因が探られ, そしてそれに基づいて, 一般に大変理解度が低いと言われている算数「速さ」の授業改善について, 若干の提言が試みられた。すなわち, (1) 文部省指導要領及び指導書の算数編におけるように, 異種の2つの量の割合として速さを提え, 単位時間当たりの道のりで表される, とするのではなく, 時間, 距離, 速さ, それぞれを1つの関係概念を形成する対等な3つの量として, それぞれに秒, m, m/秒, という計量単位を導入すること。 (2) 速さについての計量的な操作に入る前に, 具体的操作を通して等速直線運動を実感させ, (a) 時間, 距離, 速さの関係概念の論理構造と, (b) 同じ速さで走るということは, 時間や距離が異なっていても速さが同じなのだという速さの同値性に関する論理構造を, しっかり構成しておくこと。
著者
田中治六 等著
出版者
同文館
巻号頁・発行日
1902
著者
田中治六 等著
出版者
同文館
巻号頁・発行日
1902
著者
田中祥貴著
出版者
日本評論社
巻号頁・発行日
2012
著者
田中 康男 長田 隆 代永 道裕 山下 恭広 荻野 暁史
出版者
日本家畜衛生学会
雑誌
家畜衛生学雑誌 (ISSN:13476602)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.157-163, 2013-02

豚死体からの腐敗臭気の発生経過と成分特性把握を目的とした基礎的検討を行った。この結果、半導体式臭気センサーの測定値(臭気レベル)、臭気強度および臭気不快度は、腐敗開始後約一週間でピークに達し、その後急激に低下した。臭気成分としては、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、ノルマル酪酸が検出された。臭気成分の内、アンモニア、二硫化メチル、トリメチルアミンは腐敗死体に消石灰を散布することで若干上昇したが、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチルは散布により顕著に低下した。この結果より、腐敗臭気は消石灰を散布した時点で特性が変化することが示唆された。一方、臭気指数については、消石灰の散布前後でほとんど差が無かった。消石灰散布状態で腐敗した場合と散布せずに腐敗した場合を比較すると、前者の方が臭気発生ピークの出現が遅くなり、しかもピーク高が低くなった。このことから、消石灰散布は、臭気を抑制した可能性が示唆された。臭気センサーで測定した臭気レベルは、官能的な臭気の指標である臭気強度・臭気不快度と有意な相関関係のあることが示唆された。よって、迅速かつ経時的な腐敗臭モニタリングに臭気センサーが有効な可能性がある。

1 0 0 0 OA 意識と存在

著者
田中 晃
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1975, no.25, pp.108-119, 1975-05-01 (Released:2009-07-23)
著者
田中 嘉成
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.249-253, 2010-07-31 (Released:2017-04-21)
参考文献数
21
被引用文献数
2

生物多様性と生態系機能の関係性の解明と、それに基づいた生態系の影響評価のための新たなアプローチとして、生物の機能形質(生態形質)に基づいた枠組みが進展している。理論的な面では、群集レベルでの機能形質の動態や、生態系機能の応答の定式化のために、集団遺伝学や量的遺伝学の進化理論が応用されている。実証データと理論的枠組みの連携がさらに進めば、生物の分布情報、環境要因データ、生態形質のデータベースに対する統合的な解析から、生態系影響評価が可能になると期待される。
著者
中島 伸佳 桑木 信輔 石原 浩二 田中 英彦
出版者
岡山県立大学
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.39-48, 2012

植物性食品を中心とした食生活は、生活習慣病の予防や治療に効果があるとされている。乳酸菌や酵母により発酵熟成させた植物発酵エキスは、多種多様な植物性原料を用いて、発酵と糖蔵という伝統的な食品保存技術を応用した発酵食品である。本研究では、植物発酵エキスの有効性(栄養的特性や保健機能)に関する研究を行った。植物発酵エキスには、58.5%の炭水化物、3.7%のタンパク質、1.3%の脂質をはじめ、18種類のタンパク質構成アミノ酸や種々のビタミン類、食物繊維、ファイトケミカル(ポリフェノール、テルペノイド等)が含まれていた。さらに、植物発酵エキスは抗酸化作用、血圧上昇抑制作用、抗菌作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、チロシナーゼ阻害作用を有していることを「in vitro 試験」により明らかにした。
著者
井原 賢 張 晗 花本 征也 田中 宏明
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.138, no.3, pp.281-287, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
16

Pharmaceuticals are widely found in aquatic environments worldwide. Concern about their potential risks to aquatic species has been raised because they are designed to be biologically active. To address this concern, we must know whether biological activity of pharmaceuticals can be detected in waters. Nearly half of all marketed pharmaceuticals act by binding to the G protein-coupled receptor (GPCR). In this study, we measured the physiological activity of GPCR-acting pharmaceuticals in effluent from a wastewater treatment plant (WWTP) and upstream and downstream of its outfall in Japan during 2 years. We used the in vitro transforming growth factor-α (TGFα) shedding assay, which accurately and sensitively detects GPCR activation, to investigate the antagonistic activities of water extracts against receptors for dopamine (D2) and histamine (H1). Activities detected in waters were quantified as antagonist equivalent quantities (EQs). In WWTP effluent extracts, antagonistic activity was detected at several hundred ng/L of sulpiride-EQ (D2) and several μg/L of diphenhydramine (DIP)-EQ (H1). In downstream river water extracts, antagonistic activity against H1 was around several hundred ng/L of DIP-EQ, higher than that upstream owing to the WWTP effluent. This review discusses the research needed to resolve the concern about potential risks of pharmaceuticals in waters to aquatic species.
著者
田中 喜久夫
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.83-93, 1999 (Released:2006-08-03)

Shizuoka Prefecture is the second largest prefecture of pharmaceutical production on the valve basis in Japan. Guidance Office of Pharmaceutical Affairs, Department of Health and Welfare has various functions such as inspection guidance and training program for industries. Concerning the GMP issues, there are two groups of field inspection consisting of 2 inspectors each in Shizuoka Prefectural Government. They spent 175 days in a year for field inspections as a rule. There are 59 pharmaceutical manufacturing facilities to which GMP is applied in Shizuoka Prefecture, among which 18 facilities are for manufacturing sterile products, 18 facilities are for manufacturing active pharmaceutical ingredients only, and other manufacturing facilities are for other dosage forms such as solid dosage form and external use. In the year of 1998, 266 cases were observed as objectionable, although some of which were minor ones or only recommendations. Among these 266 observations, 246 (92.5%) were concerning manufacturing control and management including the implementation of validation, and 19 were concerning equipments and construction features. These observations have been analyzed in details to show in what parts of GMP were week and should be improved hereafter. Followings are major parts which were observed as to be improved; (1) responsible persons should perform their job by themselves, (2) keen attention should be paid to the consistency among SOP, actual practice and manufacturing records, (3) change and/or omission of the written procedure should be performed only after official authorized approval, of the written procedure, (4) deficiencies were observed in lack of such records as cleaning, calibration, comparison between the standard yield and actual yield, trend analysis of % of rejected product by process inspection, and storage of raw data, (5) retest rule should be established in every case, (6) some deviations were observed in storage condition of products, raw materials and reference standards for laboratory test use, (7) complaint handling procedure and training procedure should be more clearly established to facilitate and secure the practice, (8) some inadequacies were observed in operation room condition, preparation vessel, and laboratory equipments.
著者
田中 和子
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.279-289, 2013 (Released:2014-03-05)
参考文献数
15

目 的 インドネシアバリ島の現地男性と結婚した日本人女性が,バリ=ヒンドゥー教の思想と子育てとの関係をどのように捉え,子育てをめぐりどのような生活体験をしているのかを明らかにする。対象と方法 研究者はインドネシア,バリ島に約3ヶ月間滞在し,ヒンドゥー教の思想をもつ男性と結婚した日本人女性11名を対象に,バリ=ヒンドゥー教の思想に関連した生活体験がどのように子育てに影響を与えているか,半構造的面接を行い,帰納的に分析し検討した。結 果 分析の結果,12個のカテゴリーと39個のサブカテゴリーが抽出された。 【バリの生活に馴染む努力】を積極的にする女性たちは,【ヒンドゥー教を受容】することが容易であり,【子どもに民間療法を取り入れる】ことも受容的であった。一方,ヒンドゥー教の受容が難しい場合,【子どもに民間療法を取り入れない】傾向があった。女性たちは,【ヒンドゥー教受容の難しさ】を感じながらも,【みんなで子どもを育てる】バリは日本よりも【子育てに適した環境】と捉えていた。また,女性たちは肯定的に【ヒンドゥー教と子どもの健康は関係する】と考えており,【大家族の生活に戸惑い】ながらも,【みんなで子どもを育てる】ことに感謝していた。女性たちは,【男児尊重の思想を否定】し,かつ思想に関して【子どもに選択肢を与えたい】という思いが,【ヒンドゥー教受容の難しさ】の要因として考えられた。ヒンドゥー教の受容の程度はさまざまであったが,女性たちは【バリで子どもを育てる覚悟】があった。結 論 バリ島で現地男性と結婚し,そこで暮らす日本人女性にとって,バリ=ヒンドゥー教の思想が子育てに大きく影響していた。