著者
岩佐 和典 田中 恒彦 山田 祐樹
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究
巻号頁・発行日
2018
被引用文献数
6

<p>The purpose of this study was to develop the Japanese version of the Disgust Scale-Revised (DS-R-J). The participants were 1063 Japanese people (mean age = 21.64, <i>SD</i> = 7.33, <i>range</i> = 18–77; 581 males and 482 females) and were separated into three different groups. Participants in samples 1 (<i>n</i> = 481) and 2 (<i>n</i> = 492) provided data for examining the factor structure and validity of the DS-R-J. They completed the DS-R-J as well as questionnaires assessing disgust propensity and sensitivity, anxiety sensitivity, state and trait anxiety, affective state, and obsessive-compulsive symptoms. Participants in sample 3 (<i>n</i> = 90) provided data for estimating the test–retest reliability of the DS-R-J. The exploratory and confirmatory factor analyses confirmed the three-factor structure involving core disgust, animal-reminder disgust, and physical and mental contamination disgust. Internal consistency and test–retest reliability were sufficient, and conceptual validity of the DS-R-J was also supported. The results show that the Japanese version of the DS-R-J is a reliable and valid measurement of disgust sensitivity.</p>
著者
梅本 和俊 中村 聡史 山本 岳洋 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.132-147, 2013-06-28

旅行に関する情報をWeb検索エンジンを通じて収集する場合,観光地や宿泊先などさまざまな観点から検索を行う必要がある.このように,いくつかのサブタスクから構成される検索タスクでは,1つの検索クエリのみですべての情報を得ることは難しく,クエリの修正をともなう検索が反復的に行われることによって,タスクが実行されることが多い.本稿では,こうした検索クエリの修正を,事前に予測する手法を提案する.提案手法は,現在の検索行動を特徴量とする分類器を構成することで,次の検索におけるクエリ修正タイプの予測を行う.実際の検索行動のログデータを用いた評価実験の結果,提案手法は5種類の検索クエリ修正タイプを約41%の精度で分類可能なことが明らかになった.また,分類器構成に用いる特徴量を変化させることで,修正タイプの予想に有用な特徴量の検証も行った.さらに今後の展望として,次の検索において実際に入力されるクエリの予想可能性についても考察する.
著者
田中 正美 清水 優子
出版者
医学書院
雑誌
Brain and nerve (ISSN:18816096)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.1041-1046, 2017-09
著者
田中 秀穂
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, pp.169-172, 2017-10-28

一般講演要旨
著者
井上 一哉 松山 紗希 田中 勉
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_51-I_62, 2014 (Released:2015-02-20)
参考文献数
24

本研究では,地下水揚水に伴う揚水井の集水域を後方粒子追跡法により効率的に推定する方法を提案した.また,面積と周長の推定に加えて,移流時間の等しい集水域同士をアンサンブル推定する方法を考案した.不均質透水場を対象に,サイトデータを基に不均質度の等しい100通りの透水係数分布を地球統計学的に発生させ,集水域を推定した.その結果,透水係数の不均質度と揚水量の増加は集水域分布の推定確率を低下させる方向に作用する結果を得た.また,ランダムウォーク粒子追跡法を用いて,移流時間の異なる集水域ごとに,集水域から揚水井に至る汚染物質の流入確率をアンサンブル推定した.その結果,低い揚水量ほど揚水井への物質流入確率は低下し,遅延係数の空間分布を化学的不均質性として考慮すると,流入確率はさらに低下する結果を得た.
著者
井上 一哉 上田 祥央 田中 勉
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_121-I_132, 2016 (Released:2017-01-29)
参考文献数
38

本研究では,水溶性物質の地下水揚水可能範囲を集粒域と定義し,集粒域の確率空間分布を時系列推定する方法について示した.領域内に不規則配置した粒子群の移流分散挙動をランダムウォーク粒子追跡法により解析し,揚水井への粒子流入の有無とトラベルタイムを記憶した.地球統計学的に生成した100種類の不均質透水場に対するすべての粒子の輸送情報を任意幅の格子内にてアンサンブルすることで既定の経過時刻に対する集粒域の確率空間分布として求め,境界条件や揚水量,揚水井の数を変えた条件に対応した集粒域の時系列分布を提示した.また,集粒域分布の不確実性評価としてエントロピーを導入し,集粒域規模の拡大に呼応した不確実性の増加を定量化した.さらに,分散現象の効果により集粒域の面積は集水域より大きくなることを示した.
著者
山本 貞明 田中 賢 角南 寛 新井 景子 高山 あい子 山下 慈京子 森田 有香 下村 政嗣
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.502-510, 2006-09-10 (Released:2007-06-15)
参考文献数
59
被引用文献数
1 1

Patterned surface topographies play vital roles in cellular response such as adhesion, proliferation, and differentiation. Here, we characterized adsorption of fibronectin (Fn) as a typical cell adhesion protein onto honeycomb-patterned porous films (“honeycomb film”) of poly (ε-caprolactone) (PCL) incubated in a Fn phosphate-buffered saline (PBS) solution by using atomic force microscopy (AFM) and confocal laser scanning microscopy (CLSM). In order to determine how cells respond to a honeycomb film, focal adhesion of porcine aortic endothelial cells (PAECs) cultured on the Fn coated honeycomb films in a serum free medium were characterized by using immunofluorescencet labeling of vinculin and focal adhesion kinase autophosphorylated at the tyrosine residue 397 (pY 397 FAK). Fn adsorbed around the pore periphery of a honeycomb film to form fibriller aggregates in a ring-shape structure. The sites of pY 397 FAK and vinculin were overlapped and agreed well with the adsorption site of Fn fibrils. This demonstrated that PAECs adhered onto the honeycomb films at focal contact points localized around pore periphery. The expression of pY397FAK determined by an immunoprecipitation method was 3 times higher than that on a PCL flat film as a reference. These results imply that the signaling mediated by a integrin receptor-Fn binding were activated on honeycomb films and this type of signaling was activated effectively on a honeycomb film compared with on a flat film. The cell response to honeycomb films (adhesion pattern and phosphorilation of FAK) was supposed to originate from the regularly arraigned adsorption pattern of Fn determined by the pore structure of the film.
著者
浦野 直人 岡井 公彦 相川 和也 田中 陽一郎 石田 真巳
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.131-136, 2013 (Released:2014-01-07)
参考文献数
14

多摩川は日本の代表的な都市河川である。近郊の生活廃水や産業排水は、水再生センターを経て再生水として流れ込んでおり、河川水の抗生物質濃度は日本の都市河川中でも高レベルにある。本研究は、多摩川流域における多剤耐性菌の蔓延度の解析を行った報告である。2010年7月に上流(青梅市)、2011年5月に中流(立川市)と下流(川崎市)から、多摩川の表層水と底泥を採集した。1~8種類の抗生物質を含む培地を用いて、採集サンプルから一般細菌および抗生物質耐性菌をスクリーニングした。多摩川の表層水中の一般細菌数と抗生物質耐性菌数は上流から中流・下流へと下るにつれて増大したが、底泥中の一般生菌数と耐性菌数は中流が最も多かった。細菌数は環境中の有機物濃度と相関があると考えられた。多剤耐性菌は、下流では2剤耐性菌が多く、中流では3剤耐性菌、上流では5~8剤耐性菌と川を遡るにつれて、多剤耐性能が高くなった。5-8剤耐性菌群にはBacteroidetes門、2~3剤耐性菌群にはFirmicutes門が多かった。また、上流の一般細菌中にBacteroidetes門、下流のそれにFirmicutes門が多かった。従って、上流に多く生息しているBacteroidetes門は多剤耐性能が高くなり易いと考えられた。各流域において、多剤耐性菌中に重篤な病原性細菌は発見されなかったが、肺炎桿菌、食中毒菌、敗血症菌、腸炎菌の存在が見とめられ、上流に多く発見された。
著者
田中 功一 小倉 隆一郎 鈴木 泰山 辻 靖彦
出版者
日本電子キーボード音楽学会
雑誌
電子キーボード音楽研究 (ISSN:21899339)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.4-16, 2017 (Released:2018-01-22)
参考文献数
3

筆者らは、保育士・教員養成校で学ぶピアノ初学者の学習を支援するため、学習者と教員の演奏状況をグラフに出力してフィードバックするプログラム「ピアノ演奏見える化ツール」を開発した。このツールを中核として、その前に自学自習プログラム、ピアノ対面指導、及び学習者自身が演奏録音を聴く、以上を加えて、さらにこれらを学習者が振り返り、感想を記述する「ピアノ学習プロセス」を構築した。この「ピアノ学習プロセス」の実践における学生の記述と教員のコメントに対して、質的分析手法の一つであるSCATを用いた分析を行った結果、「ピアノ学習プロセス」の特徴として計18の理論記述を導き、学びにおける構造的な意味を抽出した。
著者
田中 博 古川 俊之
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7, pp.463-470, 1985-12-30 (Released:2011-10-14)
参考文献数
35
被引用文献数
1
著者
山田 茂 田中 涼子 大橋 文 岩田 華苗
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学生活科学部紀要 = Bulletin of Jissen Women's University Faculty of Human Life Sciences (ISSN:13413244)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.31-35, 2017-03-10

In this experiment, we investigated the effects of mechanical stimulation and caffeine on lipolysis in the adipocyte culture cell. Caffeine (0μg/mℓ, 50μg/mℓ, 100μg/mℓ) which promotes lipolysis, was added to the culture medium (10%FBS, DMEM) respectively. Adipocytes underwent repeated mechanical irritation by Flexer cell strain unit to observe the effect on the lipolysis of mechanical stimulation. We measured glycerol in a culture medium to confirm the lipolysis. Adipocyte were stained for lipolysis responses by Oil Red O. The effect of caffeine on lipolysis was slightly observed, but a significant effect statistically was not observed. On the other hand, mechanical stimulation increased lipolysis in the adipocyte culture cells. Influences of a combination of mechanical stimulation and caffeine on lipolysis were examined. The results of these experiments, the effect of mechanical stimulation on the lipolysis was outstanding, but was scarcely effected by caffeine. That is, direct mechanical stimulation was effective in increasing the burning of fat. Further research is required on the mechanisms of mechanical stimulation to promote lipolysis in adipose cells.
著者
田中 直也 湯 素華 小花 貞夫
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.198-217, 2018-01-15

スマートフォンの使用可能時間の短さが問題になっており,その原因の一つとしてWi-Fiの使用がある.最近ではSocial Networking Service(SNS)のように,データを受信するタイミングが不定期的なアプリケーションが増えており,その通信のためにWi-Fiを常に起動して電力を多く消費している.本稿では,モバイル端末の消費電力の改善を目的として,電力消費の少ないBluetooth Low Energy(BLE)を用いて必要なときにだけWi-Fiをウェイクアップさせることで,Wi-Fiの使用による消費電力の削減を行う方式を提案して,PC上にシステムを実装し,評価を行った.その結果,従来の省電力モード(PSM)と比較して,消費電力を約36%削減できることを確認した.
著者
松森 邦昭 三井 公彦 田中 千彦 阪本 いづみ
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.45-48, 1992-01-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
5

癌末期の難治性疼痛に対し, 経皮的コルドトミーによる除痛を行った. 癌性疼痛を有する16例に22回施行した. 施行直後, 鎮痛剤を全く必要としない症例は16例中7例(44%), 鎮痛剤を常時は必要としない症例は5例(31%)で, 合わせて75%の良好な除痛がえられた. 無効例は無かつた. 合併症として不全片麻痺2例, 排尿困難2例を認めたがいずれも一過性で回復した. 他に施行1~2ヵ月後に2例でdysesthetic syndromeの発生をみた.難治性の癌末期疼痛に対し経皮的コルドトミーは確実な除痛効果を示した. 手技が簡単で癌末期のhigh risk患者であっても高齢者でも安全に行いえた.
著者
田中 守 中家 美千代 佐藤 伸一
出版者
比較眼科学会
雑誌
比較眼科研究 (ISSN:02867486)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.29-33, 2013-12-27 (Released:2015-03-28)
参考文献数
6

近年、緑内障治療薬の開発の高まりにより、緑内障モデル動物が注目されている。カニクイザルは眼球構造がヒトに近く、これまでのところレーザー誘発高眼圧モデルとして多く用いられてきた。緑内障の判定は眼圧を測定することで行われてきたが、測定値にバラツキが大きいことが問題であった。さらに、最近の研究では緑内障であっても必ずしも高眼圧を呈さないことがわかっており、眼圧以外の指標による緑内障の判定法が求められていた。ヒトにおいては日本緑内障学会の「緑内障性視神経乳頭・網膜神経線維層変化判定ガイドライン(以下、ガイドライン)」1)が発行されており、眼圧に依存しない評価が利用されている。また、カニクイザルにおける無麻酔下での眼圧測定には事前に測定環境への長い馴化期間を要する2)ことから、より簡便で測定環境に影響されにくく、眼圧に替わる数的な指標による緑内障の判定は有用であると考えられる。このような背景のもと、ガイドラインのカニクイザルへの応用の可能性を検討する第一ステップとして、無処置カニクイザル97匹(♂:48匹、♀:49匹)の両眼194眼のデジタル眼底写真を撮影し、緑内障性変化有無の判定に有効とされる、質的判定及び視神経乳頭陥凹の最大垂直径と最大垂直視神経乳頭径の比(以下、垂直C/D比)3)の計測を行なった。なお、本実験の目的は眼底写真による垂直C/D比を用いた緑内障の判定であったことから、スリットランプのスリット光による視神経乳頭部周囲の凹凸については観察しなかった。その結果、カニクイザルの視神経乳頭は垂直方向に縦長の楕円形であった。視神経乳頭陥凹は視神経乳頭のほぼ中心に位置し、垂直方向にやや縦長の楕円形であった。リムの形状は乳頭の上方及び下方がやや厚いが、全周にわたってほぼ均等であった。垂直C/D比の平均は、雄の左眼で0.56±0.08、右眼で0.55±0.08、雌の左眼で0.59±0.08、右眼で0.60±0.08であった。両眼の垂直C/D比の差は、いずれの動物においても0.00~0.07であり、平均は0.02であった。これらの結果から、緑内障と判定された動物は見られなかった。以上のように垂直C/D比計測の結果、カニクイザルにおける緑内障性変化の判定に本ガイドラインを応用することは可能であると考えられた。