著者
丹治 裕一 中口 俊哉 田中 衞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.724, pp.73-78, 2003-03-10

本報告では,複数の定数領域をもった区分線形出力関数を有するセルラーニューラルネットワークを提案する.元来,セルラーニューラルネットワークは,2つの定数領域を有する区分線形出力関数によって構成され,その画像処理は,2値に限定されていた.それゆえ,本報告で提案する方式は,セルラーニューラルネットワークの可能性を拡大すると考えられる.ここで,安定性の議論及び基本的な回路構成が与えられる.また,ノイズヘの耐性を強化するために,ヒステリシス特性が出力関数に対して考慮される.
著者
田中 功 上村 美紗子 高野 真理子 矢吹 さより 金山 克己 吉国 三千子 石橋 慶憲 田辺 篤範
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.530-535, 2003 (Released:2003-11-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

これからの大学図書館の評価は図書館を使いこなせる利用者がどのぐらいいるかという点にも目を向けることが重要になってくる。そのために図書館利用指導の入り口である図書館ガイダンスの役割は大きい。日本女子大学では,好きな時間にいつでも受けられるようなWebサイトから学習できる図書館ガイダンスのe-ラーニングを2003年8月に作成した。内容は図書館の入館から退館までの手続き,OPACなどのデータベース検索の基礎的実習,フロアガイド,図書館サービスの概要,テスト問題などを収録しており学習時間は約60分である。今後は各学部や学科の専門性に特化した情報そのものの活用法を学習できるe-ラーニングに展開していくことが望ましい。
著者
鈴木 修司 天野 久仁彦 原田 信比古 田中 精一 林 恒男 鈴木 衛 羽生 富士夫 平野 宏
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.416-421, 2004-04-01
被引用文献数
5

先天性胆道拡張症分流術後26年を経過して発症した肝内胆管癌の1例を経験したので報告する.症例は46歳の男性で,1975年先天性胆道拡張症戸谷分類IVaにて肝管空腸Roux-Y吻合を施行された.2001年3月心窩部痛,背部痛にて近医受診し,肝腫瘤と肝門の胆管狭小を認め当院紹介入院となった.CTでS4に30mm大の腫瘤と肝十二指腸間膜周囲リンパ節腫大を認めた.ERCPで膵胆管合流異常,遺残膵内胆管内に多数の結石を認めた.閉塞性黄疸の進行でPTCD施行し,胆管造影で尾状葉,右前区域,後区域胆管根部に不整な狭窄を認めた.血管造影で左肝動脈,門脈左枝の狭窄を認めた.以上より肝内胆管癌で左肝管から尾状葉,右前区域,後区域胆管根部および左肝動脈,左門脈へ浸潤と診断した.拡大左葉尾状葉切除で切除可能と判断し開腹したが,肝転移,肝十二指腸間膜へ浸潤高度で切除不能のため胃空腸吻合術とした.術後肝不全の進行で約1か月後死亡した.
著者
荒井 正人 田中 英彦
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.635-647, 2010-02-15

知的財産や製造ノウハウといった企業の機密情報を取り扱うコンピュータシステムでは,情報漏洩の問題が深刻になっている.原因としては,情報の紛失や盗難,ワーム・ウイルスなどが大半を占める.対策として,可搬記録媒体やインターネットを介した情報共有を禁止することは有効ではあるが,公開可能な一般情報の取扱いにも制限を与えることになる.また,ワーム・ウイルスに感染しやすい環境から機密情報を隔離する技術としてサンドボックスモデルがあるが,機密情報であっても電子メールに添付して配布したり,可搬記録媒体に格納して持ち出したりすることが業務上必要な場合に適さない.本論文では,公開可能な一般情報と,社外に開示してはならない機密情報とが混在するコンピュータシステムにおいて,機密情報の共有と保護を両立させる情報フロー制御モデルを提案する.提案モデルでは,インターネットを利用するためのプログラムの実行環境と,機密情報を扱うプログラムの実行環境を,サンドボックスのような既存技術を用いて分離することで,ワーム・ウイルスに感染しやすい環境から機密情報を保護しつつ,自動ファイル暗号化機能と暗号ファイルのアクセス制御機能を組み合わせることで,必要に応じて可搬記録媒体やインターネットを介して機密情報を暗号文として安全に伝達可能とする.Information leakage has become a serious problem for computer systems that handle a company's sensitive information, such as intellectual properties and manufacturing know-how. The majority of the causes can be attributed to loss or theft of information or worms and viruses. As a countermeasure, forbidding the sharing of information through removable media or the Internet is effective, but it also places restriction on the handling of general information that can be made public. Also, the sandbox model can be used to segregate sensitive information from environments that can easily be infected by worms or viruses; however, even sensitive information is sent as email attachments to various locations, and this model cannot be applied to business cases where information must be stored and carried out on removable media. In this article, we propose an information flow control model that is suitable for both sharing and protecting sensitive information on computer systems in which general information that can be made public and sensitive information that cannot be exposed outside the company are mixed. In the proposed model, sensitive information are protected from environments that can be easily infected by worms or viruses by segregating the environment for programs that use the Internet and the environment in which programs handling sensitive information are executed, using existing techniques such as the sandbox model. At the same time, by combining automatic file encryption and encrypted file access control, sensitive information can be safely transmitted as encrypted text through removable media or the Internet as the need arises.
著者
田中 誠悟 秋吉 秀保 中込 拓郎 青木 美香 白石 佳子 桑村 充 山手 丈至 大橋 文人
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.950-953, 2010-12-20

9歳齢の雌のポメラニアンが、約1年前からの発咳を主訴に近医を受診した.近医での加療中に状態の悪化を認めたため、精査・治療を希望し大阪府立大学獣医臨床センターに来院した.初診時、重度呼吸困難を呈し、興奮時のチアノーゼを認めた.呼吸音は後葉周辺部のみで聴診され、亢進が認められた.一般身体検査およびX線検査では肺気腫を疑った.CT検査では、胸腔内の大部分を占める嚢胞性病変と、一部に正常な肺の存在を確認したため、外科的切除を考慮し試験的開胸術を実施した.開胸下にて切除可能部位を切除後、残存した嚢胞に対して縫縮術を施した.切除組織は病理組織学的に気管支嚢胞と診断された.術後8日目には呼吸状態もやや改善し、歩行可能となるなど、良好に回復した.
著者
田中 功二
出版者
青森県農林総合研究センター林業試験場
雑誌
林業試験場報告 (ISSN:1349242X)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.33-37, 2007

平成12年度から18年度にかけてスギ精英樹クローンの施設ざしを行い、これまでにまとめられている東北育種基本区スギ精英樹特性表を補完する形式で、データを整理した。今回、改良土を用土とした施設ざしで、新たな32クローンの発根率の評価値を提示した。このことにより、青森県内から選抜された精英樹177クローンのうち、129クローン(73%)において、施設ざしのさし木発根性評価値が公表されることになった。
著者
嶋 緑倫 田中 一郎 川合 陽子 辻 肇 中村 伸 森田 隆司
出版者
The Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis
雑誌
日本血栓止血学会誌 = The Journal of Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.107-121, 2003-04-01
参考文献数
19
被引用文献数
36 26

後天性インヒビターによる出血症状は, 一般に強く, 難治性で治療に苦慮する症例も多い. 近年, 凝固検査の普及により報告例が増加しつつあるが, わが国における後天性インヒビターの実態は不明であり, 治療法も標準化されていない. そこで, 日本血栓止血学会学術検討部会凝固委員会(森田隆司委員長)が実態調査を行った. 方法は日本血栓止血学会会員を中心に1次アンケートを依頼し, 後天性インヒビターの症例を有するとの返答のあった施設に対して2次アンケート調査を依頼した(調査期間:平成13年1月より平成14年5月31日). 計75症例の後天性インヒビターの報告があった. 内訳は, 抗第VIII因子インヒビター58例, 抗von Willebrand因子インヒビター7例, 抗第V因子インヒビター5例, 抗プロトロンビンインヒビター1例, 抗XI因子インヒビター1例, 抗フィブリノゲンインヒビター1例, 抗第VIII因子+第V因子+フィブリノゲン複合インヒビター1例, 抗第VIII因子+第IX因子複合インヒビター1例であった. 男女比は <B>41</B>:34, 発症年齢の範囲は2~80歳でピークは70歳台であった. 基礎疾患のある例とない例との比は <B>29</B>:46であった. 基礎疾患や臨床背景で多かったのは自己免疫性疾患, リンパ増殖性疾患や腫瘍, 妊娠, 分娩, 糖尿病などであった. 止血療法で抗第VIII因子インヒビター例では, 第VIII因子製剤22例が最も多く使用されていたが, 有効率は低く, 活性型第VII因子製剤や(A)PCC製剤などによるバイパス療法の有効率が高かった. 免疫抑制療法としてはステロイドの内服投与が最も多かった. 有効率は約60%で, 他の免疫抑制剤も同様であった. 転帰はインヒビター消失例37例, 低下例14例, 不変例8例で, 死亡率は15%であった.
著者
田中 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.135, pp.163-168, 2010-07-14

著者が携わってきた衛星プロジェクトでの失敗経験について述べる。ポイントは「転んでもただで起きない」である。
著者
田中 悟 林 秀弥
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.135-162, 2010-01-27

本稿では, わが国のパテントプールに対して競争政策上問題とされたリーディングケースである「パチンコ機特許プール事件」(平成9年8月6日公正取引委員会勧告審決)についての法と経済学的接近が行われる. そこでは, この事件に対する公正取引委員会勧告審決が認定した事実そのものに遡って, パテントプールがもたらした競争上の効果についての検討が加えられる. 本パテントプールが形成された歴史的経過とその変遷が吟味された後, パテントプールに集積された特許権をめぐる特許引用関係を用いたネットワーク分析を通じて, これらの特許権の性格が検討される. こうした分析を通じて, パテントプールに集積された特許権がパチンコ機製造にとって必要不可欠なものであり, 公取委審決で問題とされたパテントプールを通じた参入排除が実効性を有していたことが明らかとされる.これらの帰結をベースにして, 本パテントプールに関して行われた審決の独占禁止法および競争政策上の意味についての考察が行われる.
著者
田中 達
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.231-234, 1965-03-01

新生児の生理的な尿の組成については, 現在迄いくつかの報告がみられるが, 未だに定説はなく, また我が国ではまだその報告もすくない. そこで私は主に生後10日目迄の, 新生児548例(未熟児104例を含む)の自然尿について, Ames社製の試験紙或は試験錠剤を使用して尿中の蛋白・糖・pH. アセト酢酸とアセトン・ビリルビン・フェニールケトン・赤血球を夫々検査し次の如き結果を得た. 蛋白尿は33.0%, 糖尿は99%, アセト酢酸或はアセトン尿は1.8%, ビリルビン尿は22.5%, フェニールケトン尿は10.5%, 赤血球尿は6.4%を夫々示し, また平均pHは5.9であった. これらは何れも生後1〜3日目に最も多く現れて, その後次第に減少し成熟児では生後11日目以降ではいづれの反応も陰性であった. しかし未熟児では生後11日目以降でも各反応について陽性をみたものがかなりあり, 特に生下時体重2,000g未満のものでは生後10日目以内でも成熟児に比して陽性を示す例が多く, また生後かなりの日数をすぎても未だに陽性を示したものがあった.
著者
溝口 耕三 岡本 健久 田中 洪
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.343-350, 1999-05-01
被引用文献数
2

この研究は, 慣れ易い音は騒音になりにくいという観点から, 騒音に対する慣れに着目し, 音環境を評価する方法の研究である。慣れは, 聴覚に連続的あるいは繰り返して刺激が加わると起こる現象で, 徐々に刺激に対する反応が減少し, やがては消滅する現象である。しかし, 慣れは, 従来の精神物理学的測定法を用いた測定が困難であると指摘されている。慣れを測定する一つの方法として, 以前にカテゴリ連続判断法が提案されている。この方法は有望ではあるが, 計測に多くの時間を必要とする。本研究では, 注意が向けられない刺激ほど慣れ易いという仮説を基に, 慣れの指標として選択的注意を用いた新しい方法を提案している。実験では, 被験者はタスクを負荷されており, 同時にラウドネスの変化に気が付いたとき, ボタンを押すように指示されている。被験者が作業に集中し, 音に注意を払わなければ, ラウドネスの小さな変化をのがしてしまうことになる。従って, 反応の回数が慣れの指標となる。この方法は多くの時間を要しない上に, 確実性も高い。