著者
矢口 貴志 滝澤 香代子 田口 英昭 田中 玲子 窪田 規 窪田 宜昭 窪田 正昭 福島 和貴
出版者
日本医真菌学会
雑誌
日本医真菌学会雑誌 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.97-100, 2007 (Released:2007-09-26)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

銀は, 古くから細菌などの微生物に対して抗菌作用を有することが知られており, 食器をはじめ歯科用充填材などに用いられている. 今回, ナノ銀粒子を静電吸着させたコラーゲン水解ペプチド (GX-95) の病原真菌を中心とした真菌に対する抗真菌活性について検討した. その結果, 検討したすべての菌種に対し, 抗真菌活性を有することが明らかとなった. 最小発育阻止濃度 (MIC) は, fluconazole, itraconazole, flucytosine 耐性株を含めたCandida albicans に対して0.25-3.1μg/ml, Cryptococcus neoformans に対して0.05-0.2μg/ml, Aspergillus fumigatus に対して0.025-0.4μg/ml, Trichophyton rubrum に対し0.4μg/ml, Cladophialophora carrionii に対して0.05μg/ml などとなり, GX-95は幅広く強い抗真菌活性を示した.
著者
田中 美江 柴田 叡弌
出版者
名古屋大学大学院生命農学研究科附属演習林
雑誌
名古屋大学森林科学研究 (ISSN:13442457)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.1-6, 2006-12

人工林の構造の相違と野ネズミの生息状況との関係および人工林内での野ネズミの利用環境,すなわち微生息環境に対する選好性を明らかにし,これらを野ネズミの格間で比較した.捕獲された野ネズミはアカネズミ,ヒメネズミ,およびスミスネズミであった.アカネズミは森林構造の相違に関わらず生息し,さらにその中で様々な微生息環境を利用していた.ヒメネズミは森林構造の相違に関わらず生息していたが,人工林内において倒木の多い場所などを高頻度で利用していたOスミスネズミは沢沿いの調査区のみで捕獲され,地表堆積物の豊富な環境を高頻度で利用していたoLたがって,人工林における野ネズミの生息条件およびその中での微生息環境に対する選好性は種によって異なると推察された。
著者
田中良夫 松井 祥悟 前田 敦司 中西 正和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会記号処理研究会報告
巻号頁・発行日
vol.94, no.49, pp.17-24, 1994
被引用文献数
1

通常ガーベッジコレクション(GC)はリスト処理を中断して行なわれる.GCをリスト処理と並列に行なう(並列GC)ことにより,GCによる中断時間をなくし,リスト処理の実時間化が可能となる.並列GCではGCの処理中にリスト処理によってデータが書き換えられるので,GCの正当性を保証するために特殊な処理が必要となる.そのため並列GCは停止型GCに比べてあまり効率が上がらず,実用化されているものもほとんどない.mark and sweep方式の並列GCにおいては,ゴミセルの回収効率が停止型GCに比べて約1/2になってしまうことが知られている.これらの欠点の改善は,並列GCの実用化へ向けての重要な研究テーマである.本論文では,mark and sweep方式の並列GCの欠点を改善したGCである,Partial Marking GC(PMGC)の提案,実装および評価に関する報告を行なう. PMGCはmark and sweep型の並列GCに世代別GCの概念を導入したGCである.PMGCを実装し様々な実験を行なった結果,PMGCによってゴミセルの回収効率は従来の並列GCに比べ最大で2倍に改善されることが確認された.PMGCは並列GCの実用化に向けての有効なGCである.
著者
田中 統治
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2009-2011
著者
内田 和宏 田中 敏光 杉江 昇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.19, pp.107-114, 2004-03-02

高速道路などで用いられる維持作業用車両の後部には,ドライバーに注意を促すために車載標識装置が搭載されているが,作業車両発見の遅れを原因とする追突事故が発生し,尊い命が失われる事態も生じている.作業者を危険にさらす大きな事故の多くは夜間に発生している.そこで,ドライバーに,より遠方から作業車両の存在を認識させることができれば,事故防止に結び付くと考えられる.われわれは,夜間におけるヒトの視覚特性に着目し,高輝度表示による誘目性と視認性を両立可能な新しい表示方法を提案する.一連の実験により提案手法の効果が確認できた.現在,試験的な導入が予定されている.In highways, accidental collisions against the rear-end of maintenance vehicles occur often due to the driver's delay of the discovery of the maintenance vehicles. Many of accidents occur in the nighttime. If drivers can recognize the presence of the maintenance vehicle from a sufficiently long distance, considerable cases of accidents may be prevented. Taking into consideration of the nighttime visual characteristics of the drivers, we propose a new method of display for variable signboards equipped with maintenance vehicles. We can control the contrast by feeble lighting of the LED's of the background part which are usually unlighted. Through a series of experiments we could confirm the efficacy of the method with the features of conspicuity along with high visibility.
著者
田中 康仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.73, pp.1-6, 1999-09-10
被引用文献数
1

機械翻訳システムが日本に於いて本格的に研究開発され始めて約20年弱の年月が経過した。しかし、機械翻訳には色々な問題点がある。 ここでは、機械翻訳の現状を概観し、品質向上にあたっての問題点、方法を検討する。Almost 20 years have passed since the first steps were taken in Japan toward serious R&D in machine translation (MT) systems. Over these two decades, translation software developers have come up against a vast range of problems. In this paper, I shall give an overview of the current state of machine translation, and examine the problems developers are facing in improving the quality of machine translations, and how they are tackling those problems.
著者
田中 恵海 高橋 謙輔 鳥海 不二夫 菅原 俊治
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.98-108, 2010-01-26
被引用文献数
2

本研究では,日本の中学校の一学級を対象とし,教師のいじめ対策行動の効果を検討するためのエージェントシミュレーションモデルを,ソシオン理論とハイダーの認知的均衡理論に基づいて作成し,教師のいじめ対策行動の効果を検討した.いじめは昨今の学級形成の重要な問題となっているが,その対策は十分確立できていない.教師による学級内のいじめ対策方法を確立するためにはその効果を確認する必要があるが,そのためには長期にわたる観測を行う必要があるため,難しい.本研究では,教師および生徒をエージェントとし,エージェント間の対人関係形成の変異をコンピュータによるエージェントシミュレーションで再現し,その効果を推定する.本研究では対策行動として「班行動,出席停止,予防活動」の3つをモデル化し,それぞれに対していじめ被害者および加害者の割合,全生徒間の好感度平均,教師に対する全生徒の好感度平均から各いじめ対策行動の効果と影響を検討した.本実験から,学級におけるいじめ対策行動として最も適切である学級運営手法は「予防活動」であるとの示唆を得た.We investigated the effect of a number of anti-bullying methods by teachers using the multi-agent simulation. Although bullying is a serious problem in school nowadays, the effective anti-bullying method is not established well. In addition, it requires the long-term observation to evaluate the effect of antibullying measures, so this is hardly possible. In this paper, we assumed a teacher and a student as agents and their inter-personal relationships are modelled according to the socion theory and Heider's balance theory. Then we observed the effects of a number of anti-bullying methods on the inter-personal relationships using our multi-agent simulation. We implemented three antibullying methods: group activities, suspension from school, prevention activity, and examined their influences on the relationships with each anti-bullying method. Our experiment suggested that prevention activity is the most effective method to avoid bullying at school.