著者
河上 智美 杉山 さおり 苅部 洋行 奈良 史子 小方 清和 白瀬 敏臣 内川 喜盛
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.453-457, 2004-06-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
10

乳歯列完成前の幼児において口腔内異物埋入の2例を経験した。患児らは,近医にて乳中切歯の形態異常を指摘され来院した。1例目は,1歳7か月の女児で,下顎両側乳中切歯に白色硬組織様構造物を認め,わずかな歯の動揺と歯肉の炎症および退縮があった。2例目は,1歳9か月の男児で,上顎左側乳中切歯に白色硬組織様構造物を認め,歯の動揺と歯肉の炎症を認めた。2例とも,硬組織様構造物に一致するエックス線不透過像を認めず,触診では構造物の動揺を認めたため異物埋入と診断し摘出した。処置後の経過は良好であった。摘出物はプラスチックチューブで,保護者が使用している枕のポリエチレンチューブと判明した。歯科医師は,原因が不明瞭な歯周組織の異常を認めた際には,異物の埋入も考慮に入れて診査をすることが望ましい。また保護者や保育担当者に,小児が異物をくわえることによって起こる口腔内への為害作用などの情報を,早期に提供する必要性が示唆された。さらに,製造者もより安全な形態の商品を開発し,事故防止に努めることが重要であると思われた。
著者
安田 八十五 白 永梅
出版者
日本マクロエンジニアリング学会
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.7-13, 2013

本研究の主たる目的は,レジ袋有料化政策による削減効果の有効性を実態調査によって明らかにし,さらに地域全体で有料化を実施するとレジ袋削減効果が高くなり,有効性が飛躍的に増大することをレジ袋の需要曲線が左下方にシフトするという「レジ袋需要曲線の構造変化」で明らかにすることである.安田は,レジ袋等の容器包装リサイクル問題の課題を容器包装リサイクル費用は一体いくらかかっているのかという問題と容器包装リサイクル費用は本来誰が負担すべきか,という二つの問題に設定し,諸外国の例も参考にして,拡大生産者責任(EPR)を明確にするよう提唱した.本論文ではレジ袋購入率を用いてレジ袋の需要曲線を推定し,レジ袋有料化政策が地域全体で実施されると削減効果が極めて高い結果,すなわち,「レジ袋需要曲線の構造変化」が示されることを明らかにする.
著者
森永 伊昭 白戸 香奈子 大髙 由美
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
雑誌
学会誌JSPEN (ISSN:24344966)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.214-219, 2020 (Released:2021-02-12)
参考文献数
29

誤嚥性肺炎の入院後早期のエネルギー(以下,Eと略)摂取量は不足しやすく,不足は回復を阻害する可能性がある.誤嚥性肺炎382例を対象として生存退院と入院後3日目のE摂取量/体重(以下,3日目E摂取と略),入院後1週間の1日当たりE摂取量/体重(以下,1週間E摂取と略)との関係を調査した.生存退院は332例(86.9%)だった.A-DROPスコア,悪性腫瘍(転移を含む)併存,血清アルブミン値,body mass indexの4変数に,3日目E摂取または1週間E摂取のいずれか一方を加えた,計5変数を独立変数とするロジスティック回帰分析では生存退院に対する3日目E摂取の調整オッズ比は1.09(p=0.002),1週間E摂取の調整オッズ比は1.21(p<0.001)であった.E摂取が増加すると生存退院が増加した.入院後早期のE摂取量不足の回避は誤嚥性肺炎の回復に寄与する可能性がある.
著者
白崎 弘泰
出版者
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院
雑誌
国際広報メディア・観光学ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.31, pp.39-59, 2020-12-17

The number of foreign workers in japan is increasing. Among all, there is such a remarkable increase in technical intern that the Japanese economic activity could not be sustained as what it is today without them. Now smartphone is an essential tools for their life in Japan, not only to communicate, but also togather, exchange, and spread information in a daily life. Nevertheless, now there is a problem where their employers prohibit them from owning or using their smartphone. This paper reveals details about the ownership and usage of smartphone of technical intern, and we claims that smartphone works to relieve their anxiety , and accuse fraud of the owners.
著者
白峰 旬
出版者
別府大学会
雑誌
別府大学大学院紀要 = Bulletin of Beppu University Graduate School (ISSN:13450530)
巻号頁・発行日
no.22, pp.51-71, 2020-03

令和2年(2020)のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』は、明智光秀が主人公であるが、その明智光秀が織田信長麾下の重臣として、丹波国攻略をおこなった際に、本城惣右衛門は丹波国在住の地侍として、最初は光秀と敵対して戦い、光秀の丹波国攻略完了後は光秀に臣従した。本城惣右衛門は本能寺の変では、明智光秀の麾下として参戦して本能寺に真っ先に突入している。従来は『本城惣右衛門覚書』は、本能寺の変の記載内容のみが注目されてきたが、本稿では、「戦功覚書」としての性格に着目して、『本城惣右衛門覚書』の記載内容全体について検討し考察した。
著者
古市 朝美 白木 善尚
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-99, no.59, pp.1-6, 2013-05-04

今日,楽曲製作に用いられる音源の多くは,楽器音の波形をサンプリングしたPCM音源が使われている.一方,偏微分方程式を用いて楽器の音響特性を表現し,その偏微分方程式の解に基づく物理モデル音源も実用化されている.物理モデル音源は音高,音色,音程などの操作が容易であり,音の立ちあがりや連続した音の生成等,PCM音源と比べて自然な楽器音作りが可能である.本報告では,代表的な撥弦楽器であるギター音の生成法,特にグリッサンド音の物理モデル音源の生成法を提案する.更に生成した音源の聴取実験を通して,提案した方法の妥当性の検証を行う.
著者
白根 靖大
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、院政期の貴族藤原頼長の日記である『台記』を史料学的な視座から研究し、中世古記録研究の進展に寄与することを目指すものである。『台記』は頼長の自筆本が現存せず、史料としては写本に頼らざるを得ない。その写本は近世に作成されたものが大半で、字句や記述に異同があるにもかかわらず、写本そのものの史料学的研究はほとんどない。そこで、本研究では、現存する諸写本の継承性などを精査して類型化・系統化を行い、各写本の特徴や活用するうえで踏まえるべき史料的性格を解明する。
著者
今井 則夫 難波江 恭子 河部 真弓 安藤 好佑 戸田 庸介 玉野 静光 野島 俊雄 白井 智之
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第35回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.123, 2008 (Released:2008-06-25)

【目的】携帯電話の利用者数は年々増加しており、精巣も携帯電話の長時間使用によって電磁波にばく露される対象臓器であり、精巣毒性が懸念される。そこで、携帯電話で用いられている1.95GHz電磁波の精巣毒性の有無について、ラットを用いて検討した。【方法】ばく露箱内の照射用ケージにSD系雄ラットを入れ、ばく露箱内上部に直交させたダイポールアンテナで、周波数1.95GHz、W-CDMA方式の電磁波を全身に照射した。電磁波ばく露は、性成熟過程である5週齢から10週齢に至る5週間、1日5時間行った。照射レベルは全身平均SAR(Specific absorption rate)が0 W/kg(対照群)、0.08 W/kg(低ばく露群)および0.4 W/kg(高ばく露群)の3段階を設定した。なお、実験は各群24匹を2回(1回に各群12匹)に分けて行った。ばく露終了後、剖検を実施して全身の諸器官・組織の肉眼的病理学検査を実施し、雄性生殖器の器官重量の測定を行うとともに、精子検査(精子の運動率、精巣および精巣上体の精子の数、精子の形態異常率)を行った。また、雄性生殖器の組織について病理組織学的に評価するとともに、精巣のステージング(精子形成サイクルの検査)についても評価した。【結果】ばく露期間中に死亡例はみられず、一般状態においても著変は認められなかった。体重、摂餌量、雄性生殖器系器官・組織の重量、精子の運動率、精巣上体の精子数、精子の形態異常率、精巣のステージ分析において、ばく露群と対照群との間に有意な差は認められなかった。また、肉眼的病理学検査および病理組織学的検査においても電磁波ばく露に起因すると思われる変化は認められなかった。【結論】5週齢のSD系雄ラットに1.95GHz電磁波を5週間全身ばく露した結果、電磁波ばく露の影響と考えられる変化がみられなかったことから、電磁波ばく露による精巣毒性はないと判断した。(この研究は社団法人電波産業会(ARIB)の支援によって実施した)
著者
白岩 史 飛谷 謙介 下斗米 貴之 猪目 博也 藤澤 隆史 饗庭 絵里子 長田 典子 北村 泰彦
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1159-1164, 2013-11-05 (Released:2014-01-05)
参考文献数
25

Recently, the number of emergency vehicles equipped with light-emitting diode (LED) warning lights has increased. Unlike traditional beanie lights, LED warning lights can display various flickering patterns because these patterns are controlled by computers. The purpose of this study was to develop flickering patterns that had a high level of visibility. Lighting time (ON time), no-lighting time (OFF time), light intensity and rising time (UP time) were controlled by a microcomputer. Further, the visibility of each LED flickering pattern was evaluated quantitatively. Specifically, the visibility of the flickering patterns using the psychophysical measure of “conspicuity (easy to stand out)” from Bradley-Terry paired comparison model was identified. Results showed that OFF time had a significantly greater influence on visibility than ON time. Moreover, the flickering pattern with 66 msec of OFF time provided optimal visibility, regardless of the ON time, by making the visibility map, which represented the degree of visibility between ON time and OFF time. Therefore, the ideal combination between ON time and OFF time was determined.
著者
白井 暁彦 久米 祐一郎 津田 元久 畑田 豊彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 21.6 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.77-84, 1997-02-03 (Released:2017-06-23)

3次元ディスブレイによって生成された物体との対話において、視覚に加えて触覚や力覚情報の人間への提示が重要である。本研究では皮膚の2点に振動刺激を与えることによって生じるファントムセンセーションを用いて、把持時の疑似力覚の提示を試みた。小型の工具を把持する際に指・手掌部との接触握部に振動子を組み込むことにより、刺激素子の装用感が少ない状態で、皮膚に振動刺激を与えることが可能である。本報告では指・手掌部の振動刺激に対する皮膚感覚の受容特性、静的や動的ファントムセンセーションの生起条件等を明らかにした。また2つの振動子と、PSDを用いた光学式3次元位置検出法と組み合わせ、力学的なバランス感覚も提示できる3次元画像との仮想対話作業ツールを試作した。
著者
新城 拓也 清水 政克 三宅 敬二郎 田村 学 遠矢 純一郎 白山 宏人 松木 孝道 石川 朗宏 村岡 泰典 濵野 淳
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.259-263, 2020 (Released:2020-10-08)
参考文献数
14
被引用文献数
1

本研究は日本国内における,自宅で死亡したがん患者の状況,医師や看護師の死亡時の立ち会いについて調査することを目的とした.国内の在宅医療と緩和ケアを提供している診療所で,2017年7月1日から2017年12月31日の間に,自宅で訪問診療を受ける終末期のがん患者を対象に,前向きの観察研究を行った.診療した医師が,初診時と死亡時に,患者背景,治療内容,死亡時の状況を評価した.調査期間中に,45の診療所で死亡場所が自宅であった患者676人の死亡状況を解析した.同居者がいた患者は91%,休日と夜間の死亡は49%(95%信頼区間[45〜52%]),死亡時の医師,看護師の立ち会い(呼吸停止,心停止の前から継続して患者の家にいること)はそれぞれ5.6%,9.9%であった.自宅で亡くなった患者のほとんどは家族と同居し,死亡時の医師や看護師の立ち会いはほとんどなかった.

4 0 0 0 OA 絵入童謡

著者
北原白秋 著
出版者
アルス
巻号頁・発行日
vol.第6集 (子供の村), 1925
著者
白銀 勇太
出版者
九州大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2018-08-24

ウイルスが宿主の細胞に寄生し自身を再生産する際、宿主細胞の様々な因子(宿主因子)を利用することが知られている。複数のウイルスに共通する宿主因子を発見すれば、その宿主因子をターゲットとすることで、様々なウイルスに効果のある広域の抗ウイルス薬の開発につながると考えられる。本研究ではウイルス同士が共通の宿主因子を奪い合うことで「干渉」しあうメカニズムの解明を通して、複数種のウイルスに共通する宿主因子を発見し、広域抗ウイルス薬の開発につなげていくことを目的としている。
著者
塚本 祐也 神保 幸太郎 白濱 善彦 田中 康嗣 下河辺 久雄 重留 広輔 加藤田 倫宏 吉田 史郎 坂井 健介 田中 憲治 吉田 健治 後藤 琢也
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.469-471, 2014-09-25 (Released:2014-11-11)
参考文献数
7

近年,加圧トレーニングはトップアスリートだけでなく一般人にも広く普及している.加圧トレーニングによってCrush Syndromeおよび長期運動障害を合併した1例を経験したので報告する.症例は15歳男性.野球部の練習中に加圧トレーニングを約15分実施.直後より両上肢の鬱血と強い疼痛および運動障害をきたしたため当院救急外来受診.血液検査にて白血球14830/μl,CPK2095IU/l,ミオグロビン631ng/mlと上昇,入院にて輸液管理を行った.入院1日目にミオグロビンは2013ng/mlに上昇,入院2日目にCPKは32309IU/lと急激な上昇を認めCrush Syndromeと診断した.輸液負荷を継続することで入院4日目からCPKは改善傾向になり,8日目にはCPKおよびミオグロビンは正常範囲まで改善した.両肘関節運動障害は徐々に改善して,受傷4か月で完全伸展可能となった.

4 0 0 0 OA ハマの盛り場

著者
白神義夫
出版者
横浜市
雑誌
調査季報
巻号頁・発行日
no.60, 1978-12-31