著者
白水 始 齊藤 萌木
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.492-503, 2015-12-01 (Released:2016-06-01)
参考文献数
35
著者
三吉 秀夫 郡司 隆男 白井 英俊 橋田 浩一 原田 康也 Hideo Miyoshi Takao Gunji Hidetosi Sirai Koiti Hasida Yasunari Harada (財)新世代コンピュータ技術開発機構 大阪大学言語文化部 玉川大学工学部情報通信工学科 電子技術総合研究所 早稲田大学法学部
雑誌
コンピュータソフトウェア = Computer software (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.343-349, 1986-10-15
被引用文献数
2

本論文では日本語の句構造文法JPSGとそのパーサについて述べる.JPSGは最新の句構造文法理論であるGPSGやHPSGの基本的な考え方を用い,更に日本語特有の言語現象を扱うために独自の原則を導入した日本語の文法記述体系である.特に統語範疇の集合を値とする下位範疇化素性(SUBCAT)により語順の任意性やコントロール現象が扱い易くなり,句構造規則の一般化が可能である.またJPSGはユニフィケーションを基本操作とする句構造文法であるため,計算効率の面からも有用な文法体系であり,その特徴を自然な形で記述できる論理型言語でパーサを開発中である.
著者
大木 聖子 白木 千陽
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

「地震」や「活断層」という言葉を社会的に捉えると,マイナスイメージが先行していると言わざるを得ないだろう.地震は被害をもたらして人々の生活を不便にしたり,大切な人の命を奪ったりする.2011年3月11日の東日本大震災以降は,活断層という言葉で原子力発電所やそれがもたらす深刻な事故を思い浮かべる人も多いだろう.しかし地球科学的な観点から捉えれば,地震による隆起は土地を生み出して私たちに生活の場を与えてくれているし,活断層による地殻変動の積み重ねが日本の美しい景色の根幹にもなっている.地表地震断層は端的に地球のダイナミックさを語り,地球の活動である地震と私たちの生活との折り合いの付け方を再考する機会を提供しているとも言える.このような場のひとつとして,地表地震断層の保存公園や保存館がある.断層保存の学術的・社会的重要性については地震発生直後から多くの研究者が指摘して働きかけるが,その維持管理には担当する行政部署や運営受託組織,被災者でもある住民など複雑なステークホルダーが関与している.本発表では,著者らが巡検した丹那断層と野島断層のそれぞれにおける保存の経緯と維持管理のあり方を比較し,今後の地表地震断層保存のための一助としたい.丹那断層は箱根芦ノ湖から伊豆市の修善寺まで約30km続く北伊豆断層帯の代表的な活断層である.1930年11月26日に発生した北伊豆地震(Mw6.9)によって,震央である函南町に地表地震断層が現れた.これを保存する丹那断層公園には,左横ずれ断層を象徴する庭石や断層側面を直接観察できる地下観察室があり,近隣の火雷神社には鳥居と階段と神殿がずれているまま保存されている.いずれも手入れが行き届いており,良い保存状態で維持されている.丹那断層公園設立までの経緯を調べてみると,地震発生から5年後の1935年には地表地震断層が国指定の天然記念物となっており,翌年には国庫補助金で指定地を公有化して囲柵で保存している.断層跡が次第にわかりにくくなっていくため,1992年には丹那断層保存整備委員会を組織して,断層を公園として整備する作業が行われた.2011年には伊豆半島ジオパーク推進協議会が設立され,2012年には日本ジオパークに認定されている.断層の管理については函南町教育委員会生涯学習課が,ジオパークに関することは函南町観光部局農林商工課が担当しており,丹那断層公園の維持管理については両者が協力している.維持管理に関する当面の問題点としては,観察面保存のための樹脂コーティングの予算獲得が難しいことと,断層観察面の劣化による剥落やコケ類の除去作業などである.一方,野島断層は1995年1月17日の兵庫県南部地震(Mw6.9)で一部が地表地震断層となって現れた.調査に訪れた研究者らの保存に向けた動きは早く,地震発生4日後には,逆断層の上盤側が雨などによって崩落しないようにと主要部分をビニールシートで覆うなどの応急処置が施された.また同月末には天然記念物として保存してはどうかという研究者からの要望が当時の北淡町(現淡路市)に届けられ,それを受ける形で町長が野島断層保存の意向を発表している.1995年から1996年にかけて野島断層保存検討委員会が設置され,1997年には野島断層活用委員会と名称変更をして,今も野島断層に関する検討を重ねている.この委員会により,まず1996年に兵庫県および北淡町の企画部局主導で公園設置事業に伴う保存施設の設置の動きが始まり,1998年には保存施設を含む北淡町震災記念公園が完成,1999年にメモリアルハウスや震災モニュメントが公開された.現在は教育委員会が維持管理にあたっている.設立当初は年間30万人の入館者を想定していたが,実際には82万人が訪れた.しかしその後は入館者数が減少し,2015年度は17万人余りである.その原因のひとつとしてアクセスの悪さが挙げられる.設立当初は野島断層保存館に徒歩圏内の富島港へ明石港からの高速艇が定期運行していたり,岩屋港からの定期路線バスが運行されていたりしたが,利用者の減少に伴ってどちらも廃止されている.これに加えて,逆断層であるため上盤側の管理が困難であることや,学芸員が不在であること,産業振興課などの観光に関わる管轄が運営に協力する体制になっていないことなども原因として挙げられるだろう.本発表では,両断層保存施設の設立経緯と管理体制の比較から今後のより良い管理維持のあり方を再考するとともに,さまざまな困難を乗り越えて存在している現在の地球科学関連施設の尊さを再認識する機会を提供したい.
著者
白鳥 義彦 岡山 茂 大前 敦巳 中村 征樹 藤本 一勇 隠岐 さや香 上垣 豊
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

研究課題として設定した、①「大衆化」と「卓越化」との二律背反の相克、②高等教育の「自由化」政策の影響、③リベラル・アーツと教養教育、という3つのテーマを軸に日仏両国の比較研究を進めた。日本およびフランスのいずれの国においても、さまざまな「改革」の動きの一方で、ともすれば見過ごされているようにも見受けられるのは、「改革」を通じてどのような高等教育を目指すのか、あるいはまた、その新たな高等教育を通じてどのような社会を目指すのか、といった本質的、理念的な問いである。研究代表者および研究分担者は、こうした根本的な問いを共有しながら、それぞれの具体的な研究テーマに取り組んで研究を進めた。
著者
崎山 幸雄 小宮山 淳 白木 和夫 谷口 昂 鳥居 新平 馬場 駿吉 矢田 純一 松本 脩三
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.70-79, 1998-04-30 (Released:2009-02-13)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2 3

急性中耳炎,急性下気道炎を反復するIgG2欠乏症の乳幼児を対象に静注用免疫グロブリン製剤(IVIG; GB-0998)による感染予防効果を多施設共同研究で検討した.初回300mg/kg体重, 2回目以降は200mg/kg体重, 4週毎, 6回投与のIVIG療法はIgG2欠乏,抗肺炎球菌特異IgG2抗体欠乏を呈して急性中耳炎,気管支炎もしくは肺炎を反復する乳幼児の感染予防に有用であることが示された.
著者
白川 静
出版者
公益財団法人史学会
雑誌
史學雜誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.90, no.9, pp.1428-1434, 1981-09-20
著者
白鳥 成彦 田島 悠史 田尻 慎太郎
出版者
嘉悦大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は日々変化し蓄積していく学生データと大学における教学データを確率的に関連付けたモデルを構築し、大学生の退学を防止する為に行う教育サービスの意思決定を支援することである。平成29年度は平成28年度に作成した学生モデルの再構築と教学サービスとの統合、さらに学会等における成果の発表を行った。(1)学生モデルの再構築では平成28年度に行った一次成果の報告におけるフィードバックを経て学生モデルの再構築を行った。具体的には中退に関連する変数を2群:入学時の変数と入学後の変数に分け、その統合によって学生の状態を推測していくモデルにした。結果としてマクロ的な変数のみで動的な動きを表現できなかった前年度のモデルに対して、学期ごとの動きを表現することができるようになり、より中退までの具体的な動きを扱うことができるようになった。次に(2)学生モデルを用いて教学サービスとの統合を行った。具体的には作成した学生モデルを教職員に公開し、その学生ごとに適した形の教学サービスはどのようなものかを考えるワークショップを5回行った。学生モデルから出される中退・卒業までのパターンごとに適切な教学サービスにどのようなものがあるのかを導出した。学生パターンごとに教員が行うサービス、職員が行うサービス、カウンセラーが行うサービスに分け、それぞれのタイプごとにいつ、どのサービスを行うことが適切なのかを導出した。最後に(3)以上の学生モデル、教学サービスの統合部分を学会発表論文としてまとめ、発表を行った。
著者
白峰 旬
出版者
別府大学会
雑誌
別府大学紀要 (ISSN:02864983)
巻号頁・発行日
no.52, pp.129-139, 2011-02

研究ノート関ヶ原の戦いに関するこれまでの研究史では、徳川家康の権力形成過程について過大視する傾向がある一方で、石田三成・毛利輝元の権力形成については、常に劣勢に立たされていた、とする見方が顕著であるが、本稿では、こうした点を再検討し、史料的論拠に基づいて、慶長5年7月〜同年9月においては、石田・毛利連合政権が形成されていた、という新しい見解を提示した。
著者
前田 安里紗 上間 大生 白水 菜々重 松下 光範
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.204-215, 2015-01-06 (Released:2015-01-06)
参考文献数
18
被引用文献数
2

The objective of this study is to support learning of Japanese onomatopoeia for foreigners who learn Japanese. In recent years, the number of such foreigners is increasing. There are a lot of onomatopoeia words in Japanese and many of them are difficult to translate because only the number of onomatopoeia words in foreign languages (e.g., Mandarin, Cantonese) are fewer than these in Japanese. To overcome the cultural difference, this paper proposes a digital picture book system for learning Japanese onomatopoeia. The system presents 32 onomatopoeia words to a user. The design criteria of the system is that: (1) adopts an interface of user participation, (2) presents a tiny story in which onomatopoeic words are associated with pictures, and (3) enables comparison of two synonymous/antomynic onomatopoeias. We conducted a user study with foreign learners and revealed that the proposed system improves understanding of semasiological differences between two confusing onomatopoeic words.