著者
野白 喜久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.640-644, 1974-10-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
27

米の価格は清酒の製造原価の60%以上を占めている。米価の大幅上昇, アル添・三増の減少によりこの比率は今後さらに高くなるであろう。清酒業はこれまで価格の高い米をに尊重してきたが, コストダウンのためには米についてもう一度よく考えてみる必要があろう。最近の研究の結果をもふまえて, 筆者は米に対する新しい考え方を説いている。特に精米操作の重要性など深く考える必要があろう。
著者
白神 麻依子 林 行雄
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.428-437, 2012 (Released:2012-07-05)
参考文献数
7

抗不整脈薬の作用機序はイオンチャネルおよびβ受容体にある.Vaughan Williams分類はその点を単純に分類し,優れた抗不整脈薬の分類法であるが,抗不整脈薬の中にはこの分類法では不十分なものが現われ新たな分類法が模索された.その結果生まれたのが,Sicilian Gambitである.Sicilian Gambitは抗不整脈薬の単なる分類にとどまらず,不整脈の発生機序からその治療法の考え方,さらには抗不整脈薬に伴う副作用の留意点を示したもので,抗不整脈薬の臨床使用において大いに参考になる.
著者
白山 映子
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.363-375, 2011

During the Meiji Restoration, Japan adopted Western culture, ideas, education and technology, and even introduced new animal breeds from the West, including new varieties of rabbits. Cross-breeding with domestic varieties produced rabbits with unusual coloring, and around 1873 these became the target of speculative trading. This phenomenon is known as the "Rabbit Mania". In the same period, the genre Kaika-mono (lowbrow fiction) was popular among the ordinary people. Stories in this genre include "Seiyou Douchuu Hizakurige" (1870), "Aguranabe" (1871), "Bummei Kaika" (1873), "Kaika Mondou" (1874) and "Bummei Inaka Mondou" (1878). This paper discusses two stories belonging to this genre that deal with the "Rabbit Mania" : "Tori Gekka Mondou" and "Usagi no Mondou". The style of these stories is light and comical, and the former has a rather risqué flavor. The author explores the "Rabbit Mania" through an examination of the dialogue in these stories, and reports about the phenomenon in both English and Japanese newspapers. The paper also refers to related nishikie (colored woodblock print) parodies.
著者
尾崎 昭弘 今井 賢治 伊藤 和憲 向野 義人 白石 武昌 石崎 直人 竹田 太郎
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.779-792, 2006-11-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
39
被引用文献数
1

「耳鍼に関するこれまでの研究の展開」を主テーマとしてセミナーを行った。セミナーでは、近年の国内外の耳鍼の展開、作用機序や臨床効果のレビューを行い、知見を総括した。耳鍼による肥満の基礎研究では、耳介と視床下部-自律神経系の関連、耳鍼を受ける側の状態の違いに起因する個人差などが紹介された。さらに、作用機序では耳介の鍼刺激により白色脂肪組織 (WAT) に発現したレプチンが、末梢と中枢の両者に存在するレプチン受容体 (Ob-R) に結合して、摂食を抑制することなどが紹介された。耳鍼の臨床効果については、肥満に関する欧米の知見を中心に紹介された。しかし、欧米の論文のレビューでは共通した治療方法、評価指標などが乏しかったため、総合的な結論を下すには至らなかった。鎮痛効果や薬物依存では、臨床効果が期待されたが、禁煙では否定的であった。
著者
白勢 洋平 上原 誠一郎
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2016年年会
巻号頁・発行日
pp.63, 2016 (Released:2020-01-15)

岩手県崎浜ペグマタイト産電気石中に,Liに富む電気石と組成ゾーニングをなして産するMnに富む電気石を見出した。本研究で分析を行った電気石はLi濃集部に向かって伸長しており,柱状結晶の先端部で,黒色から,濃緑色,淡緑色,無色,紅色,水色へと色が変化している。共生鉱物として,カリ長石,曹長石,リチア雲母,トパズ,ミラー石を伴う。柱状結晶内の濃緑色部はティレース電気石(Tsilaisite),淡緑色,無色,紅色部はフッ素リチア電気石,水色部はリチア電気石であった。端面には細粒の繊維状フォイト電気石が形成されていた。崎浜産ティレース電気石の化学分析値は(Na0.58□0.41Ca0.01)(Mn1.02Fe0.20Zn0.02Al1.19 Li0.57)Al6(Si5.80Al0.20)O18(BO3)3(OH)3(OH0.65 F0.35)である。Bosi et al. (2015)は結晶内で,フッ素ティレース電気石-ティレース電気石-フッ素リチア電気石へと移り変わる産状を示し,崎浜産も同様であるが,Feを少量含む特徴を持つ。
著者
斎藤 徹 白波瀨 龍一 砂川 裕亮 松下 祐也 髙橋 耕一 牧野 秀樹 山崎 裕 栂安 秀樹
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.233-239, 2020-12-31 (Released:2021-01-28)
参考文献数
15

当院の高齢者に対する歯科訪問診療を評価することを目的として,高齢者の歯科訪問診療症例と外来診療症例の年齢分布および歯科治療の内訳を比較した。当院が2011年1月~2019年12月の間に歯科訪問診療および外来診療を施行した新患症例はそれぞれ6,303例,10,014例であった。これらの症例中,65歳以上の高齢者の訪問診療および外来診療症例はそれぞれ5,753例(91.3%),1,806例(18.0%)であった。訪問診療では外来診療と比較して,歯周治療(60.7% vs 88.1%),義歯新製(28.0% vs 46.7%),抜歯(20.3% vs 45.6%),歯冠補綴(4.4% vs 50.6%),インレー修復(0.5% vs 17.4%),レジン・グラスアイオノマー充塡(21.9% vs 56.1%),抜髄(2.0% vs 18.9%)および感染根管処置(1.7% vs 20.5%)を行った症例の割合が有意(p<0.001)に低かった(歯科治療内容の重複症例あり)。他方,義歯調整・修理(32.5% vs 16.7%)および摂食機能療法(18.5% vs 2.0%)を施行した症例の割合は訪問診療では外来診療と比較して有意(p<0.001)に高かった。 高齢者に対する歯科訪問診療でも多様な歯科治療が行われており,外来診療と比較して義歯調整・修理および摂食機能療法を施行した症例の比率が高く,咀嚼や摂食嚥下機能に問題がある症例が多かった。しかし,その他の治療を行った症例の割合は歯科訪問診療では外来診療と比較して低かった。
著者
吉田 聡子 若竹 崇雅 白須 賢
出版者
一般社団法人 植物化学調節学会
雑誌
植物の生長調節 (ISSN:13465406)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.66-73, 2014-05-30 (Released:2017-09-29)
参考文献数
43

Several parasitic plants in Orobanchaceae, such as Striga and Orobanche, cause devastating damage on agriculture worldwide. However, the molecular mechanisms of plant parasitism remain poorly understood. Orobanchaceae include species in a different range of parasitism, i.e. facultative and obligate parasites. Facultative parasites complete their life cycle without host plants, while obligate parasites are not able to survive without hosts in a natural condition. Although both parasites respond to quinone signals to develop infectious organs called haustoria, their shapes are distinct. Their responses to germination stimulants are also different. We are conducting genome and transcriptome analyses of an obligate parasite Striga asiatica and a facultative parasite Phtheirospermum japonicum to identify genes responsible for plant parasitism. A transformation protocol of P. japonicum was also established and used for functional characterization of parasitic plant genes.
著者
白田 英樹 富久 章子 笠原 猛
出版者
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所
雑誌
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所研究報告 (ISSN:1347099X)
巻号頁・発行日
no.3, pp.85-90, 2003-12

ブロイラーのコマーシャル鶏を用いて魚粉(動物性蛋白質)を用いない飼料がブロイラーの生産性に与える影響について検討を行った。平成14年10月15日から12月10日までの56日間、雌雄別飼で試験を実施した。8週齢までの育成率は、試験区:98.0%-100%、対照区:98.0%-100%であった。8週齢時の体重は、試験区雄:3554g、雌:3130g、対照区雄:3566g、雌:3093gで両区で差は見られなかったが、6-8週齢の1日1羽当たり飼料摂取量では試験区が有意に多かった。肉色では、むね肉及び腹腔内脂肪色でa値b値で試験区の色が薄く、差が見られた。浸透圧及び血液ガスでは一部で差は見られたが、飼料の違いによる傾向は確認できなかった。