著者
福村 直毅 牧上 久仁子 田口 充 福村 弘子 茂木 紹良
出版者
医学書院
雑誌
総合リハビリテーション (ISSN:03869822)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.1003-1007, 2016-11-10

はじめに 気管切開(以下,気切)は,一般に嚥下機能を低下させると考えられている1).気切孔用レティナカニューレは喉頭運動を阻害しにくいこと1,2),一方弁が誤嚥リスクを低下させることが知られている3).今回,慢性的に多量の唾液誤嚥が認められた患者に唾液誤嚥をコントロールするためにあえて気切を実施し,レティナと一方弁を用い,栄養や薬剤管理も含めた包括的なリハビリテーションを行うことで,経口のみでの栄養を獲得できたので報告する.
著者
石川 兵衞 土居 通明 籠島 忠 福村 順 坂本 貞和 長谷川 昌三
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.7, no.10, pp.1178-1185, 1975-09-01 (Released:2013-05-24)
参考文献数
35

WPW心電図におけるST-T異常は心室早期興奮に基づく二次性変化とされているが,WPW症候群患者の場合にも,ことに中年以上の症例では,器質的心疾患その他の原因による一次性ST-T異常を合併している可能性がある.われわれはWPW症候群66例(RosenbaumのA型28例,B型35例,非定型3例)を対象として,二次性ST-T変化と一次性ST-T異常の判別に検討を加えた.(1)WPW心電図におけるST-T異常の出現頻度はA群50%,B群80%で,その多くはprocaine amide静注による房室伝導の正常化によって消失した.正常化前後のventricular gradient(G)は不変であり,消失したST-T異常は二次性変化であったと考えられる.(2)正常房室伝導時にST-T異常またはMaster二重二階段試験陽性を示した症例は,大部分がB型で,合併症・異常が高率であり,房室伝導が偽正常化にとどまっている可能性も否定はできないが,一次性ST-T異常の存在が強く疑われる.
著者
福村 知昭 長谷川 哲也
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.519-524, 2000-07-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
27
被引用文献数
1

巨大磁気抵抗を示すいろいろな強磁性体が最近見つかっている.その中でも,強磁性体トンネル接合の無限層構造を自然に有し巨大なトンネル磁気抵抗を示すLa1.4Sr1.6Mn2O7,高々5mol%のMn添加により約100Kという高温で強磁性を示す磁性半導体(Ga,Mn)Asは注目されている材料である.前者は異方性が強く温度変化の大きい磁性を示す点で,後者は強磁性の起源が未解決という点で,"異常な"強磁性体といえる.一般に強磁性体は微視的な磁気構造-磁区-を有しており,これは磁性体の種類に応じて様々な形態を持つ.我々は各種磁性体の磁区構造を観察するために,極低温から室温まで測定できる走査型ホール素子顕微鏡を開発した.ここでは走査型プローブ顕微鏡による磁区観察法を簡潔に述べ,磁気記録媒体の磁区・表面形状および上に述べた物質の磁区構造の観察結果を紹介する.
著者
福村 知昭 長谷川 哲也
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.233-238, 2002-04-10 (Released:2008-10-03)
参考文献数
25
被引用文献数
1

The existence of magnetic domain has been known for a long time, and its importance is further growing because of rapid storage density increase of recording media. Magnetic domain observations made it possible to derive the microscopic magnetic parameters such as the magnetic anisotropy and the domain wall energy connected with exchange interaction in addition to the size of magnetic domain. Among the various methods for observing the magnetic domain, scanning probe microscopes are powerful tools owing to the user-friendliness and the flexibility to sample specimen and measurement environment. These instruments enable us to evaluate three dimensional magnetic domain structure and to explore novel magnetic materials in a high throughput way. Here, we show the results obtained from the measurements of ferromagnetic semiconductors, Mn doped GaAs and Co doped TiO2 thin films, and a colossal magnetoresistive material, La1−xSrxMnO3 composition-spread film.
著者
福村 愛美 Manami Fukumura
雑誌
大分県立芸術文化短期大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.31, pp.71-77, 1993-12-31

若者離れの目立つ現業労働のイメージや、作業服のどのような点を改革したら、イメージアップにつながるかなどについて調査し、分析した結果、次の様な事柄が明らかになった。(1)工場や土木建設業などの職場は、きつくて危険な職場であると考えられている。またこのようなイメージが、労働者不足の原因であると考えられている。(2)現業労働への女性進出は、土木建設業や工場などの職場が活気づくという様な理由で有意義であると考えられている。(3)作業服のイメージは、デザインが古くておしゃれではないと考えられている。(4)作業服の色は、灰色のような暗い色のイメージを持たれている。しかし実際にデザインと色を見た場合には、青色がふさわしいと考えられている。(5)作業服の素材は、綿が適していると考えられている。また柄は無地が適していると考えられている。Recentry young people offen refuse jobs in factories and construction sites. The purpose of this study is to investigate whether changing the color and style of workclothes can improve the image of factories and construction sites. In the present study we gave a questionnaire to female college students to find out what image young women have of such jobs, and what points are needed to improve the image, and what kind of work clothes are best. The analysis of those results were summarized as follows: (1) It was thought that such work areas were dangerous and difficult. That image brings about a shortage of available workers. (2) It is important for such work areas to employ women so that the work areas become brighter. (3) It was thought that the image of work clothes was old and out of fashion. (4) It was generally thought that the colors of work clothes were dark and gray. (5) It was thought that cotton was the suitable material for work clothes, and a plain dress was the suitable pattern for work clothes.

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著者
遠藤 一佳 広報委員会 福村 知昭
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.14-15, 2013-07

速水格先生のご逝去を悼んで/東京大学大学院理学系研究科・博士学位取得者一覧/人事異動報告/東京大学理学部オープンキャンパス2013は2日間開催/あとがき
著者
中島 淳博 福村 文雄 富永 隆治 久原 学 鐘ヶ江 靖夫 深江 宏治 宮本 和幸 安井 久喬 徳永 皓一
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.600-604, 1993-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
19

雑種成犬閉胸正常心モデル10頭に対し左心バイパスを行い, 左心補助(LHB)施行時に呼気終末陽圧呼吸(PEEP)が右心機能に及ぼす影響について検討を加えた. 0, 5, 10, 15cm水柱のPEEP負荷に伴い右室拡張末期圧の上昇, 右室拡張末期容積, 収縮末期容積の減少, 後負荷の上昇と心拍出量の低下が認められた. これらのPEEPによる血行動態の変化はLHB施行の有無にかかわらず同様であった. LHB on, offの比較では心拍出量はPEEP 0cm水柱時にはLHB on, offによる差は認めなかったが, PEEP 15cm水柱時にはLHB onによって肺動脈入力部抵抗の15%の上昇と共に(1968±736 dynes・sec・m2/cm5LHB off vs 2254±790dynes・sec・m2/cm5LHB on: p=0.056)心拍出量の20%の有意な低下を認めた. (1.07±0.45L/min, LHB off vs 0.86±0.34L/min, LHB on:p<0.05)PEEP負荷時には左心補助は心拍出量の低下をもたらす可能性が示唆された. よってLHB施行中にはPEEPの適用に対し, より慎重である必要があると考えられた.
著者
福村 一成
出版者
宇都宮大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

研究計画当初のケニア国フィールド調査予定がエチオピア国に変更となってしまったが、携帯端末によるフィールド調査システムをアンドロイド端末に実装すること、収集しデータを端末からPC上のデータベースに格納することが出来た。ケニア国で村落への簡易な点滴かんがいの試験的な導入の前後における本システムを利用した村落調査とその分析はケニア国の治安状況等の影響によりエチオピア国に計画変更をした。エ国農業研究所(EIAR)に新設の稲研修研究センタ内に近隣農家研修圃場を準備、協力農家募るための簡易点滴かんがいのを導入し、土壌水分センサー等を準備、近隣農家の聞取り(ベースライン)調査を実施した。
著者
福村 裕史 西尾 悟 福村 裕史 KUDRYASHOV Igor
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、ナノ領域の振動スペクトルを空間選択的に得ることを目的とし、測定システムの開発を行うと同時に、システムの動作確認のための分子系の開発も行った。測定システムは、走査型プローブ顕微鏡とラマン分光計を組み合わせたものである。ラマン励起は488nmの半導体レーザーにより行い、検出器には冷却型電荷結合型素子を用いた。走査型プローブは、白金イリジウム合金ワイヤーを機械的に先鋭化させ、その表面に化学的還元反応により銀をめっきして作製した。プローブ先端の銀粒子の大きさは電子顕微鏡観察により100-300nmであることを確認した。空間分解能を調べる標準試料を検討するため、レーザーを用いたナノ構造体作製に取り組んだ。最初にペリレン誘導体に355nmのパルスレーザーを照射しナノ構造体の作製を試みたが、ポリインなどの副生成物が生成することが明らかとなった。チオフェン誘導体を用いた場合には、光重合反応によって空間選択的高分子化が起こることを確認した。これを利用して導電性ポリチオフェンからなるグレーティング構造体を355nmのレーザー光の干渉パターン照射により作製した。最適条件では線幅約2μm、間隔約3μm、高さ平均200nm程度の格子ができた。この構造体について、表面増強ラマンスペクトルの測定を行った。チオフェン環の伸縮に帰属される1400-1550cm^<-1>の平均シグナル強度について10x10点のスペクトル強度マッピングを行ったところ、グレーティング構造を明瞭に確認できた。最終的に50nm程度の分解能があるということを示唆するデータが得られた。
著者
藤原 進 福村 好美 武藤 信夫 山本 康二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.149-150, 1992-09-28

電話、FAX、パソコン通信等電子通信の普及・発展に伴い、通信に関する各種情報を体系的に管理、運用できるシステムの必要性が高まっている。ディレクトリシステムは、通信に関わる情報を共通の構成法、アクセス法で提供することを目的としたシステムであり、そのサービスとプロトコルの国際標準が、X.500シリーズとして1988年にCCITTにより勧告され、国内外で研究開発が進められている。NTTの提供する104番号案内サービスも今後の通信の国際化、通信網の多様化・複雑化に伴い、X.500ディレクトリシステムの適用が期待されており、当研究所ではディレクトリシステムの実装技術や運用技術の研究を進めている。本稿では、ディレクトリ実現に必要な情報を、名前の階層構造に関する情報と属性情報に分類し、それらの管理方式について検討した。
著者
堀 由美子 村社 知美 福村 基徳 鳥居塚 和生 伊田 喜光
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.3-11, 2008 (Released:2009-02-28)
参考文献数
21
被引用文献数
7 16

水腫, 脚気, 解毒の改善に用いられるアズキ (生薬名: 赤小豆, セキショウズ) 煮汁の成分を明らかにする目的でアズキ熱水抽出物の成分研究を行った。その結果, フラボノイドならびにその配糖体13種を単離し, 構造を明らかにした。次いでアズキ熱水抽出物およびこれから得られたフラボノイド誘導体についてDPPH法によるラジカル消去活性を測定した。その結果, いずれも代表的な抗酸化物質であるBHAに匹敵する強い抗酸化作用を示した。
著者
福村 愛美
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
大分県立芸術文化短期大学研究紀要 (ISSN:13466437)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.195-205, 1997-12-31

高校生および短大生が、高等学校の家庭一般、被服構成学実習、高校家庭科の男女共修についてどのような意識を持っているかを調査した結果、次の様なことが明らかになった。1.家庭科の授業で興味のある分野では、高校生も短大生も調理実習に大変興味を持っている。興味のない分野としては、高校生は住生活の設計にあまり興味がなく、短大生は家庭生活の設計にあまり興味を持っていない。難しい分野では、短大生の方が高校生よりも、より被服製作や、母性の健康・乳幼児の保育を難しいと考えている。2.被服構成学実習で製作した作品を、高校生の方が短大生よりもよく活用している。製作したいものとしては、高校生の方が着物(浴衣)をより多く挙げている。3.高校家庭科で男女共修に価値があるかについては、高校生も短大生も大半が価値があると認めているが、特に短大生の方がより強く男子にも家庭科を学んでほしいと望んでいる。4.被服学分野に興味がない学生は、被服学が難しいと考えている。5.被服学分野や住生活分野が役立つと考えている学生は、ほとんどの人が被服製作の完成に充実感を感じている。6.被服構成学実習が時代遅れであると思う事と、被服学を学ぶ必要性の有無とは、直接には関連性がないと考えられる。7.被服構成学実習で何を製作していても、次は別の種類の作品を製作したいと考えている。8.被服構成学実習で重点的に学びたい内容として、全体的には縫製の仕方が一番多いが、次に興味のある内容を重点的に学びたいと考えている。9.被服構成学実習で製作した作品をよく活用した人程、被服製作を完成した時に充実感を感じる。10.家庭科男女共修に価値があると考える人の方が、被服製作の作品の活用度が高い。11.家庭科男女共修に価値があると考える人程、被服構成学実習が時代遅れではないと考えている。終わりに、集計作業にご協力下さいました大分県立芸術文化短期大学の田仲謙司さん及び副手の方々に深く感謝申し上げます。
著者
近藤 照彦 武田 淳史 武田 信彬 下村 洋之助 谷田貝 光克 小林 功 関 耕二 福村 幸仁 村上 正巳 山口 貴史 冨岡 淳
出版者
群馬パース大学
雑誌
群馬パース大学紀要 (ISSN:18802923)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.435-442, 2007-03
被引用文献数
1

我々は、川場村において「癒しと健康をもたらす」とされる、森林浴の生理学的効果を検討した。被験者は、川場村在住の19名の高齢者(男性11名、女性8名)、年齢は平均74歳(男性74±3.5歳、女性74.9±2.9歳)。8月17日の1時間森林集団散策時の天候は曇り、気温30℃から32℃、湿度58%から60%、風速0m/secから2m/sec、コントロールは、同じメンバーによる8月21日の田園地域1時間の集団散策とし、非森林浴時の天候は、森林浴時とほぼ同様であった。森林揮発性物質(フィトンチッド)、気分プローフィール(POMS)、血圧、脈拍数、空腹時の血清からNK活性細胞、カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミン)、コルチゾール、アディポネクチンを森林浴・非森林浴前後に測定した。川場村における森林浴調査地から森林揮発性物質が検出され、全員で、森林浴前後においてPOMSの総得点、血圧、コルチゾールおよびアドレナリンが有意に低下した。被験者中の3例に森林浴でNK細胞活性の増加を認め、女性1例のみ森林浴および非森林浴の両者でNK細胞活性の増加を認めた。川場村における森林浴研究結果から、POMS、カテコールアミンおよびコルチゾールの血中濃度低下は、森林浴が癒しと健康をもたらす効果をもつ可能性を示唆する所見と考えられた。