著者
齋藤 寿広 壽 和夫 澤村 豊 阿部 和幸 寺井 理治 正田 守幸 高田 教臣 佐藤 義彦 平林 利郎 佐藤 明彦 西端 豊英 樫村 芳記 小園 照雄 福田 博之 木原 武士 鈴木 勝征 内田 誠
出版者
農業技術研究機構果樹研究所
巻号頁・発行日
pp.1-9, 2009 (Released:2011-05-24)

1. ‘ぽろたん’は、1991年に農林水産省果樹試験場(現農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所)において‘550-40’に‘丹沢’を交雑し、育成した実生から選抜した渋皮剥皮性が優れる早生のニホングリ品種である。1999年に一次選抜し、2000年からクリ第6回系統適応性検定試験に供試した。その結果2006年10月4日付で‘ぽろたん’と命名され、‘くり農林8号’として登録、公表された。2007年10月22日付けで種苗法に基づき第15658号として品種登録された。2. 樹勢はやや強く、樹姿はやや直立である。枝梢は密に発生し、太く、長い。雌花の着生は多く、結果性はやや多い。果実の成熟期は育成地では9月上~中旬で‘国見’と同時期である。3. きゅう果は扁球形で‘国見’と同程度の大きさで、果実の側果側面の形は帯円三角形、横面は尖円形である。平均果重は30g程度で‘国見’より若干小さいが、‘丹沢’よりやや大きく、揃いは中程度である。双子果の発生はやや多く、裂果の発生は少ない。果実の比重は‘丹沢’や‘国見’より高く、肉質はやや粉質である。果肉は黄色で甘味、香気ともに‘丹沢’や‘国見’より多く、食味は良好である。環境条件により、虫害果が多発する場合がある。蒸しグリでの渋皮剥皮性は易であり、焼きグリにした場合、チュウゴクグリ程度に容易に剥皮出来る。4. 試作を検討した関東地方以西の産地で特性を発揮できるが、東北地方での適応性は不明である。ニホングリで唯一渋皮剥皮性が優れる品種であり、家庭での消費増大はもとよりニホングリの新規加工需要の創出等多方面での利用が期待される。
著者
安部 文子 山田 眞伍 小山 恭平 福田 博章 清水 郁子
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.53-56, 2012-02-27

昨今,3D表示可能なテレビなどの機器が多く発売され,それに伴い3Dコンテンツの需要も高まっている.本論文では,単眼カメラにより静止している被写体を撮影した動画像から,ユーザが指定した奥行き感(視差量)をもつ3D画像を自動生成するシステムを開発する.本システムは,ユーザがインタフェースから入力した視差量に対し,動画像中のあらゆる2枚の組合せから最も適切な2枚の画像を用いて3D画像を生成してユーザに提示する.このとき,プレ画像,被写体が画像の中央にない画像をあらかじめ候補から除外する.これらの条件を満たす画像のうち,3D画像を生成するための平行化のための補正量が最小であるものを最適な2枚であるとする.実験により,手法の有効性を示した.
著者
福田 博美
出版者
文化学園大学
雑誌
文化学園大学紀要. 服装学・造形学研究 = Journal of Bunka Gakuen University (ISSN:21873372)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.33-45, 2015-01

鳥居清長(1752-1815)は江戸時代中期に活躍した浮世絵師である。清長は八頭身の姿態を描いた美人画が代表的であり、鳥居派4代目絵師として歌舞伎役者絵を描いた。本論文は、清長の浮世絵に見る服飾描写を分析し、当時の洒落本・随筆等の記述と照合して、同時期の絵師の作品との比較からその独自性を捉えることを目的とする。清長の画業は、明和期に鈴木春信(?-1770)、安永期に磯田湖龍斎(1735-90)を範とした。天明期は全盛期で、浮世絵が中判から大判へ変わり、長身の美人群衆を描いた。また、役者の舞台絵と共に彼らの日常の姿も描いた。寛政から文化期は、肉筆画を手掛けた。清長の独自性は「姿態美」に見られ、女性の後姿や前垂姿に表現され、男性の装いは通人の流行を先導した。次に、清長の染織表現の独自性は2点挙げられる。まず、女性の薄物に赤みをおびた「藍さび色」を用いた点である。藍さびは当時の流行で黒の絣を主とし、喜多川歌麿(?-1806)の美人画も黒であった。次に、三井親和(1700-82)の篆書を染め出した「親和染」を着物や帯、前垂や団扇に表した点である。最後に清長の描いた広幅帯に留め具がなかった要因は芸者の帯結びの方法によることが解明できた。
著者
福田 博
出版者
日本複合材料学会
雑誌
日本複合材料学会誌 (ISSN:03852563)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.76-80, 1983-04-30 (Released:2009-08-11)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1
著者
野谷 健一 石川 誠 半沢 元章 中村 博行 戸塚 靖則 福田 博
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.2312-2321, 1990
被引用文献数
1

The tumor extension of T4 cases of upper gum carcinoma (UG-Ca) is clinically similar to T2 cases of maxillary sinus carcinoma (NIS-Ca). However, the prognosis of the former is remarkably unfavorable compared with the latter. A comparative study between 16 cases of UG-Ca (T4) and 14 cases of MS-Ca (T2) was undertaken in order to assess the difference in their prognosis.<BR>The 5 year accumulative survival rate of UG-Ca (T4) was 36.5% and MS-Ca (T2) was 92.3%. While the control rate of the primary lesion after initial therapy, the former was 50% and the latter was 78.6%. As for the rat of cervical metastases noted clinically, it was 75% and 35.7% respectively. Bilateral cervical metastases was noted in 6 cases of UG-Ca (T4) and none in MS-Ca (T2). With respect to the 5 year accumulative survival rate of the cases with pathologically confirmed nodal involvement, it was 0% for UG-Ca (T4) but MS-Ca (T2) was 66.7%.<BR>The unfavorable prognosis for UG-Ca (T4) cases was attributed to failure to control primary and cervical metastases. Therefore, it is necessary to reexamine the margin of the primary resection and the timing for carrying out RND.
著者
福田 博行
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.597-597, 2008 (Released:2009-04-25)
被引用文献数
4 4
著者
粕田 晴之 福田 博一 林 和 相賀 美幸 島崎 則子 越智 芳江
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.132-135, 1999-05-20 (Released:2010-07-21)
参考文献数
28

本邦での手術時手洗いはスクラブ剤を使用したブラシングを中心に行われてきたが, この方法は皮膚を損傷するおそれのあることと手洗い時間が長いという欠点を有している.我々は, 先に看護婦を対象としグローブジュース法を用いて擦式エタノール薬を併用した短時間手洗い法の有用性について報告したが, 今回は医師を対象として検討した.手洗い前の片手当り手指生菌数が104cfu以上で, 「現行の手洗い法: 4%クロルヘキシジンを用い, 素洗いと3回のブラシングで計8分間の手洗い」と「新しい手洗い法: 4%クロルヘキシジンを用いた揉み洗い2回と爪周囲のブラシング1回, 0.2%クロルヘキシジン添加エタノール液を用いたラビング1回で計4分間の手洗い」を2回づつ実施できた外科系医師28名を対象とした.指数減少値からみた減菌効果が, 「現行の手洗い法」では手洗い直後および3時間後が1.49±0.66 (M±SD) および0.99±0.71であったのに対し, 「新しい手洗い法」ではそれぞれ1.61±0.55および1.44±0.52と高い値を示し, 3時間後では両者に有意差が認められた (p<0.05).「新しい手洗い法」は, 揉み洗い中心の短時間で簡便な方法であるにもかかわらず, 手洗い直後ばかりでなく, 手袋をして3時間後にも引き続き殺菌効果を持続する有用な手洗い法であることが示された.
著者
福田 博同
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.A95-A110, 2010-03 (Released:2010-03-15)

図書館は「読む自由」を保証するため、すべての人に電子資料を含む図書館資料を提供する義務がある。図書館は今や、その電子資料を作る主体でもある。ICT の発達により「読書権」を保証する機会は拡大したが、その利用方法もアクセシビリティに配慮する必要がある。公立図書館の利用教育において、児童や障害者へのサービスは古くから取り組まれているが、重複障害者や高齢者への取り組みは緒に就いたばかりである。そのような現状において、公立図書館での利用教育の課題を分析し、インターネットによる図書館利用教育を中心として、あるべき方向を論ずる。
著者
矢野 澄雄 福田 博也
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

ヒトの骨の質・強さを非評価する方法について、前腕骨の固有振動数の計測と骨密度などにより指標となるものを提案し、主に50歳代以上の年齢層別推移を調べて、指標間の比較検討を行った。そのため、通常のpQCT骨密度検査での前腕遠位4%断面に加えて、20%断面でも測定し、そのCT画像からの生体特性も用いた。得られた研究実績は次のとおりである。1.20%断面での総骨密度と皮質骨密度を測定し、4%断面での総骨密度や海綿骨密度との加齢的低下傾向を比較した。20%断面の総骨密度は4%断面に対して、どの年齢層でも2〜2.5倍程度の値であること、20%断面の皮質骨密度の低下率は総骨密度より小さいことがわかった。2.筋肉が骨への荷重となることに関して、筋肉の影響を評価するために、前腕20%断面でのCT画像から、筋肉断面積と皮質骨断面積を算出した。その面積比(B/M比)を指標として、加齢的推移を調べた。その際、筋肉領域と脂肪の部分とは画像の閾値の差がわずかであるため、画像解析で両者が分離しにくい例が見られた。この原因を検討し、筋肉断面積を求める画像解析上の基準・方法を決めた。3.前腕骨固有振動数も計測した被験者では、ヤング率相当の骨強度指標を三種類算出し、年齢層別の加齢的推移を調べた。それらの比較から、4%断面の総骨密度を用いた場合の骨強度指標が低下率と実用上で有利と考えられる。また、データ数は少ないものの、骨強度指標、骨密度、B/M比およびその他の特性の加齢的低下傾向を比較することができた。年齢層別低下率は骨強度指標が総骨密度やB/M比より大きい。骨密度や骨断面積の方が、筋肉断面積や骨強度指標よりも早い時期から低下している。
著者
長浜 克志 山田 拓己 一柳 暢孝 酒井 康之 鎌田 成芳 福田 博志 谷沢 晶子 渡辺 徹 斉藤 博 堀内 晋 町田 竜也
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.1-6, 2002-01

Hautmann型膀胱再建術中,癌死・他因死・追跡不能を除く20例(男16例・女4例,29~73歳)を対象に,術後の回腸新膀胱の蓄尿・排尿状態を尿流動態検査(UDS)とアンケート調査により解析した.排尿回数は夜間に2回以上起床し排尿している例が19例中8例と高率であった.また,尿失禁は19例中昼間2例,就寝後12例にみられたが昼間は尿パッド平均2枚,夜間は1枚で対処可能であった.排尿時間は18例中9例が1分以内に排尿を終えたが3例では3分以上を要した.排尿状態については18例中満足8例,不満3例であった.USDを施行できたのは11例で観察期間は平均34.2±21.9ヵ月であった.残尿量は27.8±28.2ml,新膀胱最大容量は395.2±96.8mlで膀胱内圧は充分に低値であった.排尿時,外尿道括約筋筋電図で明らかな電位増強を11例中10例と高率に認めたWe analyzed the functional and urodynamic characteristics in 19 patients with ileal neobladder by the Hautmann procedure. A questionnaire survey by mail was performed for functional information of neobladder. Seventeen of the 19 patients (89.5%) could voluntarily void via the urethra and the others needed clean intermittent self catheterization (CIC) because of their significant residual volume. Eight of the 19 patients (42.1%) micturated at least two times at night. Two of the 19 patients (10.5%) were incontinent in the day time and 12 (63.2%) in the night time. They needed 2 pads in the day time and one pad at night on average. Eight out of 18 patients (44.4%) were satisfied with their micturition state. A urodynamic study showed the neobladder to be a low-pressure reservoir with a mean capacity of 395.2 +/- 96.8 ml. The mean residual volume of the patients without CIC was 27.8 +/- 28.2 ml. In 10 out of 11 patients high frequency and high amplitude spikes were seen by the perineal electromyogram in the voiding phase.
著者
荒川 修 石川 勝規 小原 繁 小野田 和夫 福田 博之
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.259-262, 2002 (Released:2007-11-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

ギ酸カルシウム剤によるリンゴの摘花効果について,結実に及ぼす影響と作用機作について検討した.ギ酸カルシウム剤の0.33-1%液を満開後に散布した場合,結実率の低下が認められた.ギ酸カルシウム剤は,柱頭に傷害を与え,また,花粉管の伸長を阻害することから,これらのことが結実を阻害する原因と考えられた.処理濃度に関しては,0.5%でも柱頭の傷害と花粉管の伸長阻害が認められたが,安定的な効果と実際の結実率から,1%での散布が効果的であると考えられた.