著者
緒方 勤
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.173-178, 2014 (Released:2015-03-13)
参考文献数
15

遺伝疾患発症機序の解明は,単一遺伝子におけるタンパクコード領域の変異解析を主に進展しその後,プロモーターやエンハンサーなどの遺伝子発現制御機構の破綻による遺伝疾患の発症が明らかとされてきている。さらに,解析技術の進歩と相まって,当該遺伝子周辺のゲノム構造異常に起因する疾患が存在することが明らかとなってきている。本稿では,このような新しいゲノム疾患について,アロマターゼ過剰症をモデルとして記載する。重要な点として,アロマターゼ遺伝子のコード領域から遠く離れたゲノム領域の異常(重複,欠失,逆位)により,アロマターゼ遺伝子の過剰発現が生じ,さらに過剰発現を招くプロモーターの性質が重症度を決定することが判明した。これは,ゲノムレベルの構造異常が単一遺伝子疾患を発症させるという点で画期的なものである。
著者
緒方 邦安 伊東 卓爾 岩田 隆
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.21, no.8, pp.394-399, 1974-08-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

コールド・チェーンにおける果実そ菜の品質保持と温度変動の許容度との関係について,今回はホウレンソウとセロリーについて調査した。(1) ホウレンソウの商品性保持期間は1℃区で約5週間,6℃区で約15日,20℃区では3~4日であった。冷蔵遅延区は20℃の影響が強く,1日の遅れは1℃区に比べて約25日間劣った。6℃ 3日→1℃区も約10日間短縮された。冷蔵中断区は20℃下で急激な鮮度低下を示した。また貯蔵温度の変動は著しい品質低下をまねき,商品性保持期間はかなり短縮された。(2) セロリーでは,20℃区は5~6日後に腐敗を生じ商品性を失なつた。6℃区は25日前後が限界であったが,1℃区は約35日間商品性を保持した。冷蔵中断区では,中断後急速に商品性を失った。1℃〓6℃(1日毎)と1℃〓6℃(5日毎)の変温区を比較すると,5日ごとの区が1ごとの区よりも7日近く劣った。(3) ホウレンソウの還元型アスコルビン酸含量は,貯蔵中に減少したが,とくに冷蔵の遅れや中断によって強く影響を受け減少した。(4) セロリーの揮発性成分のGLCパターンは貯蔵温度により大きな影響を受け,とくに20℃区および6℃区での商品性の限界付近でのピークとの著しい増加を認めた。1℃区では28日後でもピークとの増加はなく,逆にピークaの増加を認めた。(5) セロリーの還元糖含量は,1℃区では漸次増加する傾向にあり,6℃区はほとんど変らず,20℃区は減少の傾向を示した。(6) 以上のように,ホウレンソウおよびセロリーは低温要求度が高く,かつ温度変動に敏感に反応することが判明した。したがって,このような青果物では,収穫後ただちに1℃付近の低温でしかも厳密に調整された条件の下で貯蔵を行なう必要があることを指摘した。
著者
大川 裕行 坂野 裕洋 梶原 史恵 江西 一成 田島 文博 金森 雅夫 緒方 甫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.E0782, 2005

【はじめに】車いすマラソンは障害者スポーツの中でも過酷な競技の一つである.選手のコンディションを把握できれば安全な競技運営に加え,高いパフォーマンスの発揮を可能にすることが考えられる.そこで,マラソン競技の前後で選手の疲労度とストレス,免疫機能を調査し若干の知見を得たので報告する.<BR>【方法】第23回大分国際車いすマラソン大会出場選手中,協力の得られた選手59名を対象とした.その中でデータの揃っている者46名(平均年齢37.3±10.4歳,フルマラソン出場選手22名,ハーフマラソン出場選手24名,男性44名,女性2名,クラス2;7名,クラス3;39名)の結果を検討した.調査項目は,心拍数,血圧,主観的疲労度,コルチゾール,免疫グロブリンA(IgA),競技順位とした.心拍数と血圧は競技前日に測定した.競技前日,競技開始直前,競技終了直後,競技翌日に主観的疲労度をvisual analog scaleで測定し,同時に採取した唾液からコルチゾール,IgAを測定した.調査実施に際しては十分な説明を行い,文書による同意を得て行った.<BR>【結果】測定期間中にコルチゾール,IgAともに正常範囲から逸脱した選手はいなかった.選手の競技前日の心拍数と競技順位,コルチゾールには有意な相関関係が認められた(p<0.05).競技前日を基準として競技直前,競技直後,競技翌日の変化率を求めたところ,主観的疲労度は45.6%,214.1%,58.7%,コルチゾールは73.5%,91.0%,30.0%,IgAは2.0%,5.0%,10.0%に変化していた.競技前日の主観的疲労度,血圧,IgAと競技順位には関係を認めなかった. <BR>【考察】選手の主観的疲労度は競技終了直後にピークを示し,競技翌日にも競技前日の値に戻っていなかった.選手は競技翌日にも中等度の疲労を感じていた.一方,ストレスホルモンであるコルチゾールは競技翌日に競技前日の値に戻っていた.選手の主観的疲労度と客観的なストレス指標には乖離があることが分かった.競技前日のコルチゾールが競技前日の心拍数と有意に相関し,競技順位と有意に相関したことは,トレーニングにより一回拍出量が増加し安静時心拍数が低下している選手,競技開始前に落ち着きを保っている選手は競技成績が優れているという結果を示すものである.IgAの値は競技翌日にピークを示した.選手の主観的疲労度とは異なり車いすマラソンにより高まった選手の免疫機能は運動後にさらに向上していた.選手にとって車いすマラソンは免疫機能を高める適度な運動強度である事が示唆された.さらに詳細な調査を続けることで選手の安全管理と競技力向上へ有益な情報が提供できる可能性がある.
著者
内薗 幸亮 原 正文 緒方 隆裕 伊藤 平和 黒木 将貴 外間 伸吾
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.CbPI2205, 2011

【目的】<BR> 当院ではプロ野球選手を対象に障害予防およびコンディショニング目的で、シーズン終了後にメディカルチェックを行っており、同時に超音波検査を用いた測定を実施している。当院山田らや松谷らは超音波検査を用いた先行研究において、投球動作の繰り返しが棘下筋厚に影響を及ぼすと報告している。超音波検査による棘下筋厚の量的側面からの報告は散見されるが、質的側面からの報告については少ない。<BR>また、プロ野球投手は先発投手と中継・抑え投手ではコンディショニング方法の違いから棘下筋にかかる負担が異なると考えられる。そこで今回は、先発投手と中継・抑え投手のシーズン終了時における超音波検査の結果より、棘下筋の質的評価を行ったので報告する。<BR><BR> <BR>【方法】<BR> 対象は2007年から2009年のシーズン終了後にメディカルチェック目的で当院を受診したプロ野球投手計53名中(2007年:16名 2008年:15名 2009年:22名)、シーズンを通して一軍で競技した37名とした。この37名を先発群16名と中継・抑え群21名(以下中継群)に分類した。<BR> 超音波検査は測定部位を肩甲骨内側1/4・肩甲棘下方30mmとした。安静時および収縮時の棘下筋厚を測定し、棘下筋の質的評価として、両者の比率より収縮率を計測した。さらに、安静時の棘下筋々腹層から、ヒストグラムのL値を計測した。ヒストグラムとは、硬い組織は明るく、軟らかい組織は暗く抽出される超音波の特性を応用し、指定した領域の組織の明暗を階調値に置き換えたもので、硬化度を数値化したものと考えている。L値は計測領域内にて最も多く含まれる階調レベルであり、L値が高くなれば水分量の低下を示す。 <BR> 肩関節理学所見は当院で実施している肩関節理学所見11項目テストを実施し、それぞれ陽性率を算出した。さらに肩関節可動域として2nd ER、2nd IRの計測を行った。<BR> 上記超音波検査の結果および肩関節理学所見より先発群と中継群の棘下筋の質的状態について比較、検討を行った。<BR><BR>【説明と同意】<BR> 対象には本研究の趣旨について説明し、同意を得た。<BR><BR>【結果】<BR> 収縮率は先発群:135.9%、中継群:127.3%であった。L値は先発群25.17、中継群:25.47であった。<BR> 肩関節理学所見11項目テストの陽性率は、1)SSD先発群:68.8%、中継群:85.7%、2)CAT先発群:87.5%、中継群:90.5%、3)HFT先発群:100%、中継群:90.5%、4)HERT先発群:6.3%、中継群:4.8%、5)Impingement test先発群:37.5%、中継群:33.3%、6)Loose test先発群:81.3%、中継群:47.6%、7)EET先発群:62.5%、中継群:42.9%、8)EPT先発群:68.8%、中継群:42.9%、9)ER先発群:50%、中継群:38.1%、10)IR先発群:25%、中継群:100%、11)SSP先発群:43.8%、中継群:42.9%であった。また、肩関節可動域として2nd ERは先発群:126.8°、中継群:122.2°。2nd IRは先発群:32.9°、中継群:27.2°であった。<BR><BR>【考察】<BR> 今回の結果より、中継群は先発群に比べL値は高く収縮率は低下していた。当院山田らは先行研究において、L値が高い状態での収縮率の低下は棘下筋委縮により線維化を起こし、水分量が低下した状態であると述べている。このことから、中継群は先発群に比べ棘下筋が線維化を起こしている状態ではないかと考えられる。<BR> また、理学所見との関連性をみると、中継群は先発群に比べ、肩関節可動域を示す2)CAT、3)HFTの陽性率が高く、2nd ER、2nd IRの可動域低下がみられた。しかし、筋機能バランスを示す7)EET、8)EPT、棘下筋の筋力を示す9)ERでは先発群の陽性率が高かった。このことから、先発群は収縮率、L値などの質的異常はみられないが、棘下筋の筋機能低下が生じていると考えられる。<BR>投球動作時に棘下筋にかかる負担について、投球動作におけるフォロースルー期の棘下筋遠心性収縮による筋自体の損傷などが棘下筋萎縮の原因と報告されている。さらに、松谷らはシーズン終了後のプロ野球投手の安静時棘下筋厚が変化する要因として登板数の影響が考えられたと述べている。これらの報告から、ほぼ毎日投球動作を繰り返す中継群は、ローテーションで登板する先発群とは異なり、棘下筋にかかる遠心性収縮による筋損傷が大きく、棘下筋の線維化が起こっているのではないかと考えられる。<BR> <BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 投球動作の繰り返しにより棘下筋にかかる負担について、プロ野球投手を先発群、中継群に分類し、理学所見と超音波検査から棘下筋の質的側面からの検討を行った。<BR>今回の結果より中継群は先発群に比べ棘下筋が線維化を起こし可動域の制限につながっていると考えられ、先発群は棘下筋の筋機能の低下が起こっていると考えられる。棘下筋の質的評価は投球障害予防、コンディショニングに応用できると考える。<BR>
著者
岡田 靖 山口 武典 田代 幹雄 峰松 一夫 緒方 絢
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.1294-1299, 1987

36才,男性.頭痛,発熱,意識障害,けいれんで発症し,入院時(8病日),体温38.2&deg;C,傾眠状態,顔貌無欲状,項部硬直あり. CT上,両側側頭葉に不整形の低吸収域を呈し,血清抗体価(CF法)も有意の上昇(4&rarr;512倍)を示し,単純ヘルペス脳炎(HSE)と診断した.昏迷状態から約4カ月間,ほとんど無言無動状態で経過した.しかし, 120病日前後より発語がみられ,経口摂取,四肢麻痺の軽減など著しい改善とともに,口唇傾向,食行動異常,性欲亢進,情緒変化がみられ, Kl&uuml;ver-Bucy症候群(KBS)を呈した. HSE生存患者の長期的観察および看護の重要性を強調するとともに, HSEに合併したKBSについて文献的考察を加えた.
著者
緒方 俊輔
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケ-ション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.304, pp.156-161, 1999-10-18

今回は,Linuxサーバーを運用するためのソフトの設定方法と使い方を説明します。セキュリティ確保のためのIPマスカレード機能,アクセス制御ソフト「tcp_wrappers」や,各種運用管理ツールを取り上げます。(本文中→マークの用語は欄外で解説) Linuxで構築した業務サーバーでは,運用のためのソフトを豊富に入手できます。
著者
緒方 英彦 高田 龍一 鈴木 哲也 山崎 大輔 佐藤 周之
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会誌 (ISSN:18822770)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.405-409,a2, 2010 (Released:2019-01-08)
参考文献数
4

農業水利施設の機能保全では,それぞれの施設で異なる構造形式,供用される環境条件に応じた変状発生パターンに基づいて機能診断が実施され,施設特有の変状に即した対策工法が実施されなければならない。そのためには,表面変状だけでなく内部変状を的確に見極める変状認知力を持つことが必要になる。本報では,寒冷地にあるRC開水路を対象に,凍害による内部変状の発生パターンを採取したコアから考察するとともに,現地踏査(概査)でこの内部変状を推測する手段を述べる。また,RC開水路の凍害ひび割れ発生形態に基づいた対策工法について提言を行う。
著者
緒方妙子 大塔美咲子
出版者
九州看護福祉大学
雑誌
九州看護福祉大学紀要 = The Journal of Kyushu University of Nursing and Social Welfare (ISSN:13447505)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.57-65, 2013-03

本研究は大学生の月経前症候群(PMS)と日常生活習慣、及び症状出現時の対処としてセルフケアしていることの実態を明らかにし、その関連性を探ることを目的としている。PMS症状に関しては、PMSメモリーリスト52項目1)の結果を、似通った症状2)をまとめて身体・精神・社会的症状それぞれ10項目とし、症状の程度別に示して分析した。統計解析は、単純集計による分析、及び相関に関しては、ソフトSPSS statistics19を用いて、Pearson の両側有意差検定を行った。看護学科女子大学生(1・4年生)212名を対象に質問紙調査を行った結果、以下のことが明らかになった。1.月経前症候群の認知度は4年生69.6%、1年生18.6%であり、学年差が表れていた。2.月経周期が規則的な有効回答者162名中、月経前に何らかの症状が現れる者は97.0%に及んだが、その内PMSを知らない者は56.7%であった。3.日常生活に影響があるPMS症状を持つ者は61.7%、症状が激しい者は30.2%であった。主な身体的症状は「眠くなる」、「下腹痛、腰痛」、「食欲の変化、下痢、便秘」、「ニキビ、肌荒れ」、「疲れ易い」、「頭痛、肩こり、冷え」、精神症状では「イライラする」、「無気力・憂鬱」、「集中できない」、社会的症状では「物事を面倒くさく感じる」、「-人でいたい」などであった。4.日常生活習慣の「運動」、「朝食の摂取」、「良好な睡眠」、「気分転換」は、PMS精神症状と有意な関連がみられた為、日常生活でのこの点での配慮がPMS精神症状軽減に有用であることが示唆された。5.日常生活に影響するPMS症状を持つ者で、セルフケア実践者は87%であり、その主な内容は、「十分な睡眠」、「気分転換」、「周りに“月経前"と言う」、「お腹・腰を温める」であった。この中で幅広い症状に最も多く適用されていたのは「十分な睡眠をとる(60.9%)」であった。
著者
チャンバン タン 瀧野 日出雄 緒方 隆志
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.1009-1010, 2017

火力発電所で使用されている耐熱金属材料の疲労寿命を検討するために、本研究は、「CrMoV鋼とSUS304」について、加工条件と表面粗さおよび表面硬化層深さとの関係を明らかにする。次に、表面粗さの疲労強度への影響、表面硬化層の疲労強度への影響をそれぞれ個別に評価する。以上の結果を踏まえて、高い疲労強度を有する高温高圧鋼部品を製造するための切削条件を明らかにする。
著者
高木 昌美 高橋 敏雄 平山 紀夫 Istiyananingsi Mariana Siti Zarkasie Kamaluddin Sumadi 緒方 宗雄 太田 修一
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
The Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.637-642, 1991
被引用文献数
5

1987年から1988年にかけて, インドネシア共和国西部ジャワのワクチン未接種の在来鶏(12農場, 196羽)および採卵鶏(8農場, 197羽)を用いて, Haemophilus paragallinarumに対する赤血球凝集抑制抗体の測定を行うと共に, 野外病鶏からの本菌の分離を試み, これらの地域における鶏伝染性コリーザの調査を行った. 本菌に対する抗体は, 地域に関係なく, 在来鶏および産卵鶏から検出された. 供試した農場の70%(14/20), 供試鶏の19%(73/393)に抗体が検出された. A型抗体は, 計11農場(55%)で検出され, 11%(45/393羽)の鶏が陽性を示した. C型抗体は, 計5農場(25%)で検出され, 8%(30/393羽)の鶏が陽性を示した. また, コリーザ様症状を呈する鶏からA型菌2株, C型菌1株の計3株が分離された. これらの成績から, インドネシア国西部ジャワでの, 両血清型による本病の発生が明らかとなった.
著者
高木 昌美 高橋 敏雄 平山 紀夫 Istiyananingsi Mariana Siti Zarkasie Kamaluddin Sumadi 緒方 宗雄 太田 修一
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.637-642, 1991-08-15

1987年から1988年にかけて, インドネシア共和国西部ジャワのワクチン未接種の在来鶏(12農場, 196羽)および採卵鶏(8農場, 197羽)を用いて, Haemophilus paragallinarumに対する赤血球凝集抑制抗体の測定を行うと共に, 野外病鶏からの本菌の分離を試み, これらの地域における鶏伝染性コリーザの調査を行った. 本菌に対する抗体は, 地域に関係なく, 在来鶏および産卵鶏から検出された. 供試した農場の70%(14/20), 供試鶏の19%(73/393)に抗体が検出された. A型抗体は, 計11農場(55%)で検出され, 11%(45/393羽)の鶏が陽性を示した. C型抗体は, 計5農場(25%)で検出され, 8%(30/393羽)の鶏が陽性を示した. また, コリーザ様症状を呈する鶏からA型菌2株, C型菌1株の計3株が分離された. これらの成績から, インドネシア国西部ジャワでの, 両血清型による本病の発生が明らかとなった.
著者
松尾 敦子 緒方 亜紀 水足 謙介 彌永 和宏 城野 昌義
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.115-120, 2014

2 回の急性転化を経て,19 年間にわたり経過観察できた慢性型成人 T 細胞白血病/リンパ腫 (ATLL) の症例を報告する。発症は 1991 年で,熊本大学医学部附属病院にて "慢性型 ATLL の急性転化" の診断の下, recombinant interleukin-1β (rIL-1β) による治療を開始し,治療開始 5 カ月後に完全寛解 (CR) が得られ,ATLL 関連の検査値異常すべてが 10 カ月後には正常に回復した。その後は治療なしで CR を13年間維持していた。しかし 2007 年に四肢の紅色丘疹と肺病変が再発,今回も "慢性型 ATLL の急性転化" と診断し,低容量ソブゾキサン+エトポシド併用内服療法を開始した。本治療法は皮膚・肺病変の両方に著効し,治療開始 6 カ月後には CR が得られ,腎盂腎炎に続発した多臓器不全で 2010 年に死亡するまでの2年間,ATLL は CR を維持できた。自験例の長期生存には,複合化学療法を避けて選択した免疫賦活療法と内服抗癌剤による治療が著効した点と,皮疹の病理組織検査の所見として ATLL 細胞の皮膚浸潤に加え肉芽腫反応が観察された点が重要であったと考えた。
著者
高野 正博 緒方 俊二 野崎 良一 久野 三朗 佐伯 泰愼 福永 光子 高野 正太 田中 正文 眞方 紳一郎 中村 寧 坂田 玄太郎 山田 一隆
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.134-146, 2010 (Released:2010-03-05)
参考文献数
34
被引用文献数
1 1

会陰部に慢性の鈍痛を訴える症例があり,括約不全・排便障害・腹部症状・腰椎症状を加え5症候が症候群を形成する.我々は2001~2005年に537例を経験し,女性に多く,平均58.5歳である. 症候別に他症候を合併する率は,肛門痛では括約不全27%と低い他は,排便障害67%,腹部症状56%,腰椎症状56%である.括約不全で排便障害78%,肛門痛72%,腹部症状56%と高い.排便障害で括約不全31%,肛門痛71%,腹部症状63%,腰椎症状54%.腹部症状でも括約不全が29%と低い他は肛門痛75%,排便障害80%,腰椎症状60%.腰椎症状では括約不全が31%と低い他は,肛門痛77%,排便障害77%,腹部症状71%と高い.括約不全が低いのは肛門機能障害のあと一つの排便障害が第3症候の排便障害と混同されたことによる.その他の症候の合併率は60~80%と高く,この症候群の存在意義は大きい. この症候の病態はS2,3,4より出る仙骨神経と同じ部位の骨盤内臓神経との障害で,前者支配の会陰・肛門部と,後者支配の直腸の機能障害との合併発生によると考える.
著者
葉 山泉 諌山 照刀 吉武 研三 緒方 公介
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.1313-1317, 1993-09-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
12

Most investigators believe that fibrous cortical defects and nonossifying fibromas are simply different radiographic manifestations of the same disease process. Fibrous cortical defects are small, asymptomatic, and intracortical lesions, while a nonossifying fibroma is a large, tumorous lesion involving spongy bone and the medullary cavity of bone, and leads to clinical symptoms.A fibrous cortical defect does not require either biopsy or curettage. Asymptomatic nonossifying fibromas require no treatment, but rare symptomatic forms of the disease, and those which are great enough in size to constitute a danger of fracture, should be submitted for curettage and bone grafting.