著者
平賀 秀明 草野 真雪子 山﨑 彩菜子 緒方 美咲 植草 秀介 菅澤 彩香 多賀谷 理央 秋本 義雄 眞鍋 知史 木内 規之 大橋 綾子 早田 佳奈 久山 登
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.10-27, 2022-06-10 (Released:2022-06-21)
参考文献数
22

Owing to the fear of worsening their relationship with physicians, several pharmacists hesitate to contact physicians regarding prescription-related questions. We investigated the personal factors of pharmacists contributing to their hesitation to contact physicians regarding prescription-related questions. We analyzed the responses of 213 pharmacy pharmacists. A comparison of the degree of hesitation to contact physicians regarding prescription-related questions revealed that the most hesitant questions were pertaining to “the same prescription content from before”; insurance questions (3.37) were higher than medical questions (3.20) (P=0.006). The multiple regression analysis results revealed that “pharmacy work is busy and there is no time” was influenced by regular employees (medical (β=−0.181, P=0.030) and insurance (β=−0.257, P=0.002)). “A co-pharmacist said no questions needed” was influenced by the sex of pharmacists (medical (β=0.194, P=0.011) and insurance (β=0.177, P=0.020)). Overall, type of questions (medical or insurance) and individual backgrounds (prescription issuing medical institution, pharmacy scale, location, age, sex, employment type, years of service, current management pharmacist, and hospital work experience) have a complex effect on the pharmacists’ psychology. To facilitate pharmacists to contact physicians regarding prescription-related questions, physicians and pharmacists should share information and communicate on a daily basis, such as actively participate in joint training programs. It is also important to create an environment where regular employees and female pharmacists can work comfortably. The smooth resolution of prescription-related questions by relieving the psychological pressure of pharmacists will improve patient safety.
著者
清水 みはる 中村 桂子 奥村 智人 澤 ふみ子 濱村 美恵子 稲泉 令巳子 筒井 亜由美 南 稔治 江富 朋彦 菅澤 淳
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.99-105, 2006-08-31 (Released:2009-10-29)
参考文献数
6

はじめに:近年、注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)などの軽度発達障害児の問題は教育的な領域でクローズアップされてきている。大阪医科大学LDセンターで視知覚訓練などを行っている児童を対象に、眼疾患のための視知覚の発達の遅れが疑われる症例に関して、LDセンターと連携して眼疾患の検討を行う取り組みを始めているので報告する。対象・方法:対象は軽度発達障害児22名(男児16名、女児6名)で、小児科で知能検査WISC-IIIを行い、眼科にて精密検査を行い眼疾患を有する場合は治療を行った。結果:対象児のWISC-III知能検査の結果は言語性IQが88.7、動作性IQが78.4であった。視覚運動系の発達がやや悪い結果を示し、見る作業が苦手な傾向にあった。視知覚に影響するような眼疾患としては間歇性外斜視および外斜視が12名で、そのうち輻輳不全を伴うものが8名、内斜視2名、上斜筋麻痺1名、眼振2名、屈折異常があり眼鏡処方を行ったのは14名、そのうち弱視治療を行ったものは3名、斜視手術施行したのは3名であった。結論:軽度発達障害児は視知覚の遅れを伴うものが多いが、原因が眼疾患によるものか、発達の遅れによるものか鑑別は難しい。今回の結果より視知覚に問題を持つ軽度発達障害児には治療の必要な眼位異常や屈折異常が多く見られ、今後眼科と小児科や発達に関わる専門機関との連携が必要と思われた。
著者
菅澤 翔之助
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.295-317, 2022-03-03 (Released:2022-03-10)
参考文献数
31

ビッグデータ時代と称される現代では,様々な分野において大規模データの利活用が進んでいる. 一方で,データの大規模化と共に異質な集団が混在した状況が多く見受けられるようになり,従来の「1つのデータに1つのモデル(one-model-fits-the-whole-population approach)」による単純な統計モデリングだけでは適切な分析を実行することができない.このような状況にも対応できる様々な方法論が既にいくつか存在しているが,現実的な計算コストで柔軟な統計モデリングを実行できる方法論の開発は未だ十分とは言えない.本稿では,クラスターデータと空間データの解析において,データのグループ化(異質な集団の発見)と各グループにおける統計モデルの推定(各集団特有の構造の発見)を同時に実行することが可能な方法論について解説する.
著者
高井 禎成 加我 君孝 菅澤 正 篠上 雅信
出版者
日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.83-86, 1998-05-25 (Released:2011-06-17)
参考文献数
14

To determine the indication of cochlear implant, an electrical auditory test on the promontry isperformed to investigate sense of sound at the auditory nerve or the nerve terminal. However, theroutinely used promontry stimulation test requires penetration of the tympanic membrane. Becauseof this harmful procedure, the promontry stimulation test is not easy to apply to normal subjects.Recently, one electroaudiometer has developed by MED-EL which has adopted a non-invasivemethod. A silver ball electrode is placed near the tympanic membrane to give electrical stimulationto the cochlea.Using this procedure, we investigated how people with normal hearing can feel electrical stimulation.Our results showed that no one could feel the stimulation as sound at low frequency of electricpulse, but considerable number of people could feel the stimulation as real sound at high frequencyof electric pulse. This auditory sensation could possibly be caused by electrophonic effect.This electroaudiometer with a silver ball electrode is less harmful and easily used for varioussubjects.
著者
菅澤 喜男
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.28-35, 2008-06-12

This paper provides an introductory description of the concept of technology intelligence, a concept rather new to many readers, along with its applications to focusing of technological development and identification of new business areas. Since the establishment of the Society of Competitive Intelligence Professionals (SCIP) in the U.S. in 1986, many research works, including applications in actual enterprises, have been published. Japanese studies on technological strategy seem, in contrast, to fail to fully appreciate intelligence activity in enterprises. While being accepted as one of the most important areas of technology management, technology intelligence is understood somewhat differently in the U.S. and Europe: the Americans focus on the logic and methodologies for winning in competition; the Europeans emphasize creative actions for the development of new technologies and products. The author reviews studies in the area in the U.S. and Europe, expecting that this information serves as a starting point for technology intelligence studies in Japan.
著者
菅澤 貴之
出版者
九州大学大学院人間環境学研究院
雑誌
共生社会学 (ISSN:13462717)
巻号頁・発行日
no.5, pp.39-54, 2006

現代のわが国において大検を受検する者はいかなる社会的背景を有しているのだろうか。これが本稿の基本的な問いである。この問いに答える第一歩として、本稿では大検予備校在籍者に焦点をあて、大検受検者の社会的背景について検討を行う。具体的には、筆者が2004年に大検予備校在籍者を対象に実施した質問紙調査データと尾嶋史章が1997年に高校3年生を対象に実施した質問紙調査データとの比較を通して、現代の大検受検者の社会的背景を明らかにする。分析の結果、以下の知見を得た。尾嶋の高校生調査データと比較すると、大検受検者の父親、母親の学歴は、かなり高い。実に父親の約8割、母親の約7割が短大・大学卒である。次に、大検受検者の父親の職種は、「専門・管理」職が占める割合は3割を超えており、他方、「労務・サービス・農林」職が占める割合は低い。こうした職業構成を反映して、高校生世帯に比べて、大検受検者世帯では家計状況が良好な世帯が極めて多い。上記の分析結果を見ても明らかなように、現代のわが国において、大検を受検する者の社会的背景は限定されている。この点を踏まえると、現代の大検が、国家が意図した教育の「機会平等」をあちゆる者に保障するという機能を果たしていないことに気がつく。つまり、大検の社会的機能の理念と実態の乖離している可能性が指摘できるわけである。
著者
菅澤 貴之
出版者
同志社大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、量的調査と質的調査を組み合わせた混交研究法(Mixed Methods Research)を用いて、大学中退者の職業への移行やキャリア形成の変遷について、多元的な視点から捉えることにある。研究2年目となる平成29年度は、探索的な計量分析を中心に研究活動を展開した。今回の分析では、「2015年SSM調査」と「2005年SSM調査」の2つの調査データを合併して使用した。これは「大学中退」現象が日本社会ではレアイベントであるため、1つの調査データのみを用いた場合、ケース数(大学中退者数)が少数にとどまるおそれあったためである。分析結果は、2015年SSM調査研究会において報告し、年度末に論文(「戦後日本社会における大学中退者の職業への移行―傾向スコア・マッチング法による比較対照分析―」)にまとめることができた。なお、論文は『2015年SSM調査報告書』の第1巻(調査方法・概要)に収録され、すでに、2015年SSM調査研究会のウェブサイト(http://www.l.u-tokyo.ac.jp/2015SSM-PJ/report.html)より公開されている。さらに、昨年度から引き続き、先端的な統計手法の習得を目的として、ICPSR(The Interuniversity Consortium for Political and Social Research)国内利用協議会が主催する統計セミナー(平成29年9月5日~9月6日)に参加した。セミナーへの参加により、平均処置効果モデルおよび潜在クラスモデルについて理解を深めることができた。なお、セミナーで習得した統計技法は、上述した報告書論文の作成に活かされている。
著者
高橋 文行 市川 照久 峰野 博史 西垣 正勝 菅澤 喜男
出版者
特定非営利活動法人 日本コンペティティブ・インテリジェンス学会
雑誌
インテリジェンス・マネジメント (ISSN:21866252)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.3-14, 2011-09-18 (Released:2012-11-09)
参考文献数
24

本論文では,企業における研究開発戦略を策定する意思決定に必要とされる重要な技術情報に着目した。特に製品あるいは技術開発に焦点を絞り込んだ一連の理論と手法である技術インテリジェンスの実践活動の中で求められる,信頼性の高い,有益な技術情報の情報源を分析した。さらに近年注目されているソーシャルメディアを情報源としての考察も行った。その結果,企業が技術情報を収集する情報源の実態と動向が明らかになった。最後に効果的に活用できる技術情報源と留意点を取りまとめ有効化の方法を提案し,A 企業における新製品開発の意思決定の事例を取り上げ有効性の検証を行った。本研究は競争力を強化したい企業の技術戦略の策定に寄与しようとするものである。
著者
亀山 直央 菅澤 茂 麓 和善
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.27, no.67, pp.1518-1523, 2021-10-20 (Released:2021-10-20)
参考文献数
4

In the construction of buildings at historic site, general construction methods may not be available because of historic preservation. Especially when using large diameter timber as structural material, it is necessary to not only deal with the restrictions of the surrounding environment but also devise the construction method. In the reconstruction work of Goromon Gate, the main gate of Kagoshima (Tsurumaru) Castle, the frame construction method was devised to deal with these technical issues. This report presents the contents and results.
著者
大谷 隆浩 菅澤 翔之助 野間 久史
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.17-33, 2018 (Released:2019-02-27)
参考文献数
41

過去十数年の間に世界中で行われたゲノムワイド関連解析 (genome-wide association study; GWAS) の成果により, 様々な形質に関連する数千の一塩基多型 (single nucleotide polymorphism; SNP) が同定されている. これまでのGWASでは, 集団内におけるマイナーアレル頻度がある程度高いSNPを対象として研究が行われてきたが, 近年のDNAシークエンシング技術の飛躍的な発展に伴い, 頻度が極めて低い希少変異 (rare variant) に注目した研究が行われるようになっている. 統計学的な観点からも, 希少変異の関連解析は頻度が高いSNPの解析に比べてより困難となることから, GWASで一般的に採用されている単一のSNPによる単変量の関連解析ではなく, 注目する遺伝子やDNA領域内にある複数の変異の情報を集約した上で, 表現型との関連を検定する手法が提案されている. 本稿では, 近年の様々な方法論的研究で提案されている, 希少変異を対象とした関連解析手法のレビューを行う.
著者
菅澤 庸子
出版者
世界人権問題研究センタ-
雑誌
研究紀要 (ISSN:13419110)
巻号頁・発行日
no.10, pp.125-151, 2005-03
著者
藤本 修平 林原 仁志 村上 睦尚 菅澤 忍
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
流体工学部門講演会講演論文集 (ISSN:13480251)
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.495-496, 2012-11-16

We develop quantitative evaluation method of airless spray by using entropy of gray scale image. Stroboscopic method is employed to visualize the spray. An undesirable "tail" region of the spray is detected as low image entropy area. As against the conventional visual judgment, the proposed method enables a quantitative evaluation of spray.
著者
丹生 健一 志水 賢一郎 大津 雅秀 石田 春彦 菅澤 正 石橋 敏夫
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

目的:甲状腺疾患は食生活や人種により発生頻度や病態が異なることは良く知られているにも関わらず、日本人のret/PTC遺伝子発現に関する報告は、これまでのところ、ほとんどない。本研究では、日本人の各種甲状腺疾患におけるret/PTCの有無を調べ、病理組織・臨床的事項との相関を検討し、本邦の甲状腺疾患におけるret/PTCの意義を研究した。対象と方法:東京大学附属病院耳鼻咽喉科および神戸大学附属病院耳鼻咽喉科において治療が行われた日本人の各種甲状腺疾患の手術標本を用いて免疫組織染色手法によりret/PTC遺伝子の有無およびp53遺伝子の過剰発現を調べ、得られた結果を、病理組織像ならびに臨床的事項と比較検討した。結果:対象となった症例は濾胞腺腫19例、濾胞腺癌2例、分化型乳頭癌40例、低分化型乳頭癌6例・未分化癌4例、髄様癌2例であった。Ret/PTC遺伝子は、分化型乳頭癌40例中14例に認められたが、他の組織型には全く認められなかった。一方、p53遺伝子の過剰発現は、分化型乳頭癌の中では1例にしか認められなかったが、低分化型乳頭癌6例中2例、未分化癌4例中4例に認められた。臨床的事項との関係を検討したところ、ret/PTC遺伝子は40歳以上34例中12例に認められたが、40歳未満の6例には一例も認められなかった。病期分類との関係では、T分類、N分類、いずれとも相関は認められなかった。一方、慢性甲状腺炎を合併した症例では9例中4例(44%)、慢性甲状腺炎を合併しなかった症例では31例中8例(26%)にret/PTC遺伝子が認められた。考察:ret/PTC遺伝子は日本人の甲状腺乳頭癌においても35%に認められた。低分化型や未分化型には全く認められないことから、分化度の低い乳頭癌では発生機序が異なると考えられた。
著者
菅澤
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
no.512, pp.869-870, 1924-10-26
著者
菅澤 貴之 三須 敏幸 桑畑 洋一郎
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

大学院博士課程修了者の就業状況については、近年、「ポスドク問題(若手研究者問題)」としてマスコミ等で社会問題化されているものの、大学院重点化政策が開始される1990年代までは博士課程在学者数が3万人未満にとどまり、対象者へのアプローチが困難であったことも影響し、未解明な部分が多い。そこで本研究では、インターネットによる調査票調査から収集された調査データを用いた計量分析(定量的手法)とインタビュー調査(定性的手法)を組み合わせた実証分析を行うことで、博士人材のキャリアパスの実態を多角的に捉えることを試みる。