著者
薄井 智貴
出版者
日本徒手理学療法学会
雑誌
徒手理学療法 (ISSN:13469223)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.27-31, 2019 (Released:2019-04-22)
参考文献数
2

近年, 世界的に医療技術が発達する中,理学療法士の立場を見直そうという改革があった。その先頭に立った国がアメリカである。アメリカの理学療法教育は元来,学士,修士, 博士のプログラムが混在していたが,2015 年の改革にて博士レベルであるDoctor of Physical Therapy(DPT)のみとなった。現在ではイギリスやオーストラリアでもDPT プログラムは普及している。教育水準の向上に伴い入学条件は厳しくなったが,現場でのインターンシップや観察実習などプログラムは充実した。さらにアメリカの理学療法にはスペシャリストという資格制度が存在し,整形外科や小児科,スポーツなど自身の極めたい分野に特化することができる。さらにこの改革にてアメリカ全50州にて理学療法士が医師を介さず独自に診断や治療ができる権利(Direct Access)が認められ,各分野における理学療法士の社会的地位の向上が顕著になった。
著者
荒井 延明 薄井 志保 纐纈 雄三
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.126-134, 2012-12-20 (Released:2013-07-01)
参考文献数
32

本研究の目的は,犬のアトピー性皮膚炎(CAD)の臨床症状と発症年齢について記述疫学の手法で調べることであった。全国996の病院で獣医師によりCADと診断された2,338頭の犬の記録から,CADと性別,地区,飼料や飼育者の喫煙状態が評価された。回帰分析のBackward法を使い,有意が認められなかった変数(P>0.05)を除去した。CADの平均発症年齢は,2.56歳(0.05 SEM)であった。発症年齢が低くなることと関係があったのは,品種,避妊済みメス,同居動物が猫,主な飼育者が喫煙者であった(P<0.05)。臨床症状は,品種,メス,同居動物が猫,主な飼育者が喫煙者と関連があった(P<0.05)。この研究では,CADの臨床症状と発症年齢について品種,性別,飼育環境などとの関連があることを示唆した。
著者
薄井 俊二 Usui Shunji
出版者
九州大学中国哲学研究会
雑誌
中国哲学論集 (ISSN:03856224)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.57-77, 1984-10-30 (Released:2010-09-14)
著者
尾上 剛士 薄井 宙男 八幡 真弓 吉江 祐 山本 康人 市川 健一郎 野田 誠 斉藤 壽一 磯部 光章
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.12, pp.2547-2549, 2006-12-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
2
被引用文献数
1

症例は42歳, 女性. 進行する浮腫, 全身倦怠感にて来院. 心エコー上右心負荷所見が強く当初原発性肺高血圧症を疑った. 入院後急性増悪しショック, 急性腎不全となったが右心カテーテル所見より脚気心が疑われビタミンB1投与により速やかに循環動態が改善した. 健康に関心が強く健康食品を中心とした食生活を送っていた事がビタミンB1欠乏の原因と考えられ, 偏った健康知識が致命的となりかねなかった教訓深い症例と考えられた.
著者
薄井 澄誉子
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2008-01

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2534号 ; 学位の種類:博士(人間科学) ; 授与年月日:2008/1/23 ; 早大学位記番号:新4667
著者
薄井 和夫 DAWSON John
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、英国最大手の家電小売企業ディクソンズ社(現在DSGI社)が、(1) わが国カメラの英国への輸入とわが国チノン社との提携によって成長の端緒をつかみ、(2) 競合企業カリーズの買収を機に総合家電小売として成長を遂げる一方で、アメリカ市場参入の失敗による深刻な危機を経験し、(3) これを克服して現在の地位を確立するまでの発展の軌跡を解明し、「漸次的イノベーション」[=画期的な革新とは異なる部分改良型の革新]を同時並行的に継続することの重要性を明らかにした。同時に、わが国独自の系列家電チェーンの端緒を築いた戦前の展開を解明し、独立系企業の近年の展開によって欧米の家電小売業と直接比較研究を行ないうる条件が成熟してきたことを示した。
著者
薄井 宏行
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.570-577, 2023-10-25 (Released:2023-10-25)
参考文献数
17
被引用文献数
1

本稿では,基本単位区,町丁目,250mメッシュ単位(基本単位区等)において,建物当たり平均人口,建物当たり平均世帯数,そして平均世帯人員(各建物利用強度)を算出し,その空間的な分布の特徴を基本単位区等の集計単位の違いに着目して解明した.主な知見はつぎの二点である.第一に,千葉県北東部や南部では,建物当たり平均人口と世帯数は1未満となる基本単位区が連坦する一方,北西部を中心に人口集中地区(DID)とその周辺では,建物当たり平均人口と世帯数は1以上となる基本単位区が連坦する.第二に,基本単位区における各建物利用強度を町丁目や250mメッシュ単位で推定する際の差分の空間的分布をみると,千葉県北東部や南部では,差分は0近傍となる基本単位区が連坦する一方,北西部を中心にDIDとその周辺では,差分の絶対値は1以上となる基本単位区が連坦する.とくに,同一の町丁目において戸建住宅と高層住宅が立地する場合,戸建住宅で主に構成される基本単位区では,町丁目単位や250mメッシュ単位ですると10以上の過大推定となるおそれがある.逆に,中高層住宅で構成される基本単位区では,10以上の過小推定となるおそれがあることに留意すべきである.
著者
田嶋 哲也 春木 茂男 小貫 琢哉 稲垣 雅春 有田 カイダ 薄井 信介 伊東 浩次 松本 日洋 滝口 典聡
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.806-814, 2018-12-01 (Released:2018-12-29)
参考文献数
19

横隔膜損傷の治療においては,胸腹部外傷であることを念頭に置いた治療戦略が必要である.当院で経験した左外傷性横隔膜損傷9例と報告例50例の検討から,特に手術アプローチに関して考察する.手術アプローチは,開腹先行46例(2例に開胸追加),開胸先行11例(6例に開腹追加),開胸開腹同時2例であった.予後は合併損傷に影響され,開腹先行で40例生存,6例死亡,開胸先行で6例生存,5例死亡,開胸開腹同時は2例生存であった.循環動態の安定した左横隔膜損傷では手術アプローチを考慮する余地があるが,腹腔内臓器損傷への迅速な対応が予後に影響する可能性もあるため,開腹先行アプローチが推奨される.体位は胸腹部ともにアプローチ可能な右半側臥位が有用であり,開腹+胸腔鏡観察は合理的なアプローチの一つである.
著者
薄井 佳子 小野 滋 馬場 勝尚 辻 由貴 河原 仁守 前田 貢作
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.927-932, 2016-06-20 (Released:2016-06-20)
参考文献数
12

【目的】小児気道異物の臨床像は多彩であり,異物吸引のエピソードが明らかでない場合や非典型例では初期診断が難しい.胸部単純X 線(以下CXR)のみによる画像診断は困難なため,CT 検査(以下CT)の有用性について検討した. 【方法】過去7 年間に当科で診療した16 歳未満の気道異物(疑いを含む)の症例を対象として後方視的に解析した. 【結果】12 症例が対象となり,発症時年齢は1 歳5 か月から10 歳4 か月(中央値3 歳5 か月)であった.10 例に対して硬性気管支鏡が行われ,7 例で気道異物(ピーナッツ5 例,小石1 例,円筒形・中空のプラスチックチューブ1 例)が確認されたが,2 例は異物吸引による誤嚥性肺炎,1 例は異常所見なしと診断した.非典型的な臨床経過の2 例は,CXR,CT および入院経過により気道異物なしと判断して気管支鏡を施行しなかった.術前の画像検査は,12 例全てにCXR,10 例にCT が施行されていた.2 例は来院直後に硬性気管支鏡を施行して診断したため,CT を施行しなかった.気管支鏡での異物摘出を要した7 例全てが,術前にCXR およびCT を施行されており,それぞれの画像検査所見を比較した.CXR では3 例に異常所見を認めたが異物を描出できたのは1 例のみで,2 例は過膨張や無気肺など間接的所見のみであった.一方CT では6 例に明瞭な異物描出および間接的な肺野情報を詳細に得られた. 【結論】気道異物を疑う症例では迅速な気管支鏡による確定診断と異物の摘出が基本であるが,近年のCT は数秒の撮影時間で異物の大きさ,部位,間接的な肺野異常など詳細な情報を得られるため,小児気道異物の画像診断におけるCT の有用性は高い.
著者
大野 沙知子 中村 俊之 薄井 智貴 手嶋 茂晴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_799-I_807, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
14

Wi-Fi対応のスマートフォンなどの機器が発信しているProbe Requestを受信するWi-Fiパケットセンサーにより収集されるデータは,設置の高さや屋内外の設置位置,設置周辺の建物の密集度合,人や自動車の密度などにより影響を受けることが既往研究で報告されている.本研究は,Wi-Fiパケットセンサーにより収集されるデータの特徴をスマートフォンより収集されるGPS位置情報との同期により求めること目的としている.本稿では,街中に設置した13基のセンサーからデータを収集する実験を試みた.そして,設置条件を考慮し,捕捉率,カーネル密度推定ならびに受信距離について分析した.その結果,高い設置,屋外設置,道路幅員により広く受信すること,市町村道や生活道路におけるデータ収集には設置の工夫が必要であることを示した.
著者
薄井 和夫
出版者
マーケティング史学会
雑誌
マーケティング史研究 (ISSN:24368342)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.3-23, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
112

本稿は,1900年代に成立する日本の商業学を準備した要素として,19世紀末における高等商業教育運動とその教育論,海外の商業史と商業経済学の翻訳書,わが国執筆者による商業史と商業経済学の内容を分析する。高等商業教育論は,実用教育への要請と学術研究を志向する議論とがあったが,後者が前者を排斥する傾向があった。だが,経営学も商業学も成立していなかったこの時期において,実用教育を排斥する学術研究の中味は漠然としたもので,またその「商業教育」は「商業」の枠を超えて経営者教育全般を意味していた。翻訳書では,まずイギリスの執筆者たちの商業史が翻訳された。それは世界貿易史であり,貿易を担う人材へ基礎知識を提供すると同時に,自由貿易こそが国を富ませるという社会経済的主張の裏付けであった。一方,商業経済学は,1890年代にドイツ歴史学派の影響が現れる中でドイツ人の商業経済学が翻訳され,20世紀初頭のわが国の議論に一定の影響を及ぼした。日本人執筆者たちによる著作では,1890年代に日本商業史が外国貿易史および国内商業史として成立した。一方,商業経済学は玉石混交であったが,「純粋の商業」と「補助商業」の区別や,商業経営論の萌芽などが確認でき,1900年代における商業学の成立を準備していた。
著者
薄井 玲子
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.A12-A17, 2022 (Released:2023-03-24)

筆者が30年来憧れている千田範夫さんが亡くなってしまわれた.とても悲しく,寂しい.私が千田さんに憧れていることはご本人にもお伝えしているし,今までも方々で公言しているが,いま一度改めてお伝えするとともに,私が事務局を務めているCAMMフォーラムに千田さんがかつて寄稿された原稿をご紹介して,千田さんのご功績とお人柄を残したい.