著者
根元 茂 杉本 仁太郎 薄井 隆 庵谷 治夫
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.9, pp.579-584, 1979

洋酒は飲まれるだけでなく, クッキングワインなど調理用にも広く用いられている。我が国ではラムやキルシュの消費のほとんどが製菓用であるのを始め, 多くのブランデー, キュラソーなども使われている。<BR>本稿では洋酒の使用効果や使用法など洋酒と洋菓子の関係について権威者に解説していただいた。洋酒関係以外の方々にも御一読いただきたい。
著者
薄井 道正
出版者
京都大学
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.15-25, 2015-12-01

Generally speaking, Japanese students are not trained in academic writing before graduating from high school. Nevertheless, they are required to write academic essays just after entering a university. This is why most undergraduate students find it difficult to write papers. Under these circumstances, our university set up a class teaching "Nihongo No Gihou" (The Technique of Japanese Writing) for first-year undergraduate students, on a trial basis. This class aims to ensure the acquisition of academic skills such as paragraph writing, argumentation, and discussion. In this paper, I shall present teaching methods and course materials I have developed for this class. Then, I shall argue for their efficacy with reference to some essays actually written by students in the class. Finally, I shall show that this class contributes to enhancing academic interest and active learning as well as improving skills in academic writing, by comparing results from students who have taken the class and those of other students.
著者
尾上 剛士 薄井 宙男 八幡 真弓 吉江 祐 山本 康人 市川 健一郎 野田 誠 斉藤 壽一 磯部 光章
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.12, pp.2547-2549, 2006-12-10
被引用文献数
1

症例は42歳, 女性. 進行する浮腫, 全身倦怠感にて来院. 心エコー上右心負荷所見が強く当初原発性肺高血圧症を疑った. 入院後急性増悪しショック, 急性腎不全となったが右心カテーテル所見より脚気心が疑われビタミンB1投与により速やかに循環動態が改善した. 健康に関心が強く健康食品を中心とした食生活を送っていた事がビタミンB1欠乏の原因と考えられ, 偏った健康知識が致命的となりかねなかった教訓深い症例と考えられた.
著者
柴田 祐 田原 直樹 薄井 謙一 福田 忠昭
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.233-236, 1996-03-29

本論文では,急激な都市の近代化が進むインドネシアの都市居住のあるべき姿を明らかにするため,計画的住宅地内の戸建て住宅の庭に着目して,その空間利用の実態を把握するとともに,都市居住に占める位置について考察することを目的としている。スマトラ島メダンを事例として,タイプの違う3つの戸建て住宅地において観察およびヒアリング調査を行い,住宅と庭の関係,庭の使われ方の2つの点に着目して考察を行った。その結果,庭が住居の前後に分節化されていること,前庭と後庭では住宅との空間的関係に応じて異なった役割を持つこと,前庭は公的で見せる性格が強く,後庭は私的で実用的な性格を持つことがわかった。
著者
大谷 和彦 薄井 雅夫 青木 純子
出版者
栃木県農業試験場
雑誌
栃木県農業試験場研究報告 (ISSN:03889270)
巻号頁・発行日
no.52, pp.1-18, 2003-12
被引用文献数
1

1995-1999年栃木県産米のタンパク質含有率(玄米乾物)の平均値は7.55%で、5.4-10.2%と変動の幅が大きかった。その変動要因は、地域、品種および土壌ごとに異なっていた。そして、食味改善のためにはタンパク質含有率を8%以下にする必要があった。米タンパク質含有率を高めてしまう肥培管理は、基肥や追肥で窒素を多く施肥することであった。多湿黒ボク土において、基肥窒素量0.2kg/a、出穂前40日に肥効調節型窒素肥料で0.2kg/aの計0.4kg/a、慣行の6割に窒素施肥量を減らすと、米タンパク質含有率が明らかに下がった。気象要因では、登熟期の積算気温の関与が大きかった。特に、登熟後半も高温が続くとタンパク質含有率は高まった。また、出穂前20日の生育量から、タンパク質含有率および玄米収量を予測することができた。
著者
薄井 勲 戸辺 一之 箕越 靖彦
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究計画で我々は、脂肪組織M1/M2マクロファージ(Mφ)とインスリン感受性との関連について、特にM2Mφとインターロイキン10(IL-10)の働きに注目し検討した。PPARγ活性化作用を持つテルミサルタンは脂肪組織MφのM2極性を誘導し、一方脂肪組織低酸素はM1極性を誘導した。ジフテリアトキシンの投与によりM2Mφを欠失することができるM2Mφablationマウスは脂肪細胞が小型化し、インスリン感受性が改善した。視床下部のIL-10シグナルの活性化は骨格筋のミトコンドリア関連遺伝子の発現を増強させ、耐糖能を改善させた
著者
岩田 実 山崎 勝也 宇野 立人 薄井 勲 石木 学 小橋 親晃 浦風 雅春 小林 正 戸邉 一之
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.609-614, 2008-07-30
被引用文献数
1

症例は81歳男性.1975年より2型糖尿病を指摘され,2001年よりインスリン治療を開始,合併症については2期腎症,単純性網膜症,神経障害を指摘されていた.2004年3月末より,全身倦怠感,発熱が出現し当科入院.白血球尿および顕微鏡的血尿を認め,当初尿路感染症を疑い抗生物質を投与したが,次第に腎機能が悪化し,尿所見も改善しないため急速進行性糸球体腎炎を疑い精査を行った.MPO-ANCA (myeloperoxidase antineutrophil cytoplasmic autoantibody)高値や,腎生検にて細胞性半月体を認めMPO-ANCA関連腎炎と診断,プレドニン40 mg/日より開始し,腎機能障害,尿所見の異常,MPO-ANCA高値は速やかに改善した.ANCA関連血管炎は高齢者に好発するため,罹病歴の長い高齢糖尿病患者であっても,急速な腎機能の悪化や尿所見に異常を認めた場合は,急速進行性糸球体腎炎の合併も疑い,速やかに対処する必要があると考えられた.
著者
薄井 弘之 内山 真郷 伊藤 務 山崎 信行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.105-118, 2004-10-15
被引用文献数
4

分散リアルタイム処理用Responsive Multithreaded ProcessorのプロセッシングユニットであるResponsive Multithreaded Processing Unit (RMT PU) の命令供給機構を設計・実装する.RMT PU は8wayのSimultaneous Multithreading(SMT)方式にリアルタイムシステムの優先度を導入してすべての機能ユニットを設計することで,各スレッドを優先度順に実行し,リアルタイム実行を行う.RMT PUの命令供給機構において,単純に優先度による制御を行うと優先度の低いスレッドが実行される機会が少なくなり,システム全体の性能が低下してしまう.そこで,パイプラインの状況によって低い優先度を持つスレッドを実行することで,高い優先度のスレッドの性能を維持しながら,プロセッサ使用率を向上させる.特に単一スレッドの性能を重視するポリシと,単一スレッドの性能の低下を抑制しつつ,全体の性能に比重を置くポリシの2種類を実装することで様々なデッドラインを持つタスクのスケジューリングを支援する.パイプラインの状況によって対応するスレッドのフェッチを止める方法が最も効果的であり,命令バッファ内命令数や,分岐命令数によるもので最高優先度スレッドの性能低下を1%未満に抑えつつ,全体性能を10%から20%向上できた.また,パイプライン中命令数によってフェッチを止める方法では,全体性能を約100%向上しながら,最高優先度スレッドの性能低下を40%程度に抑えることができた.We design and implement the instruction supply mechanism for Responsive Multithreaded Processing Unit (RMT PU), the processing unit of Responsive Multithreaded Processor for distributed real-time systems. Priority used in real-time systems is introduced into all functional units of the 8way Simultaneous Multithreading (SMT) in RMT PU. Each thread is executed in priority order to realize real-time execution. In the instruction supply mechanism of RMT PU, if control by the priority is performed simply, the opportunity for a thread with a low priority to be executed will decrease and the whole performance will decrease. Then, by selecting the thread which has low priority according to pipelines's situation, the processor utilization is raised without reducing the performance of the thread with the highest priority. We implemented the policy which considers especially performance of the thread with highest priority as important, and the policy which considers the whole performance controlling the fall of the performance of the thread with highest priority. By changing and performing these policy, scheduling tasks which have various deadline are supported. The policy of stopping fetch according to a pipeline's situation is the most effective. By the policy based on the number of the instructions in instruction buffer or the number of branch instructions, whole performance can be improved 20% from 10% suppressing the performance fall of the highest priority thread to less than 1%. By the policy based on the number of the instructions in pipeline, the performance fall of the highest priority thread is able to be suppressed to 40%, doing improvement of a whole performance in 100%.
著者
薄井 宏
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.8, pp.332-342, 1958-08-25
被引用文献数
4

1. この報告は奥日光森林植生調査の第二報で男体山を除く全域についての調査をとりまとめた。2. 奥日光は夏雨型の太平洋型気候と冬雨型の日本海型気候とが共に支配する境界域であつて, その境界線はミヤコザサとチマキザサの分布境界と一致する。即ち刈込湖, 湯元, 小田代ガ原, 千手ガ原を結ぶ線である。3. ミヤマハンノキ=オノエガリヤス林は高山帯の崩壊地に発達する二次林で, そのススキ=スゲ型林床は男体山大薙崩壊地の二次林, ヤシヤブシ=トウヒレン群集と同一の植生類型を示す。4. ウラジロモミ林は奥日光においては, 噴出の比較的新しい男体山にのみみられる群落である。第三紀地質の山では, コメツガ林とブナ林とは直接に接続して, その中間にウラジロモミ林はみられない。これは第三紀地質の山では侵蝕作用がすすみ, 地形が急なためにツガ型森林が下降してブナ林と接続することによる。5. 太平洋側に発達するブナ林は, ブナ=スズタケ群集と呼ばれる如く, スズタケを林床にもつ場合が多い。しかし今回の調査によつて太平洋岸内陸部山地のブナ林では, ミヤコザサの勢力が圧倒的に強いことが明らかにされた。その原因は, 雪の少ない寒さのきびしい冬の気候がスズタケの生育地を局所的に積雪の多い山足地あるいは谷すじに限定し, 代つてミヤコザサがその半地中植物的な寒さに有利な形質をもつ故に, 殆んど全域にわたる程の広い分布領域を穫得できたからであろう。なぜならばミヤコザサはその上半部の稈節に芽を欠如しており, この形質が地上冬芽の生活形から半地中植物的な生活形への変化を表示するからである。6. 植生調査の結果は次の如き群集にまとめられる。高山帯 : 1. ハイマツ=コケモモ群集のダケカンバ亜群集 2. ミヤマハンノキ林 亜高山帯 : 3. コメツガ群集 A.アスナロ亜群集 4. ヒメコマツ=シヤクナゲ群集(新称) 5. ウラジロモミ林 山地帯 : 6. ブナ=スズタケ群集のミヤコザサ, フアシース 7. ハルニレ群集 8. オオバヤナギ林 9. カラマツ=シラカンバ林
著者
薄井 俊二
出版者
埼玉大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

本研究の目的は、「華陽国志」等の魏晋南北朝期の地方志に見られる地理思想・地理的世界観を思想史的に考察することにある。しかしこの期の地方志は、実際にはほとんどが散逸してしまっているため、先ず「地方志」の本文の蒐集・確定という基礎的な作業を行う必要がある。こうした仕事は清朝の学者達によってある程度なされており、その集大成として王謨の「漢唐地理書鈔」があるが、残念なことにこの輯逸本は一部分が刊行されているに留まり、多くの部分が散逸してしまっている。そこで本研究の具体的な作業としては、この「漢唐地理書鈔」にならった地理書の輯本の作成に力を注いだ。即ち現存する「漢唐地理書鈔」の二つの目録に収録されている、500種あまりの書名を下敷きにして、地理書の目録、及び輯逸本の作成を進めた。その成果の一部は、「漢唐地理書目(稿)その1-「起漢至唐諸州地理書記」篇-」として、研究成果報告書にまとめた。今後継続して進める予定である。また、後漢から魏晋南北朝期の地理思想の展開の様を明らかにする目的で、「紀行文的文学作品」や「遊記的散文」の検討も行なった。具体的には、「曹操の楽府詩「歩出夏門行」について」において、この詩が軍旅を契機とした紀行文的な連作の詩であるという点では紀行文的辞賦作品の系譜の上にあるものの、詩全体の性格としてはむしろ泰の始皇帝の「泰山刻石」や漢の高祖の「大風の歌」に通ずるものであることを明らかにした。また、「封禅儀記訳注稿」においては、この資料が封禅の記録という儀注・起居注的部分と、山川遊歴的な部分とに色分けされ、後者は後に登場する「山川遊記」の先駆的性格を有するが、そこに見られる山川観はきわめて即物的であったことを指摘した。こちらの展開としては、東晋の慧遠の作とされる「遊石門詩並序」を次の対象とし、仏教思想の展開を視野に入れつつ考察を深めてゆきたいと考えている。