著者
山本 早里 西川 潔
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.72-77, 2013-03-30 (Released:2017-10-27)
参考文献数
9

公共サインはその重要性が認識され、整備がなされるようになってきているが、都心部では様々なサインが林立し、乱雑な景観が問題になっている。本研究はこのような都市における公共サインがおかれている現状、問題点を明らかにし、その解決策を提案し、モデル地区で実際にサインを設置し、ヒアリング調査によって検証した。ケーススタディとして東京都文京区を対象とし、現状調査を行った。結果、3,394個のサインが設置されていた。特に問題としてあげられるのが、数種のサインが隣接して設置されており、情報の重複がみられ、かつ景観を阻害していることであった。解決策として近接するサインの集約を図る新しいサインシステムを計画し、モデル地区を設定し計5カ所においてサインを設置し、集約された既設サインは撤去した。現状サイン2基を1基にするなど、情報量を確保しつつ好ましい景観を創出することができた。ヒアリング調査を136人に行ったところ、肯定的な回答を得ることができた。
著者
斎藤 一 西川 浩司 大内 東
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.29(2003-ICS-135), pp.1-6, 2004-03-15

近年,企業経営において,BSC(Balamced ScoreCacd)戦略マップを,組織構成員に戦略を共有させるためのツールとして利用する事例が増えてきている.また,一部の行政組織では,BSCを組織評価に利用している.しかし,組織のプロセスを明らかにすることが困難である観光戦略策定のような場合,BSCの利点が発揮されにくい傾向がある.本研究では,BSC戦略マップに構造モデリング手法を導入することで,このような問題を解決し,戦略策定を支援する方法を検討する.
著者
西川 信廣 前馬 晋策
出版者
京都産業大学教職課程講座センター
雑誌
京都産業大学教職研究紀要 (ISSN:18839509)
巻号頁・発行日
no.1, pp.47-61, 2006-03

1999年に制定された「地方分権一括法」により、教育行政の地方分権化も促進される事が期待されている。しかし、実態は行政的分権のレベルに留まり、財政的分権、立法的分権は遅々として進まないという現状である。教育改革が学校レベルまで浸透したものになりにくいことの理由の一つがここにある。 教育、とりわけ義務教育は本来地域と子どもの実態に応じた柔軟で創意工夫溢れるものでなければならない。そのためには、地方政府のリーダーシップに基づく地方による地方のための改革が進められる必要がある。本論は、大阪府摂津市の教育改革への取組を取り上げ、教育改革における地方教育委員会の果たしうる役割について考察する事を目的としている。摂津市は教育長のリーダーシップのもと、「せっつ・スクール広場」「学校経営研究会(管理職対象)」「教育フォーラム」「学力実態調査」等々の施策を展開し、積極的な教育改革を展開している。取組から3年を経過した現在は、それらの取組の成果に対する評価(check)の段階でもある。 摂津市と京都産業大学は平成 16年3月に包括連携協定を締結し、摂津市立小中学校の教員研修や校内研修会への本学教員の派遣や、摂津市教育委員会指導主事による本学教職課程履修者に対する講座開催等の協力関係が構築されている。本論もその連携活動の一環に位置付くものである。本論は5章構成であり、第1章、第5章は西川信康が、第2章、第3章、第4章は前馬晋策がそれぞれ分担執筆した。
著者
西川 由紀子
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.25-38, 2003

子どもが使用する自称詞について,場面に応じた使い分けに着目して,京都市内の保育園においてアンケート調査(216家庭)と観察調査(5歳児クラス男児9名)を行った。その結果,第1に,2歳でほとんどの子どもが対称詞と同じ自称詞(愛称・名前)を用いることが示された。第2に,男児はその後「愛称・名前」と「オレ」「ぼく」を並行して使い,幼児期は両親に「愛称・名前」,友達に「オレ」を用いる傾向,学童期中頃に両親に「ぼく」,友達に「オレ」を用いる傾向が示された。また「オレ」の使用は友達関係をとおして伝播することが示された。女児は学童期になって「わたし」の使用が増加しはじめるものの「愛称・名前」の使用が学童期にも続き,両親と友達の間での使い分けはほとんど見られなかった。第3に,年下のきょうだいには年齢にかかわらず親族名称が使用される傾向が示された。第4に,男児が保育者に対して「オレ」を使用するのは,主張したり自慢する場面のみであり,日常的には「ぼく」を使用していること,友達にはどの場面でも「オレ」も「ぼく」も使うことが示された。第5に,家庭で「オレ」を使っている自閉的傾向の男児が保育園で「オレ」を使用しなかったことから,自閉症児にとって「オレ」を用いての自己主張が難しいことが示唆された。こうした自称詞の使い分け方から,男児は,相手や状況や内容に応じて,ふさわしい自称詞を選択していることが示された。
著者
黒田 顕 木島 綾希 金 美蘭 松下 幸平 高須 伸二 石井 雄二 小川 久美子 西川 秋佳 梅村 隆志
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第39回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-115, 2012 (Released:2012-11-24)

【目的】鉱物由来ワックスであるオゾケライトは、主にC29~C53の炭化水素から構成される高分子化合物であり、既存添加物としてチューインガムのガムベースに使用されているが、その毒性に関する報告は少ない。そこで今回、オゾケライトの長期投与の影響を検討するため、 ラットにおける慢性毒性・発がん性併合試験を実施した。【方法】6週齢の雌雄F344ラット各190匹を7群に分け、慢性毒性試験では0、0.05、0.1および0.2%(各群雌雄10匹)の用量で1年間、発がん性試験では0、0.1および0.2%(各群雌雄50匹)の用量で2年間、混餌投与した。実験期間中の一般状態観察、体重および摂餌量測定、剖検後の病理組織学的検査、慢性毒性試験ではさらに血液学検査、血液生化学検査、肝臓のGST-P陽性巣の定量解析を行った。【結果】慢性毒性試験では、雄0.1%以上で体重増加抑制、雌雄0.05%以上で貧血所見、AST・ALTの増加、TP・Albuminの減少、雄0.2%および雌0.1%以上で白血球数の増加、雌0.2%でBUNの増加が認められた。また雌雄0.05%以上で肺重量の増加、雌雄0.1%以上で肝臓および脾臓重量の増加、雄0.2%で腎臓重量の増加が認められた。病理組織学的には、雌雄0.05%以上で肝臓の泡沫細胞集簇、雄0.2%および雌0.05%以上で肝臓およびリンパ節の異物肉芽腫が認められた。肝臓のGST-P陽性細胞巣は、雌雄0.05%以上で数あるいは面積が増加した。発がん性試験では、雌雄0.1%以上で体重増加抑制、雌雄0.1%以上で肺、脾臓、肝臓および腎臓重量の増加が認められた。また、雄の0.1%以上で肝細胞腺腫の発生率および肝臓における総腫瘍発生率の増加が認められた。【考察】リンパ節ならびに肝臓で認められた泡沫細胞集簇および異物肉芽腫は、難吸収性高分子化合物の大量投与により惹起される病変と考えられた。また、GST-P陽性細胞の定量解析ならびに発がん性試験結果からオゾケライトは雄ラットの肝臓に弱い発がん性を有すると考えられた。
著者
西川 雅章 逸見 啓 パク サンチョル 灘部 岳晃 武田 展雄
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.58, no.680, pp.261-268, 2010 (Released:2010-09-27)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

Carbon fiber-reinforced composites have been recently applied for engine fan blades, because of their high specific strength. In the design of the fan blade, the bird-strike impact is one of the greatest concerns, since impact-induced damage can lead to the engine stall. This study presented a numerical method to analyze the bird-strike impact as a soft-body impact on cantilevered composite panel. Especially, we coupled a stabilized dynamic contact analysis, which enables predicting impact force on the panel appropriately, with laminate damage analysis to predict the impact-induced progressive damage in the composite. This method was verified through the comparison with the experimental results. With the numerical method, we investigated the effect of impact condition, blade thickness and shape on the impact-induced damage in composite fan blade subjected to a bird strike. An intermediate blade thickness and a large blade curvature help improving the bird-striking impact resistance of the composite.
著者
西川 麦子
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018

多文化社会における文化人類学のフィールドワークと社会的実践を、大学教育にどのように取り入れ、表現・協働・発信力を培うアクティブ・ラーニングを展開できるのか。アメリカのコミュニティラジオ局と連携し、日本の大学の教室から番組を制作・発信するメディア実践の授業を紹介する。学外の組織、関係者、大学の教職員、学生が協働し、教室と海外メディアをつなぎ、「他者に伝える」営みのなかで、身近な暮らしを見つめ直す。
著者
西川 和孝 川本 実穂 田中 章江
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.339-345, 2014 (Released:2015-01-01)
参考文献数
29

The oxalic acid content of spinach has become a major human health concern due to its toxicity. We investigated in this study the residual oxalic acid content in spinach and the free oxalic acid content in the cooking solution. The water temperature and duration of boiling were important factors for the residual oxalic acid content of spinach, while the water volume and salt concentration had no influence. However, the content of free oxalic acid in the cooking solution was influenced by the water volume, salt concentration, water temperature, and duration of boiling. In particular, the oxalic acid content in the cooking solution decreased with increasing salt concentration. Cooking spinach by boiling was demonstrated, and a follow-up questionnaire survey of junior high school students was conducted. The results of the questionnaire survey clarified that there was insufficient understanding of the preparation of vegetables by boiling as studied at the elementary school level. However, most students understood how to boil spinach after the teaching demonstration, and the results of a cluster analysis showed that the students' interest as well as knowledge about spinach had increased
著者
村田 裕志 髙草 智 熊谷 雅彦 西川 雅弥 染谷 博行 大曲 康仁
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.345-348, 2015

<p>新宿西口駅本屋ビル(小田急百貨店)では、東京都環境確保条例の削減義務を達成するためにGHG(温室効果ガス:greenhouse gas)削減を目標に掲げ、省エネルギー改修事業を実施した。 改修に伴い熱源システムの最適台数制御を導入した。パラメータチューニングによる効果試算のために、熱源システムシミュレータを構築した。改修後1年が経過し、運転データに基づくモデル同定が可能となった。構築したシミュレータによる省エネルギー検証結果を報告する。</p>