著者
西川 潤
出版者
京都大学学際融合教育研究推進センター地域連携教育研究推進ユニット
雑誌
地域連携教育研究 = Journal of education and research for regional alliances (ISSN:24332356)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.108-114, 2018-09

In Japan, there are moves to implement and disseminate Advanced Placement by the college board. The Japanese government is also beginning to consider creating similar programs and the system which high school students acquire college credits is drawing attention. However, there are cases where the accelerated learning system, which is a general name for such systems, and Advanced Placement which is only one of its forms are being confused, causing inaccurate understanding. Considering this situation, this paper aims to clarify the relative features of Advanced Placement by grasping the types of accelerated learning system in the U.S. and Japan. As a result, the existing accelerated learning system in Japan was able to be understood by two axes: (1) "Open-Closed, " (2) "overseas oriented (studying abroad)-domestic oriented." Advanced Placement belongs to "Open-overseas oriented" and draws a clear line from the existing system that is domestic oriented. Through this analysis, it reconfirmed the importance of not looking at all of the accelerated learning systems as similar cases, but classifying and understanding them separately.
著者
大塚 佳臣 高田 秀重 二瓶 泰雄 亀田 豊 西川 可穂子
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.35-42, 2021 (Released:2021-03-10)
参考文献数
77
被引用文献数
2 5

本稿では, マイクロプラスチック (MP) がもたらす環境影響を概観した上で, 水環境での動態および海域での生態系への影響, ならびにMPの分析手法, 特に, 粒径が小さいMPの分析手法に関する最新の知見を紹介した。陸域・河川におけるMPの状況について, 日本全国の河川でのMPの濃度, 日本の陸域から海洋に排出されるプラスチックの総量を推定した。海域におけるMPの状況について, 東京湾におけるMPの動態, 海洋生物におけるMPの取込・摂食の実態を示した。MPの分析方法について, サンプリング, 前処理, 機器測定の手法及びその課題について整理し, 技術的展望を示した。MPの環境中での動態ならびに生態系への影響を明らかにすることは, 社会システム全体でのプラスチックの適切な利用・管理のための有効かつ効率的な対策を検討する上で不可欠である。本稿で紹介した情報がその一助となることを期待する。
著者
亀井 智子 西川 浩昭 柳井 晴夫
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.2_3-2_11, 2013-06-20 (Released:2013-07-04)
参考文献数
18

【目的】看護系大学共用試験(CBT)用に作成した老年看護学の出題90項目を古典的テスト理論(CTT),および項目反応理論(IRT)を用い正答率,および項目識別度,項目困難度などの特性によりメタ評価した.【対象と方法】便宜的標本抽出により国公私立看護系23大学の臨地実習前の3年次生730名を対象として,紙筆試験を実施した.分析は正答率,IT双列相関,項目困難度(2PL model),項目識別度,因子負荷量を求め,項目特性曲線等を描いてすべての項目特性を評価した.【結果】老年看護学の平均正答率は65.8~69.3%で,他科目との相関は薬理学r=0.30~0.41, 解剖学・病理学r=0.28~0.38であった(p<0.01).項目困難度(-5.851~4.068),および項目識別度(0.292~2.218)とも幅が広かった.情報量曲線により各項目の特性が示された.90項目中3 項目の項目識別度が低かった.【結論】90項目の問題中87項目はCBTでの利用が可能と考えられた.しかし,このうち71.1%は項目困難度が負の易しい問題であったため,能力水準の高いレベルの受検者の識別に課題が残った.
著者
藤田 俊貴 首藤 一幸 西川 武志 大西 真晶
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.321-326, 2017

高性能なカメラが安価で手に入るようになった.そこで,多数のカメラを用いて多数の撮影対象を複数の視点から撮影することが可能になってきた.サッカーや音楽ライブ等で多数のカメラを活用するためには,カメラ毎にどこを撮影するか決定して撮影する必要がある.また撮影したい映像によっては,複数のカメラが同じ場所を撮影しないようにカメラ間で協調制御をする必要がある.しかし人の手により多数のカメラを操作することや,協調制御を行うことは困難である.よって,多数のカメラを用いて多数の撮影対象を撮影するには,カメラを自動制御するべきである.カメラを自動制御する際に,制御するプログラムを書き下すのは大変であり,また撮影したい映像を撮影するように制御プログラムを書くのは困難である.そこで本論文では,撮影者が撮影指針を点数付けで与えることにより,複数台のカメラを自動制御する制御手法を示す.本制御手法を用いることで,撮影者が撮影したい映像を自動で簡単に複数撮影することが可能となる.提案制御手法の有効性を確認するために,Unityで作成したシミュレータ上で行った実験の結果を示す.実験は点数付け方法を変化させて提案制御手法で撮影することで行い,その結果撮影映像が変化し,また複数のカメラが連携して撮影していることを確認した.
著者
西川 広平
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.100, pp.191-219, 2021

大江広元を祖とする鎌倉幕府の御家人長井氏を対象に、一三世紀から一四世紀にかけての同族間ネットワークの推移について考察し、文士である広元一族による在地武士の糾合と所領支配は、主要な交通路の要衝を広域的に掌握することで実現したこと、また一四世紀前半に長井惣領家を中心にして、庶子家および広元末裔の御家人との間に二重の同族間ネットワークが成立したこと等を明らかにした。これらは、執権北条氏との連携や幕府の支配体制に依拠することによって実現・成立しており、鎌倉幕府滅亡や室町幕府の政治体制の変化により、長井氏は政権の中枢を占める地位を喪失するとともに、その同族間ネットワークも解体した。これらの考察の結果、御家人の移動が列島規模で活発化した一三・一四世紀を通して、武士団のネットワークが維持される基盤の多様性を指摘した。
著者
高田 彰人 杉浦 史郎 豊岡 毅 岡本 弦 西川 悟
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.F-124-F-124, 2019

<p>【はじめに,目的】</p><p> 不安定な面での体幹トレーニングは体幹筋の筋活動を上昇させるという報告は散見するが,実際に腰痛の予防効果を示した報告は少ない。そこで,不安定面を含むTrunk Instability Training(以下TIT)による腰痛予防効果を前向きに調査することを目的とした。</p><p>【方法】</p><p> 対象は腰痛既往のない高校男子バスケットボール選手40例とした。2017シーズンから腰痛予防を目的として毎回の練習後にTITを導入した。2017シーズンの22例(平均年齢15.9±0.8歳)はTIT介入群とし,2016シーズンの18例(平均年齢15.6±0.5歳)は対照群として,1シーズン7ヶ月間での腰痛発生状況を比較した。TITは①バランスディスク上での臀部バランス,②ストレッチポールEX(LPN 社製)上でのSit-up,③四肢伸展位でのサイドブリッジで構成した。統計処理にはカイ二乗検定を用いて,有意水準は5%とした。</p><p>【倫理的配慮】</p><p> 本研究は当院倫理委員会の承認を得て(承認番号:2430番),対象者に説明と同意を得た上で行った。</p><p>【結果】</p><p> 腰痛発生は対照群で5/18例,TIT介入群で0/22例となり,有意差を認めた(p<0.05)。</p><p>【考察】</p><p> TITは腰痛既往のない選手に対して,腰痛の発生予防を期待できる可能性が示唆された。今後は対象毎の負荷設定を含めたトレーニング内容の検討を行いたい。さらに,TITによって改善が得られる身体機能因子についても検証していきたい。</p>
著者
西川 和泉
出版者
日本フランス語フランス文学会関西支部
雑誌
関西フランス語フランス文学 (ISSN:24331864)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.14-23, 2004-03-31 (Released:2017-07-14)

La societe secrete <<Les Treize>> ne joue qu'un role secondaire dans les trois recits de l'Histoire des Treize. Pourtant, le nombre sinistre <<treize>> n'est pas pose au hasard par Balzac, interesse par la mystique et l'ecole pythagoricienne qui considere le nombre comme un symbole des idees. Les variantes de La Duchesse de Langeais nous donnent un indice sur la reflexion du romancier sur l'utilisation des nombres, en particulier du nombre <<treize>>. Par ailleurs, l'analyse des indications temporelles dans Ferragus et La File aux yeux d'or nous permettra de constater que la mort des heroines est egalement donnee treize jours apres un evenement crucial pour elles. Cette utilisation strategique des nombres, commune surtout entre ces deux recits, nous offre la possibilite de lire ces recits - apparemment independants - comme une trilogie dont le titre porte le nombre <<Treize>>.
著者
掛川 泰朗 磯野 理 西川 隆
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.312-319, 2016-06-30 (Released:2017-07-03)
参考文献数
28
被引用文献数
1 2

脳血管障害による右半球病変に伴って身体パラフレニアとフレゴリの錯覚を合併した2 症例を報告した。脳血管障害によるカプグラ症候群やフレゴリの錯覚などの人物誤認症候群の報告は未だ少数である。 Feinberg ら (1997) は, 身体パラフレニアを, カプグラ症候群と同型の病態構造を有していると指摘しているが, 身体パラフレニアとカプグラ症候群の合併の報告はみられない。一方, 身体パラフレニアにフレゴリの錯覚の合併をうかがわせる記述は少数見出された。身体パラフラニアの患者における麻痺肢への態度は一定の既知感があるという意味でむしろフレゴリの錯覚に近いかもしれない。身体パラフレニアと人物誤認症候は右半球病変, とりわけ前頭葉病変に共通した責任病巣があるものと考えられており, これまで注目されてこなかったが, フレゴリの錯覚と身体パラフレニアはより高率に合併している可能性がある。
著者
保坂 宗一郎 大垣 裕嗣 廣岡 慶彦 西川 雅弘
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.650, 2005

1980年代後半のTFTR のスーパーショット以来、高性能コアプラズマがしばしば周辺での低リサイクリング条件によってもたらされることが良く知られている。実際、ボロニゼーション等の壁コンディショニングが多くの閉じ込め実験で日常的に行われている。しかし、捕獲された粒子による表面飽和のためにボロニゼーションの効果は有限の寿命があり、再コンディショニングが必要である。従って、将来の長時間放電炉に向けては低リサイクリングを定常状態で維持できる新しい壁コンセプトの開発が必要になってくる。 ひとつの解決策として移動表面式プラズマ対向機器概念が提唱され[1]、最近その原理検証実験が行われ前回の報告では、リチウムの連続的蒸着により定常リサイクリングが75%まで低減されることが示された。 今回は、リチウムを液体の粒子リサイクリング挙動を調査したので、その結果を報告する。
著者
西川 理穂 山口 政之
出版者
一般社団法人 プラスチック成形加工学会
雑誌
成形加工 (ISSN:09154027)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.25-28, 2021-12-20 (Released:2022-01-22)
参考文献数
17

We investigated the structure and properties of extruded high-density polyethylene (HDPE) containing 03. wt.% of multi-walled carbon nanotubes (CNTs). It was found from differential scanning calorimetry measurements that the CNT addition raised the crystallization temperature of HDPE, suggesting that CNT acts as a nucleating agent for HDPE. Furthermore, two-dimensional X-ray diffraction measurements revealed that the CNT addition greatly enhanced the chain orientation of HDPE in the extruded strand, which was pronounced by melt-stretching after passing through the die. CNTs orientated parallel to the flow direction behave like extended chain crystals, and thus accelerate the formation of shish-kebab structure. As a result, the tensile modulus was enhanced by the CNT addition, which was pronounced especially in the high temperature region.