著者
松尾 匡敏 首藤 宏幸 東 幹夫 近藤 寛 玉置 昭夫
出版者
日本ベントス学会
雑誌
日本ベントス学会誌 (ISSN:1345112X)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.17-33, 2007-07-25 (Released:2010-02-05)
参考文献数
88
被引用文献数
1 1

In April, 1997, construction of a dike in the inner part of Ariake Sound to close off the innermost area of Isahaya Bay was completed. In June of both 1991 and 2002, benthic surveys were conducted using a Smith-McIntyre grab sampler at 88 stations over the entire sublittoral area of Ariake Sound. The structure of the gammaridean amphipod assemblage was compared between 1997 and 2002 with regard to any change in grain-size composition of the substrates and dissolved oxygen concentration of the bottom waters. No noticeable changes were observed in the distribution of the median particle diameter and silt-clay content, nor in the spatial arrangement of the sediment types of the substrates. Hypoxic water masses were observed in the bottom waters in 1997 in and around Isahaya Bay and in the southern part of Ariake Sound. Other studies also recorded hypoxic water masses in the former area in 1999 and 2001. For the amphipod assemblage, a total of 12, 434 individuals of 94 species belonging to 24 families was collected in 1997; the most dominant species was Photis longicaudata (family Isaeidae). In 2002, those values had changed to 37, 649 individuals, 89 species, and 27 families, with the most dominant species being Corophium sp. A (family Corophiidae). In both years, the amphipod assemblage was dominated by six families, including Isaeidae, Ampeliscidae, Corophiidae, Priscomilitaridae, Melitidae, and Aoridae, although the dominance order changed partially. The amphipod assemblage in both years inclusive was divided into eight groups using group-averaged clustering and non-metric multidimensional scaling. The group with the highest number of stations occupied the largest bottom area, composed of poorly-sorted medium to coarse sand along the longitudinal axis of Ariake Sound; the number of stations in this group increased from 41 in 1997 to 57 in 2002. Increase in individual density and expansion of distribution range of seven species of the superfamily Corophioidea (Corophiidae, Isaeidae, Priscomilitaridae), which occurred around the two hypoxic areas, contributed most to the range extension. For the above-mentioned six most dominant families, density of individuals and proportional composition of number of individuals in each of the two hypoxic areas and other, non-hypoxic areas were compared between the two years. In particular, both values remarkably increased for several members of the Corophiidae, including Corophium sp. A and C. crassicorne, in 2002; the exception was the value for density of individuals in the southern hypoxic area. The Shannon-Wiener species diversity index values were lower in 2002 for both the two hypoxic areas and the combined non-hypoxic areas, and for the three main groups of the amphipod assemblage.
著者
近藤 三二
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.245-250, 1969

粒子径が0.03μから1μまでの各種沈降炭酸カルシウムを用いてオフセットタイプのインキメジウムをつくり, 光学的性質, タック, および流動性質を調べた。<BR>1) 粒子径が0.03μ径の表面処理CaCO<SUB>3</SUB>は供試CaCO<SUB>3</SUB>のうちでは最も高い光透過率を示し, アルミナ白に近い透明性を与える<BR>2) 0.06μ径の表面処理CaCO3は透明性もかなりあり, 高濃度のメジウムが得られる特徴がある。表面処理のタイプによって, タック, 光透過率および光沢に影響が現われる。<BR>3) 光透過率, タック, 見掛けの降伏値を粒子径に対してプロットすると, ほぼ直線関係が得られるが, 表面処理のタイプによっては, ずれが現われる。光沢一粒子径関係では, 0.06~0・1μ付近に, それよりも粒子径が小さくなっても光沢が増大しない限界粒子径の存在が認められた。
著者
近藤 祉秋
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

本発表は、隠岐島の「水木しげるロード延長プロジェクト実行委員会」による、妖怪を主題とした観光開発を事例として、妖怪研究者のキュレートリアルな〈まなざし〉が偶発的な遭遇のなかで有形の観光資源をうみだす過程を扱う。本発表においては、有形と無形のはざまをたゆたう中で、偶発的な動きをする人間と非人間のネットワークのなかにときおり結ばれる結節点として、「妖怪」を捉えることを提案したい。
著者
近藤 豊 本田 克行 津端 佳介
出版者
一般社団法人 日本時計学会
雑誌
日本時計学会誌 (ISSN:00290416)
巻号頁・発行日
vol.160, pp.38-48, 1997
被引用文献数
5 2

We developed the SEIKO PULSE GRAPH which is a pulse rate training tool for runners. In pulse rate training, the strength controlled by the pulse rate instead of the speed. The PULSE GRAPH helps the training by measuring pulse rate all the time. Organization of PULSE GRAPH and the new technology for measuring pulse rate are explained as follows: The blue sensor catches pulse waves in a high S/N ratio. Although pulse waves have motional noise caused by running, a twin FFT system separates the pulse signal from the motional noise. In the present paper the sensor part is described mainly.
著者
近藤 直子 花田 勝美 榊 幸子 松中 浩
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.173-178, 2005
被引用文献数
1

皮膚の乾燥症状を有するアトピー性皮膚炎または乾皮症の患者26例に対し,オリゴマリン<sup>®</sup>をそれぞれ含んだ3種類のスキンケア製剤(ローション,ボディクリーム,ハンドクリーム)の使用試験を実施し,その安全性と有用性を検討した。オリゴマリン<sup>®</sup>は,海水からナトリウムなどを減量し亜鉛やセレンなどの微量元素を多く含む化粧品(医薬部外品)原料である。8週間の使用において,ボディクリームを使用した乾皮症の1例に軽いそう痒と炎症を認めたが,それ以外のすべての症例で安全性を確認した。また有用性は,皮膚所見,表皮角層水分量および角層細胞の形態観察にて評価した。その結果,本試験に供した3種類のスキンケア製剤は,乾燥性皮膚に対し安全に使用でき,かつ皮膚症状を改善するとともに,角層のバリア機能を向上させ得ることが明らかとなった。
著者
近藤 博之
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.313-332, 2006-09-30 (Released:2007-08-02)
参考文献数
29
被引用文献数
1

この論文では,複数の職業的地位尺度をとりあげ,それぞれの尺度の性格と移動構造を記述する際に現れる固有の特徴について比較検討した。移動研究に用いられる職業的地位尺度は,大きくはデータ分析に先立ってスコアを与えるものと,データそのものからもっとも適合的なスコアを引き出してくるものとが区別されるが,本論文ではとくに後者のタイプの職業的地位尺度を取り上げ,その社会学的および統計学的な意味を考察している。実際に,職業中分類から作成された81×81の移動表に対応分析を適用し,そうした方法が今日の社会移動の状況を記述するのに有効であることを論じた。分析の結果,オーディネーション系の技法がもっともらしい職業的地位スコアを与えてくれること,パス解析にそのスコアを利用すると地位達成過程について従来とはまったく異なる理解がもたらされることが確認された。
著者
嶋 貴子 一色 ミユキ 近藤 真規子 塚田 三夫 潮見 重毅 今井 光信
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.167-177, 2006 (Released:2014-07-08)
参考文献数
13

目的 HIV 検査をより受けやすくするための試みの一つとして,検査を受けたその日に HIV スクリーニング検査結果を通知する「HIV 即日検査」を保健所の HIV 検査に導入し,その効果と実施に伴う問題点等を明らかにするため研究を行った。方法 栃木県県南健康福祉センターにおいて2003年 1 月より,通常の HIV 検査と平行して試験的に即日検査を導入し,即日検査導入前・後の受検者数や受検者層等の比較,また対照として選択した他保健所の HIV 検査受検者数の動向と比較し,即日検査の効果と影響について検討した。即日検査実施の情報についてはホームページ「HIV 検査・相談マップ」に掲載し,その効果についても検討した。結果 栃木県県南健康福祉センターにおける HIV 検査数は,即日検査導入前の2002年は130件であったのに対し,即日検査導入後の2003年は453件と3.5倍に増加した。また,そのうちの94%が即日検査を希望した。即日検査404件中 5 件がスクリーニング検査陽性となり,確認検査の結果,1 例が HIV 陽性,4 例が偽陽性(偽陽性率 1%)と判定された。 HIV 検査と同時に実施している性感染症検査の受検率は,即日検査の導入後には梅毒抗体検査(即日結果通知可)が77%から63%に,性器クラミジア抗体検査(即日結果通知不可)が76%から33%に減少したが,HIV 受検者が大幅に増加したため,受検者実数としては増加した。受検者へのアンケート調査結果から,受検者の61%がホームページ「HIV 検査・相談マップ」をみて受検していることが分かった。 同時期における即日検査を導入していない栃木県内の他保健所の HIV 検査数の増加率は0.9~1.0倍,全国保健所 HIV 検査件数の増加率は1.2倍であった。結論 即日検査は受検者にとって需要の高い検査であり,保健所 HIV 検査への即日検査導入は HIV 受検者数の増加に繋がる可能性の高いことが分かった。また,ホームページに「HIV 検査・相談マップ」よる継続的な情報提供が受検者増に有効であることが分かった。 しかしながら,HIV 迅速検査キットの偽陽性率が約 1%と高いため,検査前・後の説明やスクリーニング検査陽性者へのサポート体制が重要となること,また,即日検査と性感染症検査とを同時に実施する場合には,性感染症検査の受検率の低下を抑えるための対策が必要となる等の課題も明らかとなった。
著者
近藤 存志
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.D10, 2004 (Released:2005-06-15)

18世紀のイングランドにおけるピクチュアレスクの流行は、クロード・ロランやサルヴァトール・ローザ等の風景絵画に影響を受けると同時に、ウィリアム・ギルピンの活動に代表されるように、イングランド特有の自然や風景、気候などに対する関心を高める契機となった。ピクチュアレスクの流行はイングランド人によるイングランドの再評価を啓発したが、この点で「イングランド性の美的表現」を必要なこととして主張していたオーガスタス・ウェルビー・ノースモア・ピュージンの芸術意識と共通する側面を有していた。実際のところ、ピュージンは19世紀のイングランドにゴシック・リヴァイヴァルの確立を推し進める一方で、前世紀中に異教的芸術の影響下に萌芽的に出現しながら「純粋にイングランド的な美的趣向」として確立されたピクチュアレスクについて言説を残している。その内容からは、ピュージンが正当なピクチュアレスク建築の在り方をゴシック建築の機能主義的デザイン姿勢の派生的な帰結として位置付けていたことが読み取れる。こうしたピュージンのピクチュアレスク理解は、「機能主義的ピクチュアレスク観」と表現し得るものである。
著者
近藤 真由
出版者
日本音楽医療研究会
雑誌
音楽医療研究 (ISSN:18832547)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.33-40, 2014-12-11 (Released:2014-12-18)
参考文献数
6

音楽療法の有効性は、主観的には明らかであってもその効果を客観的に示すことは容易ではない。しかし、エビデン スを確立していかなくては音楽療法が医療の代替、補助療法として認められることは難しい。そこで、先行研究で用いられてきた指標について概説し、筆者自身の研究結果とも合わせ、音楽療法の有効性を評価するに適した客観的指標について探索した。その結果、音楽療法の効果評価に適した指標の条件として、簡便で、侵襲の少ない方法で測定できる指標が望ましいことから、唾液で測定可能な生化学指標であるIgA、クロモグラニンA、コルチゾール、心電図R-R 間隔解析によって測定可能な自律神経指標が、評価指標として有用であるとの知見を得た。
著者
梅田 純子 近藤 勝義 道浦 吉貞
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第18回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.129, 2007 (Released:2007-11-23)

籾殻に含まれる可溶性シリカ成分を非晶質構造の状態で抽出すべく,無機強酸により籾殻を酸洗浄処理した後,600~1200℃で大気焼成した.その際にX線回折により結晶化温度を把握すると同時に,焼成灰中のシリカ純度およびアルカリ金属不純物量に及ぼす酸処理条件の影響を調査した.その結果,籾殻の約70%を示す炭水化物(セルロースやヘミセルロース)は酸処理過程で加水分解することを熱分解ガスクロマトグラフ質量分析によって明らかにした.例えば,加水分解によってセルロースはレボグルコサンを,ヘミセルロースはフラフルールをそれぞれ生成する.
著者
近藤 保
出版者
東京大学理学部
雑誌
東京大学理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.10-11, 1988-03
著者
近藤 雅恵
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
人間文化論叢 (ISSN:13448013)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.289-296, 2005

In Japanese, written form and oral form are historically different. In this research I tried to find some regularity in transformations of oral form in written media. They are, for example, OMBIN-KA, curtailed vowel, shortcut form, and so on.
著者
近藤 信彰
出版者
上智大学
雑誌
上智アジア学 (ISSN:02891417)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.21-38, 1998-12-26

〈特集〉イラン研究動向(Trends in Iranian Studies)