著者
遠藤 利彦
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.150-161, 2010-03-30
被引用文献数
2

ボウルビーの主要な関心は,元来,人間におけるアタッチメントの生涯にわたる発達(すなわち連続性と変化)と,情緒的に剥奪された子どもとその養育者に対する臨床的な介入にあった。近年,幼少期における子どもと養育者のアタッチメント関係が,子どもの,アタッチメントの質それ自体を含めた,その後の社会情緒的発達にいかなる影響を及ぼすかということについて,実証的な知見が蓄積されてきている。本稿では,まず,児童期以降におけるアタッチメントとその影響に関する実証研究と,乳児期から成人期にかけてのアタッチメントの個人差の安定性と変化に関するいくつかの縦断研究の結果について,概観を行う。次に,アタッチメント理論の臨床的含意について,特に,無秩序・無方向型アタッチメントとアタッチメント障害,そして,そうした難しい問題を抱えた事例に対するアタッチメントに基づく介入に焦点を当てながら,レビューし,また議論を行う。最後に,日本の子どもと養育者のアタッチメント関係の特異性をめぐる論争とそれが現代アタッチメント理論に対して持つ理論的含意について批判的に考察し,さらに日本におけるアタッチメント研究の現況が抱えるいくつかの課題を指摘する。
著者
遠藤 亮子 高橋 平八郎
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.59-63, 1972-04-01

白ネズミ小腸磨砕抽出液を用いてフィターゼ作用を調べた.至適pHがPH6.6とPH8.4の2ケ所に存在し,Mg^<2+>の効果が両pHで異なるところから,白ネズミ小腸には少くとも2種のフィターゼ作用をもつ酵素が存在すると推定した.実験に協力頂いた浅見靖子,友枝由紀両氏に感謝致します.
著者
"遠藤 亮子 高橋 平八郎" "エンドウ リョウコ タカハシ ヘイハチロウ" Ryoko "ENDO Heihachiro" TAKAHASHI
雑誌
名古屋女子大学紀要 = Journal of the Nagoya Women's College
巻号頁・発行日
vol.18, pp.59-63, 1972-04-01

"白ネズミ小腸磨砕抽出液を用いてフィターゼ作用を調べた.至適pHがPH6.6とPH8.4の2ケ所に存在し,Mg^<2+>の効果が両pHで異なるところから,白ネズミ小腸には少くとも2種のフィターゼ作用をもつ酵素が存在すると推定した.実験に協力頂いた浅見靖子,友枝由紀両氏に感謝致します."
著者
野中 俊昭 遠藤 靖典 吉川 広
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.484-495, 2006-06-15
被引用文献数
3

安全性や騒音防止の観点から, 鉄道車両の滑走防止制御 (ABS) に対する研究は非常に重要である. しかし, ブレーキというシステムにおいて, 滑走という非常に不確実性の高い現象を防止することは容易ではなく, 一般的な制御方法というものは存在しないのが実状である. ところで, ファジィ推論は, 不確実性の高い制御対象に対して高い有効性を発揮することが知られており, 滑走に対しても, 同様の効果が期待できる. そこで, 本論文では, ファジィ推論を用いたABSと, 最近になって実用が進んだ編成でブレーキを制御するシステムを統合することで, 滑走防止に対して有効な新たなブレーキシステムを提案する. また, このブレーキシステムによって, ファジィ推論を用いたABS単独で制御するよりも, ブレーキ距離の短縮と車輪踏面の損傷低減が実現できることを, 数値シミュレーションおよび実車試験によって示す.
著者
遠藤 由美 阪東 哲也
出版者
関西大学
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.39-55, 2006-10

本研究の目的は、自尊感情水準による他者からのフィードバックの解釈に及ぼす影響を検討することである。実験参加者は、大学生134名で、受容条件(AC)と拒絶条件(RC)とにランダムに割り当てられた。その後、ノートを貸してもらえるように要請する仮想場面を想起させるビニエットを読ませた。ACのビニエットでは、友人の反応を"うん、後でね"と提示し、RCのビニエットでは、友人の反応を"今もってないから、ごめんね"と提示した。ビニエットを読ませた後、受容期待、自己関連感情、対人方略について評定させた。自尊感情高群はフィードバックのネガティブさに応じて、ネガティブな感情を強く喚起する。しかし、自尊感情低群において、フィードバックのポジティブさと関わりなく、ネガティブな感情を強く喚起する傾向が示唆された。そこで、自尊感情水準による否定的評価の捉え方について考察がなされた。
著者
遠藤 健治
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.641, pp.201-204, 2008-02

「実はコスト削減を狙って,ある設備の生産を日本から中国に移管することになりました。これに合わせて,この設備を構成する機械部品や電装品も日本製から中国製に切り替えようと考えています」「中国シフトですか。まあ,それも時流ですかねえ」「ええ。そこで懸命に努力したのですが,どうしても解決できない問題があります。
著者
遠藤 薫
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.21-32, 2012

「社会情報学」は新しい学問である。その新しさは,三つの角度から考えることができる。第1に,「情報」という,自然科学と社会科学の枠を越えた根本概念からアプローチすることによって,世界を新たな普遍的な相のもとに捉え直す。第2に,「情報」の本質的なダイナミズム(双方向性)によって,ミクロな現象からマクロな現象まで,連続的に分析できる。第3に,東日本大震災や「アラブの春」でソーシャルメディアに大きな関心が集まったように,「情報」のソーシャリティと新たなテクノロジーとの相互作用を明らかにする。これらの性質から,「社会情報学」は,それ自体が重要なディシプリンを構成するだけでなく,様々な学問領域のプラットフォームとなりうる。すなわち,社会情報学は,あらゆる境界を越えて,多様なアイディアを結び,異質な発想の衝突から新しい文化と生活とを創発させる場となるだろう。
著者
山内 勇人 河野 恵 戸村 美名子 長尾 さおり 大西 誠 遠藤 美紀 佐伯 真穂
出版者
Japanese Society for Infection Prevention and Control
雑誌
日本環境感染学会誌 = Japanese journal of environmental infections (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.155-159, 2008-05-23
被引用文献数
2 2

大規模震災の発生に備えた「防災イマジネーション」という概念がある.防災に限らず,緊急事態発生に備えて,常日頃からイメージして「イマジネーション」を高めておくことが大切である.院内感染においても,遭遇した者に適切な初期対応が欠けていれば,被害を最小限に抑えることは困難である.そこで,「感染制御イマジネーション」を高めるための研修会を,ノロウイルス感染症を題材に開催した.<br>   対象はA病院看護師13名.具体的事例を提示し,感染制御を目指してイメージを膨らませた個人検討内容を記述した後,グループ検討を経て再び個人検討を行った.グループ検討はメンバーを入れ替え,計2回行った.感染制御の理想的対応として,それぞれ小項目5つを含む,大項目計6項目(I初期対応,II嘔吐物処理,III患者対応,IV職員自身の健康管理,V病棟管理・院内制御,VI中長期的対応)をICTで作製した.小項目1項目に付き1点として,個人検討での記載内容から該当項目の有無により点数化し,イマジネーションの拡がりを客観的に評価した.開始時,第1回グループ検討後,第2回グループ検討後の平均総得点数は,それぞれ9±1.63点,11.7±2.14点,13.5±2.22点と有意に増加した(p<0.01).大項目別得点数も経時的拡がりを示し,II・VI以外では有意に増加した(p<0.05).<br>   感染制御イマジネーションを高めることの出来る本法は,施設の専門性や規模に関わらず施行可能な実践的な教育方法である.<br>
著者
サルカー シャハナッツ 切岩 和 遠藤 昌伸 小林 智也 糠谷 明
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.143-149, 2008
被引用文献数
4

本実験では,培養液施用システム(点滴および底面給液)と培養液組成(修正園試処方および静大処方,EC 4 dS·m<sup>−1</sup> に調整)の組合せが高糖度トマトの生育,収量等に及ぼす影響を調査するために,2005 年 9 月から 2006 年 2 月に所定のシステムにて栽培を行った.生育,収量および果実サイズは,培養液組成にかかわらず底面給液システムで減少した.一方,可溶性固形物含量は,点滴給液より底面給液システムで,修正園試処方より静大処方でそれぞれ高かった.吸水量は,点滴給液に比較して底面給液で抑制された.培地のマトリックポテンシャルは,点滴給液より底面給液で高かった.培地溶液の EC は,点滴給液より底面給液で,また修正園試処方より静大処方で高かった.組み合わせ区では,底面給液×静大処方区で 29.6 dS·m<sup>−1</sup> ともっとも高く,点滴給液×修正園試処方区で 16.1 dS·m<sup>−1</sup> と最も低かった.葉中プロリン濃度は,11 月 7 日,12 月 2 日ともに培養液組成にかかわらず,点滴給液より底面給液において高かった.これらの結果から,底面給液における生育,収量の低下は,水ストレスではなく,主として塩類ストレスに起因するものと思われた.<br>
著者
遠藤 晶 花木 沙織
出版者
武庫川女子大学
雑誌
武庫川女子大学紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:09163115)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.31-39, 2007

It is the most important for little children that using their whole bodies,they imitate somethingand express freely their selves with various kinds of rhythm.We continue to create works of body expression and introduce those to teachers in a nurseryschool or a kindergarten. So we should know how they put the work into practice and consider whatfactors give little children good effects through enjoying body expression.We give a concrete example for discussion. We created a work,"Wish fine day tomorrow",forwhich we got the idea from daily children lives.Little 62 children,four years old,could be enjoying our work in the athletic festival of their kindergarten.We could see,by cooperation of the kindergarten,how they performed it as their ownexpressions and what influences they could have in their daily lives after their experiences.Then,we consider teaching materials of body expression and how to teach them.
著者
菊池 祥太郎 小池 優希 浦田 真由 遠藤 守 安田 孝美 水野 政司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報システムと社会環境研究報告
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.1-6, 2014-12-01

ソーシャルメディアの特徴に,リツイートやシェアなどの情報を評価し広範囲なネットワークに情報を拡散する機能がある.近年は,ソーシャルメディア上の 「口コミ」 の拡散効果や活用の重要性について注目が集まっている.また,Deep Learning (深層学習) は機械学習アルゴリズムの 1 つであり,画像認識や音声認識の分野で大きな活躍を見せている.本研究では,ソーシャルメディアの 「Twitter」 における口コミの情報伝播効果が,モバイルアプリストアの 「iTunes App Store ランキング」 に与える影響の相関性・関連性について着目をした.さらに Deep Learning を用いて,Twitter におけるつぶやき数の変動や影響を与えやすい時間帯といった原因系データから,App Store ランキングの順位変動の予測可能性について分析・検証を行った.