著者
大塚 邦子 野村 靖幸 内田 直樹 安原 一 小林 真一
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.21-29, 2014-06-10 (Released:2015-08-11)
参考文献数
47

Classification of food and pharmaceutical products are different. In the proper use of pharmaceutical products, it is essential for a medical consumer to receive the drug information about effectiveness, safety and quality of it. On the other hand, since legal classification between medicines and dietary supplements was based their cultures, the classification of each drug is different in each country. Melatonin is a hormone produced by the pineal gland and used for improvement of the jet lag. We searched melatonin product information of Japan and the United States by using Internet search mainly and investigated the relationship between amount of product information and product classification. Melatonin is classified as a dietary supplement in the United States, the product information of efficacy and safety is displayed as “Supplement Facts” and the use of melatonin in children is not recommended. On the other hand, melatonin is classified as a pharmaceutical product in Japan, but is not produced in Japan. Therefore, it is difficult to have it for Japanese customers, and then they personally import using the Internet with their self-responsibility. However it is difficult to obtain its appropriate information for consumers, because of the regulation of the Pharmaceutical Affairs Law. It has been reported that the poisoning accident by the excessive intake of melatonin already. It will increase the risk of the health problem to purchase melatonin through the Internet more. Therefore, we concluded that Internet purchase of Medicines had a high risk for Japanese customers since there was not sufficient drug information.
著者
原 元宣 清水 武彦 福山 正文 野村 靖夫 代田 欣二 宇根 ユミ 広田 昭彦 矢後 啓司 山田 宏 石原 実
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science) (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.645-649, 1987-08-15 (Released:2008-02-13)
参考文献数
13
被引用文献数
8 9

茨城県取手市に飼育されていた犬が1985年3月27日, 激しい掻痒, 自己損傷を伴う症状を発見後に死亡, この地域ではオーエスキー病が1981年以来豚に流行していたことから本病が疑われた。剖検では病巣は検出されなかったが, 病理組織学的に延髄と頚部脊髄に著明な血管周囲の細胞浸潤, 神経膠症, ノイロノファギーを認めた。脳・脊髄の混合乳剤および肺・脾臓の混合乳剤を2頭のウサギに接種したところ, いずれも掻痒症を呈し, 4日後に死亡した。感染犬脊髄をPK-15細胞MA-104細胞に接種することにより細胞病原性を示すウイルスが分離され, 著明な円形化と巨細胞形成が認められ, ギムザ染色で核内封入体がみられた。感染PK-15細胞の電顕観察では, ヘルペスウイルス様粒子が観察され, 蛍光抗体法により抗オーエスキー病ウイルス抗体の結合が確認された。
著者
辻本 早織 越久田 健 越久田 活子 宇根 有美 野村 靖夫 代田 欣二
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.329-331, 2005-03-25
被引用文献数
2

腹部膨満を示し高窒素血症を呈した3か月齢の雌の三毛猫を剖検し, 右側腎臓腹側に尿臭を持つ黄色透明液体を容れる巨大な腎周囲嚢胞(8.5×6.0×4.5cm)を認めた.嚢胞内腔は不規則に拡張した腎盂と腎実質を貫く小孔で連絡していた.嚢胞は上皮に内張りされ, 壁は膠原線維と平滑筋で構成されており, 腎盂や尿管壁の構造に類似していた.嚢胞に接する腎実質間質には, リンパ系細胞の浸潤を認めた.嚢胞は発生異常による腎盂憩室と考えられた.
著者
花見 正幸 松本 浩良 野村 靖夫 高橋 令冶
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.699-702, 1996-07-25

イソプロテレノール(ISP), ヒドララジン(HYD), カフェイン(CAF), シクロホスファミド(CYC)とアドリアマイシン(ADR)をLD_<50>または1/10 LD_<50>でラットに一回静脈内投与し, 1 hrと4 hr後の心筋病変の病理組織学的評価を行った. ISP群でLD_<50>投与1 hr及び4 hr後と1/10 LD_<50>投与4 hr後に, HYD, CAFとCYC群でLD_<50>投与4 hr後に, 心筋線維の均質で強い好酸性化, 過収縮帯形成と断裂からなる病変を認めた. 病変は, ISP, HYDとCAF群で左心室壁内側1/3と左心室乳頭筋, CYC群では左右心室心筋全域に分布していた. ADR群では心筋病変は誘発されなかった.
著者
宇根 ユミ 野村 靖夫
出版者
麻布大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

1)「ヒョウモントカゲモドキ由来のクリプトスポリジウムのヘビへの感染性と病原性」第137回日本獣医学会(日本大学・神奈川)申請者はヒョウモントカゲモドキ(LG)由来のクリプトスポリジウム(Cr)の宿主域とその病原性を確認するためヘビへの感染実験を行った。先の報告と同様にLG由来C.saurophilumを接種したLGの腸内容および糞便をナミヘビ科レッドコーンスネーク(Elaphe guttata guttata.CS)幼体3匹、アオダイショウ成体2匹、ボア科ボールパイソン(Python regius.BP)幼体3匹、キューバボア(Epicrates angulifer)若齢1匹計9匹に経口接種し、一部を除き各4,6,9週後(PIW)に剖検、病理学的に検索した。なお、CSとBP各1匹を無処置対照群として実験開始前に剖検した。結果、CSのみで感染が成立した。臨床症状は見られなかったが、原虫は小腸に感染し、経過とともにその数は増加した。PIW4では原虫は食道にもみられた。組織学的に粘膜上皮の過形成、絨毛の萎縮、リンパ・プラズマ細胞性炎症や腸上皮の弧在性壊死が観察され、経過とともに緩慢に進行していた。これらの病変はLGと同質であったが、Crの増殖はLGより高度で、炎症反応は軽度であった。牛のC.parvumを除けば、一般的にCrは宿主特異性が強く、種を超えて感染しないとされているが、今回、国内で分離されたLG由来Crは、トカゲ類に留まらず一部のヘビにも感染性と病原性を示した。今回感染が成立したCSはナミヘビ科のヘビで、在来種のほとんどがこの科に属していることから、広宿主域を持つCrによる飼育下爬虫類の損失と在来種への影響が懸念される病原体と考える。2)「爬虫類におけるCryptosporidiumの保有状況」第37回日本原生動物学会(山口大学・山口)3)「誌上剖検・外科病理シリーズ トカゲのデルマトフィルス症」小動物臨床(23(6):396-398,2004)4)第3回爬虫類と両生類の臨床と病理のための研究会ワークショップ「トカゲ」を2004年10月30日に麻布大学で開催し、本研究室から口頭1題(トカゲのウイルス)、ポスター6題(ヒガシウォータードラゴン(Physignathus lesueuri)の心筋症の2例 グリーンイグアナの全身性細菌性肉芽腫性炎の1例 マラカイトハリトカゲの真菌症Nannizziopsis vriesii(anamorph : Chrysosporium sp.)トカゲ類にみられたDermatophilosisツリーモニターのヘルペスウイルス感染症、フトアゴヒゲトカゲPogona vitticepsの胃原発カルチノイドの2例)を発表した。また、ワークショップで使用するテキストの作成も行った。
著者
古澤 賢彦 金本 勇 若尾 義人 高橋 貢 宇根 有美 野村 靖夫
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.501-504, 1995-07-20
参考文献数
16

チャウチャウ系雑種雄犬 (1歳4ヵ月齢) が腹水と徐脈を主徴として来院した. 高度の心拡大をともなう特発性心房停止を認め, 利尿剤投与と腹水の穿刺除去を継続したが, 11ヵ月の経過で死亡した. 剖検では高度の右房拡張が, 病理組織学的検査では心房の脂肪線維化が認められ, 基礎疾患として特発性右房拡張症が考えられた.
著者
奥野 浩 野村 靖
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.832-841, 1997-10-30 (Released:2009-09-30)
参考文献数
37

『臨界安全ハンドブック第2版』の作成がワーキンググループにおいて最後の検討段階に入っている。第2版は,日本における最新の研究成果を取り入れた。本稿では,第1版(1988年に発刊)の継続課題として検討されたものの中から, (1)非均質な体系であっても均質と見なせる燃料粒径の大きさ, (2)均質燃料系で燃料濃度分布が不均一になったときの反応度効果, (3)水没を仮定しない臨界安全評価の方法, (4)燃料の燃焼を考慮したときの臨界データについて,内容を解説する。さらに,第1版ではもともと範囲外としていた化学プロセスの臨界に関する事項および臨界事故関連事項について概要を紹介する。最後に,第3次版を目指した準備状況についても触れる。

1 0 0 0 OA 犬の腎癌

著者
野村 靖夫 藤井 勇 土屋 新男 斉藤 保二
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.25, no.8, pp.431-434, 1972-08-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Only 32 cases of renal carcinoma had been reported previously in dogs. The present paper deals with 2 canine cases of papillary adenocarcinoma. Observation of these cases revealed that hematuria varying in severity might be a very important symptom in the early stage of renal for radiographic and laboratory diagnosis.
著者
宇根 有美 多々良 成紀 野村 靖夫 高橋 令治 斎藤 保二
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.933-935, 1996-09-25
被引用文献数
1

2頭のオグロプレーリードッグ(Cynomys ludovicianus)に, 肺転移を伴う肝細胞癌と非腫瘍部の慢性活動性肝炎の同時発生と, 肝細胞の過形成が認められた. 過形成性の肝細胞は細胞質内に多数の好酸性, Orcein染色陽性の封入体を持っていた. 電子顕微鏡で, 細胞質内封入体に一致して鎖かたびらのような編み目状の構造物を観察した. これらの封入体の電顕像は, 肝癌に関連するヘパドナウイルスの封入体の形態と異なっていた. また, ヘパドナウイルス様の粒子も認められなかった.
著者
野村 理朗 野村 靖幸
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究課題は、認知科学領域において関心の高まっている「衝動性」という心理行動的現象の制御メカニズムについて、脳領域間の情報伝達を担うセロトニンの機能、およびこれを調節する遺伝子の塩基配列の個人差(遺伝子多型: gene polymorphism)に着目し、その個人差に関わる包括的な視点から、衝動的行動の制御メカニズムを明らかにした。具体的には、行動実験、脳機能計測、遺伝子解析により基盤となる脳内機構、およびこれへのセロトニントランスポータ、セロトニン2A受容体遺伝子多型の影響を示すとともに、こうした制御機構の基盤としての前頭前野腹外側部の関与を明らかにした。
著者
須賀 哲弥 力久 忠昭 山内 盛 吉田 武美 三澤 美和 永井 恒司 富岡 清 鮫島 啓二郎 佐用 博照 三輪 亮寿 三川 潮 首藤 紘一 北澤 式文 辻 章夫 寺尾 允男 粟津 荘司 野村 靖幸 狐塚 寛 濱田 昭
出版者
東京薬科大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1991

1.薬学はpharamaceutical sciencesと言われる通り多くの分野の学術の複合または総合とみられ、したがって各境界領域もまた多数にのぼっていて、学術擁護に多くの問題をかかえている。このため、当面薬学全域を8分野((1)衛生化学・裁判化学・公衆衛生学・微生物学・香粧品学、(2)薬理学(関連する医学)・臨床生理学・代謝学・毒性学、(3)薬事法規と関連分野、(4)調剤業務・薬品処理・処方箋と関係分野、(5)薬剤学・調剤学・薬剤製造学・製剤工学・臨床薬学(臨床薬剤学)、(6)生薬学・天然物化学・薬化学・物理化学、(7)分析化学・分析機器(試験法も)、(8)薬局法と関係分野(局法収載品名・測定法名・試薬名等)に分け、各分野に研究総括者と分野統括者を置き、その他に多数のチェッカーを置いて、新語、従来と同一語の他、カナ書き用語、略語で汎用されている語等々問題のある学術用語の収集に総力を傾注して遺漏なきを期した。2.初年度は基本方針を立て、基礎データの収集を行い、2年度は薬学会方式の、一語一語に評点をつけて重要度を客観的に評価する方式を十分活用して、基礎データを増やしながら、現に使用される度合いの低いものを減らして、現在の薬学用語集とした。これにつき日本薬学会の年会時等の折りを利用して広く意見を聞きコンセンサスを得たものとした。3.領域間の調整は、特に青戸邦天氏(学術情報センター)のお手を患わせて精細なチェックデータを得、これに基づき十分時間をかけて検討し、領域別による語義の差、用法の差などを番号によって区分し、標準化を明晰な形で行うことを心掛けた。4.以上のようにして、標準化された約8000語の薬学用語を選定した。
著者
大熊 康修 細井 徹 野村 靖幸
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.127, no.1, pp.25-31, 2006-01-01

肥満遺伝子産物であるレプチン(leptin)は,摂食抑制作用やエネルギー消費の亢進を惹起して肥満の進展を制御している.このレプチンの作用はOB-Rb受容体とそれに続く転写因子signal transducer and activator of transcription 3(STAT3)の活性化を介しているとされている.一方最近,レプチンは,感染あるいは炎症に関与していることが示唆された.末梢性炎症反応は,interleukin(IL)-1&beta;,IL-6やTNF&alpha;の発現,発熱,睡眠,摂食抑制などを惹起する.これらの脳への伝達経路の一つとして,求心性神経を介する系の存在が示唆されているが,今回求心性迷走神経を直接電気刺激することでその関与について直接の証明を得た.一方,レプチンを静脈内に投与後,脳でIL-1&beta;の発現誘導が認められたことから,末梢性炎症反応時における脳内サイトカイン産生にレプチンが関与している可能性が示唆された.このレプチンの脳内IL-1&beta;誘導作用は求心性迷走神経とは独立した系で誘導すると考えられた.また,<i>db/db</i>マウス(レプチンOb-Rb受容体変異肥満モデルマウス)を用いた解析から,レプチンによる脳内IL-1&beta;の産生はSTAT3活性化非依存的に,ショートアイソフォームレプチン受容体を介して誘導されることが示唆された.さらに,Ob-Rb受容体を介したSTAT3の活性化を指標にレプチンの脳内作用部位を検討した結果,従来から知られている視床下部に加え脳幹部もレプチンの作用点である可能性を示した.最近,platelet-derived growth factor(PDGF)によるSTAT3の活性化にDouble-stranded RNA-activated protein kinase(PKR)が関与していることが報告された.そこで,レプチンOb-Rb受容体の細胞内情報伝達における,PKRの関与の可能性について検討した.PKRの阻害薬2-aminopurine(2-AP)を用いて検討したところ,2-APはPKRを介さずにレプチンの下流のシグナルを抑制した.したがって,PDGFとレプチンではSTAT3活性化の機構が異なること,また,2-APはレプチンなどが関係する一部の癌治療の基礎的資料を提供することが期待された.<br>
著者
野村 靖幸 大熊 康修 高橋 良輔 金子 雅幸 友部 浩二 篠塚 達雄 出雲 信夫 殿岡 啓子 浜名 洋
出版者
横浜薬科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

HRD1は小胞体の変性タンパク質の分解を促進し、アルツハイマー病の原因タンパク質アミロイドβの前駆体APPを基質とする。本研究では、アルツハイマー病患者脳においてHRD1が酸化ストレスにより不溶化することで減少する可能性を示した。また、HRD1と類似した新規の酵素について、Aβの産生に関与するものを新たに見出した。さらに、タンパク質の凝集を阻害することで、パーキンソン病に関連したタンパク質の蓄積を防ぐ薬物を作成した。
著者
白水 博 野村 靖夫
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.45-51, 1997-02

バンドウイルカ(Tursiops truncatus)の2例に接合菌症(Zygomycosis)が発生した。2例とも主症状は, 元気消失, 食欲低下, 湿性雑音を伴う努力呼吸であった。臨床病理学的検査では, 好中球の増加とγ-グロブリン値の上昇がみられた。症例1には, 喉頭を狭窄する鶏卵大腫瘤と気管気管支リンパ節の腫大, 症例2には, 肺と気管に散在する黄白色病巣と気管気管支リンパ節の腫大が認められた。これらの病変部には, 隔壁が乏しく, 直角に分岐する傾向を示し, 太さが一定でない真菌が無数に存在することから, 接合菌症(zygomycosis)と診断された。