著者
山口 修平 小野田 慶一 高吉 宏幸 川越 敏和
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.60-66, 2019 (Released:2020-05-22)
参考文献数
29

【要旨】アパシーは動機づけが欠如し目的指向活動の減少した状態とみなされ、臨床的には意欲低下あるいは自発性低下として観察される。アパシーでは、報酬獲得のための行動オプションの生起、オプションの選択、動機づけに関連した覚醒反応、負荷と報酬の関連の評価など、認知モデルのさまざまな段階において障害が生じている可能性がある。近年、コンピューターによるそのモデル解析も可能となってきた。脳卒中、軽度認知障害、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病などで、アパシーは高頻度に出現する症状である。その病巣部位、脳血流、脳機能画像等による解析から、内側および外側前頭前野、腹側線条体、辺縁系、中脳腹側被蓋野を含む神経ネットワークの破綻がアパシーに関与することが推定されている。アパシーの評価には主観的あるいは他者による評価スケールが使用される事が多いが、脳活動を直接記録する事象関連電位による評価も適切な認知課題を設定することで可能となってきた。アパシーはうつと合併する事があるが、臨床的に区別をする事が必要であり、その両者は基盤となる神経機構に相違があることが、機能的MRIや拡散テンソル画像などの手法によって明らかにされている。アパシーの治療に関しては神経薬理学的な研究が進展している。神経伝達物質との関連では、動機づけあるいは報酬志向性にドパミンとセロトニンの交互作用が重要であり、その研究成果が薬物治療の確立に貢献することが期待される。
著者
野田 拓斗 坂本 理々子 佐々木 誠
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.421-424, 2020 (Released:2020-06-20)
参考文献数
13

〔目的〕身体活動量の多さが運動耐容能の高さや運動後の心拍数の回復過程(Heart Rate Recovery:HRR)に影響するかを明らかにすること.〔対象と方法〕健常学生18名を対象に身体活動測定器を着用させ,身体活動指標として運動量,歩数を求めた.また,運動負荷試験を実施し,最高酸素摂取量(peakVO2/kg),運動終了後5分まで1分ごとに心拍数の回復値を測定し,運動量,歩数との相関関係の検討を行った.〔結果〕身体活動指標とpeakVO2/kgとの間に相関関係はなかった.運動量とHRRの間には相関関係がなかったが,歩数とHRRとの間には相関関係があった.〔結語〕身体活動量は運動耐容能と関連しないこと,身体活動指標のうち,運動強度を反映する運動量はHRRと関係しないが,運動強度を反映しない歩数がHRRの早さに寄与していることが示唆された.

1 0 0 0 OA 教育写真画帖

著者
野田勘碧洋 編
出版者
大正敬神会
巻号頁・発行日
vol.第1輯 上野動物園之部 上巻, 1922
著者
小野田 みつ子
出版者
The Crystallographic Society of Japan
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.347-357, 1997-10-30 (Released:2010-09-30)
参考文献数
40

Many kinds of complicated crystal structures have appeared in the transition metal sulfide system. Simulation by the matrix method could explain the diffuse scattering observed in nonstoichiometric titanium sulfides with stacking faults, in Ti1.42S2 with short-range order of Ti vacancies, and in some channel-type composite crystals such as Ba0.7Cr2S3.7 with two-directional disorder of positions of filling columns. Crystal structures of incommensurate layered composite crystal (PbS) 1.12VS2, columnar composite crystals Ba10/9Fe2S4 and Ba9/8Fe2S4, and incommensurate columnar composite crystals SrxTiS3 (x=1.1-1.2) were successfully analyzed based on the superspace group approach.
著者
木野田 典保
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.97-104, 2008 (Released:2008-04-05)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

本研究の目的は脳卒中片麻痺例において,どのようなボディイメージがみられるかを確認することである。脳卒中片麻痺7例に対し半構造化面接を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。得られたインタビューデータより定義付け,概念化を試みると「身体の不明瞭な感覚」,「感じられる異常感覚」,「動作の拠りどころとなる感覚」,「動作上達の要件」という4項目があがった。また,生成した概念とカテゴリーの関係を検討して結果図を作成し,分析における全体像を表した。結果,脳卒中片麻痺例にみられるボディイメージの障害構造の一端を表している可能性を示唆した。今後,ボディイメージに関する評価を確立する上でも質的研究が大きな役割を果たすものと期待される。
著者
野田 雅博 山下 秀之 佐藤 多津雄
出版者
日本獸医師会
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.174-179, 1988 (Released:2011-03-05)
著者
野田 雅博 山下 秀之 佐藤 多津雄 中西 英三 千田 広文
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.174-179, 1988
被引用文献数
1 1

逆性石けん系1種, 両性石けん系1種, ヨウ素系1種, クロロフェノール系1種, オルソジクロールベンゼン・クレゾール系1種, 塩素系2種, アルデヒド系4種, アルコール系1種の計12種の消毒薬の殺ウイルス効果を, DNAウイルスの牛ヘルペスウイルス1型, ワクシニアウイルスおよび犬アデノウイルスの3種, RNAウイルスの鶏ニューカッスル病ウイルス, 牛エンテロウイルスおよび牛ロタウイルスの3種を用い, 血清蛋白質の非存在および存在の条件下で試験した.<BR>塩素系および一部のアルデヒド系消毒薬はすべてのウイルスに対し有効であった. 逆性石けん系, 両姓石けん系, クロロフェノール系, オルソジクロールベンゼン・クレゾール系および一部のアルデヒド系消毒薬はエンベロープを有するDNA, RNAウイルスに対し, さらにクロロフェノール系, オルソジクロールベンゼン・クレゾール系および一部のアルデヒド系消毒薬はエソベロープを欠く一部のDNAウィルスに対し有効であった.<BR>血清蛋白質の存在は, 逆性石けん系および両性石けん系消毒薬の殺ウイルス効果に強く影響した.
著者
野田 伸司 渡辺 実 山田 不二造 藤本 進
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.355-366, 1981
被引用文献数
3 4

親水性ウイルス (エンテロウイルス) および親油脂性ウイルス (アデノおよび被エンベロープウイルス) の合計11種類のウイルスに対する, メタノール, エタノール, イソプロパノールおよびN-プロパノールの不活化作用を検討した.<BR>エンテロウイルスはメタノールによつて最も強い不活化作用を受け, 次いでエタノールであつた. イソプロパノールによつては, AHCウイルスが長時間の感作でわずかに不活化されるのを除き, 他のウイルスは全く不活化を受けなかつた.<BR>親油脂性ウイルスの中, 被エンベロープウイルスはN・プロパノールによつて最も強い不活化を受け, 次いでイソプロパノール, エタノール, メタノールの順であつた. これに対し, アデノウイルスはエンベロープゥイルスと同様にN-プロパノールによつて最も強い不活化を受けるが, その他のアルコール類に対する感受性は大きく異なり, 以下メタノール, エタノール, イソプロパノールの順に不活化効果が示された. アデノウィルスにおいては, 特にエタノールに対する抵抗性の強さおよび20℃ においてはイソプロパノールによりほとんど不活化を受けないことが注目された.<BR>エンテロウイルス中のAHCウイルスおよび親油脂性ウィルス中のアデノウイルスを除外すると, 全体的な傾向として, エンテロウイルスは炭素数の少いアルコール類, 親油脂性ウイルスはこれと反対に炭素数の大きいアルコール類により, 不活化を受け易い傾向が認められた.

1 0 0 0 OA 霊妙術伝書

著者
野田為憲 編
出版者
野田為憲
巻号頁・発行日
1917
著者
清水 渉 小山 卓 山田 優子 岡村 英夫 野田 崇 里見 和浩 須山 和弘 相原 直彦 鎌倉 史郎
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.392-396, 2009

QT短縮症候群(SQTS)は,器質的心疾患をもたないにもかかわらずQT時間が修正QT(QTc)時間で300~320msec未満と短く,心室細動(VF)から突然死を発症する症候群である.当院で有症候性のSQTS症例を4例経験した.全例男性で,3例でVFが確認され,1例では失神発作を認めた.12誘導心電図上,安静時QTc時間は平均327msecと短縮しており,全例で後壁および/または下壁誘導でスラー型またはノッチ型のJ波(早期再分極)を認めた.加算平均心電図では全例で遅延電位は認めず,電気生理学的検査を施行した2例では,いずれも右室の有効不応期は短縮していたが,VFは誘発されなかった.薬物負荷試験では,クラスIII群のニフェカラントとクラスIa群のジソピラミドの静注,およびキニジンの内服でQTc時間の延長を認めた.先天性QT延長症候群の原因遺伝子(LQT1,2,3,5,6,7)上に変異は認めなかった.全例で植込み型除細動器(ICD)が植込まれ,1例で3ヵ月後にVFの再発を認めた.
著者
原田 康夫 夜陣 紘治 平川 勝洋 中田 将風 竹林 脩文 築家 大介 黒川 道徳 村上 譲 菊屋 義則 野田 益弘 二宮 優子 笹 征史
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.161-172, 1986-01-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Patients with pharyngitis and tonsillitis were studied in a randomized double-blind trial to compare the clinical usefulness of MK212G and Isodine gargle.1. Of the 71 patients treated with MK212G or Isodine gargle, four were excluded because they were out of protocol. The results in the remaining 32 patients treated with MK212G and 35 patients treated with Isodine gargle were analyzed statistically.2. MK212G was effective in 93.8% and Isodine gargle in 85.7%, not a statistically significant difference (x2=3.807 N.S.).3. In the MK212G group, one patient complained of oral discomfort and in the Isodine gargle group, two patients had mild nausea and one had vomitting. The difference was not statistically significant (x2=1.165 N. S.).4. MK212G was considered to be clinically useful in 87.51% and Isodine gargle in 82.86%, not a statistically significant difference (x2=0.410 N. S.).5. The above results suggest that MK212G is as useful as Isodine gargle in the treatment of pharyngitis and tonsillitis.
著者
小野田 滋
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.113-124, 2001-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
50
被引用文献数
1

Introduction of reinforced concrete was a very important turning point in the history of elevated railway viaducts in Japan. Dr. Mikishi Abe (1883-1965) was one of the key persons to spread this technology. He entered Government Railways after graduating from the Department of Civil Engineering, Sapporo Agricultural College, in 1905, and went to lllinois University to study the newest technology about reinforced concrete. He returned to Government Railways from the U. S. in 1914, and designed the widest span arch bridge made by reinforced concrete in Japan. But his name was well known only in the architectural field before he became independent as an architect in 1920. Therefore, this report describes his achievement in the civil engineering field and his role as a civil engineer. From the results of this study, it is clear that he made an important contribution to the development of elevated railway viaducts.
著者
野田 稲吉
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
鉱物学雜誌 (ISSN:04541146)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1-2, pp.1-13, 1964-11-30 (Released:2009-08-11)
参考文献数
22