著者
武居 周 室谷 浩平 吉村 忍 金山 寛
出版者
Japan Society for Simulation Technology
雑誌
日本シミュレーション学会論文誌 (ISSN:18835031)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.81-95, 2012 (Released:2012-12-15)
参考文献数
27
被引用文献数
3

This paper describes a method of making mesh models for large-scale full-wave analysis of electromagnetic fields by the finite element method with an iterative domain decomposition method using numerical human body models. Numerical human body models by National Institute of Information and Communications Technology (NICT) composed by the voxel data with all sides of 2mm include skins, blood vessels, bones etc. and internal organs distinguishing with the material flag. The user can evaluate electromagnetic filed distribution inside the body using NICT numerical human models. A stationary vector wave equation for the 3D full-wave electromagnetic field analysis is solved taking an electric field as an unknown function. The mesh is efficiently divided by using the domain decomposition data structure when elements of 200 million or more are generated from the voxel data of NICT numerical human body models. The mesh generation method corresponds to a past 32-bit I/O library in the ADVENTURE System. Numerical analyses are done using torso models and whole body models. The results prove that our method can precisely predict the distribution of the electromagnetic field in human bodies inside.
著者
金田 千秋
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.1-11, 1995-03-31 (Released:2017-05-22)

The aim of this paper is to answer the following question about the first part of Immanuel Kant's "Critique of Judgement". Is it possible to understand the three successive paragraphs, the 16th, 17th and the 18th, as working as a unit? In other words, is it possible for us to discover a right viewpoint, from which these three paragraphs are regarded as controlled by a common theoretical motivation? I do answer in the affirmative. The Ideal of Beauty (§ 17), in my opinion, is no more and no less than an a-priori condition, on which the truth or falsity of an aesthetical judgement is (ideally) determined. This a-priori condition has two aspects, just as determination in general does. On the one hand this condition makes it possible for us to negate (ideally) the opponent judgement (§ 16). On the other it affords us a right to make a statement of taste in the mode of postulation, that is, in the mode of necessity (§ 18). In this way those three paragraphs are coordinated.
著者
古島 終作 金井 理 高橋 秀智
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.969-974, 1993-06-05 (Released:2009-07-23)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究の結論は以下のようにまとめられる.(1) 手書きの線画の位相情報と幾何情報をもとに, 1枚の線画中で左右対称な頂点と曲線の対応付けと, 2線画間で同一な頂点と曲線の対応付けを自動的に行う手法を提案した。(2) 2次元曲線と3次元曲線との透視変換の関係が明らかである有理Bézier曲線の性質を用いて, 左右対称又は2線画間で対応付けられた2次元曲線を表わす点列から, その点列と投影された曲線との距離が投影面上で最小になる3次元有理Bézier曲線を直接計算する手法を提案した.(3) (1), (2) の手法を統合し, 容易かっ高速に手書きの線画から3次元自由曲線モデルを生成できるシステムを開発し, 手法の有効性を確認した.なお, 本研究は東京工業大学工学部知能化機械研究設備を用いて行われた.
著者
中村 太士 中村 隆俊 渡辺 修 山田 浩之 仲川 泰則 金子 正美 吉村 暢彦 渡辺 綱男
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.129-143, 2003
参考文献数
33
被引用文献数
6

釧路湿原の多様な生態系は, 様々な人為的影響を受けて, 劣化ならびに消失しつつある. 大きな変化である湿原の樹林化は, 流域上地利用に伴う汚濁負荷の累積的影響によって起こっていると推測される. 汚濁負荷のうち特に懸濁態の微細粒子成分(ウォッシュロード)は, 浮遊砂量全体の約95%にのぼる. 既存研究より, 直線化された河道である明渠排水路末端(湿原流入部)で河床が上昇し濁水が自然堤防を乗り越えて氾濫していることが明らかになっている. Cs-137による解析から, 細粒砂堆積スピードは自然蛇行河川の約3〜8倍にのぼり, 湿原内地下水位の相対的低下と土壌の富栄養化を招いている. その結果, 湿原の周辺部から樹林化が進行しており,木本群落の急激な拡大が問題になっている. また, 東部3湖沼の中でも達吉武沼流域では, 土壌侵食ならびに栄養足負荷の流入による達吉武沼の土砂堆積, 水質悪化が確認されており, 水生生物の種数低下が既存研究によって指摘されている.ここではNPO法人トラストサルン釧路と協働で, 自然環境漬報の集約にもとづく保全地域,再生地域の抽出を実施している. また, 伐採予定だったカラマツ人工林を買い取り, 皆伐による汚濁負荷の流出を防止し自然林再生に向けて検討をすすめている. 湿原南部には1960年代に農地開発されたあと, 放棄された地区も点在しており,広里地域もその一つである. この地域は国立公園の最も規制の緩い普通地域に位置しており, 湿原再生のために用地取得された. ここではタンチョウの1つがいが営巣・繁殖しており, 監視による最大限の注意を払いながら, 事前調査結果にもとづく地盤据り下げならびに播種実験が開始されている. 釧路湿原の保全対策として筆者らが考えていることは,受動的自然復元の原則であり, 生態系の回復を妨げている人為的要因を取り除き, 自然がみずから蘇るのを得つ方法を優先することである. さらに, 現在残っている貴重な自然の抽出とその保護を優先し可能な限り隣接地において劣化した生態系を復元し広い面積の健全で自律した生態系が残るようにしたい. そのために必要な自然環境情報図も環境省によって現在構築されつつあり, 地域を指定すれば空間的串刺し検索が可能なGISデータベースがインターネットによって公開される予定である.
著者
中野 節子 今井 美智子 小金丸 智子 原 邦子 上田 信子 堤 康英 大山 正則 入田 美子 清川 博之 前田 義章
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血学会雑誌 (ISSN:05461448)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.612-616, 1995 (Released:2010-03-12)
参考文献数
8

Three apheresis systems (COBE Sprectra, Fenwal CS-3000 plus and Haemonetics MCS) were compared with regard to white cell (WBC) content (n=9 each) in the apheresis chamber on plateletpheresis of 10 units (range, 2-3×1011). Average WBC content in the residual blood in Sprectra, CS-3000 plus and MCS was 6.65×108 (70% of lymphocytes), 3.98×108 (77% of lymphocytes) and 2.21×108 (41% of lymphocytes) WBCs, respectively.Apheresis donors experiencing 12 plateletpheresis procedures per year, the maximum allowed, will sustain a 56.4×108 lymphocyte loss when Spectra, designoed to collect WBC-poor platelet concentrates, is used.The annual loss of lymphocytes in males and females would be 2.5 and 3.7 times, that by whole blood donation. Recently developed respectively, cell separators have been improved to decrease WBC contamination. However, close attention should be paid to WBC content in residual blood in the apheresis chamber.
著者
金 知榮
出版者
The Kantoh Sociological Society
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.25, pp.49-60, 2012-09-10 (Released:2015-06-12)
参考文献数
33

This paper aims to delve into the process of the “Zainichization” of “Zainichi Koreans” in the 1980s through the problem of employment as a “Zainichi Korean.” The reason why I focus on the issue of employment is that it is an important factor for the second generation of “Zainichi Koreans” to live in Japan as a permanent resident. It is also an indicator of integration into Japanese society. To analyze the employment problem, I used interview data and articles from famous “Zainichi Koreans” magazines such as the “Sanzenri” and “Uri-seikatsu” which were published in 1980s. I scrutinized this data into the two aspects of “personal effort” and “generation gap.” The most definite finding of this study is that attempting to get a job was not only an “individual practice” for “Zainichi Koreans” but also a “structural practice” which helped to build a bridge between Japanese society and “Zainichi Koreans.”
著者
金井 文宏 庄田 祐樹 橋田 啓佑 吉岡 克成 松本 勉
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.2275-2288, 2015-12-15

スマートフォン向けOSとしてAndroidが広く用いられている一方で,それを狙ったマルウェアの数も増加している.Androidマルウェアの中には,リパッケージと呼ばれる手法を用いて,正規アプリの中に悪性コードを追加することで作成されたものが多く存在する.攻撃者がリパッケージマルウェアを大量に作成する際には,リパッケージ処理の自動化が必須であると考えられるが,自動リパッケージの実態や対策については,十分な調査・検討が行われていない.そこで我々は,既存の正規アプリが自動リパッケージに対して,どの程度の耐性を有するかを検証する.まず,実際のリパッケージマルウェアの解析を行うことで,リパッケージの方法を特定し,自動リパッケージを再現するスクリプトを作成する.次に,このスクリプトによって,複数の正規アプリに対して,外部と通信を行う機能だけを持つ検証用コードを挿入する.作成したリパッケージ済みアプリを動的解析して,挿入した検証用コードが正常に動作するかどうかを検証する.その結果,自動リパッケージの手法により成功率に差がみられるものの,評価対象としたアプリの7~9割において,挿入した検証用コードが正常に動作し,なおかつ起動時の動作が変化しないことを示す.さらに,ユーザによるインストール数が5,000万件を超える33種類のアプリにおいて,アプリの持つ基本的な機能がリパッケージ後にも保持されるかを確認し,87.9%にあたる29種類のアプリにおいて機能が保持されていることを示す.この実験において挿入した検証用コードを,悪性のコードに変更した場合でも,同様の方法で自動リパッケージが可能であることが予想される.以上より,現状のAndroidアプリの多くは自動リパッケージへの耐性が不十分であり,耐タンパ技術などを用いたリパッケージ対策が必要であることが分かる.
著者
金澤 伸浩 田中 豊 小山 浩一 内藤 博敬 伊川 美保 中山 由美子
出版者
一般社団法人日本リスク学会
雑誌
日本リスク研究学会誌 (ISSN:09155465)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.243-249, 2020-05-25 (Released:2020-05-26)
参考文献数
35

It is required to make risk education popular to improve risk literacy of citizens. Although several kinds of risk education programs have been developed, the effect of the education by those should be evaluated and the method to measure risk literacy was not established. Therefore, measurement scales of the risk literacy have been developed through web-based questionnaire research. As the result, measurement scales have been established consisting of six factors; zero-risk bias, trade-off on risk versus benefit, trade-off on risk versus risk, paradox on risk perception, basic knowledge on risk and risk perception bias. The scales consisted of four questions for each factor express the factors well. The scales are thought to be useful for improving risk education program and risk communication.
著者
佐藤 智 金田 敏和 石神 暁郎 周藤 将司 緒方 英彦
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会誌 (ISSN:18822770)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.117-120,a2, 2013 (Released:2020-01-10)
参考文献数
4

積雪寒冷地において農業水利施設の機能診断を行う際には,凍結融解作用に着目する必要がある。農業水利施設の多くを占める鉄筋コンクリート製開水路では,凍害による側壁の表面変状と内部変状が異なる形態であることが知られている。水路側壁の断面観察の結果,凍害劣化した開水路の側壁内部に発生するひび割れは必ずしも連続したものではなく,多数のひび割れが不規則に発生していることを明らかにした。また,側壁の方角,背面の土地勾配,積雪状況,融雪水の供給状況,ひび割れが発生した目地,側壁の雨水滲出箇所,天端のスケーリング,表面ひび割れの分布などから凍害発生箇所を目視調査のみで推定できることを明らかにした。
著者
原 雅子 Masako Hara 千里金蘭大学 生活科学部 児童学科
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-9,

古典文学は新たな文学の典拠として援用され、時に飛躍転換し姿を変え文学として人を魅了する。古典は連続しつつ不連続に様々なジャンルの文学の中に糸を紡いできているといえる。古典文学と古典語を生かした現代絵画、現代の歌を掲げ底流に在る古典との意味を追求するものである。
著者
原 雅子 Masako Hara 千里金蘭大学 生活科学部 児童学科
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-9,

古典文学は新たな文学の典拠として援用され、時に飛躍転換し姿を変え文学として人を魅了する。古典は連続しつつ不連続に様々なジャンルの文学の中に糸を紡いできているといえる。古典文学と古典語を生かした現代絵画、現代の歌を掲げ底流に在る古典との意味を追求するものである。
著者
金澤 泰斗 久保田 耕平
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第125回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.179, 2014 (Released:2014-07-16)

【目的】関東平野において自然度の高い森林に局所的に分布しているコシビロダンゴムシ科等脚類のうち、従来トウキョウコシビロダンゴムシとされてきた個体群について遺伝子解析と形態解析を行い、その多様性の実態を明らかにする。【方法】関東平野の38地点で採集したコシビロダンゴムシ類について形態を観察し、従来識別形質とされてきた雄第一腹肢外肢については楕円フーリエ記述子を用いて定量解析を行った。また、ミトコンドリア遺伝子COI領域の配列を決定し、種内及び近縁他種との系統関係を解析した。【結果】遺伝子解析の結果、従来トウキョウコシビロダンゴムシとされてきたものの中に遺伝的に大きく異なる2系統が存在することがわかった。この2系統は雄第一腹肢外肢の形態に明確な差は見られなかったが、背板側縁部の体色によって区別された。2系統が同所に共存する地点は確認されず、生殖干渉などにより排他的な分布となっていると考えられ、両者が遺伝的にも形態的にも分化した別種であることが推定された。また、2系統間で採集地点の標高に有意な差が見られ、それぞれの分布が生息地の環境の違いや地史的背景を反映している可能性が示唆された。
著者
金 釆洙
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.177-207, 2004-01-31

湾岸戦争以降、世界の情勢はアメリカ中心になりつつある。EC(ヨーロッパ共同体)は、世界の情勢がアメリカ中心になっていくことを防ぐ方法としてEU(ヨーロッパ連合)に転換してきた。しかし、東アジア地域の国々は二十世紀のナショナリズムに縛られ、アメリカやヨーロッパの動きに対応できるような連帯形態を作れないのが現状である。
著者
金 ヒョン兌 田辺 新一 岡田 厚太郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.75, no.654, pp.713-720, 2010-08-30 (Released:2010-10-08)
参考文献数
18
被引用文献数
5 5

Phthalates are used as plasticizers and flame retardants in building materials and phthalates emitted in indoor environment tend to adhere to house dust. According to Wensing, infants take dust 10times as adults, so an investigation on the concentration of phthalates in house dust is important. This study examined the concentration of phthalate in house dust in Japan and Korea. Specially, Korea house much used polyvinyl flooring as floor product and also used floor heating system during the winter. As a result, the amount of the collected dust per square meter in Japan house was more than the one in Korea house. In addition, the amount of house dust in Japan was more than the one in Korea house, even in under dust 63μm. And the concentration of DEHP in the houses investigated in Korea was higher than 50 percentile in Germany and some Korea houses were higher than 95 percentile in Germany. Japan houses investigated had lower concentration of DEHP in house dust than 95 percentile in Germany, and some house in Japan were lower than 50 percentile in Germany.
著者
長谷川 正哉 大塚 彰 金井 秀作 沖 貞明
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.71-74, 2007-01-01 (Released:2010-02-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1

靴が原因と考えられる足趾および足部の障害が多発しており, 予防法として足趾の運動が重要であることが報告されている. 本研究では足趾MP関節運動および内側縦アーチの運動, 足部内在筋の筋活動を促進させるためのトレーニングシューズの開発を目的に実験を行った. 実験1では, 裸足, 足趾トレーニングシューズ, 足甲固定サンダルの条件下に, 10m歩行中のMP関節および内側縦アーチの角度変化を計測した. その結果, 今回試作した足趾トレーニングシューズ着用下におけるMP関節運動および内側縦アーチ角度の変化が足甲固定サンダルより増大し, 裸足に近似した関節運動が発生することが確認された. 実験2では, 同様の条件下にて, 母趾外転筋における筋電活動を計測した. その結果, 裸足歩行時および足甲固定サンダルと比較し, 足趾トレーニングシューズにおける筋電活動が増加した. 実験結果より, 今回試作した足趾トレーニングシューズの特徴として, 十分な足趾関節運動が発生し, 足部内在筋の筋電活動を増大させることが確認された.