著者
原田 和則 三隅 厚信 三隅 克毅 馬場 憲一郎 跡部 安則 近藤 浩幸 前野 正伸 本明 宜彦 金光 徹二 赤木 正信
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.965-969, 1987-04-01
被引用文献数
11 13

胃上部癌の外科的治療における噴門側胃切除 (噴切) か胃全摘 (全摘) かの術式の選択について, 両術式間の術後機能障害の比較検討を目的として, 術後の満足度, 術後愁訴, 脂肪消化吸収試験, 消化管ホルモンの成績などから考察を加えた. 脂肪消化吸収試験, 術後の栄養障害, 消化管ホルモンの面からは噴切が全摘に比べ, また全摘では間置術が Roux-Y 術に比べて良好であった. 胃上部癌の外科治療においては, 十分に根治性が得られる範囲内で切除線を決定することが前提条件であり, 根治性を第一義的に考えて術式の選択をすべきである. その際, 根治性が保たれ残胃を大きく残すことが出来る場合には噴切適応の意義があると考えられた.
著者
岡部 聡 中島 和美 金子 慶虎 竹村 克二 五関 謹秀 遠藤 光夫 大橋 健一 神山 隆一 春日 孟
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.401-407, 1987
被引用文献数
16 14

直腸肛門部原発悪性黒色腫の1例を経験したので本邦報告137例を加え,診断と治療上の問題点を中心に検討した.症例は47歳女性,肛門部腫瘤の擦過細胞診により悪性黒色腫と診断し,腹会陰式直腸切断術(以下,APRと略す)さらに免疫化学内分泌療法を施行したが術後22カ月目に脳転移により死亡した.報告例を加えて検討した結果,診断については,(1)肛門出血を訴えるものが最も多く病悩期間は平均11カ月であった.(2)好発年齢は男女とも60歳台であり,男女比は1:1.83と女性に多かった.(3)本症の半数以上が直腸肛門移行部から発生しており,多発病変がみられたのは全体の23%であった,また(1)腫瘍最大径が5cm以上(2)壁深達度がss(a1)以上(3)肉眼的には潰瘍形成を伴う2または3型が1型よりも予後不良であった.早期診断,両側鼠径リンパ節郭清を伴うAPRと適切な抗癌剤等の投与による補助療法を行うことが本症の治療成績を向上させる上で必要であろう.
著者
金子 哲也 飯塚 尚司 景山 一郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2005, no.7, pp.301-302, 2005-09-18

An articulated bus plays an important role as a medium transportation vehicle in cities. This can be attributed to its high mobility and its ability to bend at its connection with a small revolution radius. This paper proposes a steering control strategy for articulated buses equipped with an all-wheel steering system to eliminate off-tracking. In this system, the center of each axle passes through the same locus, which is similar to the operation of trains. This control system was validated by means of a numerical simulation using a vehicle dynamics model and some experiments with scaled model vehicles.
著者
金田 茂 池田 大造 川上 博 品川 準輝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.31, pp.67-71, 2008-05-08

携帯電話を始めとするパーソナルな通信デバイスの普及により,従来のあらゆるユーザを対象としたマス向けの情報配信ではなく,ユーザの属性や位置に応じ特定の個人やセグメントに対する情報配信が可能になりつつある.また,効率を高めるためにターゲットを絞った広告配信の方法として,ユーザの属性や位置に応じたプッシュ型の広告配信のニーズが高まっている.本論では,このような情報配信を用いたサービスを実現するために,ネットワークシステムや端末の負荷,プライバシなどの観点から,実現方式に求められる条件を明らかにする.更に,複数の方式を比較し,解決すべき課題を明らかにすると共に解決策について考察した結果を述べる.
著者
金出 武雄 蚊野 浩 木村 茂 川村 英二 吉田 收志 織田 和夫
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.261-267, 1997-03-15
被引用文献数
15 5

A video-rate stereo machine has been developed at Carnegie Mellon University with the capability of generating a dense range map, aligned with an intensity image, at the video rate. The target performance of the CMU videorate stereo machine is: 1) multi image input of 6 cameras; 2) high throughput of 30 million point×disparity measurment per second; 3) high frame rate of 30 [frame/sec] ; 4) a dense depth map of 240×256; 5) disparity search range of up to 60 [pixel] ; 6) high precision of up to 8 [bits] (with interpolation) ; 7) uncertainty estimation available for each pixel. The stereo machine is based on a multi-baseline stereo method. The basic theory requires some extensions to allow for parallel, low-cost, high-speed machine implementation. The three major ones are: 1) the use of small integers for image data representation: 2) the use of absolute values instead of squares in the SSD computation (SAD instead of SSD) ; and 3) camera geometry compensation capability for precise camera alignment. The stereo machine successfully generates disparity map of 200×200 with 23 steps of disparity search range in the video rate.
著者
東森 充 内海 圭祐 大本 康隆 金子 真
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.74, no.743, pp.1825-1833, 2008-07-25

This paper discusses a dynamic manipulation of an object on a plate attached at the tip of manipulator, where the basic concept is inspired by a handling mechanism of pizza master. Both the position and the orientation of object are dynamically controlled by the plate. The main driving force for manipulating the object is produced by the combination of inertial and frictional forces generated by one rotational and one translational motion of the plate. We first discuss how to make motions of object for three degrees of freedom on the plate. We then show that it is guaranteed to achieve an arbitrary set of desired position and orientation of object by the proposed manipulation scheme. Finally, we show a couple of experiments for confirming the basic idea by using a high-speed manipulator with an assistance of vision.
著者
金倉 忠之
出版者
北見工業大学
雑誌
人間科學研究
巻号頁・発行日
vol.4, pp.131-147, 2008-03

This paper examines the countermeasure against the national development policy of the concentration in Tokyo. In the 5th Comprehensive National Development Plan, the policy of renovating large cities was set forth for the first time. The Plan needed the logic that raising vital power of Tokyo area would affect local areas. This logic is the regional edition of trickle-down theory. Its typical project is the Project of Renovating Cities. The policy based on the trickle-down theory is enlarging the income inequality and regional differentials.
著者
金子 寛人 磯 修
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.637, pp.22-26, 2011-11-14

2011年冬〜2012年春に発売予定のスマートフォンを大手携帯電話事業者各社が発表した。従来モデルより通信速度が大幅に向上しているほか、テザリング対応端末の増加、音声通話が定額でかけ放題となるサービスの導入など、新たなサービスも登場している。各社の主要モデルを取り上げ、特徴を紹介する。
著者
金子 寛人
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.645, pp.52-61, 2012-03-12

外出先でスマートフォンやパソコンを使う上で欠かせないモバイル通信。最近その環境が、急速に進化している。100Mbpsクラスの高速サービスが始まることに加え、スマートフォンを使ったテザリングも普及。公衆無線LANのアクセスポイントも一挙に広がっている。最新サービスを使いこなし、モバイル通信をもっと快適にしよう。
著者
元村 拓 金森 昌彦 信清 正典
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.126-131, 2001 (Released:2008-07-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

単純X線像における椎間板腔の高さ,あるいはその断面積がMRIにおける変性度を反映し得るかを検討した.対象は外来患者45人(平均年齢:49.4歳)である.MRIにおけるL3/4およびL4/5高位の椎間板変性をSchneidermanの分類で評価し,単純X線側面像における椎間板腔の測定法として,(A法)本来の椎間板の前方a,中央b,後方cの和を椎体の前後径dで割る方法.(B法)骨棘を含めた椎間板の前方a ’,中央b’,後方c’の和を骨棘を含めた椎体の前後径d’で割る方法.(C法)画像解析により椎間板の面積S1と椎体の面積S2を測定し,そのピクセル比で比較する方法の3つを使用した.その結果A法およびB法ではMRIにおける椎間板変性の程度と呼応していることが分かった.Schneiderman分類における“marked”あるいは“absent”のcut-off値は約0.6∼0.7と考えられた.
著者
金城 達也
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.17, pp.141-155, 2011-11-20

本稿は,地域社会の環境管理における主体の正統性が,自然とのかかわりによって形成された規範意識によって保証されていく過程を考察するものである。事例地となる沖縄県国頭村楚洲集落では2008年から地域おこし事業が展開された。事業では,サンゴ礁漁業によって形成された規範意識が現在における正統性を保証する要因のひとつとして利用されていることが明らかになってきた。本稿では,自然とのかかわりにおいて形成された規範意識がなぜ現在の地域環境管理における主体の正統性を保証するものになり得たのかという問題関心に対し,自然-社会の関係性の曖昧さという観点から考察するものである。その結果,楚洲集落のサンゴ礁漁業におけるメンバーシップや収穫物の分配方法の曖昧さが,規範意識や集落内外の社会関係を築くために重要な役割を担っていたことが明らかになった。また,その関係性の曖昧さゆえに,現在における地域おこしにおいても主体の正統性を保証するものとして有効性をもっていることが明らかになった。正統性の議論では,他者排除性の軽減や試行錯誤を保証するしくみの重要性が課題とされる場合がある。本稿で扱う事例のような関係性から生み出される正統性には,他者排除性を軽減するしくみや,試行錯誤を保証するしくみが備わっている可能性がある。
著者
金城 達也
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
vol.17, pp.141-155, 2011

<p>本稿は,地域社会の環境管理における主体の正統性が,自然とのかかわりによって形成された規範意識によって保証されていく過程を考察するものである。</p><p>事例地となる沖縄県国頭村楚洲集落では2008年から地域おこし事業が展開された。</p><p>事業では,サンゴ礁漁業によって形成された規範意識が現在における正統性を保証する要因のひとつとして利用されていることが明らかになってきた。</p><p>本稿では,自然とのかかわりにおいて形成された規範意識がなぜ現在の地域環境管理における主体の正統性を保証するものになり得たのかという問題関心に対し,自然-社会の関係性の曖昧さという観点から考察するものである。</p><p>その結果,楚洲集落のサンゴ礁漁業におけるメンバーシップや収穫物の分配方法の曖昧さが,規範意識や集落内外の社会関係を築くために重要な役割を担っていたことが明らかになった。また,その関係性の曖昧さゆえに,現在における地域おこしにおいても主体の正統性を保証するものとして有効性をもっていることが明らかになった。</p><p>正統性の議論では,他者排除性の軽減や試行錯誤を保証するしくみの重要性が課題とされる場合がある。本稿で扱う事例のような関係性から生み出される正統性には,他者排除性を軽減するしくみや,試行錯誤を保証するしくみが備わっている可能性がある。</p>