著者
門間 英毅 上野 精一 堤 正幸 金澤 孝文
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:18842127)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1000, pp.590-597, 1978-12-01
被引用文献数
16 19

α-Ca<sub>3</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub> 粉末-H<sub>2</sub>O系分散液を種々のpHに調製し, これをそのままあるいは反応中のpHを一定保持しながら, 80℃で主に2時間の加温処理を行った. 得られた固相分の結晶相とpH条件との関係を明らかにし, 更にアパタイト生成物に関しては, 反応pH条件とCa/P比, 構成イオン種, 加熱変化及び粒子形態などとの関連を検討した.<br>反応中のpHを一定に保持してもしなくても, pHが約4.6以上であればアパタイト単一相になり, これ以下pH 4.3までは短冊状結晶のアパタイトとオクタカルシウムホスフェートとの混合相になり, pH 4.2-3.0では角板状のCaHPO<sub>4</sub>を主体としていた. アパタイト単一相の場合の結晶は, 保持pH値を変えることによって板状あるいは花片状及び柱状のおのおのの形態に成長した. pHを一定保持しない場合にはすべて花片状であった. 反応中のpHが高いほど, アパタイトへの転化は遅くなるけれども, アパタイトのCa/P比は増大しやすくなった. 高Ca/P比のアパタイトになるほど, 含水量やHPO<sub>4</sub><sup>2-</sup>含量の減少と, OH<sup>-</sup>含量及び結晶性の増大が認められた. アパタイトの含水状態, 含有HPO<sub>4</sub><sup>2-</sup>の脱水縮合温度はオクタカルシウムホスフェートのそれらと類似していた。
著者
金 官圭
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.123-132, 1999
被引用文献数
9

The purpose of this study is to make clear shat variables influence impression formation in computer-mediated communication. The personal impressions consisted of 7 dimensions: the big five factors of personality (extraversion, agreeableness, conscientiousness, neuroticism, openness), and the communicator credibility (expertness, trust worthiness). All independent measures were composed of 27 variables of eight categories. A questionnaire of fj (from Japan) newsgroup's users was conducted by e-mail and responses of 150 users were valid. Regression analysis indicated that each personal impression was influenced by several important variables in categories of message quality evaluation, presentational style of message, perceived message function, and communication manner. We can see that impressions of communicator were formed from whatever meager cues are availabel in computer-mediated communication, even though nonverbal cues, relative to face-to-face interaction, are lacking.
著者
金堀 利洋
出版者
筑波技術大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

Webページ上の文章をマウスや指でタッチすることで、その部分の単語・文章・段落を読み上げる、主に視覚障害者向けのシステムを作成した。このシステムはWebページ上から利用者が求める情報を早く取得することを目的としている。ページ上に必要な情報があるかどうか、その情報がどこにあるか素早く判断できるようにするために、ページ内の単語をランダムに読み上げる、各段落の先頭の数単語を読み上げる、などの機能も提供している。
著者
金岡晃 杉本 浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.129, pp.1-5, 2006-12-08
参考文献数
2

YPTO2006のRumpSessionにおいてB1eichenbacherにより、一部のPKCS#lvL5署名を実装するソフトウェアに脆弱性が存在することが発表された。その脆弱性は広く利用されているオープンソースソフトウェアopensslにも存在することがわかり、社会に広く影響を与えた。B1eichenbacherにより示された攻撃法はいくつかの条件が必要となることが示されているが、本論文ではさらなる解析を行うことで、より詳細な攻撃条件を示した。さらに現実的に利用されている環境を考慮し、その脆弱性の脅威を正確に把握した。Bleichenbacher showed that some PKCS#lvl.5 signature implemantation has vulnerability at CRYPTO 2006 Rump Session. That vulnerability enable PKCS#15vl.5 signature forgery without private key under some conditions. Though Bleichenbacher also showed some conditions to attack, there are more detailed one. In this paper, I will show more detailed conditions and consider real threat on that vulnerability.
著者
武田 清大 金 均東 中村 宏 宇佐美 公良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.316, pp.93-98, 2010-11-22

パワーゲーティング回路向けのゲート遅延解析法を提案する.提案手法では動的タイミング解析に基づく論理ゲートのスイチンッグ情報の取得,および仮想グランド線電位解析の高精度化によって従来手法と比較して悲観性を大きく削減した遅延解析ができる.評価の結果,スリープトランジスタの面積率が27%の3bit Ripple Carry Adderにおいて,従来手法と比較して57パーセンテージポイントの誤差の改善を達成した.
著者
榎本 和生 古泉 博之 金井 誠 金森 麗
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ショウジョウバエ幼虫感覚ニューロンでは、同種ニューロンの樹状突起間に生じる反発作用を介して受容領域を確立することが示されていた。私達は、ショウジョウバエ成虫感覚ニューロンの解析を行い、樹状突起間に生じる反発作用には依存しない受容領域形成機構の存在を明らかにした(Yasunaga et al. Genes Dev 2015)。さらにその責任因子として、ニューロン周辺の上皮細胞から分泌されるWnt5と、その受容体Drlを同定した。さらに、受容体Drlの下流シグナルの同定も行い、低分子量G蛋白質RhoGTPaseのGEFであるTrioがRhoAの活性化を介して細胞骨格の再編を誘導することを示した。
著者
鈴村 潔 山口 晃弘 磯谷 正敏 原田 徹 金岡 祐次 鈴木 正彦 芥川 篤史 菅原 元 臼井 達哉
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.1665-1669, 2001-11-01
被引用文献数
21

上行結腸癌に対する結腸右半切除後16か月目に十二指腸と横行結腸に瘻孔を形成した膵頭部転移巣の1切除例を経験した.症例は嘔気, 嘔吐を主訴とした45歳の女性で, 上部消化管造影X線検査で十二指腸の狭窄像を認めた.CTでは膵頭部から十二指腸第2部にかけ, 中心壊死を伴った腫瘤性病変を認めた.血管造影では上腸間膜静脈に腫瘍による圧排所見を認めた.大腸癌膵転移と診断し回腸横行結腸吻合部切除, 膵頭十二指腸切除, 肝転移巣切除, 上腸間膜静脈部分切除を行った.病理組織学的所見では, 膵鉤部に直径約3cmの中心壊死を伴った転移性病変を認め, 中心壊死部を介して十二指腸と横行結腸に瘻孔を形成していた.術後36病日に退院したが, 肝転移により術後第192病日に死亡した.
著者
中條 金兵衞
出版者
The Ceramic Society of Japan
雑誌
大日本窯業協會雑誌 (ISSN:03669998)
巻号頁・発行日
vol.47, no.562, pp.535-542, 1939

この第6報は, 第5報に詳説したAN型新風篩器に就て決定さるべき諸要項並びに操作, 及びそれ等の實用的利用法に關する記述で, その要約を順を追つて箇條書きに列擧すると次の如くである.<br>(i) 先づ粉末の細かさを知る爲に, それを粒子の大きさに從つて分割する際, 限界に立つべき粒子の徑を顯微鏡下に測定する爲のプレパラート作製法の簡單にして恒常性ある方法を紹介説明した.<br>(ii) 次に粒子の大きさを實測するに際して, 如何なる粒子徑の定義に依るを簡明且合理的とするかを檢討し, 結局200乃至400個限界粒子の長さ<i>l</i>, 幅<i>b</i>を測定し,<br>(<i>l</i>+<i>b</i>/2)<sub>m</sub>=<i>l<sub>m</sub></i>+<i>b<sup>w</sup></i>/2<br>によつて表示するの實用性を認めた.<br>(iii) 限界粒子徑の大きさを如何樣にとるかに就て, 諸家の研究に徴し, 筆者の研究に俟つて,<br>(<i>l</i>+<i>b</i>/2)<i><sub>m</sub></i>=15.0μ<br>と決定した.<br>(iv) 試驗に供する粉末の量に關し, 50g又はそれ以上にとるべしといふ一部の主張に批判を加へ, 精度と時間とを考慮した測定器固有の量を選定すべきことを述べ, AN型に於ては20gを適當とする結論に達した.<br>(v) 風篩を打切るべき終點の決定は, 風篩器の性能に應じてなさるべきで, AN型は分離能力大なる點よりして, 10分間の吹上げ量1%以下となる時刻を以てすることが出來る. 從つて風篩時間は40-50分にて足る.<br>(vi) 風篩筒内壁には多數粒子附着し, これが試驗精度を低める因をなすので, 測定中一度送風を斷つて内面を清掃する必要はあるが, それは唯々一囘にて足ることを確めた.<br>(vii) 實用的風篩器は日常的な試驗條件, 例へで室温, セメント比重等の變動に因つても, その精度に左程の影響を受けはいことが必要で, 實際, 限界粒子徑15μに對して常温の開き10℃は0.21μ, 比重1.2%の不同は0.18μの誤差を起すに過ぎぬ.<br>(viii) AN型風篩器はその構造の堅牢, 簡潔と操作の單純, 確實との爲, 未經驗者にても容易に着手し得て, 唯々1囘にてその試驗成績は0.3%内外の精度に達することが出來る.<br>(ix) 豫備試驗に於て, セメント風篩の限界粒子徑が15.0μを與ふる樣に風量を豫め決定する爲には普通, ガスメーターを使用するが, 精確な測定は厄介である. 確實にして實用的な方法は, 標準粉末の殘滓量が規定の數値に達する樣な風量を發見するに在り, この方法の價値を述べた.<br>(x) AN型にて風篩したセメントの殘滓より, 比表面積を直接, 容易に求め得る2つの表を作製し, その利用法を示した.<br>(xi) AN型風篩器の考案, 操作の決定には豫め要望さるる諸原則を樹て, これに適合するやう研究を進めて來たのであるが, 第5, 6報を省察して, その略々充されてゐることを知ることが出來た.<br>要するに, 以上第5, 6報は第1, 2, 3, 4報に於ける基本的研究の基礎上に立つて, これを實用化する目的を以て爲された探究に關するもので, 適切なる装置と操作とによつて40-50分にして眞値に近ぎ表面積を求め得ることを叙述したのである.<br>尚, この試驗研究に多大の御援助と御指導とを賜つた淺野セメント技術顧問藤井光藏氏に深甚の謝意を表する次第である.
著者
鈴木 太 本城 秀次 金子 一史 吉川 徹 栗山 貴久子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

自傷は青年期における自殺既遂を最も強く予測する因子の一つであり、近年の研究では、青年期の単極性うつ病において、非自殺性自傷の既往が自殺企図を予測することも示されている。本研究では、心的外傷が自傷を引き起こすという仮説を背景として、非自殺性自傷を伴う女児を対象として、眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)と対人関係療法(IPT-A)の比較が試みられた。研究期間の短さ、登録された症例数の少なさのために、当初の目的であったIPT-AとEMDRの有効性について比較することは困難であったが、EMDRが3例、IPT-Aが13例に対して施行され、外傷後ストレス障害の症状と社会的機能の変化が追跡された。
著者
榎本 兵治 木下 睦 金 放鳴 田路 和幸 篠田 弘造 洪 承燮
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

水熱反応による有機化合物の資源化(炭素質物質の循環)反応における水の反応溶媒としての直接的な関わり、ならびにヘテロ原子近傍の構造が反応に及ぼす影響について調べ、資源化反応の最適条件を検討するための基礎的知見を得ることを目的とする。平成11年度から12年度かけて設計製作した高温高圧セルを用いて平成13年度は亜臨界〜超臨界水中における有機物のラマン散乱スペクトルを観察することにより、熱反応により生成した化合物の反応物、生成物の相違をその場反応の観察を可能にする実験系を確立することを目的として構造解析を中心に検討した。1.超臨界水振動分光解析システム、現有設備であるNMR、GCMSを用い、反応前後での有機化合物中のヘテロ原子を中心とした構造の変化について解析するための基礎的な検討をビチュメン中の硫黄化合物について行った。2.その場反応観察セルを用いた高温高圧条件でのラマン散乱スペクトルを測定し、他の研究グループが報告している超臨界水のOH伸縮振動の温度シフトならびにピークのシャープ化を確認し、装置の性能を確証した。引き続きアルカリ水溶液を用いた系の温度シフトを測定すると共に、モデル化合物として低分子硫黄化合物を用いた超臨界水中での分解実験を行い、その場反応スペクトル解析による、中間生成物を含む反応物、生成物の構造変化のデータを取得し、その他の超臨界水熱反応系にも応用可能な実験系であることを確かめた。また、アルカリを含む超臨界水中での有機物のラマンスペクトルの測定は過去に例を見ない。
著者
戸川 聡 金西計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.42, pp.61-66, 2006-05-12
被引用文献数
4

Peer-to-Peer(P2P)型通信によるファイル共有が問題となっている.著作権法で保護された著作物をファイル化し共有することも当然ながら,ファイル共有コミュニティへの機密情報流出が社会問題化している.これらの状況から,大学や企業のキャンパスネットワークではP2Pファイル共有を禁止している.しかし現実にはP2Pファイル共有が行われている場合がある.これを制限する場合,既存のフィルタリング技術では実現が困難であり,結果として管理者はトラフィックを常時監視し,P2Pファイル共有通信の存在を認識しなければならない.本稿では,ネットワーク管理者が行うP2Pファイル共有通信の検出作業を支援するシステムを構築した.そして,実際にP2Pファイル共有プログラムが発するトラフィックを含む全体のトラフィックを可視化し,有効性を検証した.ln this research, we have proposed the assistance system for peer-to-peer traffic detection. Recently, an illegal file has been exchanged with peer-to-peer file exchange software. These files are extracted from music CD and DVD. Most files do not obtain the copyright person`s approval and are open to the public. Neither enterprise nor the Campus Network user of the university must acquire these files from the problem in morality. However, the illegal file is actually acquired via Campus Network. The network administrator should observe the users`peer-to-peer commumcation. In this paper, first of all,We explain a problem of peer-to-peer file sharing system. Next,we explain the assistance system for peer-to-peer file sharing traffic detection. Finally, we conclude it.
著者
徳田 清仁 中林 昭一 菊池 典恭 畑本 浩伸 浅野 欽也 金子 富 阿部 智
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.440, pp.83-88, 2010-02-24
被引用文献数
1

高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems: ITS)の開発目標の一つに先進安全自動車(Advanced Safety Vehicle: ASV)がある.本論文では,車群通信技術をベースにITS用に割り当てられた複数の無線周波数の有効利用を図るマルチバンド車々間通信(Multi-Band Inter Group & Inter Vehicle Communications: MBIG-IVC)システムの可能性検討結果について述べる.MBIG-IVCシステムは,出会い頭衝突防止を中心としたASVで検討中の安全運転支援アプリケーションに対して,サービスエリア拡張とシステム容量増大に有効であることが明らかになった.