著者
金杉 武司
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.39-48, 2009-11-25

Mental causation is one of the major problems in the philosophy of mind. It is a big problem not only for dualism but also for physicalim because even physicalists, as long as they accept the multiple realizability of mental properties, cannot identify mental properties with physical properties, therefore, they seem to be forced to exclude mental properties from physical causal relations. Sydney Shoemaker recently proposed interesting metaphysics of properties as a physicalist solution to this problem. According to Shoemaker, causal powers are essential to properties, and a realized property is a part of its realizer. This paper aims to assess the possibility of a physicalist solution to this problem through a critical examination of the adequacy of his solution.
著者
古澤 仁美 宮西 裕美 金子 真司 日野 輝明
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.318-325, 2003-11-16
被引用文献数
20

ニホンジカによって林床のミヤコザサが強度の探食を受けている大台ヶ原の針広混交林において,シカ排除区とササ刈り区を設けてリターおよび土壌の移動量を測定した。移動した樹木葉と樹木枝は非ササ刈り区ではササ刈り区と比べて小さく,ミヤコザサにはこれらの移動を抑止する効果が認められた。ミヤコザサの地上部現存量とリターおよび土壌の移動量とは指数関数的な負の相関が認められた。シカ排除処理後3年間経過した区ではミヤコザサの地上部現存量は回復し,リターおよび土壌の移動量は他の広葉樹林で報告されている値と同程度であった。それに対してシカを排除しない対照区ではリターおよび土壌の移動量は他の広葉樹林の約1.2〜4.3倍であった。現在の大台ヶ原ではニホンジカによるミヤコザサの採食の影響でリターおよび土壌の移動量が増加していると示唆された。
著者
内田 一徳 松永 利明 金 基釆 韓 卿求
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動 (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.210-216, 1996-07-25
被引用文献数
36

地下街等の分岐折れ曲がりをもつトンネル内の電波伝搬問題をFVTD法を適用して解析した. FVTD法は任意の小さい多面体セルに対して,マクスウェルの方程式を体積積分することによって離散化される差分方程式である. この方法によれば, 微小セル内の媒質定数は一定とするが, その値を各セルごとに変化できるので,不均質媒質を含む任意形状の境界値問題を比較的容易に扱うことができる. また均質媒質では, このFVTD法はFDTD法とデカルト座標系において等価である. FVTD法の応用例として, トンネル構造が解析的な手法では取扱いが難しい場合について数値計算を行った. また, FVTD法の有効性を立証するためマイクロ波シミュレーションによる実験を行い, 計算値と実験値がよく一致することがわかった.
著者
堀 龍介 安里 亮 田中 信子 嘉田 真平 平塚 康之 金子 賢一 児嶋 久剛 赤水 尚史 伊藤 壽一
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.95, no.8, pp.825-829, 2002-08-01
被引用文献数
8 9

Congenital piriform sinus fistula, which is usually unilateral, is recognized as a cause of acute suppurative thyroiditis. We have encountered a rare case of bilateral piriform sinus fistulae. The patient, a 53-year-old female, was referred to our hospital because of right neck swelling, which improved after conservative treat. Three months later, an abscess of the left thyroid lobe was presented and was improved after incision and drainage. The diagnosis of bilateral piriform sinus fistulae was made by hypopharyngeal enhancement radiography. Total fistulectomies were performed. There was no recurrence observed six months after surgery.
著者
金 春燕
巻号頁・発行日
2011

筑波大学博士 (農学) 学位論文・平成23年9月30日授与 (甲第5919号)
著者
金子 勝司 東野 充成 村田 敦郎
出版者
共栄学園短期大学
雑誌
共栄学園短期大学研究紀要 (ISSN:1348060X)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.91-108, 2008-03-31

幼児向けのサッカー教室に子どもを通わせている保護者を対象に質問紙調査を実施した。サッカー教室に子どもを参加させることによって、子どもにどのような効果が得られたと感じているのか、保護者の視点を通したサッカー教室の教育的効果を以下の視点から明らかにした。その主な内容は、地域スポーツにおける子どもの人間関係、地域スポーツを通して子どもの社会化過程の分析等である。結果、子ども向けの地域スポーツ活動の場合、保護者の意味づけが子どもの参加や脱退、活動へのかかわり方に大きな影響を及ぼしていることがわかった。それは、ひいては子どもの発達や社会化にも影響を及ぼすということである。その意味で、今後、それぞれの活動が足りない部分を補っていくということが重要になるであろう。
著者
坂本 美穂 竹葉 和江 笹本 剛生 草野 友子 林 洋 金井 節子 神田 真軌 永山 敏廣
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.51-58, 2011
被引用文献数
13

LC-MS/MSを用いて,鮭および蜂蜜中のジメトリダゾール,メトロニダゾールおよびロニダゾールの分析法を検討した.各薬剤を酢酸エチルで抽出した後,シリカゲルカートリッジカラムを用いて精製を行った.測定は各薬剤の安定同位体標識標準品を用いて,SRMモードで行った.鮭および蜂蜜に0.4~2 μg/kgとなるように各薬剤を添加して,添加回収試験を実施したところ, 回収率91.2~107.0%,併行精度1.7~17.1%,室内精度20% 未満であった.鮭および蜂蜜中の各薬剤の検出限界は0.05~0.2 μg/kgであった.本法を鮭3試料,蜂蜜20試料に適用したところ,食品衛生法上,違反になる検体は認められなかった.
著者
金城 克哉 Kinjo Katusuya
出版者
琉球大学法文学部国際言語文化学科欧米系
雑誌
言語文化研究紀要 : Scripsimus (ISSN:09194215)
巻号頁・発行日
no.21, pp.1-20, 2012-10

This paper tries to analyze the similarities and differences of two comic groups, both of which deal with the same topic: men who love men. There has not been paid much attention to the linguistic expressions appearing in comic books, especially boys love (BL) comics and gay comics; although regarding the BL comics, there has been much argument concerning Yaoi and Fujoshi. This paper extracts linguistic expressions from 33 episodes from BL comics and 33 episodes from gay comics and analyzes using corresponding analysis. It is found that (i) there is little mention of body parts in BL comics, (ii) an utterance final particle ze, which expresses masculinity, is much used in gay comics, (iii) there appears much dash "―" which indicates silence in BL comics than gay comics.
著者
金 玟奎
巻号頁・発行日
2012

Thesis (Ph. D. in Engineering)--University of Tsukuba, (A), no. 6082. 2012.3.23
著者
井原 雅行 金田 洋二 上野 圭一 金山 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.717-725, 1999-05-25
被引用文献数
3

本論文では, ユーザの潜在的好みを推定する手法を提案する. 同手法では, ユーザ本人のアクセス履歴に加え, 好みの似ている他ユーザ(一類似ユーザ)を探し, そのアクセス履歴も活用する. そのため, ユーザ本人が未アクセスの情報集合の中に埋もれていて潜在的好みに合致する情報を推薦提示できる. 本推定手法は「直接的類似ユーザ探索手法(SUSM:Similar-User Search Method)」と「間接的類似ユーザ探索手法(ISUSM:Indirect Similar-User Search Method)」から構成される. SUSMはユーザ本人と他ユーザのアクセス履歴を比較し, 共通にアクセスされた情報が最も多い他ユーザを探す手法である. ISUSMはSUSMにより探し出された類似ユーザの情報を用いて間接的に類似ユーザを探す手法である. 本手法を音楽検索システムに適用し, 潜在的好みに合致する情報を類似ユーザのアクセス履歴から探して推薦曲とした. 実験の結果, ユーザ本人のアクセス履歴のみから推薦曲を選ぶ場合と比較して, 提案手法の場合はユーザ本人の好みに合致する推薦曲(=有効推薦曲)が2倍以上に増加することを確認した.
著者
鈴木 鉄男 金子 衛 鳥潟 博高 八田 洋章
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.37-44, 1968

温州ミカンの水分不足度をあらわす指標として, 葉の飽和水分不足度 (W.S.D.) をとりあげ, その日変化, 季節変化をほ場栽植と鉢植えミカンについて実測し, さらに気象要因, 土壌水分との関係について調査を行なつた。<br>1. 夏期における葉のW.S.D.の日変化は, 日の出とともに上昇し, 12時にピークを示し, 以後下降して18時に最低となつた。冬期の日変化は夏期とほぼ同様の傾向を示したが, その動きは小さかつた。<br>2. 葉のW.S.D.の季節変化は, 冬期は1月上旬以降の低温と寒風によつて急上昇し, 2月上旬にピークを作り, 以後3月下旬までは次第に下降した。春期は4月中は低い値で経過したが, 5月上旬は春先の乾燥と新しようほう出などの関係で急上昇して一つのピークを作り, その後は6月上旬にかけてやや下降した。夏期は高温, 乾燥とあいまつて7月上旬から8月下旬にかけて高い値を示し, とくに8月上旬は顕著で最高のピークを形成した。秋期は9月中は比較的高い値で経過したが, 10月上旬からは次第に下降した。<br>3. 冬半期と夏半期における葉のW.S.D.と各気象要因との相関関係をみたところ, 冬半期のW.S.D.は気温, 地温, 降水量, 飽差とそれぞれ高い負の相関を示し, 夏半期のW.S.D.は気温, 地温, 飽差と高い正の相関を示した。<br>4. 秋期から冬期にかけて, 風に当てた場合の葉のW.S.D.の変化をみたところ, 風速が増すにつれてW. S.D.は上昇し, また風に当てた時間が長いほどW.S.D. は上昇した。さらに枝しよう内の蒸騰流の速度は, 風に当てることによつて明らかに大となり, 土壌が乾燥するにつれて流速は低下した。<br>5. 土壌含水量の変化と葉のW.S.D.の関係をみた結果, 夏期は両者の間に高い負の相関があり, 曲線回帰方程式によつて葉のW.S.D.から土壌含水量が推測できた。なお, 土壌水分がほ場容水量~水分当量の間にある時はW.S.D.の変化は緩慢であつたが, 水分当量以上に土壌が乾燥するとW.S.D.は次第に上昇し, その後は乾燥にともなつて急上昇した。W.S.D.が8%になると葉に干害徴候があらわれ, 10%に達すると果実の外観にも干害徴候が出始めた。冬期においては土壌含水量とW.S.D.の相関は認められず, 冬期に葉のW.S.D.が上昇するのはむしろ気象要因によるところが大きいようである。
著者
藤吉 弘亘 梅崎 太造 今村 友彦 金出 武雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.1627-1634, 1997-06-25
被引用文献数
19

本論文では, ナンバープレートの重心位置を出力するように学習させたニューラルネットワークを使用して, プレート領域を抽出する方法を提案し, その有効性を示す. 学習パターンの提示位置は, 乱数で与えられるため, 毎回異なるパターンがニューラルネットワークに学習され, 汎化能力の高いニューラルネットが形成される. 学習パターン中に含まれるナンバープレートの最適学習面積, バンパーとヘッドライト部分の抑制学習による効果, および学習パターンの拡大縮小と濃度値変換による効果について検討する. 地下駐車場で撮影された595台の車に対して評価実験を行った結果, それぞれ98.5%, 98.7%および100%の検出率を得た.