著者
平木 潔 太田 善介 三好 勇夫 原田 英雄 鈴木 信也 六車 昌士
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1-2, pp.6-12, 1966-04-30 (Released:2010-03-16)
参考文献数
21

Spontaneous mammary carcinoma of AKR mice and Xray-induced mammary carcinoma of C58 mice, both known as low-cancer strains, were investigated by electron microscopy.In AKR mammary carcinoma, intracytoplasmic type A and extracellular type B particles were present. In C58 mammary carcinoma, extracellular type C particles were observed. In both tumors, mature virus particles, i.e. type B and type C particles, were formed by the process of budding of cytoplasmic membrane of carcinoma cells and present in the lumina of the milk ducts. Aberrant form of type C particles, which contained a filamentous structure instead of a nucleoid was also seen in C58 mammary carcinoma.In serial in vivo transplantation of those carcinoma cells to the same strain mice, these virus particles were always present and formed from carcinoma cells, although the number of virus particles reduced almost successively with transplantations in AKR mammary carcinoma.In tissue culture of C58 mammary carcinoma cells, type C particles similar to those in the original tumor were observed extracellularly. On the contraty to the presence of type B particles in the original AKR mammary tumor, however, two tissue culture strains derived from in vivo transplanted AKR carcinoma cells contained type C particles. These type C particles were conceivable to be the leukemia virus that naturally harbored in AKR mice and happened to have been tranferred to the tissue culture probably through its latent infection in carcinoma cells.
著者
許 鳳浩 阿部 哲朗 鈴木 信孝 太田 富久 川端 克司
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.1-8, 2017

シイタケ菌糸体抽出物は癌化学療法との併用時に,患者のQOLを維持・改善することが報告されている.本研究では,様々な治療背景および様々なステージのがん患者のQOLに及ぼすシイタケ菌糸体抽出物の影響を検討した.16施設で73症例を対象にシイタケ菌糸体抽出物を4週間(1,200 mg/day)連日経口摂取させ,摂取前後のQOLをEORTC-QLQ-C30調査票でスコア化した.シイタケ菌糸体抽出物摂取後のQOLスコアは被験者全体では,摂取前スコアに比べ,心理的,疲労スコアで有意に改善した.特にステージ3,4の被験者では,総体的,身体的スコアの改善も観察された.シイタケ菌糸体抽出物の経口摂取の併用は,進行性がん患者のQOLを改善することが示唆された.
著者
鈴木 信孝 上馬塲 和夫 宋 函 滝本 裕子 鈴木 里芳 川端 豊慈樹 大野木 宏 仲井 培雄
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.149-155, 2012 (Released:2012-10-24)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

ガゴメ昆布フコイダンの高年齢者に対する安全性と免疫機能に対する効果をオープン試験により評価した.高年齢者(69.4 ± 6.9 歳)18 名(男性 7 名,女性 11 名)にガゴメ昆布フコイダン(1 日摂取量 50 mg)と乳酸菌を配合した食品を 8 週間摂取してもらい,摂取前と摂取 4 週間後および摂取 8 週間後に血液検査,尿検査,QOL 調査,免疫機能検査を行った.その結果,いずれの検査においても臨床上問題となる変動は見られなかった.また,試験食品に起因し臨床上問題となる有害事象も認められなかった.免疫機能検査においては,血中の IgE の有意な低下が認められた.以上の結果から,ガゴメ昆布フコイダンは高年齢者に対し安全性の高い機能性食品素材であることが示された.
著者
鈴木 信弘
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.11-24, 2014-06-25 (Released:2015-03-10)
参考文献数
119
被引用文献数
1 2

菌類は未同定,未報告の種も含めると百万種を超えると言われる.そこにはそれらを宿主とする多種多様なマイコウイルス(菌類ウイルス)の世界も広がっている.ここ20年に渡る一握りのマイコウイルスの研究から,精製したウイルスの粒子に感染性があることが証明されて人工接種法の開発に至り,ウイルス研究に必要な他の技術革新ももたらされた.植物病原糸状菌の一種であるクリ胴枯病菌は,マイコウイルス研究のモデル宿主菌としての地位を確立しつつある.本菌では,いまだ完全ではないがアノテーション付きのドラフトゲノム配列情報も公開され,関連する研究ツール・遺伝子改変技術もよく整備されている.また,最近になり,分類学上の目が異なる宿主菌(白紋羽病菌)に自然感染していた多くのウイルスが本菌で複製できることが判明し,マイコウイルス研究を進めるための実験宿主菌としての一面も併せ持つことも明らかになった.本稿では,マイコウイルスの一般的な性状,クリ胴枯病菌の実験ウイルス宿主としての優位性を概説し,さらにクリ胴枯病菌を舞台に得られた最近の興味深い解析例,「目立たないウイルスの複製を制御するDI-RNAとRNA サイレンシング」ならびに「RNAサイレンシングとウイルスRNAゲノムの組換え」,を紹介する.
著者
山本 隆 大村 博 森屋 泰夫 鈴木 信吉 押部 義宏 杉浦 基之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1992, no.11, pp.1269-1278, 1992
被引用文献数
4

新しいタイプの有機過酸化物を用いてラジカル反応による,ブロック,グラフトコポリマーの新しい工業的製法を開発した。<BR>ブロックコポリマーの合成には,分子中に数個のO-O結合を持つポリ過酸化物を使用する。すなわち,ポリ過酸化物で第一モノマーを重合させて,分子中にO-O結合を持つPM,を合成し,このもので第ニモノマーを重合させてPM<SUB>1</SUB>-b-PM<SUB>2</SUB>が得られる。グラフトコポリマーの合成には,O-O結合を分子中に持つモノマーと第一モノマーを,このO-O結合の分解温度以下の温度で共重合させて,O-O結合をペソダントに持つPM1を合成し,このペソダソトO-Oに第ニモノマーを付加重合させてPM<SUB>r</SUB><SUB>9</SUB>-PM<SUB>2</SUB>を合成した。酢酸ビニルとスチレンを同量もちいた場合の生成ポリマーはそれぞれ,PVAc-b-PS,84%,PVAc,6,PS10およびPVAc-9-PS,59,PVAc17,PS,24であった。また,O-O結合をペンダントに持つポリマーとポリオレフィンを加熱混練して,(ポリオレフィン)-g-(ビニルポリ0マー)を合成した。ポリプロピレンにポリスチレン(713wt)をグラフトさせた場合のグラフト効率は59%であった。<BR>得られた種々のブロック,グラフトコポリマーは,すぐれたポリマー表面改質剤,物性改良剤,相溶化剤としての機能を示した。
著者
鈴木 信夫
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.109-118, 2011-06-01
被引用文献数
2

即効を促す科学・技術の風潮などの様々な要因により,基礎医学の存続とその理念の継承が危ぶまれております。せめて,科学精神の神髄は刻印されるべき時のようです。そこで,そのような懸念と対策に適うか否かは後世の判断に委ねるとして,また,亥鼻台にて40数年間の学究活動をさせていただいた感謝の意を込めて,千葉医学へ過去に掲載した記事の補足をすることとします。 ワトソンの著書を読破した医学生時代に始まり,生化学第二講座(現 環境影響生化学)と微生物学講座(現 分子ウイルス学)での月火水木金金金の生活記録です。生命現象の神秘さに魅了され,無目的心境からスタートした大腸菌を用いた研究体験を踏まえて,ヒト個体には"突然"変異を"必然"変異とする新規の生理機能(SOS応答)があることを予感する悪戦苦闘の記録でもあります。前編では,その苦闘の末開発した培養ヒト細胞実験システムを紹介します。後編では,SOS応答探しの実証実験の過程を紹介します。将来,先天性疾患やがん,あるいはウイルス感染症などの変異に基づく様々な疾病が根本から絶滅されることを夢見ながら,ヒトの過去と未来を宇宙レベルから問う"宇宙進化医学"とでも称すべき基礎医学の開花を願うこととします。
著者
鈴木 信弘 岡村 敦 桐本 哲郎 峠 誠 小牧 昌彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.7, pp.27-32, 1998-04-20
被引用文献数
1

フリーフロー方式のETC(Electronic Toll Collection system)では, 無線機を搭載した車輌と搭載していない車輌を区別するため, 車載無線機の位置を測位する必要がある.測位方式として, 路上中央にそれぞれ水平角と上下角を測角する2つのセンサを配置して, 車載無線機からの電波の到来方向を測定し, これらの測角値と車載無線機の地上高とを用いて測位する方法を提案する.この方式では, 無線機の搭載位置を仮定するため, 測位誤差が生じる.本報告では, 車載無線機の高さ誤差に加え測角誤差に対する測位誤差の感度解析を行う.また, 電波実験により, アレーアンテナを用いた測角センサの素子数と測角精度の関係を評価するとともに, 上記考察結果の検証と, 測位精度の評価を行う.
著者
Devine T.E. 鈴木 信治
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.7-12, 1976-04-25
被引用文献数
1

本研究は,炭そ(疽)病抵抗性がアルファルファの生産力改良に寄与している機作を明らかにしようとしたものである。炭そ病の影響をみるための植物指標として,炭そ病抗抵性を目標に育成した4系統と,それらの母材4品種を供試した。メリーランドの2地点における炭そ病害と秋の霜害の調査結果によると,炭そ病抗抵性と耐霜性は全く一致した関係を示した。これは,炭そ病害のストレスの影響で罹病個体の霜害感受性が増大したためであろう。メリーランドの1地点では,炭そ罹病性が葉を著しく変色させる結果を示した。3地点の成績によると,抵抗性系統は単位区面積当りの株数や茎数が多かった。株当り茎数に対する炭そ病の負の影響は,春,秋いずれの場合も見られなかった。草丈は,抵抗性系統が高い傾向にあった。結論として,抵抗性系統は,炭そ病が発生した後において,単位区面積当りの生存個体数と茎数が多く,草丈が高く,耐霜性が増大する点で優れていた。
著者
鈴木 里芳 徳田 春邦 鈴木 信孝 上馬塲 許 鳳浩 川端 豊慈樹 太田 富久 大竹 茂樹
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.75-85, 2013
被引用文献数
2

ハトムギ [<i>Coix lachryma-jobi</i> L. var. <i>ma-yuen</i> Stapf] の子実は,これまで伝統薬として,中国や日本で古くから利用され,抗腫瘍,抗肥満,抗糖尿など様々な機能を持つことが報告されている.われわれは以前よりハトムギの渋皮,薄皮,外殻の生物作用に着目してきた.今回,従来より漢方などで使われてきたハトムギの子実の熱水抽出エキス(ヨクイニン)を比較対象として,子実,渋皮,薄皮,外殻のすべての部分を含む熱水抽出エキス (CRD),ハトムギの有用成分である Monoolein と Trilinolein の抗腫瘍,抗炎症作用を検討した.ヒト由来癌細胞に対する細胞増殖抑制作用については,乳癌細胞 (MCF-7),肺癌細胞 (A-549),喉頭癌細胞 (Hep-2) を用いて評価した.結果は両エキス,Monoolein, Trilinolein ともに各癌細胞に対して弱い増殖抑制効果を認め,その作用はヨクイニンよりも CRD, Monoolein, Trilinolein の方がより強かった.また,発癌予防作用については,ヒトリンパ腫由来の Raji 細胞と発癌プロモーターである TPA (12-O-Tetradecanoylphorbol-13-acetete) を用いて,特異抗原発現能により評価した.結果は両エキス,Monoolein, Trilinolein ともに特異抗原発現を減少させた.また,ヨクイニンより CRD, Monoolein, Trilinolein がより強く発現を抑制した.一方,Monoolein は Trilinolein よりも強く抑制した.次に,ハトムギの抗炎症作用を検討するために,マウス皮膚上皮由来正常細胞に被検物質を作用させ,紫外線 (UVB) 照射前後ならびに加熱障害前後の細胞形態変化により評価した.結果は UVB 照射前後にかかわらずヨクイニンよりも CRD, Monoolein, Trilinolein が有意に細胞障害を抑制した.また,加熱障害前後については,ヨクイニンの方が CRD より細胞障害を抑制し,Monoolein は Trilinolein より有意に細胞障害を抑制した.以上のことから,子実以外にも渋皮,薄皮,外殻が有用であることが示唆された.さらに,Monoolein と Trilinolein は抗腫瘍,抗炎症を有することが示された.<br>
著者
滝本 裕子 鈴木 信孝 川畑 哲郎 只野 武 太田 富久 徳田 春邦 許 鳳浩 井上 正樹
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.69-74, 2013
被引用文献数
3

ハトムギ子実の熱水抽出エキスであるヨクイニンは,漢方薬として利用され,ヒト乳頭腫ウィルス性疾患である疣贅等に用いられている.ハトムギの子実の有用成分についてはいくつかの報告があるが,外殻,薄皮,渋皮についての薬理学的有用性については未だ明確になっていない.今回ハトムギの穀実(子実,外殻,薄皮,渋皮)のメタノール抽出エキスの癌細胞に対する作用と有用成分に関する検討を行なったところ,抽出エキスの一部の画分は HeLa 細胞(ヒト子宮頸癌由来)に対して有意な細胞増殖抑制作用を示した.さらに,増殖抑制作用が認められた画分から化合物として 5,7-dihydroxychromone と coixol を単離した.以上より,ハトムギ穀実のメタノール抽出エキスは癌予防に有用である可能性が示された.<br>
著者
鈴木 信行 鈴木 明人 濱田 政則
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.72-85, 2007 (Released:2007-03-20)
参考文献数
21
被引用文献数
2

建設施工にPMBOKなどの近代的マネジメント手法を適用することは有効である.本研究ではPMBOKの9つのマネジメント要素をどのように適用しているかをアンケート調査で求めた.その調査結果をもとにデザインストラクチャーマトリックス(Design Structure Matrix)を用いて建設施工マネジメントのプロセスを分析した.さらにマネジメント要素間の相互依存性をネットワークモデルと捉え,グラフ理論を用いてネットワーク特性を分析し,建設施工における効果的なマネジメント順序を提言した.その結果,従来重視されていないスコープマネジメント及びコミュニケーションマネジメントがマネジメント全体の効率化に重要であることが明らかとなった.
著者
鈴木 信雄 津田 和彦
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

これまでに提案したトピックモデルを使った習慣行動の抽出手法に関する評価を行ったの で報告する.手法の適用先として、通信と交通に関する質問応答サイトのテキストデータ を用いた。さらに、トピックモデルと構文解析手法との比較評価も行った。
著者
平原 敬三 安藤 直子 松石 哲郎 鈴木 信夫 寺尾 俊彦 倉田 宗司
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.108, no.9, pp.p860-866, 1988-09

The addition of sodium oleate to antithrombin III (ATIII) produced complexes of ATIII and oleic acid by varying the acid concentration. During immunoelectrophoresis, ATIII shifted to the anode in the presence of sodium oleate. The reactivity of ATIII with anti human ATIII serum lowered as the sodium oleate level increased. However the reactivity with antibody obtained by immunization of rabbits with the mixture of sodium oleate and ATIII, was not lost on the immunoelectrophoresis. In acrylamide gel electrophoresis, ATIII separated into 6 bands with an increase in sodium oleate. The binding ratio of ATIII to heparin-Sepharose decresed in the presence of sodium oleate. In acrylamide gel isoelectrofocusing, the subtypes of ATIII having pI 5 showed high affinity to oleic acid. These high affinity subtypes also showed high affinity to heparin and thrombin. In fibrinogen agarose electrophoresis, ATIII lost its antithrombin activity depending on the increase of sodium oleate. By the determination of free fatty acids (FFA) in ATIII purified from normal plasma, we found that FFA would bind to ATIII in the normal plasma. Scatchard plot analysis indicated 7.6 binding sites of oleic acid per ATIII molecule. The results suggested that ATIII lost its activity by conformational change or interference in the thrombin binding site, and that the subtype of ATIII having pI 5 could be a significant carrier of plasma FFA.
著者
田中 和之 鈴木 信行
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.196, pp.18-31, 2001-01

人材不足はますます深刻になり、市場は成熟化。相次ぐ規制強化と緩和が企業活動を翻弄する。さらに資金環境はかつてないほど厳しくなり、IT化の波が押し寄せる。 ヒト、モノ、カネ、情報とすべての面で起こる環境変化を乗り越えていくことができるか。それが中小企業にとって、二一世紀初頭を生き残る条件となる。
著者
鈴木 信夫 大野 彰二 北村 諭
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.355-361, 1994-06-20
被引用文献数
21

11980年4月より1992年3月までの問に当科で組織診が得られた原発性肺癌794例中, 初診時に胸部CT上空洞形成を示した48例(6%)の臨床像について検討した.平均年齢67.9歳で男81%, 女19%であった.類表皮癌30例(63%), 腺癌15例(31%), 大細胞癌2例(4%), その他の癌1例(2%)であった.空洞化率は類表皮癌11%, 大細胞癌6%, 腺癌5%, 小細胞癌0%の順であった.喀痰細胞診, 擦過細胞診, 腫瘍生検の診断率は, 非空洞性肺癌とほぼ同等であった.類表皮癌では腫瘍系の大きなものに空洞が多く認められたが, 腺癌では腫瘍径と空洞化に相関はなかった.臨床病期の検討では, 空洞性肺癌の25%がStageIVであり非空洞性肺癌(51%)に比して遠隔転移症例が有意に少なかった.画像では類表皮癌で空洞壁不整のものが多かった(80%).喀血死した空洞性肺癌の6例全例とも喀血前に壁不整の空洞を呈しており注意が必要と思われた.