著者
青木 博史
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

「節」の構造と歴史的変化について,連体形および連用形によって構成される節について記述した。従来断片的に言及されてきた諸現象を,統一的に把握し説明した。記述にあたっては,古典語における単なる共時的な分析にとどまることなく,歴史的変化をダイナミックに描いた。さらに,望ましい日本語文法史の説明,叙述のあり方として,位相論や文体論,方言研究とも連携しながら,複線的・重層的なストーリーを描くことの必要性を述べた。
著者
青木 多寿子 橋ヶ谷 佳正 宮崎 宏志 山田 剛史 新 茂之
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

東京都のA区が取り組み始めた人格の完全を目指した品性・品格教育を、研究者で支援するのが本研究の目的である。本研究の3年間の目的は、(1)品性・品格教育の全国初の実践に向けて、取り組みの理念や教育的意義を、教員や保護者に向けて正確に伝えるため、教育委員会の活動を支援すること、(2)品性に関する教育の成果を、well-beingとの関係を中心にアンケートで調査し、この取り組みをエビデンス・ベースの展開にすること、(3)アメリカで教員達に品性・品格教育を教え、全米で学校を支援しているボストン大学の先生をお招きし、A区の品性・品格教育にコメントしていただき、旧来の教育と違った新しい視点を取り入れることである。本年度はまとめの年なので、(1)、(2)を中心に行った。(1) 地域の保護者向け講演会、校内研修会、教育委員会主催の研修会等で、交通費、講演料なしの講演を行い、全区実施に向けて教員研修等のお手伝いをした。また、教育委員会は、全学区で使用する教師用手引き書を作成したが、これを作成する際、知識提供、翻訳した資料の提供を行った。(2) アンケート調査は、A区が取り組みを始める前の段階から毎年、2月に調査を行っている。今回で4回目のアンケートを実施した。3回目までのまとめは、アンケートに協力してくださった学校と教育委員会にお伝えした。この分析の結果、規範意識は確かにwell-beingと関わっているが、その教育の成果の様相は内容(根気、活力、寛容など)によって多様であることが窺えた。(3) 昨年のボストン大学の教授による講演の逐語録をまとめ、多くの方に配布できるようにした。
著者
松久 公嗣 加藤 隆之 藤田 志朗 坂井 孝次 尾立 和則 青木 朋子 坂本 英駿
出版者
福岡教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

美術史上の評価が定まっていない福永晴帆とその作品について,宗像大社御便殿に現存する襖絵や腰障子絵の調査を中心に,視覚的効果の高い模写による実証的研究を通して技法や材料的な側面から晴帆の芸術性を分析した。また,晴帆のご息女ならびにお孫さんへの取材調査によって,色紙作品75点と直筆覚書他の資料を発見し,晴帆の画歴や人物像の一端を明らかにした。本研究の成果は,「福永晴帆日本画展」(2014.6.3-6.29,海の道むなかた館)を開催して広く公開する。
著者
青木大吾 著
出版者
南郊社
巻号頁・発行日
1940
著者
田村 望 山本 隆彦 青木 広宙 越地 耕二 本間 章彦 巽 英介 妙中 義之
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.128, no.1, pp.150-151, 2008-01-01
参考文献数
4
被引用文献数
3 3

In Totally-Implantable Artificial Heart (TAH) system, Transcutaneous Optical Information Transmission System (TOITS) and Externally Coupled Transcutaneous Energy Transmission System (ECTETS) are effective for driving, controlling and monitoring the TAH. Using these systems, a patient needs to wear an optical coupler and a transcutaneous transformer separately, and then the patient's QOL (Quality of Life) will be deteriorated. Therefore, we research the energy and information transmission by wearing an unified transcutaneous transformer. In this paper, the unified transcutaneous transformer for the energy and information transmission was investigated. As a result, the unified transformer, by which the coupling between the energy and information transmission was reduced, was developed.
著者
高島玲 青木未来
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.312-318, 2014-10-15

国内の決済市場では電子マネーなどクレジットカード以外の決済手段が多様化している.これまで長きにわたり国内のクレジットカード会社の基幹システムの開発・保守・運用を手がけてきたTIS が,数年前より事業展開している国際ブランドデビット・プリペイド(DebitCube+/PrepaidCube+)のサービスを通じて,国内外における決済市場を活性化し,新たな国内産業基盤としての展開を目指している.この事業のポテンシャルや金融業界向けの基幹システムをサービス型で展開する上での課題に対するアプローチや工夫点を述べてみたい.
著者
佐野 弘治 末包 剛久 上田 渉 大庭 宏子 青木 哲哉 大川 清孝
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.224-228, 2012 (Released:2012-04-03)
参考文献数
9

症例は43歳女性.17年前に前置胎盤で帝王切開術を受けている.某年7月から下痢と血便があり,前医を受診した.翌月に大腸内視鏡検査(CS)を施行し,直腸に隆起性病変をみとめたため,精査目的で当科を受診した.CSでは,横行結腸中央部に狭窄を伴う表面顆粒状隆起性病変,S状結腸に粘膜下腫瘍様隆起,下部直腸に表面顆粒状の隆起性病変がみられた.腹部造影CT検査では,横行結腸に壁肥厚と壁内部に低吸収域がみられた.子宮は肥大し内部に低吸収域が多発し,子宮背側周囲に多胞性嚢胞がみられたため,子宮内膜症が疑われた.注腸検査では,横行結腸中央部に約6cmにわたる狭窄と鋸歯状の陰影欠損,S状結腸に壁の伸展不良,直腸に壁のひきつれと隆起を認めた.2ヵ月後CSを行い,横行結腸中央部,下部直腸からの生検で腸管子宮内膜症と診断した.横行結腸に病変をみとめた腸管子宮内膜症は,本邦では2例目で非常に稀であり,文献的考察を加えて報告する.
著者
北村 智紀 中嶋 邦夫 赤井 研樹 青木 恵子
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.139-140, 2011 (Released:2012-03-29)

高齢者が投資決定に際して他の者と相談することで投資詐欺を防ぐことが可能か実験で検証した.実験では高齢者を被験者とし,意思決定前に相談するグループと相談しないグループを設定し,現状の市場環境では存在し得ない元本保証で高利回りという詐欺的な特徴を持つ金融商品と通常の株式投信への仮想的な投資配分を決定してもらった.実験の結果,当初の選択では相談したグループの方が詐欺的商品への配分比率が高くなり,相談の効果が認められなかった.しかし,異なる商品に対する続く選択では相談したグループの方が詐欺的商品への配分比率が減少した.さらに,過去に預けた預金金利が高い者ほど相談に効果があった.家族等と単に相談するだけでは投資詐欺被害を防ぐ効果は低いと考えられるが,より現実的な投資詐欺の手口を示すことや,過去と現在の預金金利を比較するなどの具体的な相談内容を示すことで高齢者の投資詐欺被害を減らせる可能性がある.
著者
青木 一勝
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

古生代日本の形成・発達プロセスを明らかにするため、西南日本外帯に分布する黒瀬川帯中にレンズ状に産するシルル紀花崗岩類(三滝花崗岩類)からジルコンを分離し、LA-ICPMSを用いてU-Pb年代測定を行った。研究試料には、愛媛県西部の三滝花崗岩類模式地の三滝山地域の花崗閃緑岩、九州中央部祇園山地域の花崗閃緑岩、および紀伊半島西部名南風鼻地域の石英閃緑岩とトーナル岩を用いた。1. 三滝花崗岩類は成因の異なる少なくとも2種類の花崗岩類から成る。2. 三滝花崗岩類のうち、閃緑岩類はどの地域においても約445-435Maの明瞭なピークを持ち、古い粒子は含まないことから、オルドビス紀最末期-シルル紀に形成した新規弧地殻であったと考えられる。本研究で得られた結果とこれまで報告されている研究結果を踏まえると以下のことが考察される。3. トーナル岩に含まれる500Ma以前のジルコンは、約445-435Ma花崗閃緑岩類の元となった弧マグマが貫入・定置することにより融解した既存の大陸/弧地殻岩もしくはその砕屑物に由来すると考えられる。4. トーナル岩中に含まれる900-700Maを示すジルコンは、東アジアで唯一同時期の基盤を持つ南中国地塊の基盤岩から由来したと判断されるので、古生代日本は南中国地塊東縁の弧-海溝系であったと考えられる。5. 本研究により、オルドビス紀-シルル紀の南中国地塊東縁の弧-海溝系では当時の弧地殻や堆積体が広く分布していたことが示された。現在の日本列島においてそれら地質体の分布は非常に限られている。恐らくそれらの大部分はシルル紀後の構造浸食によって日本列島の基盤から消滅したと考えられる。
著者
森本 洋太 青木 直史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.125, pp.29-33, 2012-07-12

本稿ではソニフィケーション・ツールとしてのSupercolliderの可能性について述べる.Supercolliderは多種のユニット・ジェネレータを備えた、リアルタイム音響合成のためのプログラミング環境である.本環境を用いたデータ可聴化プログラミングの方法をデモを通して考察する.
著者
青木 成美 中野 泰志 永井 伸幸 猪平 真理
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

成人弱視者の視覚補助具の活用経験について、質問紙調査と面接調査を行った。その結果、弱視レンズを活用してきた者が最も多く、拡大読書器を活用してきた者が次に多いことがわかった。また、必要に応じて活用する補助具を変更した弱視者もおり、その際に専門家だけでなく弱視当事者の意見を参考にしていた。3 年間の調査研究の結果、 弱視者が自らの視覚補助具活用経験を生かし、他の弱視者を支援するためのプログラム作成の基礎データが収集できた。