著者
松葉 敬文 佐藤 淳 蔵 研也 青木 貴子 村上 弘
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.194-198, 2010 (Released:2011-06-27)
参考文献数
17

女子短大の学生を被験者に3週間にわたり,テストステロンの濃度と,リスク選好指標,時間選好などを計測した.リスク選好指標は,選択課題(choice task)と適合課題(matching task)の2種類を用いた.また被験者のT濃度を,グルコース投与によって一時的に低下させて,コントロール群との違いを見た.結果,Tの絶対濃度とリスク選好には選択課題,適合課題ともにはっきりとした関係がなかった.また,30分間隔でのT濃度の変化と,リスク選好の指標である 選択課題の間には有意な正相関があるが,選択課題とでは有意性は示されなかった.T濃度の変化は,確率過程の不明な不確実性(uncertainty)状況では影響を与えるが,確率過程が既知のリスク(risk)状況下では弱い,あるいは与えないことが示唆された.またTは時間選好には影響を与えない.
著者
青木 直史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.202, pp.21-26, 2000-07-12

本研究では, MELP(Mixed Excitation LinearPrediction)ボコーダを音声合成処理に用いた日本語の規則音声合成システムを実現した.本論文では, 実際の音声信号に見られるランダムネスの解析に基づいて開発した合成音声の自然性改善の方法について述べる.実現した音声合成システムでは, 従来のLPC(Linear Predictive Coding)ボコーダでは劣化しがちな有声子音の自然性を効果的に改善することができたことから, 提案手法を適用する事で, より品質の優れた規則音声合成システムを構築できる可能性が示唆された.
著者
青木 昌三 宮崎 英一
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.35-46, 2005-03

本年4月より試験的に運用が開始された,携帯電話端末からのアクセスにも自動対応する休講通知掲示Webシステムについて,アンケート結果やアクセスログの集計に基づいて,システムの動作の安定性や運用・利用の状況,継続運用の必要性等について検証した。開発時に意図したユーザビリティやシステム利用による業務の省力化も肯定的に評価され,休講通知情報の登録機能,ダイナミックなWebページ作成機能,携帯電話からのアクセスへの自動対応等の各種機能も含めシステムがトラブルも無く安定して稼動しているこどが確認できた。利用者である学生からの普段のアクセスはそう多くはないが,台風時など緊急時におけるシステムの有用性が認められた。継続運用が強く求められていると判断されたが,システムの更なる活用には,利用についてより一層広く学生に周知することが必要であることも明らかとなった。
著者
大森 圭貢 横山 仁志 青木 詩子 笠原 美千代 平木 幸冶 山崎 裕司 笹 益雄
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.106-112, 2004-04-20
被引用文献数
14

本研究は,立ち上がり動作が障害される下肢筋力水準を明らかにすることを目的として,等尺性膝伸展筋力と立ち上がり能力の関連について検討した。対象は,運動器疾患を有さない65歳以上の高齢患者205名である。立ち上がり動作は,座面高40cm,30cm,20cmの台からの立ち上がりの可否を調査した。等尺性膝伸展筋力は,腰掛け座位で下腿を下垂させた肢位での筋力を徒手筋力測定器によって測定し,左右の脚の平均値を体重で除した値を百分率で表した。単変量解析によって,座面高40cm台からの立ち上がり不可能群,40cm可能群,30cm可能群,20cm可能群を比較した結果,年齢,身長,体重,Body Mass Index,等尺性膝伸展筋力に有意差を認めた。ロジスティック解析では,等尺性膝伸展筋力のみが,各座面高からの立ち上がりの可否に有意に影響を与えていた。等尺性膝伸展筋力が35%,45%,55%を上回った場合,それぞれ全ての者が40cm台,30cm台,20cm台からの立ち上がりが可能であった。一方,等尺性膝伸展筋力がこれらの値を下回る場合,筋力の低下に従って各座面高からの立ち上がり可能者の割合は減少した。等尺性膝伸展筋力が20%を下回った場合,40cm台,30cm台からの立ち上がり可能者を認めなかった。同様に等尺性膝伸展筋力が30%を下回った場合,20cm台からの立ち上がり可能者を認めなかった。これらのことは,高齢患者の等尺性膝伸展筋力と立ち上がり能力が密接に関連することを示しており,等尺性膝伸展筋力が一定水準を下回った場合,立ち上がり動作が困難になると考えられた。
著者
木下 康昭 阪本 泰男 佐藤 千明 青木 敏 野本 真一 篠原 弘道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.204-213, 2002-03-01
被引用文献数
5

ダイヤルアップ時代から常時接続の時代に向け,ラストワンマイルのブロードバンド化がインターネット通信で最大の課題となっている.加入者から集配局に至るアクセス系の伝送媒体と網トポロジーを,電話用対ケーブルを用いるADSL,CATV同軸ケーブル網の利用,アンテナ系を用いる無線アクセス,光ファイバを用いる光アクセスの4種類に分類し,そのブロードバンド化の内外動向と技術課題を横断的に論じた.IT国家基本戦略は,今後の政策課題の実行で十分に達成の見込みである.
著者
小倉 充夫 井上 一明 島田 周平 青木 一能 遠藤 貢 松田 素二 児玉谷 史朗
出版者
津田塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

冷戦の終焉とアパルトヘイト体制の崩壊は南部アフリカ地域に政治的、社会的、経済的変動をもたらし、民主化、経済自由化、地域協力の進展を促した。1990年代初頭において多くの人々はこの地域の将来に楽観的であった。しかし変革からおよそ10年後の今日、南部アフリカ諸国は失業率の上昇などの経済的苦難、犯罪や感染症の増加など深刻な問題を抱えている。構造調整政策の導入は経済危機を克服するために導入されたが、多くの都市住民の生活を一層困窮させることになった。こうした状況が人々の移動のあり方ばかりでなく、政治意識・政治行動にも影響を与え、農村社会を変化させた。これらの問題を各分担者等はそれぞれの研究領域と対象地域において調査しまとめた。具体的には、ザンビアにおける民主化と非政府組織、ジンバブエからザンビアへの移住農民の生活、ザンビア東部州からの移動と農村社会、ジンバブエにおける農村・都市間移動と反政府運動、植民地時代モザンビーク農村における人口移動、モザンビーク・南アフリカ間の労働移動、アパルトヘイト後の南アフリカにおける和解、ユダヤ人移民差別、中国人労働者導入問題などである。南部アフリカ諸国は南アフリカを中心として相互に密接な関係を発達させてきた。それはアパルトヘイト時代においても継続していた。したがってこの地域においては、一国的な分析は多くの場合限界があると同時に、歴史的な背景と変化のなかに位置づけて現状をとらえる必要がある。それ故、本研究では歴史的分析を重視し、その成果は報告書にも反映された。
著者
津田 道夫 永岡 郁代 青木 一紀 和栗 正一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.11, pp.1-6, 1995-01-26
被引用文献数
2

ソフトウエア変更作業における、作業工程を分析して、必要な情報や作業内容、その結果として得られた情報を明確にした。また、実際に保守担当者が、どのような方法で仕様を理解して、プログラムの修正をしているかを、調査した。この結果、プログラム理解の方法が、保守経験値により異なることが判明した。この分析に基づき、ソフトウエア影響波及検索ツールのプロトタイプ(ツール名:FINDMA)を開発した。FINDMATEは、ユーザからの保守依頼に対応して、既存ソフトウエア・リソースの相互関連を検索する。これにより、影響波及対象のリソースを抽出して、作業見積、作業計画や修正作業に利用する。We analyzed processes of software modification and clarified essential information, contents of the modification operations, and information that is obtained from the operations. We also studied what kind of procedures the software maintainers use to understand programs and to modify them. As a result, we found that the procedures of understanding software depend on the years of experience of the software maintainers. According to the result, we have developed a prototype of the tool "FINDMATE", that finds the effects of software modification. FINDMATE can be used to search interrelationships across the existing software resources to meet users' maintenance requirements. FINDMATE identifies affected resources, which can be used for estimation of the amount of modification operations, planning of the operation, and the actual modification.
著者
速水 敏彦 小平 英志 青木 直子
出版者
中部大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

家事の動機づけを測定する項目を収集し質問紙を構成し、成人女性に実施して因子分析を行った。その結果、興味関心・効力感、義務感、生活習慣、生活必要感、代替者不在感の5つの因子が抽出された。また、各家事の動機づけが現実の家事行動とどのように関係するのか、さらに専業主婦と就業者では動機づけに違いがあるのかについても検討した。さらに家事の動機づけの高低を規定するパーソナリティや価値観、家族の人間関係との関連についても調べた。
著者
凍田 和美 菊池 達哉 吉山 尚裕 柴田 雄企 高橋 雅也 竹中 真希子 青木 栄二
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.16, pp.1-6, 2011-03-03

本研究は,「地域の安全・安心は地域が守る」 という考えを元に,共助を基盤とした地域防災 SNS を開発し,平常時にはコミュニケーションツールとして,また,災害時には災害・防災情報を効果的に住民に浸透させ,被害を最小化させることを目的としている.なお,本研究は総務省の戦略的情報通信研究開発推進制度 (SCOPE) で採択された研究開発である.The present study has aimed to develop community disaster prevention SNS. It makes the idea "The region defends the community safety and safety". It is used as a communications tool in normal circumstances. but at the disaster it effectively informs people of the disaster and disaster prevention information, and it minimizes damage. The present study is a research and development adopted by Strategic Information and Communications R&D Promotion Program (SCOPE) of the Ministry of Internal Affairs and Communications.