著者
梶谷 美保 青木 直和 小関 健一 小林 裕幸
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.385-388, 2001-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
11

重クロム酸ゼラチンに代わるピグメント印画法として, 鉄 (III) 塩の鉄 (II) 塩への光還元に基づく光重合型印画法について研究した。露光された部分で生成される鉄 (II) は過酸化水素と反応するとヒドロキシルラジカルを生成する。これはアクリルアミドの重合を開始させる。本研究では, 支持体に塗布される感光液に含まれる3つの成分 (アクリルアミド, N, N'-メチレンビスアクリルアミド, クエン酸鉄 (III) アンモニウム) の濃度を実験計画法に基づき変化させ, 良い画像を得るための最適な処方を見つけた。感度, ガンマは重クロム酸ゼラチンと同レベルだが, レリーフ画像の最小膜厚は1μm程度であり, この点に関しては重クロム酸ゼラチンよりやや劣る。
著者
今田 晃一 木村 慶大 青木 務
出版者
文教大学
雑誌
教育研究所紀要 (ISSN:09189122)
巻号頁・発行日
no.14, pp.47-55, 2005

学習指導要領においても博学連携が求められている。博物館はモノを媒体とした教育機関であり、その展示資料は教育メディアである。学習者が博学連携の展示資料をどのような観点で評価しているかを明らかにすることは、博物館独自の学びのよさを学校教育に生かすための知見を得ることにつながると考え、調査を行った。結果、博物館、特にハンズ・オンにおける展示資料について中学生は、博物館の意図する視点とともに材料・触感性の観点からも評価していることがわかった。また博物館の学びに対して、モノに触れながらの観察を通して「モノとそのモノが使われている状況に思いを馳せる」という博物館独自の学びのイメージを適切にもっていることが明らかになった。
著者
山田 功夫 深尾 良夫 石原 靖 青木 治三
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.21-31, 1989-03-25 (Released:2010-03-11)
参考文献数
9
被引用文献数
3

Since late 1986, we have been operating a three-component set of STS seismometers (STS-1) at Inuyama Observatory, Nagoya University, Japan. This is a preliminary report of the two years observation. The STS-1 seismometer equips with three component BRB (BRoadband Band) outputs and three component LP (Long Period) outputs. The lowpass filtered LP outputs are digitized and recorded continuously at a sampling interval of 10s in a dynamic range of about 120dB. These continuous data have been used so far to determine seismic moment or centroid moment tensor of large Japanese earthquakes. The BRB output is recorded on an event recordering system, where the BRB and LP outputs after an eight-pole analog anti-aliased filtering are digitized and recorded for 50 minutes at sampling intervals of 0.1 and 0.4s, respectively. The dynamic range of this system is limited at present by the A/D converter to about 90dB. The triggered BRB data have been used so far to determine the source time functions of large Japanese earthquakes, which suggest the occurrence of backswing of fault motion. To maintain the horizontal component instruments in a stable condition, a care must be taken for variation of atmospheric pressure. The results of the analyses indicate a unique importance of nearby observation of large earthquakes by broadband, wide dynamic range and high precision seismometers such as the STS instruments.
著者
青木 健一 木村 亮介 川崎 廣吉 若野 友一郎 小林 豊
出版者
明治大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

新学術領域研究「交替劇」は、ネアンデルタールの絶滅およびヒトによる置換(交替劇)を両者の文化水準の違いによって説明する(学習仮説)ことを目的とした。社会が到達する文化水準は、文化進化のあり方に依存する。このため、領域傘下の我が計画研究班では、文化進化の決定要因およびこれを支える学習戦略の進化に関する理論研究を行った。得られた多くの成果は、査読付の国際学術雑誌や著書に発表済みであり、国際的にも文化進化および学習戦略進化の研究に大きく貢献している。また、ネアンデルタールとヒトの学習戦略に違いがあるならば、両者の認知に関わる遺伝子にも違いが認められるはずとの立場から、分子人類学的な研究も少し行った。
著者
藤吉 康志 工藤 玲 川島 正行 林 政彦 宮崎 雄三 青木 一真 山本 真之
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

地上リモートセンサーと同時にグライダーでのin situ 観測を実施することによって、大気境界層内の各種物理量が整合的に変動することが確認できた。さらに、大気境界層上端に発生した強い乱れは、小さな積雲の縁に存在する極めて狭い下降流によってもたらされていたことが分かった。また、エアロゾルの時空間分布と光学的特性の変動要因を解明するため、エーロゾルの量と光吸収特性の鉛直分布を導出するアルゴリズムを開発し、日射による加熱量を推定した。アルゴリズムの検証は、滝川で行ったグライダー観測データで行った。その結果両者にはまだ不一致が見られ、さらなるin situ観測との比較が必要であることが明らかとなった。
著者
青木 美智男
出版者
日本福祉大学
雑誌
日本福祉大学経済論集 (ISSN:09156011)
巻号頁・発行日
no.2, pp.37-56, 1991-01-30

The sudden arrival of the U. S. naval warships (consists of two steam ships and two sailers) lead by Admiral Perry, Cormander of East India Naval Force, at Uraga Harber on June 3, 1853 (HANEI, 6th) and verious responses of the Tokugawa Goverman [Tokugawa Bakufu] have been well discussed by many historians. It is, however, little known the fact that Tokugawa Goverment was notified of the Perry's plan by Holland Governt one year prior to his sudden visit to Uraga Harber. The paper discusses the Tokugawa Government's verious responses preparing for the visit, upon Holland natifications. The Tokugawa Government's struggle in dealing with this problem went on for one year prior to the Uraga incident.
著者
青木 定雄 宇賀神 宰司
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.253, pp.140-143, 2005-10

中でも、特に苦労したのが"教育"です。すべての企業にとって、一番大切な資産は社員です。特にこれからは、人で商売していく時代。無から有を生み出すのが社員です。その教育こそがすべてなんです。 しかし、一口に教育と言っても、それはもう、大変なことでした。 「出社したら、まず『おはようございます』と挨拶しましょう」 例えば、これだけで10年掛かったんですよ。
著者
中村 緋紗子 青木 武信
出版者
文教大学
雑誌
文教大学国際学部紀要 (ISSN:09173072)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.83-92, 2009-01

地球環境の劣化阻止と改善の努力の中で、近年、広汎な市民参加を目指して、人々の間に根付いている伝統的な宗教的・倫理的価値を再解釈してアピールし、人々の態度の変化を導く方法の有用性が認識され始めている。このレポートでは、世界最大のムスリム(イスラーム教徒)人口を擁するインドネシアで、イスラームと環境問題がどう結びつけられ、ムスリム活動家が環境改善にどのように取り組んでいるか、現地調査に基づいた観察事例を報告する。中村はインドネシア最大のムスリム組織であるナフダトゥール・ウラマー(NU)とムハマディヤーの婦人部が、ともに、環境問題に真剣に取り組んでいる実態を報告する。とくに、注目される点は、両者ともに、社会教育や学校教育を通して、イスラームの世界観や価値観から見た環境問題へ取り組みを女性や児童に浸透させようとしている事実である。イスラームでは、人間は神の地上における「代理人」(カリファー)とされ、神の被造物である自然の保全に責任を持つとされる。NU女性組織のムスリマートは家庭の主婦用のガイドブックを作成し、全国で3万カ所以上の祈祷グループに配布している。そこでは、イスラームの教義から具体的な家庭ゴミの処理方法までが平易に説明されている。ムハマディヤーの婦人組織アイシヤーは1万カ所以上の教育施設─幼稚園から大学まで─で使われる環境教育の教科書を準備中である。幼稚園用の教科書では、童謡やお遊戯を通して、児童に環境保護と改善の動気付けが試みられている。数十万人におよぶムスリマートやアイシヤーの活動家が全国の草の根レベルで活動しているので、その影響は極めて大きい。青木は中部ジャワの農村と都市における環境改善の試みについて報告している。活火山ムラピ山麓のサワガン村では、婦人たちのグループが「アリサン」という伝統的な頼母子講とコーラン学習の活動を核にして、さらに環境の改善にも取り組んでおり、具体的には家庭ゴミの分別とリサイクルを実践している。さらに、近隣のプサントレン(イスラーム宗教塾)では,キャイ(塾長)の指導の元に、サントリ(塾生)たちがコーランやイスラーム学の学習に加えて、牛糞によるバイオガスの発生(塾生のための料理用に使われる)や有機肥料による農業に従事している。古都ジョクジャカルタ郊外の新開地ウンブルハルジョ地区の近隣組織における事例では、多様な宗教的文化的背景をもった住民の中で、ムスリム活動家たちが率先して、「緑の村」運動を積極的に進めている。具体的には、植樹、下水処理施設の建設、河川の浄化、家庭ゴミの分別処理、コンポストの利用、買い物カゴの利用(プラスチックのショッピングは使わない)などの活動である。この近隣組織の代表は2007年末、バリ島で行なわれたCOP13の国際会議に参加した。
著者
青木輔清 編
出版者
和泉屋市兵衛
巻号頁・発行日
vol.[1編]巻之2, 1873
著者
青木 千帆子
出版者
静岡県立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

国内の電子書籍のアクセシビリティに関する状況は、2015年に販売され売り上げ上位を占める電子書籍の9割近くが、アクセシブルなフォーマットで販売されている。また、対応するアクセシビリティ機能を購入前に判断することができる。一方、電子書籍ビューアーは、課題が残されている。このため、出版関係者と議論し、ビューアーの対応が求められる最優先項目9点を導出した。電子書籍のアクセシビリティについては、著作権法と障害者差別解消法が頻繁に参照される。著作権法を参照する場合、アクセシビリティを支えるビジネスモデルの確立に向けた語りではなく、福祉的取り組みとしての語りが採用され、旧来の状況を再構築している。
著者
加藤 宏 青木 和子
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:18818587)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.19-29, 2007

平成18年度大学入試センター試験から英語リスニング試験が導入され、視覚に障害のある受験生にもリスニングが課されることになった。障害を補償するための特別措置方法と回答行動の分析は、今後、視覚障害者の英語教育研究の課題となると考えられる。リスニング試験は、時間延長に加えて連続・音止め方式という2つの試験方法を受験生が選択する方式が採用された。リスニング試験の視覚障害者特別措置としては他に実用英語技能検定(英検)の解答時間の一律2倍延長方式がある。本研究はセンター試験の試行テストと英検準2級問題のリスニング問題を用い、視覚障害学生の両試験における解答方略や認知リソースの配分を解答行動を中心に分析した。
著者
青木 浩樹 吉村 耕一 吉田 恭子 田中 啓之
出版者
久留米大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

マクロファージ特異的SOCS3ノックアウトではマクロファージ分化が炎症性M1優位となり解離発症が亢進した平滑筋細胞特異的SOCS3ノックアウトマウス(smSOCS3-KO)では、外膜コラーゲン線維の沈着および組織強度が亢進しており、解離発症が抑制された。ヒト解離組織では中膜外側にSTAT3の活性化を認め、外膜と接する部分の中膜および外膜にマクロファージ浸潤を認めた。STAT3活性化は中膜平滑筋細胞およびマクロファージの双方に認められた。解離発症前後にIL-6系シグナルが活性化し、その作用は細胞種特異的であることが明らかになった。
著者
野村 明美 塚本 尚子 青木 昭子 舩木 由香
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

子供が一生涯を健やかに過ごすために、子供の成長過程におけるセルフケア能力育成プログラムと教材開発を行い、実用化することを目的に、まず幼児期、学童期を中心に調査を行い生活習慣と健康の結びつきについての認識を明らかにし、この認識に基づく健康行動の選択が健康に及ぼす影響を検証した。その結果をもとに、行動を支える認識を育成するセルフケア能力育成プログラムを考案し、教材を開発し、実用化した。