著者
青木 孝文
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-6, 2011-10-17

画像マッチングは,コンピュータによる画像の解析・認識・理解などのさまざまな分野で重要になる基本処理である.本稿では,サブピクセル精度の画像マッチングを実現する 「位相限定相関法」 について解説するとともに,その応用について紹介する.応用事例としては,バイオメトリクス認証 (顔照合,指紋照合,虹彩照合,掌紋照合,歯科 X 線画像照合,医用ボリュームデータ照合ほか),工業市場向け超高速画像認識,顕微鏡画像解析,映像信号処理,ステレオ画像/多視点画像を用いた受動型 3 次元計測 (人体計測,ヒューマンインタフェース,車載カメラほか),プロジェクタカメラシステム,コンピュテーショナルフォトグラフイ,医用画像解析 (CT や MRI などのボリュームデータの対応付けと可視化ほか) などがあげられる.This paper presents fundamentals of Phase-Only Correlation (POC) --- a technique for high-accuracy registration of 1D, 2D and 3D signals using phase information of discrete Fourier transform. Since 1990s, our research group has developed a novel technique of phase-based image matching for fingerprint verification and industrial machine vision. We have recently proposed an efficient image correspondence algorithm using POC, which can find pairs of corresponding points between the given two images with sub-pixel accuracy. This allows us to apply the POC technique to a wide range of applications, including smart image sensors, microscope image analysis, passive 3D vision, automotive image processing, image-based human interface, biometric authentication, and medical image analysis.
著者
青木 人志
出版者
一橋大学
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.118, no.1, pp.79-96, 1997-07-01

論文タイプ||論説
著者
三村 秀典 青木 徹 根尾 陽一郎
出版者
静岡大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、X線入射によりCdTeダイオード内で発生する正孔によるイメージパターンをマトリクス駆動微小電子源アレイからの電子ビームで読み出すことにより、微小電子源アレイの画素ピッチで解像度が決まる、超高精細の微小電子源アレイ駆動CdTe X線イメージセンサを開発することである。本年度は、イオン注入プロセスを用いた薄膜誘起立体化により直立薄膜微小電子源からなる5×5と10×10のマトリクス駆動直立薄膜微小電子源アレイを開発した。イオン注入プロセスを用いた薄膜誘起立体化は比較的歩留まりよく、ほぼ全ての画素が動作するマトリクス駆動直立薄膜微小電子源アレイを製作できることがわかった。そこで、CdTeショットキーダイオードとマトリクス駆動直立薄膜微小電子源アレイを組み合わせ、微小電子源アレイからの電子ビームでX線照射により発生するCdTeダイオードの正孔イメージパターンを読み出すX線センサを製作した。X線センサ特性として、X線管電流とX線管電圧を変化させ、CdTeダイオード上に置いた銅版の有無とによる信号電流の変化を読み取った。その結果、この微小電子源アレイ駆動CdTeショットキーダイオードは、CdTeダイオードに入射するX線量に比例した信号を出力できるX線センサとして動作することを確認した。以上、薄膜誘起立体化によるマトリクス駆動直立薄膜微小電子源アレイとCdTeダイオードで超高精細の微小電子源アレイ駆動CdTe X線イメージセンサの開発の基盤技術を確立した。
著者
齋藤 君枝 青木 萩子 藤原 直士 後藤 雅博 渡辺 洋子 岩佐 有華
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

応急仮設住宅生活経験のある高齢被災者の身体機能とストレスを定量的に中長期間評価し,応急仮設住宅入居からコミュニティにおける再建後5年までの生活現象を民族看護学的手法により検討した.再建に伴い女性の身体変化が見られ,被災後の経過と季節の影響を受けると考えられた.再建後ストレスの長期的な変化は認められなかった.被災高齢者の生活適応には,地域の文化や行動様式の維持が重要であり,応急仮設住宅生活から長期的な体力保持と健康管理,自立支援,文化ケアが求められる.
著者
青木 久美
出版者
沖縄工業高等専門学校
雑誌
独立行政法人国立高等専門学校機構沖縄工業高等専門学校紀要 (ISSN:1881722X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.47-59, 2008-03

『中論』においてナーガールジュナは、言語が現実をそのまま言い表すことができるという人々の考え方を批判し、言語がそこで止滅するところの空を示そうとする。ただし、彼は空という見解を主張しようとしたわけではない。テトラレンマに基づいたナーガールジュナの帰謬法的論法は、自らの主張さえをも否定する。ナーガールジュナはむしろ、二項対立的言語が陥らざるを得ないアポリアを暴露し、それによって空を示そうとするのである。言語が陥らざるを得ないアポリアとは、言語世界の裂け目であり、非言語世界への開けである。このような開けとして経験される空は、伝統的解釈でいわれるような、自性の否定ではない。空が自性の否定と解されてきたのは、自性は縁起と相容れないものであるがゆえであるが、自性がなければそもそも事物の存在すら成り立たない。自性が非言語に開けているとき、事物は自立していると同時に他に依存している。つまり、自己同一的存在として縁起によって生じうるのである。
著者
青木 洋貴
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.247-256, 2007
参考文献数
17

本研究は,高度な認知・精神作業であるとともに,審美的な観点も重要となるような印刷広告制作作業に対して,IE的なアプローチの有効性を示すことを意図し実施している.本論文では,このような印刷広告制作作業のうち,特に広告レイアウト作業に着目している.IEの基本となるタスク分析をここで実施するために,観察されるアクションならびにプロトコルデータを用いることで適切に記録するためのタスク記述方法を提案している.さらにこの記述に基づき,作業遂行にあたってのデザイナの創造性診断に向けた基本的な考え方ならびに実施手順についても提案する.一連の方法を熟練したデザイナを用いた印刷広告制作実験により得られたデータに対して,ここで提案する方法を試験的に適用した.この適用から,デザイナの作業における進行・停滞状況の把握が可能であること,および定量的な評価が可能となることを示した.
著者
青木 実枝 三澤 寿美 鎌田 美千子 新野 美紀 川村 良子
出版者
山形県立保健医療大学
雑誌
山形保健医療研究 (ISSN:1343876X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-10, 2006-03-31
被引用文献数
1

本研究は,地域で活動する保健師の災害時ヘルスケアニーズに対する役割意識を明らかにすることを目的に行った.調査対象者はA県の市町村および保健所に勤務する保健師358人である.回答者282人(回答率77.5%)現施設の平均従事年数14.4プラスマイナス9.5年である.調査内容は、全災害サイクルにおけるヘルスケアニーズと災害時救護・救援活動に関する研修・訓練・シミュレーションの参加状況,および役割を遂行するに当たって気になることである.全災害サイクルにおけるヘルスケアニーズは先行研究を参考にして52の質問項目を設定した.その結果,50%以上の対象者が自分の役割であると回答したものが22項目あり,保健師は全災害サイクルにおけるヘルスケアニーズに対して役割意識が高いことが明らかになった.中でも,保健師が自分の役割であると強く意識する傾向にあったのは,発災時期から亜急性期のヘルスケアニーズである,1被災地の衛生状況や被災住民の健康状態および災害弱者の把握,2健康障害を予防するための巡回活動や広報活動および環境の工夫,3心理的影響への対応,4感染予防に関する項目であった.保健師が自分の役割ではないと意識する傾向にあったのは,災害休止期や復興期のヘルスケアニーズである,1被災者の生活の立て直しに関する項目,2組織作りや資源マップ作り等であった.しかし,保健師の災害看護や災害時救護・救援活動に関する研修等の受講経験者は18.4%のみであった.さらに、保健師が自分の役割意識に基づいて役割行動を起こすことに対して,自信がないと回答したのは84.4%であった.以上の結果から,地域で活動している保健師は,大規模災害が発生した場合,発災時期から亜急性期のヘルスケアニーズへの役割意識の方が,災害休止期や復興期のヘルスケアニーズへの役割意識よりも高いことが明らかになった.しかし,実際には,地域で看護活動を展開する保健師であるがゆえに,復興期における地域住民の生活の立て直しや,生活の立て直しに関連した健康問題への対処などのヘルスケアニーズに対する役割に期待が高いと考えられる.このことから地域住民のヘルスケアニーズによって期待される役割と実際の保健師の看護活動との乖離が予想される.また,保健師のヘルスケアニーズに対する役割意識は広範囲で高いが,意識している役割に基づいて行動するために必要な知識・技術が不十分であることが明らかになった.
著者
小川 和洋 庄子 哲雄 青木 久彦 藤田 範生 鳥越 泰治
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.66, no.647, pp.1370-1376, 2000-07-25
被引用文献数
4 2

A two-layer plasma sprayed thermal barrier coating on Ni base superalloy substrate was characterized. The coating was comprised of an inner layer of MCrAlY bond coating and an outer layer of 8wt% yttria stabilized zirconia (YSZ) thermal barrier coating (TBC). After aging, the reaction layer at interface between YSZ and MCrAlY was observed. The reaction layer had two different contrast layers in the SEM images. One was black which was closer to MCrAlY and the other was gray which was closer to YSZ. The thickness of both layers increased with aging. Also countless porosities at the gray layer and microcrack at YSZ were observed. Most of the macrocrack grew through the porosities. From this viewpoint one may say that the mechanism of macrocrack formation is a deterioration of adhesion which was accompanied by an increase of the porosities or the microcrack.
著者
片岡 祥啓 宮本 貴朗 青木 茂樹 泉 正夫 福永 邦雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.139, pp.23-30, 2007-07-12

これまでに提案されているキーストロークを利用した個人認証の研究では,キーが押されていた時間を比較したり,パスワードを打つリズムを意図的に作り出すことによってユーザ認証を行っていた.しかし,これらの手法はパスワードなどの定型文には有効であるが,自由な文章(非定型文)を用いた場合は,定型文に比べ大幅に減少するため識別率が大きく低下するという問題があった.本稿では,非定型文を用いた場合にもユーザの特徴を的確に捉え,個人認証を行うことができる手法を提案する.まず,キーストロークの特徴として,連続する二文字(二連字)を押した時の時刻と離した時の時刻から計算できる各種の時間を特徴として抽出する.次に,二連字の種類ごとにその特徴の平均値で昇順に並べる.そして,その並び方と予め作成しておいたプロファイルの並び方をKendallの順位相関係数で比較する.さらに,二連字が押されていた時間をプロファイルデータに登録されている時間と比較することにより個人を識別する.
著者
小川 孔輔 阿部 周造 西尾 チヅル 青木 道代 竹内 淑恵 酒井 理
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

(1)消費者調査2004年、東京都内の青果店店頭において、東京地場産野菜・有機野菜・特栽野菜についての消費者調査を行った(アンケート用紙配布、回答郵送方式、有効票数686票、有効回答率34.3%)。データから、回答者の76%は有機や減農薬・減化学肥料栽培野菜に関心を持っている一方、「東京」の地場野菜についての認知や評価は低く、43%が地場産野菜へのプレミアム価格の支払い意志をもたなか、った(小川・酒井)。調査の自由回答部分は、テキスト・マイニングの手法で解析したところ、消費者は有機と減農薬野菜の違いをはっきり認識しておらず、知覚している消費者は有機への不信感が大きいことがわかった(西尾・竹内)。また、これらの野菜購入動機の背景にある知覚されたベネフィットは、個人間で異なっていた。消費者の態度を分析すると、「有機」は独立したカテゴリーというより、「一般野菜」との関係で、相対的な評価により購買されている(阿部)。(2)視察・専門家による講義国内外の有機農産物の生産・流通・認証の実情を調べるため、筑波や中国・山東省、.オランダ、合衆国の小売り「ホールフーズ」(小川2005)などの視察を行った。また、エクスパートによるレクチャーも企画した。講師はイオン(「グリーンアイ」)、イトーヨーカドー(「顔が見える野菜。」)、ワタミファーム、イーアグリ、首都圏コープGPS、認証機関SEQの各社の野菜生産・流通の最前線の専門家で、講義は講義録にまとめられた(小川・青木2006)。(3)その他2004年、アジア消費者調査学会(ACR>で、研究メンバー全員が韓国で学会発表を行った。その他、研究の基礎となる資料の収集整理を行い、有機農産物と食の安全性に関する文献レビューを発表した(小川、2004,2005)。関連文献数百点に要約をつけた文献データベースが作成された。
著者
山本 晃司 山口 修 青木 恒
出版者
国立情報学研究所
雑誌
Progress in informatics : PI (ISSN:13498614)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.53-62, 2010-03

本稿ではテレビ番組の出演者の顔を一覧表示することで,見たいシーンをすばやく見つけることができる映像ブラウジング・インタフェースのための高速な顔クラスタリング手法について提案する.ブラウジングのために,ユーザが録画終了後,許容できる待ち時間は1 時間番組あたり3 分以下であることが,予備調査により分かっている.本手法の目的は録画終了後,この許容時間内に顔クラスタリング処理を完了することである.顔認識に基づくクラスタリング手法(FRC) は良好な精度を得られる反面,処理時間がかかるという問題がある.そこで,本手法では顔特徴の類似度の代わりに,人物を含むショットの類似度を用いることで高速に処理する.本稿では類似ショット情報のみを用いた手法(SSC) と,SSCの結果をさらに顔サムネールの類似度でクラスタリングする手法(FTC) の2 手法を提案する.実験では映像1 時間当たりの平均処理時間はSSC が350 ミリ秒,SSC+FTC が31 秒と高速に処理可能であり,このときの精度(一覧表示における重複しない人物の数) は,FRC と比較し,それぞれ6.0%と0.9%の低下率にとどまることを示す.
著者
石井 健太郎 青木 直和 小林 裕幸
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿 (ISSN:02853957)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.49-52, 2006

ある顔画像にふさわしい,あるいは好ましいと思う肌色は,それぞれの画像の記憶色であるが,記憶色が画像がリアルかノンリアルかで異なるかを調べるため,本研究では,写真,イラスト画像,アニメ画像とリアルさが異なる画像をディスプレイで表示し,それらの絵柄に対して被験者がふさわしいと思う肌色を塗ってもらった.男女2名ずつの顔画像を用いたが,どの画像においても,写真が最も暗く、アニメが最も明るいという結果が得られた.
著者
青木 宏之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.465-470, 2004-06-01

複素ニューラルネットワークを自然画像など多値情報の処理に応用する例を紹介する.実数値モデルを複素数値化することにより,物理量として新たに位相情報を活用することが可能となる.本稿では画像を複素ニューラルネットワークに入力する際に前処理を行い,画像をフーリエ変換処理してから振幅情報を位相情報の中に埋め込み,画像を位相情報のみで表現し処理する.三つのタイプの複素ニューロンモデルを導入することにより,モデル全体を構成するニューロン数の削減や,画像フィルタ,自然画像の連想記憶装置等が容易に実現される.