著者
関 孝夫 伊藤 崇之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.605, pp.65-70, 2001-01-24

CGアニメーションによる運動の再現やジェスチャ認識等を目指して、画像からの人の動き計測の様々な研究が行われている。従来の単眼視時系列画像を使用した手法では、3次元動作への未対応、推定結果のずれの累積といった問題がある。本稿では、単眼視時系列画像からスティックモデルの状態を確率的に推定する方法を用いて、3次元的な動き追跡を可能にする手法について報告する。実験室で撮影された動画像に本手法を適用し、2次元及び3次元の基本的な動作について、本手法の有効性を示す。また、動作の速い場合にもモデル推定にずれが少ないことを示す。
著者
太田 慎司 大関 武雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.666, pp.71-76, 2003-02-21

IEEE Communication Society主催の国際会議「IEEE Global Communications Conference 2002」が、11月17日から21日の日程で、台湾・台北市のTaipei International Convention Centerにおいて開催された。初日と最終日にチュートリアル21件、残り3日間でシンポジウム80件とワークショップや特別セッション6件がパラレルに実施された。本橋では、会議の概要を含め、衛星通信関連技術、無線伝送技術、コンテンツ配信技術の動向について紹介する。
著者
興梠 正克 蔵田 武志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.75, pp.75-80, 2006-05-19
参考文献数
4

本稿では、GPSと自蔵航法を組み合わせた組み込み型歩行者ナビシステムについて述べる。GPSによる測位は、その条件によっては必ずしも十分な精度が得られない。そこで、人に装着された自蔵式センサ(加速度・ジャイロ・磁気方位センサ)を用いて歩行動作を計測し、人の相対的な歩行移動ベクトルを推定する。この推定結果とGPSによる測位結果を相補的に組み合わせることで測位精度を向上させる。GPSによる測位ができない屋内環境においては、事前に環境中に埋め込まれたRFIDタグによる測位を行ない、デッドレコニングの結果と統合することで、GPSの場合と同様に相補的に測位精度を向上させる。本手法を装着型組み込みシステムとして実装し、評価した。
著者
本間 雅行 田村 亮 戸川 望 柳澤 政生 大附 辰夫 佐藤 真琴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.224, pp.7-12, 2008-09-22

近年のディジタル機器においては,多種多様で,膨大なデータを短時間で処理することが要求されている.このような要求に応える新たなアーキテクチャとして,多数の演算器を並列に動作させることができる再構成型プロセッサがある.ここでは,ディジタルメディア処理向け動的再構成プロセッサFE-GA(Flexible Engine/Generic ALU array)に注目する.現在,FE-GAの開発ツールに関してはまだ確立されていない.そこで本稿では,FE-GAへの設計を容易にし,開発コストを軽減するFE-GAマッピングアルゴリズムを提案する.このアルゴリズムは特定のデータフローグラフ(DFG)を入力とすることで,FE-GAへのマッピング結果を生成,変換し,FE-GA専用のアセンブリ言語を自動生成するものである.この自動生成したアセンブリ言語をFEEditorと呼ばれる専用ツールに読み込ませることでマッピング自動化を実現する.提案手法では,DFGの入力側から出力側に向かってレベル順にノードを一つ一つFE-GAの演算セルアレイに配置配線していく.最初にマッピングするノードを優先的に左上にマッピングすることとし,それ以降のノードは,マッピングしたいノードの入力データを出力するノードの位置により,その位置を決定する.この過程を繰り返すことでマッピングを実現する.8つのDFGに対し提案手法を適用しサイクル数および実行時間を算出した.すべてのDFGでマッピングを実現することができた.
著者
朝廣 雄一 宮野 英次 宮崎 修一 吉牟田 拓朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.405, pp.15-22, 2006-11-27

グラフ上での地図作成問題とは,探索者が未知のグラフの全ての頂点を訪問することによりグラフ構造を調査する問題である.探索者は辺の存在とその長さをその端点を訪れるまで判らないとする.探索者は,できるだけ短い経路を通ることにより全ての頂点と辺を調査して,出発点まで戻って来なければならない.本問題に対する最も単純な方法の一つは,最近傍アルゴリズム(NN)であり,まだ訪れていない頂点の中で探索者の現在の場所から最も近い場所に移動する戦略である.重み付き最近傍アルゴリズム(WNN)は,NNの拡張であり,ある重み付きの距離により次の移動場所を決める.平面グラフにおいては,重み3であるWNNが16競合であることが知られている.本稿ではサイクルグラフについては,NNの競合比が1.5となること,その解析が厳密であることを示す.また,サイクルグラフに対してはWNNの中でNNが最適であることを示す.さらに,本問題に対しては,1.25競合よりも良いアルゴリズムが存在しないことを示す.
著者
鶴田 茂之 木下 健太郎 中林 竜也 岸田 悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.6, pp.93-97, 2011-04-11

新規の不揮発性メモリやスイッチング素子として期待されるCB-RAM (Conducting Bridge Random Access Memory)において,従来用いられてきた固体電解質をCMOSプロセスへの親和性の高い酸化物に置き換えた場合でも類似のスイッチング現象が生じることが報告された.しかし,酸化物を用いたCB-RAMのメモリ特性に関する報告はまだ少ない.本研究では,Cu/HfO_2/Pt構造の電気特性及びデータ保持特性を評価した.バイポーラ型の抵抗変化が確認され,動作電圧は±1 V程度と固体電解質系のCB-RAMに比べて高く,ノイズマージンの確保に十分な値が得られた.データ保持エラーは主に低抵抗が高抵抗に変化することで生じることから,熱拡散による金属フイラメントの断裂がエラーの主要因と考えられる.低抵抗状態の抵抗が低いほど,即ち,フィラメントの太さが太いほどエラーが起こりにくいことも示された.
著者
高橋 信行 佐々木 隆志 川原 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.213, pp.41-46, 2011-09-15

視覚障がい者がeラーニングを活用して効率的に学習できるようにするためには,ユーザビリティの高いWebページを提供する必要がある.著者らは,Webデザインがユーザビリティに与える影響を明らかにするため,全盲者,ロービジョン者,晴眼者を被験者とし,2種類のWebデザイン(表形式リンクメニュー,縦列形式リンクメニュー)において,ターゲットリンクを探しクリックする課題の遂行時間,フォーカス遷移記録,アンケート調査結果を分析することにより,実証的にユーザビリティの評価を行い,視覚障がい者向けのeラーニングを構築する際の配慮点について考察した.その結果,全盲者では晴眼者のようなデザインによる影響を受けなかった.ロービジョン者では,観測されたデータのばらつきが大きく,一定の傾向を見出すことはできなかった.
著者
増田 修士 萩谷 展之 松尾 太一 後藤 康宏 阪田 史郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.578, pp.61-66, 2007-03-01
被引用文献数
5

アドホックネットワークにおけるルーティングにおいては,通信経路の確立後に経路上の中継ノードにかかる負荷のことは考えられていない.本稿では経路を構成している中継ノードを動的に切り替えることで,初めに経路に選ばれたノードに負荷が集中してしまうことを避け,その中継ノードの周りに存在するノードに負荷を分散させる方式を提案する.提案方式は,AODVで用いられている定期的にブロードキャストされる制御メッセージを利用し,切り替えのために必要な情報をそのメッセージに付加することで動的な切り替えを可能とする.また,シミュレーション評価によって提案方式の有効性を示す.
著者
安達 悠子 臼井 伸之介 篠原 一光 松本 友一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.177, pp.13-16, 2009-08-17

本研究では,155名の看護師を対象に,業務中にしたあるいは見た違反内容とその違反理由の記述を求めた質問紙調査を行った。また同時に,その違反をどの程度しているあるいは見かけるという主観的な違反頻度と,違反の生起に関与していると考えられるリスク評価等の心理的要因に関する4件法の質問への回答を求め,違反頻度と心理的要因との関連を検討した。記述された違反内容と違反理由はKJ法により分類し,違反頻度と心理的要因については得点化ののち相関係数を算出した。その結果,違反内容21項目,違反理由13項目が得られた。心理的要因は,リスク評価よりもベネフィットや抵抗感が違反頻度に関与していることが示唆された。
著者
藤村 光 杉原 厚吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.702, pp.145-152, 2001-03-16

本研究では、選手が特定のフィールド上を自由に動き回り、目標に対して競い合うチームスポーツを対象にして、チームワークの定量的評価を行う。この種のスポーツでは、各選手の支配領域を求めることがチームワーク評価への道となる。そのため、領域を支配関係によって分割するボロノイ図の概念を応用し、それによるチームワークの定量的評価手法を提案する。また本研究においてはこの優勢領域図の作成にあたって、実験に基づいたより現実的な運動モデルを採用している。これにより、より経験者の直感に合うチームワーク評価を実現できた。
著者
大濱 雅仁 江原 義和 曽我 真人 三輪 昌史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.67, pp.9-14, 2010-05-21
被引用文献数
1

本研究では,野外で実世界の夜空を学習コンテンツとして利用し,星座の学習を行うことのできるモバイルユースが可能な実世界指向モバイル星座学習支援環境を構築する.本システムではユーザの視線入カを小型の方向センサを用いて取得し,星座の情報提示を行う.また,本システムは演習機能を備えており,演習機能の有効性を検証するための評価実験を行った.
著者
峯松 信明 津田 圭一 広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.726, pp.9-16, 2001-03-23
被引用文献数
3

周知のように,従来の音声情報処理においては「音声の生成過程では,韻律的特徴と分節的特徴は独立して制御される」との仮定の下でその処理体系が構築されてきた。しかし昨今の研究例に目を向けると,音声医学,音声科学,音声工学の分野において,F_0とスペクトルの依存性を仮定した方法論の有効性が報告されている。音声の分析に焦点を絞った場合,F_0とスペクトルの依存性は,フォルマント周波数をベースとした分析例が多い。しかし,音声工学の立場からは,フォルマント周波数によるスペクトル記述は必ずしも得策とは言えない。筆者らの一部は,既に日本語音声を対象としてF_0変化に起因するケプストラム係数変動を定量的に分析し,そのモデル化を行っている。本研究では,この分析方式をまず有声子音音声に拡張する。更に,無声子音についても前後の有声区間から求まる補間F_0との依存関係について分析する。その結果,有声子音においても母音同様のF_0依存性が観測された他,無声子音の一部においては,有声子音と同等のF_0依存性が観測された。本研究ではこれらの分析に基づいてケプストラム係数の変動予測モデルの構築を試み,更に,予測モデルの工学的利用について予備検討を行なったので報告する。
著者
岡久 卓也 大上 健二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.196, pp.33-39, 1999-07-22
被引用文献数
39

ディジタルデータは, 複製や加工が容易であるが, そのため不正に利用されやすいという問題点がある. そこで著作物に対して著作者の情報を目立たないように埋め込む電子透かしの技術が注目されている. 本論文では, 透かし情報を画像全体に拡散する新たな方法としてスミア変換法を提案する. 次にスミア変換を用いた電子透かし法を提案する. 本手法では透かし埋め込み時の画質の劣化が量子化誤差など計算上の誤差を除き埋め込む透かし情報のエネルギに正確に比例することを示し, 具体的な例としてJPEGに対する耐性を計算機実験により示し, 本手法の有効性を明らかにする.
著者
片柳 磨子 村上 恭通 境 隆一 笠原 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.208, pp.9-14, 1999-07-22

本稿では, (k, n)しきい値秘密分散法の概念を応用した複数エンテイテイ参加型の再利用可能な認証方式(RSS認証)を提案する. 提案方式ではn個のk次元ベクトルのうち任意のk個を連接したk×k行列のランクが高確率でkとなることを利用し, 秘密鍵の分散およびグループ内での認証を行う. また, 提案方式は, 認証センタを想定することより, 分散情報のみから完全に秘密を復号することはできないが, グループ全体の持つ情報が秘密鍵と等しいことを認証することができる. しかしながら, 提案方式では, 任意のk個のk次元ベクトルの連接により, ランクkの行列が生成できない場合が存在するため, より確実に(k, n)しきい値で復号可能であるように改良した方式として, 改良方式IおよびIIを提案する.
著者
大西 純平 竹内 瞬 橋本 昌巳 伊東 一典 香山 瑞恵 為末 隆弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.219, pp.19-24, 2008-09-18
被引用文献数
1

重度障害者とのコミュニケーション手法として透明文字盤がある。この手法では文字盤をはさんで障害者と介護者が対面し、文字盤を動かして障害者の注視文字と介護者の視線を一致させることで、障害者の注視文字を見出している。我々は、この手法をPC上で模擬した視線入力システムを開発している。ウェブカメラにより撮影した眼の画像から画像処理により虹彩位置を求めて視線検出を行い、その方向に応じてディスプレイ上の文宇盤を移動して、選択エリアに注視文字を導いている。入力文字の確定にはまばたきを利用している。
著者
藤井 啓正 吉野 仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.352, pp.15-20, 2007-11-19
被引用文献数
4

異なる優先度を持つ複数のシステムが混在する環境下において,同一及び隣接周波数帯の共用方法を提案する.提案方式では,優先されるシステムの受信機の状況に応じて,送信電力を適応的に制御する.さらに,本稿では,提案方式を用いた場合に非優先システムが達成可能な通信容量の理論解析を示す.また,従来方式として,送信電力を一定とし隣接システムに影響を与えない場合にのみ送信を開始する方式を取り上げ,提案方式との比較を行う.結果より,提案方式では,想定する環境において従来方式の1.5から2倍の通信容量を達成可能であることを示す.
著者
白浜 公章 松岡 悠太 上原 邦昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.414, pp.129-134, 2011-02-10

本論文では,ユーザから与えられたサンプルから,クエリーにマッチするショットを検索する映像例示型検索手法を提案する.特に,異なる撮影技法・状況で撮影された多様なショットを検索するために,'ラフ集合理論'を用いて,サンプルから複数の検索ルールを抽出する.また,少数のサンプルから検索可能なショットの範囲を拡張するために,"バギング"と"ランダムサブスペース法"を導入する.具体的には,サンプルと特徴量の次元をランダムに変更して構築した分類器によって,大きく異なるショットが特徴づけられるようになる.さらに,計算コストを削減するために,"MapReduce"という並列プログラミングモデルを用いて検索プロセスを並列化する.実験では,TRECVID 2009の映像データを対象として,本手法の有効性を示す.
著者
山口 雄志 小谷 賢太郎 堀井 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.59, pp.47-52, 2007-05-17

We developed an eye typing input system using voluntary eye movements toward screen button. While conventional interface uses input actions with a certain duration of fixation at the target, our system asks users to generate saccades and fixate a large screen button area located beneath of the display as soon as they find a target as the intended character. A total of five subjects participated in the experiment to evaluate the system performance. The result showed that the error rates were 3.7 percents in average. The average typing speed was 30 characters per minutes for the fastest person and 13.8 characters per minutes for the slowest person. The error rates obtained in this study were lower than those obtained by previous study using gaze input. The typing speed was also relatively faster than other studies using gaze input (ranging from 10 to 12 characters per minute in average) and blink-based input (average 8 characters per minute). Also, we compared performance when visual feedback was given to the subject and concluded that fine adjustments to minimize the distance between the marker and the true position of eye fixation was important for taking its advantage.
著者
田中 恭之 石津 晴崇 森 直彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.348, pp.55-60, 2007-11-15

本稿では,秘密分散方式に,擬似乱数生成器の出力する擬似乱数系列と真性乱数系列を組み合わせた乱数(混合乱数と呼ぶ)を適用し,安全性解析を行った.この結果,混合乱数の持つ特徴である,もとの擬似乱数系列よりも高い安全性を持ち,混合する真性乱数の割合を増やしていくことで安全性が高まっていくという性質が,そのまま,秘密分散方式に適用しても成立することが確認できたので,その理論的考察結果を示す.
著者
長谷川 剛 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.39, pp.1-6, 2010-05-13
被引用文献数
1

オーバレイネットワークにおけるネットワーク性能の計測においては、複数のオーバレイ経路における計測競合が原因となって発生する、計測精度の低下やネットワーク負荷の増大が問題となる。我々の研究グループにおいて、計測競合を削減するための方式として、2つのオーバレイノード間の経路上に他のオーバレイノードが存在する場合に、その経路の計測を行わず、部分経路の計測結果を統合することによって全体経路の計測結果を推定する、計測結果統合手法を提案している。本稿では、計測結果統合手法の精度評価を、PlanetLab環境における計測結果を用いて行った結果を示す。評価結果より、遅延時間、パケット廃棄率およびTCPスループット理論値について、推定手法により高い精度で全体経路の計測結果を推定することができることが明らかとなった。また、中間オーバレイノードの負荷が原因となり、計測そのものや推定精度が悪化する場合があることもわかった。