著者
謝 孟春 小高 知宏 小倉 久和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第49回, no.人工知能及び認知科学, pp.235-236, 1994-09-20

GAがランダムな確率的探索と区別されるのは、操作論的には交叉や突然変異といった遣伝的操作と、理論的には染色体の優秀な断片の結合と成長が進化の主役であるとするビルディング・ブロック仮説である。しかし、GAの数学的基礎はまだほとんど確立していないため、ビルディング・ブロックそのものをどのように表現するか、その形成と成長が世代とともにどのように進化していくのか、よくわかっていないのが現状である。本研究では、ナップザック問題を対象に、世代を通じて伝えられる遺伝情報がどのように存在するか、また遺伝的操作が進化の過程においてどんな役割を果しているかを検討する。
著者
柿沼 秀和 伊藤 毅志 古郡 廷治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.275-276, 1995-09-20

本稿の目的は,作文の添削システムを開発することである.作文の添削には多大の労力と時間を必要とする.形式的な間違いを指摘したり,訂正するだけでも,教師の負担は大きい.文章を書く能力の未発達な生徒は,作文上でいくつかの基本的な「誤り」をおかす.その誤りには,明白な「間違い表現」と,「不適切表現」とがある.教師は添削の過程で,前者の誤りは訂正し,後者の誤りは指摘した上で,書き換えを促すか,訂正案を示す.本稿で述べる作文添削システム,TENSAKUは,この教師の役目を果たすものである.
著者
中島 秀之 諏訪 基
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1273-1274, 1986-10-01

論理に基づく知識表現システムUranus[中島1985]の多重世界機構には,知識の階層構造や状態の変化などを記述する能力がある.ここでは,この機構を時間の経過にともなう状態変化の表現に用い,問題解決を行なうシステムについて述べる.他の論理型言語では,状態の変化の記述が不得意であるが,Uranusでは各状態をひとつの世界として記述し,各々の世界には前の状態との変化だけを記述しておくことにより状態の変化が容易に記述できる.また,これによりいわゆるフレーム問題が避けられる他,過去に遡った状態の再現も容易であるので,状態の変化を含む問題解決(プランニング)に向いている.バックドラックを用いたプランニングでは一つの解しか求めることはできず,いくつかの解の比較などはできない.それに対し,多重世界機構を用いると,いくつかの並行世界が記述できるため,それらの間の比較なども容易である.
著者
上田 太一郎 小林 整功
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.347-348, 1995-09-20

コンビニエンス・ストア(以下CVSと略)の展開に伴って、強盗被害の発生が問題化して来ている。深夜における孤立した店舗での犯罪は、密室の犯罪の様相を呈し、かなりの率で被害を生じている。この報告は、CVSでの強盗被害の仮説検証を行い、被害状況の実態について述べたものである。
著者
土屋 隆司 八木 雄策 八賀 明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.1-2, 1990-09-04

車両基地内における車両の留置番線決定には、考慮すべき要素が多い。車両基地には専任の計画担当者(以下、専門家)をおいている。機内作業のシステム化には留置番線の自動決定が不可欠である。留置番線を自動決定するには、専門家の知識を獲得し、ルール化しなければならない。知識獲得の方法としてインタビューの手法があるが、効率的でないのが普通である。そこで、機械学習の方法を利用して知識獲得を行なうことにした。そのためには、定常的な作業はもとより異常時のケースも含め専門家が策定した計画の実績データを収集することが必要である。データ収集の手段として、ビデオゲーム風のシミュレータを考えた。専門家が実際にこのビデオゲームを使用し、番線決定を行うと、状況に応じた様々の事例を蓄積できる。その中に含まれる規則を抽出すれば、人間が無意識に利用している専門知識を獲得できるはずである。これまでに、事例獲得のためのビデオゲーム部分が完成したので、ここではシステム機能の概要を紹介し、現在検討中の機械学習についての考え方を述べる。
著者
外島 裕 松田 浩平
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.5-6, 1989-03-15

我国では、高度情報化社会の進展による産業構造の転換により、情報処理技術者の需要が急速に高まっている。また、現実問題としてプログラマ(PG)やシステムエンジニア(SE)の需給ギャップが指摘されている。このような状況のなかで、SEへは効率的な生産性が期待され、人員の転換を積極的に行なっている企業も少なくない。このような場合には、個人差の心理学に端を発する適性概念や、能力開発なども考慮に入れなければならない。
著者
田中 あずさ 米津 光浩 中西 正和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第51回, no.人工知能と認知科学, pp.43-44, 1995-09-20

Gerald M.Edelmanが神経グループ選択理論(NGS理論)を実証するために構築したシミュレーションシステムDarwinIIIのサブシステムOculomotor-systemを実装し,NGS理論を用いたニューラルネットワークの学習について考察する.
著者
和田 信義 島田 ひとみ 近藤 省造 川村 光弘 太細 孝
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1297-1298, 1986-10-01

知識情報処理技術を見積り業務に適用し、作業を合理化する試みを行っており、前報では、機械製品見積り業務の支援環境としてエキスパートシステムの利用を提案し、その開発支援ツールと応用例の大型回転機見積りシステムについて報告した。これらのシステムは表操作機能を特徴とし、この機能は開発支援ツールであるAceKitが実現したものである。現在のAceKitは、逐次型推論マシンMELCOM PSI上に開発され、作表業務の合理化を目的とするエキスパートシステムの開発を支援する。AceKitはスプレッドシート(表計算プログラム)形式のユーザインターフェイスを有する前向き推論システムであり、機能的には、ルール指向スプレッドシートと位置づけることができる。本報では、見積りシステムの表操作機能に注目し、これを実現する。ルール指向スプレッドシート、AceKitを提案する。
著者
李 春暁 柳沼 良知 全 炳東 坂内 正夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.67-68, 1994-03-07

近年、移動カメラで連続的に撮影した画像から走行環境情報を獲得する研究は進んでいる。山本さんらは3次元時空間画像から検出した直線によって目標物体の3次元情報を獲得している。さらに、安野さんらはカメラの運動自由度を拡張するため、同心球時空間球画像から検出された曲線によって3次元情報を獲得するのを提案している。これらの方法では3次元時空間画像から直線あるいは曲線を検出しなければならない。それはかなり時間がかかる。Zhengさんらは移動カメラで撮影した各枚の画像にスリットを利用して一枚の平面画像に変換するのを提案した。さらにこの平面画像に3次元情報や時間情報を含んでいるのを証明した。本報告ではこの平面画像を平面時空間画像(PSI)と呼ぶ。目標物体として我々の生活の中に人工的なものは多く存在している。これらの物体は直線などの特定なエッジを多く持っている。これらのエッジ部分の3次元情報が獲得できたらこの目標物体が決められる。そこで、直線のエッジに対して我々は双曲線スリットによって平面時空間画像の生成と3次元情報の獲得を行なった。本手法は平面時空間画像から検出した目標物体のエッジの軌跡によって目標物体の3次元情報を獲得する。そのため、目標物体の3次元情報を持つエッジ部分をより認識しやすい形に変換するのは非常に重要である。目標物体のエッジの本来の形状、スリットの選択、カメラの運動など要素は平面時空間画像中の目標物体の形状に影響を与える。本報告では平面時空間画像の生成について一般的に論じる。さらに具体的な例をあげる。
著者
西村 一彦 内平 直志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1294-1295, 1989-03-15

並列プログラムの実行過程の解明や知能ロボットの行動計画生成問題は時間的関係を含んだ問題として定式化され,その方法として時制命題論理(PTL:Propositional Temporal Logic)による解決が試みられている.このようなPTLをベースとした具体的システムでは,論理式を形式的な仕様とみなし,仕様を満たすような手順系列を自動的に生成することができる.また,PTLで書かれた仕様が正しければ,その結果得られる手順系列も正しいことが保証されている.しかし,PTLによって記述された仕様(論理式)自体に誤り,不足がある場合は当然のことながらその結果も誤りとなる.ところが,結果の検証,デバッグはいまだに人手で行なわれている.バグとしては,(1)記述ミス(スペルミス),(2)きつい仕様(無駄な制約),(3)仕様が記述不足(制約が不足),を考える.(1)は原子命題や論理記号の記述ミスである.(2)では,無駄な制約のために,結果として得られるモデル集合(M)がユーザーが実行したいもの(U)に比べ小さなもの,すなわち,M⊆Uとなる.従って,MをUによって検証すれば必ず矛盾が発生し,その矛盾点を追跡することでバグを発見することができる.ところが,(3)は必ずしも検証過程で矛盾を引き起こすとは限らない.なぜなら,M⊇Uだからである.この場合,むしろ,不足している仕様が何であるかをユーザーから与えられるモデルから生成する機能が必要となる.そこで,(3)以外の二つのバグを同定する方法について述べる.まず,ここで対象とするPTLとその決定手続きであるタブロー法について解説し,PTL式のバグが何であるのかを定義する.次にユーザーモデルに基づいたバグの発見アルゴリズムについて詳述する.
著者
関本 理佳 村山 浩 上野 晴樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.207-208, 1991-02-25

現在のプログラミング環境ではプログラム理解の能力を持たないので,プログラムを作成しても文法チェックしかしてくれず,またそれも分かりにくいメッセージであることが多い。まして簡単な論理ミスばかりでなくスペルミスさえも補正してくれない。これらは全てプログラマの負担となっている。人間のチュータがミスを含んだプログラムを読む時は,ミスの原因や訂正の方法を同定することが出来る。そこで我々は,人間のチュータの役割をコンピュータが代行するような教育向き知的プログラミング支援環境の開発を行っている。本稿では,実験に基づく論理エラーの分類と意図理解への応用について述べる。
著者
福島 久代 山崎 正実
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, 1990-03-14

我々は、LSI論理回路自動合成プログラムを当社のエキスパートシステム構築ソストウェアESHELLを用いて開発し、すでに回路設計に適用している。プログラムのルールベース化は、熟練設計者の試行過程のモデル化,開発・保守の容易性という面で大きな効果があった。しかしながらESHELLがLISPベースであるので、一般のコンパイル言語のプログラムより処理速度が遅い,処理できるデータ量が少ないという欠点があった。そこでルールの追加,修正が容易にできるルール記述の長所は残して、高速,大規模なデータを処理できるようにするために、ESHELLにかわるC言語ベースのプロダクションシステム構築ツールを開発したので報告する。
著者
北神 雄太
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第72回, no.ソフトウェア科学・工学, pp.475-476, 2010-03-08
著者
野村 直之 高橋 一裕
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第41回, no.人工知能及び認知科学, pp.75-76, 1990-09-04

言語学・工学の諸分野では慣用句および類似の術語の指し示す概念は一定していないようにみえる。市販の辞典によれば慣用句とは「二語以上が結合し、または相応じて用いられ、その全体がある固定した意味を表すもの。『油を売る』」とされ、またidiomとは、「全体の意味が各単語の意味を組み合わせて得られるのではなく、独特なもの;例"in the soup" 『困って』」とされる。これらは、いずれも計算言語学の言葉で言えば「構成性(compositionality)が成立しないこと」に注目した定義になっている。しかし、現在工学分野では明らかにこの定義とは異なる扱いもみられる。そこで、本稿では慣用性を互いに独立な3軸によって定義する枠組を提案する。慣用表現の定式化は意味解析システムの解析精度を高め、さらに解析結果の意味構造を適切に定義することに貢献する。特に、ある語彙が慣用句であるか否かの線引きを迫られるという意味で『大規模な』 自然言語処理システムの構築に対して、有益な示唆を与えるものと考えられる。この他、自然言語からの知識獲得や、外国語学習者のためのCAIシステムの効率的な設計や教材内容そのものへの応用が考えられる。
著者
北川 晴香 宮村(中村) 浩子 古谷 雅理 斎藤 隆文
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.325-326, 2008-03-13
参考文献数
1
被引用文献数
1
著者
丸山 勝久 小野 康一 門倉 敏夫 深澤 良彰
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.293-294, 1992-02-24

既に開発されて稼働中のソフトウェアが、保守要求等によって変更される場合を考える。これをシステム変更と呼ぶことにする。いま、システム変更において検証を行うとき、以下のことを仮定する。・変更前のプログラムは、検証によって変更前の仕様に対する正当性が保証されている。また、この検証の結果(履歴)は残っている。・保守要求によって変更された仕様は、仕様定義者の意図を正確に表現している。また、仕様は誤りを含まない。保守要求によって、仕様とプログラムが個々に変更されると、変更後においてはこれらの間で正当性が満たされる保証はない。したがって、変更後の仕様とプログラムに対して再度検証を行う必要がある。本稿では、このようなシステム変更に対する検証技法の適用について述べる。