著者
アルトゥンタシュ オヌル 金 炳錫 青木 輝勝 相田 仁 齊藤 忠夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.149-150, 1995-09-20
被引用文献数
1

近年の光通信、ATM交換技術の発展により、伝送速度150Mbps以上の高速ネットワークが比較的安価で容易に手に入れられるようになりつつある。しかし、このような高速ネットワークの上では、TCPのような従来のトランスポートプロトコルの処理がボトルネックとなり、高速ネットワークの性能を充分に生かしきれない可能性がある。本論文では、高速ATMネットワーク上で大容量データ通信を行う場合のTCPの性能について実験を行い、その結果をまとめる。
著者
高木 利久 松尾 文碩 二村 祥一 牛島 和夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1133-1134, 1986-10-01

筆者らは、Adbisと呼ぶ、推論関係型データベース管理システムを開発し、1982年以来、九州大学大型計算機センターにおいて実用に供してきた。AdbisはHorn集合の反証に基づく推論機構を備えている。最近、Adbisを使用している機関あるいは使用予定の機関から、エキスパートシステムをAdbisの上に構築したいという要望が出てきた。本研究はAdbisにプロダクションシステムの構築を支援する機構を追加するとともに、これを用いた実用規模のエキスパートシステムの構築を目指すものである。現在、計画のうち、プロダクションシステム構築支援機構の基本設計と、これをHorn集合推論系を用いて実現する方式の設計とを終了した。2節ではプロダクションシステム構築支援機構の外部仕様を、3節ではHorn集合への翻訳方式について述べる。4節ではこの機構の実現に必要なAdbisの拡張の概要について述べる。
著者
石崎 健史 滝広 眞利 高田 治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.849-850, 1997-09-24
被引用文献数
1

インターネットやイントラネットの急速な普及に伴い, 音声や映像などを扱うマルチメディア・アプリケーションに対する需要が増大している。マルチメディア・アプリケーションでは, 音声や映像などの大量のデータを遅れやばらつきを少なく伝達する必要がある。従来のLAN (Local Area Network)では, 通信帯域が十分でなかったりパケットの伝送方法がいわゆるベスト・エフォート型であるために遅延に大きなばらつきがあるなどの問題があった。これに対しATM (Asynchronous Transfer Mode)などの通信品質保証をサポートする技術をLANに適用することにより, 広帯域かつ複数メディアを統合したバックボーン・ネットワークを実現できるようになってきた。マルチメディア通信を快適に行うためにはATMのようなマルチメディア通信に適したネットワークを導入するだけではなく, ネットワークの共有リソースである通信帯域などを通信に先立って確保しておく必要がある。この問題を解決する目的で, 予約に基づくATMのPVC利用方式なども提案されている。アプリケーションのユーザからみれば, 現在標準化が検討されているリソース予約プロトコルRSVP (Resource ReserVation Protocol)のようなIPレベルのシグナリングプロトコルと連携して動的に回線を確保できることが望ましい。しかし, RSVPなどのリソース予約プロトコルは, 通信開始時点におけるネットワークリソース要求手順を規定しているのみであり, あらかじめネットワーク使用時刻・使用予定帯域などを指定してネットワークリソースを予約しておくことはできない。さらには予約の判断基準となるべきサービスクラス等については標準が確立していないのが現状である。そこで我々は, 時刻情報やネットワークの運用ポリシに基づくネットワーク・リソース予約機能, その実現方式およびサービスクラスに関して検討を行った。
著者
松本 諭 鈴木 勇至 成田 秀明 関根 徹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.187-188, 1995-09-20

リソースマネジャ(データベース)、サーバ、クライアント(端末)からなる三層クライアント/サーバ・システムを採用したミドルウェア内の中間層である、サーバで使用するデータベース操作モジュールを開発した。従来、異なる種類の端末からデータベース操作を行なう場合、各々のアプリケーションでデータベース操作を行なうコードを記述しなければならなかった。そのため、それらは端末依存もしくはデータベース依存の強いものとなり、新しい端末への対応や、データベース変更などの対応が困難であった。本モジュールは上記問題点を解決するものである.本稿では本モジュールについて、機能モデル、実装方式、処理の流れを説明する。
著者
松山 実 横井 利彰
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.3-4, 1989-03-15

パーソナルコンピュータ(以下パソコン)の高性能化・低価格化に伴い,従来大型機を中心とするダム端末で行なわれてきた情報処理教育の実習にパソコンを導入する教育機関が増している.また,中等教育における情報処理教育の実習用にもパソコンの導入が活発化している.一方,このような教育機関では学生/生徒に利用させるため,パソコンを教育目的に沿った形態で保守管理を行わなければならない.然るに,パソコンは個人が勝手気ままに使うことを前提としてハードウェア・ソフトウェアが設計・開発されているため,不特定多数の学生/生徒が共同利用する教育機関では多くの問題を生ずる.その1つとしてシステムに対するイタズラ等が挙げられるが,現在のパソコンは有効な防止の決め手を持たない.そこで定期的な点検保守が必要になるが,多数台のパソコンに対する作業負担は大きい.ここでは,このような保守作業の中,ハードディスク上にインストールされたファイルの保守を少ない要員で効率的に行うために開発した保守システムについて報告する.
著者
入月 克巳 福村 聡
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.225-226, 1991-02-25

生産管理に代表される製鉄所のシステム化は、情報技術の進展を背景として複雑な判断・意思決定を含む業務サポートヘと範囲を拡げている。特に最近は生産管理において顧客の多様なニーズへの迅速な対応が必要とされており、きめの細かい計画機能を持つ事を狙いとしたシステム開発が指向されてきた。従来から計画問題のシステム化手法としてORがあるが、現実の問題への適用、特に詳細度を要求される問題では限界がある。すなわち、総じてこれらの問題は、多数の制約条件を満たし、ある評価指標で良好な組合せを多数の組合せの中から選ぶ"組合せ最適化問題"として定式化できるが、手順的な方法では組合せの探索が困難であり実用時間での解決が不可能であることが多い。我々はこのような業務のシステム化方策として、エキスパートシステムが有効であると認識している。すなわち熟練計画者は効率の良い手順とそれで行き詰まった際の試行錯誤を効率よく行っており、このノウハウを活用する事によりシステム化が可能と考える。製鉄所の製品出荷トラックの日次作業計画立案のエキスパートシステム構築において、組合せ問題の中で"多重世界機構[1]"を用いた試行錯誤処理を実現した。当論文では、多重世界機構をいかに有効に利用し実用問題に適用したかを中心に述べる。
著者
中村 順一 大庭 美香 甲斐 郷子 吉田 將
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.79-80, 1992-02-24

自然言語では、一つの意味内容を表現するために様々な形式の表現を用いることが可能である。しかし、個々の発話状況においては、そのすベてが自然なものとは限らない。「太郎が花子を手伝った」は、太郎や花子が話者よりも目上であれば、「太郎さんが花子さんを手伝われた」の方が自然である。このような現象を扱い、機械翻訳システムや自然言語インタフェースなどの出力文をより自然なものにするためには、統語論・意味論上の処理だけではなく、語用論的な処理も必要である。本報告では、特に敬語などの待遇表現に注目し、話者、聴者、動作の関係者の間の関係に従って自然な待遇表現を用いた文を生成するモデルについて報告する。待遇表現としては、尊敬語・謙譲語・ていねい語を対象とし、登場人物間の身分的上下関係を与えることによりこれらを選択する。選択の対象は、「行く/参る/いらっしゃる」などの動詞、「φ/ます」の動詞語尾表現、「ぼく/わたし」、「太郎/太郎さん」などの人の呼び方、である。文生成には語彙機能文法(LFG)の考え方を用い、待遇表現の選択に関する規則性を個々の語彙記述中の制約として記述する。
著者
山口 高平 落水 浩一郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.151-152, 1990-09-04

本稿では知識プログラミングの立湯から,Velaにおける3つのフェーズ(知識獲得生成、知識利用、仮説管理)の実現方法に接近する。現時点で筆者らは、図1に示すように、「事例型推論」「メタ推論」「仮説推論」という3種類の高次推論機構と、具象レベルで且つ断片的なプロセス知識から一般レベルで且つ集約されたプロセス知識を獲得していくための学習機構が必要であると考えている。以下、各機構の概略について述べる。
著者
西川 智博 武田 正之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.355-356, 1995-03-15

近年のハードウェア進歩により、信号処理のための高速なDSPが一般レベルで簡単に入手できるようになった。このDSPを使うことにより、従来のデスクトップコンピュータのCPUだけでは難しかったリアルタイムの信号処理計算が、容易に行えるようになった。本研究では、信号処理計算や、解析計算などの高速性が要求される部分に、DSPを導入し、デスクトップコンピュータ上でのリアルタイム信号解析システムの応用として、音響信号から楽音情報などをリアルタイムに抽出する採譜システムを試作し、リアルタイムの有用性と、DSPプログラミングの工夫について研究を行った。
著者
田中 盛一 藤井 勝之 徳田 浩 飯田 弘之 乾 伸雄 小谷 善行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第50回, no.人工知能及び認知科学, pp.151-152, 1995-03-15

将棋において詰将棋の分野というのは大変重要な位置にある。詰将棋が将棋の勝ち負けを決する重要な要素に成りうるからである。そのため多くの将棋システムでは、まず詰将棋の探索を行ない、詰め手が存在しなければ通常の探索を行なうことが多い。しかし詰将棋探索ははとんどの場合不詰めを返してくるので、かなり時間の消費になる。詰将棋探索をまったくしないのはリスクが大きく、重要な場面で詰みが読めずに負けることになってしまう。そこで、本研究では詰みがあるかどうかを静的に判定する評価関数の実現を試みた。この評価関数は、ある将棋の局面を引数としてその情報から探索をせずに詰みがあるかどうかを数値で返す関数である。これは参考文献における一手詰めの計算の発展課題であるといえる。本稿で用いる用語を次のように定義する。王の退路 王手をかけられずに王が移動できる場所相手側の利きや、味方の駒、盤外、などによつて移動できない場所を8から引いた数である。したがって、0~8の整数値をとる。自勢力 先手の利きがあり、後手の利きがない場所
著者
福島 俊一 下村 秀樹 森 義和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第50回, no.人工知能及び認知科学, pp.65-66, 1995-03-15

郵便物の宛名住所のようにフリーピッチで書かれた手書き文字列は、字形が多様で、文字サイズにばらつきがあり、文字の接触・入組みなどもよく起きる。したがって、その読取りでは、誤切出し/誤認識によって欠落した正解文字を補完可能な知識処理が不可欠である。現在主流となっている知識処理の枠組みは、まず、各文字位置(セグメント)に複数通りの可能性(候補文字)を許した認識結果文字列と単語辞書とを照合し、さらに、単語の並びとしての妥当性を判定して読取り結果を決定する2段構成である。正解文字の欠落には、1段目の単語照合で虫食い照合を行うことで対処する。しかし、このような従来の枠組みは、フリーピッチ手書き文字列の読取りを正確かつ効率よく行うのに、まだ十分なものとは言えない。第一に、例えば「川崎市宮前区」の「市宮」が接触して1セグメントとされてしまったときなど、単語の境界位置を確定できないようなケースがうまく扱えない。第二に、2段目の単語列探索で最良解が保証されるように、1段目の虫食い照合で正解文字欠落のあらゆる可能性を求めておこうとすると、最悪の場合、単語辞書の全探索あるいは候補文字の組合せ爆発が起きる。そうでなければ、虫食い照合に1文字不一致のみのような制限を付けて、可能性を切り捨てることになる。1段目の単語照合に限ってみれば、各文字位置から単語へのインデックスをもつ松本らの手法が効率よい虫食い照合を可能にしているが、そのままではフリーピッチの単語列読取りには適用できない。本稿では、上記のような問題を解決するたの、従来の2段構成とはまったく異なる知識処理の枠組みとして、「文字タグ法」と名付けた新しいアルゴリズムを提案する。手書き宛名住所から都道府県名・市区郡名・町名の並びを読み取る応用を例に概要を紹介する。
著者
柴田 晃宏 富沢 伸行 二瓶 克己 島津 秀雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.414-415, 1997-09-24
被引用文献数
1

本稿では, ユーザサポート部門のための情報検索ツールであるWWW版Help Desk Builderの開発方針について示す。情報機器等のハイテク機器の社会への浸透に伴い, メーカではエンドユーザに対する技術サポートの問題が顕在化してきている。パソコンを例にあげると, コンピュータの専門知識のない一般ユーザにとっては製品の機能よりも利用段階での技術サポートの方が切実な問題であるため, 電話, FAX等によるヘルプデスクサービスが提供されている。とこるが最近の急激なパソコンの普及に伴ってヘルプデスク利用者が急増し, 即時の対応が困難になってきている。そこでヘルプデスク業務を効率化させる種々の機能を持った支援システムが構築されている。これに関しては, 問い合わせ処理の迅速化, 問題解決事例ベース検索等の機能を持つケライアントサーバ版Help Desk Builderを既に開発し, 製品化した。一方で, こういった一対一の対話による丁寧な支援が常に必要なのかどうか見直す必要も出てきている。例えば, 企業内の情報システム導入に伴う技術サポートにおいてシステムのユーザの問題解決をヘルプデスクだけで対処しようとすると, 当面の問題としてその立ち上げや運用のコストが容認し難い規模に膨らんでしまう。この場合, できるかぎりユーザ自身に問題を解決してもらうのが現実的な対処法となる。そこで, 過去の問題解決の事例や技術情報を利用者側に直接公開して問題解決を支援するなどの取り組みが行われ始めている。ヘルプデスクからユーザに対しての情報公開は, 上記の例の社内向けサポートに限らず, メーカの一般ユーザサポートの場合も同じく重要である。そこで我々は, 社内ネットワークやインターネットを経由してユーザサポート情報を幅広いユーザに対し公開するためのツールWWW版Help Desk Builderを開発した。
著者
籠 浩昭 西岡 利博 石川 雅基 中川 祐 塚本 享治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.201-202, 1995-03-15

オブジェクト指向分散環境OZ++は、広域ネットワークに接続された計算機群においても、オブジェクトの共有と交換の機構を利用することで分散したソフトウェア資源を共用し、柔軟な分散アプリケーションの開発を可能にすることを目指したシステムである。OZ++では、分散アプリケーションの開発を支援するツール群としてデバッガ、ブラウザ、ランチャ、コンパイラフロントエンドなどを提供している。本諭文では、OZ++で提供する開発支援ツールを統合的にまとめあげ、プログラマ個々人のプログラム環境を提供する枠組みとしてのワークベンチの概要に関して述べるとともに、このワークベンチを利用した複数プログラマによる協調作業支援への応用に関して述べる。
著者
笠原 茂樹 斉藤 章弘 清水 英樹 山田 有希恵 芝野 耕司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.375-376, 1993-03-01

最もポピュラーなコンピュータミュージックといえば、シーケンサであろう。しかし、シーケンサーは、音楽を組み立てて、それを再生させるという機能をもつにすぎない。すなわち、シーケンサは、一種のデジタルレコーダである。実際に、ある曲を入力し、演奏させた場合、その曲を聞くものの立場から見ると、レコードやCDを聞くことと変わりはない。また、シンセサイザには、多くの場合、マイクロプロセッサが組み込まれているが、従来の楽器を根本的に変えるものではない。一つの楽曲の演奏ができるまでを考えると、練習によって、まずその楽曲を憶え、演奏技術とその適用方法を研く、三つの要素に分解することができる。コンピュータは、この三つの要素のそれぞれに対して、新しい可能性を研き、人の表現力を大きく高める新しい「楽器」としての可能性を秘めている。この可能性を上記の演奏ができるまでの過程と、次のように対応させることができる。すなわち、楽曲を覚えることは楽曲をデータとして入力することに対応し、演奏技術の適用はこのデータの加工に対応する。この過程をコンピュータ化することによって、事前に格納したデータにさまざまな加工を行うことによる新しい形態での演奏が可能になるのではないか。そして、この「楽器」を用いれば、オーケストラを実際に指揮し、フルバンドジャズを実際に演奏することすら可能であろう。こうした視点に立って、この研究では、ジャズとハウスミュージックでの即興演奏を分析し、これらの音楽分野で用いられているアドリブの手法を一種のフィルタとして、実現すること及びその制御をリアルタイムに行うことによる演奏の可能性を検討するために、MIDlインプロバイザーを試作した。
著者
小山 敬之 板橋 秀一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第52回, no.メディア情報処理, pp.387-388, 1996-03-06

現在、打ち上げ花火のデザインは、主に花火師の感性、創造力、そして経験に委ねられている。さらに、設計された玉の試し打ちは容易ではない。この設計から試し打ちまでの過程を計算機上でシミュレートすることにより、打ち上げ花火のデザインに伴う完成までの時間、労力、コスト、危険性を大幅に減少させることが期待できる。また、熟練を要しないため、花火製作の技術がなくとも花火のデザインが可能となり、花火師の教育や、実際に受注する際にも役立つと考えられる。本稿では、既に報告した打ち上げ花火CADシステムの構想をもとに、未完成であった花火創作デザインから試し打ちまでの一貫した支援システム、打ち上げ花火シミュレーションシステムを構築したので報告する。
著者
鈴木 幸司 野崎 晃 今野 紀雄 前田 純治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.51-52, 1994-09-20

人間の記憶はコンピュータの記憶システムのように番地指定によって情報を記憶したり取り出したりするのではなく,連想によって情報の記憶・想起が行なわれていると考えられている.したがって,記憶の一部からより関係の深い情報を想起でき,情報間の関係が記憶されている.本研究では,連想記憶を入力パターンX=(x_1,...,x_n)(1)と出力パターンY=(y1,...,yp)(2)の組が(3)のように複数存在するとしたときその入出力関係を記憶することと考える.((X^<(1)>,Y^<(1)>),...,(X^<(q)>,Y^<(q)>))入出力の関係を記憶することが記名過程であり,パターンを入力することでなんらかのパターンを出力をすることが想起過程である.このような連想記憶には,多くの研究があり相関学習と直交学習による連想記憶がその代表的なモデルである.また,ニューラルネットワークによる連想記憶も活発に研究されている.相関学習による連想記憶は,入力パターンが互いに直交しているときに入力パターン相互の干渉を排除でき正し想起が可能となる.また,直交学習による連想記憶では,n次元の入力ベクトルX_1,...,X_k(1k&pre:&pre:n)(4)が一次独立であるとき入力ベクトル相互の干渉を排除でき正しい想起ができる.しかし,連想記憶をパターン認識や画像復元に応用するとき,入力データにノイズは加わることが一般的であり,入力ベクトルの直交性や一次独立が満たされないことが多い.そこで本研究では連想行列をファジー数で表現することによってファジー連想記憶を実現し,その想起特性を評価した.
著者
福岡 俊之 片寄 晴弘 井口 征士
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1585-1586, 1990-03-14
被引用文献数
3

自動演奏というと無機的なイメージをもってとらえられるが、情緒溢れる演奏の生成に関する興味も近年高まっており、従来のシーケンサ機能に加え、ピアノの演奏情報を構造的に記述する言語などが提案されている。また、自律的に人間的な演奏を生成するシステムの研究も始まっており、では、1小節ごとに、予め作ったデータベースから、リズム、旋律、演奏記号の類似したものを選びだすことで表情を付けるシステムが提案されている。我々は、従来より、実際演奏の解析に基づいた自動演奏システムについて研究を行ってきたが、本稿では人間の解釈機構を考慮した自動演奏機構について述べる。