著者
久米 堯 伊藤 明徳
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.187-200, 1999-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
22

前2回に引き続き, 今回は麦味噌及び豆味噌を取り上げる。麦味噌は, 九州, 四国・中国地方あるいは関東の一部などで作られ, 味噌の全生産量の約10%を占める。豆味噌は東海3県のみで作られ, 生産量は約5%である。豆味噌, 麦味噌を素材とした調合味噌を含めて, 永年, それぞれの味噌作りに携わって来られた筆者に, 詳しく解脱いただいた。
著者
小崎 道雄 岡田 早苗 関 達治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.46-61, 2002-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

酒は農耕文化の産物で, 酒の原料はその民族の主食と一致している。米は日本人の原味覚となっており, 米を原料とした酒は日本人の心の故郷といえる。筆者の提唱される「米の種類を問わず米を原料として醸した酒」を「米酒」とする定義は日本酒, 焼酎の国際化をも考えなければならない現在, 大いに役立つものであろう。タイ国のいろんなタイプの米酒の詳細な製法が臨場感をもって記述されており, 大変興味深い。筆者の長年の調査研究の成果を, 写真, 図を交えて解説いただいた。「米酒」に関心のある方のご一読をお勧めする。
著者
小崎 道雄 飯野 久和 トク トランリン ホウ ファムタン 関 達治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.327-337, 2002-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
10

「米酒」醸造地帯の「米酒」と米関係食品の製法, 特徴, 背景などについて, 東南アジア全域に渡り長期調査された筆者に, 前回に引き続き甘酒, 梗米酒, 糟米酒, 籾殻吸管酒, 焼酎について解説していただい。「米酒」の製造に黒米や赤米を使ったり, 米を焦がす方法や, 米とともに雑穀やキャッサバを使用するといった工夫がみられて面白い.又吸管の籾殻壼酒は親睦だけでなく, 儀礼的にも重要な位置を占めており, 飲酒文化面からも興味深い。

3 2 1 0 OA ビールの泡

著者
蛸井 潔
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.111, no.4, pp.195-203, 2016 (Released:2018-06-29)
参考文献数
21

ビールの泡はおいしさと深い関係がある。感触として口当たりが良くなり,まろやかな味になるだけでなく,ビールが空気に触れるのを防ぐ「ふた」の機能により,ゆっくりと時間をかけておいしいビールを味わうことができる。ビールの泡持ちは非常に複雑な現象である。その現象,およびそこで何が起こっているかを,筆者らのこれまでの研究を含め,非常にわかりやすくまとめていただいた。
著者
好田 裕史
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.12, pp.927-934, 2006-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9

アルコール飲料の主成分であるエタノールは中枢神経系を介してリラックス効果を高め, ストレス解消に役立つことは良く知られている。 最近, ワイン, ビール, ウイスキーに含まれる香気成分がストレス緩和に役立つとの報告がなされている。 本稿ではビールに含まれる様々な香気成分とGABA受容体応答がどのような機序でストレス緩和に関係するか著者らの実験データをもとに解説して戴いた。
著者
堀越 昌子
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.6, pp.389-394, 2012 (Released:2017-12-12)
参考文献数
9
被引用文献数
1

なれずし(馴れずし・熟れずし)は,コイやフナなどの川魚に米飯を混ぜ,重石をして数ヶ月から数年かけて保存する。この間,乳酸菌の作用でpHが下がり,雑菌の繁殖を抑えつつタンパク質の分解により旨み成分が増加するが,独特の香りを持っている。琵琶湖の「鮒ずし」や東北・北海道の「いずし」を始め,各種のものが知られている。そこで筆者に琵琶湖のナレズシを中心に,文化・栄養・製法・位置づけ・抗菌性について解説して頂いた。

3 0 0 0 OA ビールろ過 (1)

著者
乾 祐哉
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.96, no.3, pp.151-164, 2001-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
18
被引用文献数
2 3

3 0 0 0 OA お味噌の効能

著者
渡邊 敦光
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.11, pp.714-723, 2010 (Released:2016-02-04)
参考文献数
46

わが国の代表的発酵食品の一つである味噌について,健康や長寿に良いことが伝承されてきたが,食塩の過剰摂取による弊害のおそれも指摘されてきた。これまで味噌等の発酵食品の健康・栄養に関する知見については伝承的な説明が広く知られていたが科学的な研究の発展が遅れていた。近年,動物を用いた臨床研究,分子生物学,分子栄養学の研究が進展し,味噌を含む発酵食品の健康機能性が急速に明らかにされつつある。本解説では,味噌の抗癌効果を長年に亘って研究し味噌の生理機能研究を牽引してきた研究者の一人である著者に,これまでのご自身の研究成果と国内外の研究成果を紹介していただき,味噌の健康機能について幅広くわかりやすく解説していただいた。
著者
伊藤 一成 辻 麻衣子 三宅 剛史
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.10, pp.670-677, 2015 (Released:2018-05-21)
参考文献数
14

現在普及している速醸?や生もと系酒母の原型とされる菩提もとは,速醸もとの技術が全国に普及したのと同時に姿を消したとされている。近年,奈良県において菩提もとの製造メカニズムが解析され,菩提もとを用いた清酒が再現復活している。これと同時期に岡山県内の蔵元において,独自の方法で製造したそやし水を使用するもと造りが確立されていた。本稿では,このそやし水の解析から明らかになったことを解説していただいた。
著者
渡辺 敏郎
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.5, pp.282-291, 2012 (Released:2017-12-12)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

平成22年11月にNHKの「ためしてガッテン」が,酒粕の効能と調理方法について取り上げ放送したところ,消費者から大きな反響があり,酒粕の在庫切れなどを招いたことは記憶に新しい。レジスタントプロテインは番組で取り上げられた食物繊維様の活性を持つ物質である。レジスタントプロテインは米貯蔵タンパク質のプロラミンに由来するタンパク質で,醪中で溶解せず,胃酸でも分解されることなく小腸に達し,種々の生理機能を発揮する。発酵食品である酒粕は栄養学的に優れているのみならず,多くの機能性が報告されているが,ここでは,レジスタントプロテインを中心にその機能性を紹介していただいた。まだまだ遅れている酒粕の有用性研究の発展と酒粕の復権につながれば幸いである。
著者
渡辺 正澄 藤原 正雄
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.171-176, 1988
被引用文献数
2

酒をおいしく味わうには, 飲酒に最適な温度と酒に合った料理を選ぶことがポイントであるが, 特にワインの場合には両者の関係がよリ厳しく要求される。本稿では, ワインの酸組成と飲酒適温との関係並びに料理との相性についてこれまでの知見を要約して紹介いただいた。<BR>ワインがなぜ温度と料理にこだわるのかを科学的に解き明かしてくれた興味ある解説である。
著者
金子 ひろみ
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.7, pp.447-454, 2010 (Released:2016-01-21)
参考文献数
6

この度日本酒造組合中央会は,日本酒が常備されていない家庭にも,飲用以外の用途で日本酒をおいていただくことを目的として,「日本酒を,すべての家庭に」というキャンペーンをスタートさせた。健康や美容に良い日本酒を健康的に飲むためのおつまみなどについて研究をしてこられた管理栄養士,料理研究家そして日本酒スタイリストとしてご活躍中の筆者に,その経験を生かして,飲用以外に日本酒を使う実例やその効果・効能などをわかりやすく解説をしていただいた。このキャンペーンをとおして,日本の全世帯に日本酒が備えられ,料理などに幅広く活用されることを願っている。
著者
川崎 恒
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.525-528, 1989-08-15 (Released:2011-09-20)

酒造技術は時代の流れとともに大きな変遷をたどってきたが, その中でも酒母造りは, その意義が純粋酵母の大量培養ということから, より簡易な方向に収束してきたということがいえる。しかし, 当社では時代の流行に影響されず, 昔からの生翫造りをかたくなに守ってきた。そこで, この生翫造りの意義を技術的な面から解説していただいた。高度化する最近の嗜好に対応するには, このような話題性や物語も必要な要素と考えられる。
著者
西村 顕
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.88, no.11, pp.852-858, 1993-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
18

夏場のヒット商品として登場した生酒, 生貯蔵酒も今ではすっかり定着し, フレッシュさを特徴に, 吟醸生酒なども市場に登場してきている。しかし, 新たな商品の開発には必ず問題点がつきまとうのが常で, 生酒, 生貯蔵酒の最も大きな欠点であった「ムレ香」の解決が今日の商品を定着させたといってもよいであろう。明らかになった「ムレ香」の生成機構と防除法を解説していただき, さらに今後の研究の方向を示していただいた。
著者
境 博成
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.5, pp.339-351, 2007-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16

フランス北西部, ノルマンジー地方のリンゴの生産地で造られるリンゴ酒シードルと隠れた蒸留酒カルバドスの歴史と現状を紹介。歴史, 製造方法のみならず, リンゴの産地・晶種, AOC規則, 酒税までを含めて言及した内容は醸造技術者はもちろん, カルバドス, シードルの愛好者までを満足させる解説となっている。

3 0 0 0 OA ビール酵母

著者
有村 治彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.11, pp.791-802, 2000-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
62
被引用文献数
2 2

醸造の基本技術シリーズとして、ビール製造における原料及び仕込工程について解説されてきた。また、ビール醸造において「酵母」は欠くことのできない存在であり、たとえ「よい原料」を用いたとしても,「元気な酵母」でなければ,「うまいビール」を製造することはできない。本稿では, ビール酵母において, 最近得られた情報を踏まえ, 基本的な知見を紹介するとともに, 醸造工程における酵母の取り扱い方 (ハンドリング), 酵母活性測定法について解説して頂いた。
著者
境 博成
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.3, pp.187-196, 2007-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
17

現在, 日本の酒類業界では第3のビールと呼ばれる発泡性飲料とチューハイ類の新製品が市場を賑わしている。これらのジャンルの開発は正にメーカーの知恵の勝負で, 多岐に渡る素材が集められ, 使われている。サイダーも日本ではフランス風にシードルと言う名称で商品化されているが, その販売数量は極小さい。一方, 英国では伝統的なサイダーが, ビールと共に国酒とも言える存在として脈々と飲まれ続けている。近年リンゴの健康に対するメリットが次々と明らかにされていることも考え合わせれば, 英国サイダーの現状について詳述されたこの総説は, 単にサイダーの紹介というだけでなく伝統的な酒類の生き残り戦略に多くの示唆を与えてくれる。

3 0 0 0 OA アフリカの酒

著者
安渓 貴子
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.9, pp.629-636, 2002-09-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16

多様性の大陸アフリカには, おどろくほど多彩な地酒づくりの文化が花開いている。サハラ以南のアフリカの伝統の酒造りの中には, 乾燥地の狩猟採集民の果実酒や, 季節的に雨が降るサバンナ帯のハチミツ酒とさまざまな穀物を発芽させてつくるビールの仲間, 湿潤な森林地帯のヤシ酒や泡盛にも似た風味をもつカビ付けした米の蒸留酒などが連綿とつくられてきた。これは, そうしたアフリカの地酒づくりの技術の科学的理解のための覚え書きである。
著者
布村 伸武
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.3, pp.151-160, 2006-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
37
被引用文献数
1 2

日本の醸造醤油の最も特徴づける香味成分は, このフラノン類の一種HEMFである。この香味成分は最近, 発がん抑制効果があることが認められた。香味成分「HEMF」研究の第一人者の筆者に詳しく解説いただいた。