著者
金城 良治 土本 悠治 長山 格
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.594, pp.49-54, 2002-01-17
参考文献数
18
被引用文献数
4

会話によるコミュニケーションでは, ノンバーバル(非言語的)情報として発話に込められた喜怒哀楽などの感情表現が大きな役割を果たしており, 円滑な情報伝達や意思疎通に重要な影響を与えている.本研究では, 人間による自然言語発話に含まれる感情情報を検出し自動判別することを試みた.これにより, マン・マシンインターフェースにおいて感情判別を含む高度なコミュニケーションの実現と, さらに次世代型の感性情報処理方式としての発話者の意図・思考の推定などへの応用の可能性を探る.本論文では, 発話における韻律的特徴の時間構造に注目し, 4種の感情の判別実験を行った.これにより, 新規データの自動判別において平均73%程度の認識率を達成した.また, 同じ新規データに対して人間による感情判別を行ったところ認識率は77%であった.
著者
前原 吾朗 田谷 修一郎 小島 治幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.328, pp.53-56, 2006-10-19
被引用文献数
2

後側頭部における形状マッチング課題、位置マッチング課題遂行中のヘモグロビン濃度変化を計測した。形状マッチング課題では、実験参加者は最初に呈示された刺激の形状を記憶し、その後に呈示される刺激の形状が記憶したものと同一であるかを判断した。位置マッチング課題では、最初に呈示された刺激の位置を記憶し、その後に呈示される刺激の位置が記憶したものと同一であるかを判断した。後側頭部における酸化ヘモグロビン濃度は、位置マッチング課題よりも形状マッチング課題遂行中の方が高かった。このことから、後側頭部の領野において形状認識に関る脳活動が存在したことが示唆された。本研究の結果は、fMRIやPETを用いた研究の結果と一致しており、近赤外分光分析が認知機能の計測に有用であることを示している。
著者
山本 健太郎 三浦 佳世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.261, pp.109-114, 2009-10-22

同じ呈示時間でも,速く動く対象を観察した時間は,それよりも遅いもしくは静止した対象を観察した時間よりも長く知覚される(時間拡張).本研究では,静止画の速度印象が実際の運動と同様に時間拡張を引き起こすかどうかを検討した.実験1では時間再生課題を用い,0.5s,1.0s,1.5sという呈示時間で,キャラクタの姿勢から得られる速度印象の影響を検討したところ,速度印象は知覚された時間に影響しなかった.しかし,実験2で時間二等分課題(temporal bisection task)を用い,0.5s以下の短い呈示時間で検討をおこなったところ,歩いている姿勢や走っている姿勢のキャラクタを観察した時間が,起立した姿勢のキャラクタを観察した時間よりも長く知覚された.これらの結果は,静止画の速度印象は実際の運動と同様に時間拡張を引き起こすが,その効果は実際の運動に比べ弱いということを示唆している.
著者
二瀬 由理 三浦 佳世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.444, pp.63-66, 2000-11-10

本研究では, 文字情報を含む字幕映画と音声情報をもつ吹き替え映画を用いて, 文字情報と音声情報の統合過程を分析することを試みた.まず, 実験1では, 吹き替え映画の一場面を被験者に提示し, SD法を用いて映像に出ている特定の人物の印象を評定させた.その印象評定値をもとに因子分析を行い, 映像内での人物の印象を形成する基準となる因子を明確にした.実験2では, 文字情報の与え方が異なるプライム映像を提示し, その後に提示される吹き替え映像の人物の印象を評定させ, プライム映像のない場合の人物評定値との間に相違が生じるのかどうかを検討した.因子分析の結果, 内面的特性, 表面的特性, 友好性の3つの因子が抽出された.また, プライム映像を見ることにより, 文字情報に関係なく人物の表面的な特性は印象が薄れ, 友好性はシーンの内容が理解可能になる程度の文字情報が与えられた場合に印象が大きくばらつくことが示された.
著者
高橋 康介 渡邊 克巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.282, pp.111-116, 2008-10-31
被引用文献数
2

ヒトの運動は、それが完全に自発的なものであっても、少なからず他者の影響を受ける。例えば足踏みやタッピング動作を行うときに、目の前の他者も同様の動作を行っていると、二人の動作のリズムやタイミングは同期する。一方、身体を静止させておくというように意図的な運動を行わない状況であっても、人の身体には無意識的かつ微少な動きが生じ、風景の動きなどの視覚情報はこれらの動きに潜在的に影響を及ぼすことが知られている。自発的な動作の同期と同様に、他者の視覚情報が無意識的な動きに与える潜在的な影響を調べることは、対人コミュニケーションの基礎となるメカニズムを解明する手掛かりになると考えられる。そこで本研究では他者の情報が無意識的な身体の動きに与える影響を検討した。実験では二人の人が対面して座り、相手の指を見ながら、自分の指で相手を指さし静止させるという課題を行い、静止動作中の指の微小な動きを測定した。その結果、水平方向の指の動きに関して他者の影響が認められ、2者間の同期を反映した指標を同定することに成功した。さらに意識的に相手の指の動きに追従するという他者とのインタラクションを経験することで、これらの同期指標が上昇した。以上の結果から、意識的な運動生成に限らず無意識的で微少な身体動作に対しても他者の情報が潜在的に影響を与えること、また他者とのインタラクションの経験により、他者の情報の影響が強まることが示された。
著者
渡邉 洋一 猿田 和樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.513, pp.57-62, 2001-11-11
被引用文献数
2

手書き漢字の読みやすさを人の判読基準に準拠して定量化した.人の認知特性と対応する, 概形特徴と詳細特徴とで文字形を記述し, 数量化理論を適用した.大学生280人の姓名から切り出した580文字を材料とし, 33人の観測者の過半数が「読みやすい」・「読みにくい」とした文字を外的基準とした.その結果, 90%の精度で読みやすさを予測できることがわかった.一方で, 同じ材料を用いて, 手書き漢字に対する人の意味空間を因子分析した.文字の読みやすさ, 文字の見やすさ, 書き方のうまさ, 明快さの4つの因子が抽出された.数量化理論による予測は, 因子分析から導かれた「読みやすさ」とよく合致するものであった.
著者
近野 恵 岩田 和将 黄瀬 浩一 岩村 雅一 内田 誠一 大町 真一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理
巻号頁・発行日
vol.109, no.471, pp.507-512, 2010-03-08

本稿では,我々が開発中のカメラペンシステムで使用する,文書画像検索の精度向上法を提案する.カメラペンシステムとは,カメラを取り付けたペンで書いた印刷文書への筆跡を,デジタルデータとして復元するシステムである.文書画像検索はデータベースから撮影画像の対応範囲を検索することで,筆跡を求める役割を担っており,高精度での検索が必要不可欠である.しかし現状では,撮影画像に生じる射影歪みの影響で検索精度が低下している.そこで,この問題を解決するために,検索に用いる特徴量の改良,および射影歪みを発生させた画像を生成し,データベースを拡張する手法と,撮影画像を基にクエリを拡張して検索する手法の3つを提案する.有効性を検証するため,改良した特徴量と拡張手法をそれぞれ組み合わせ,改良前の従来手法と比較実験を行った.その結果,改良した特徴量を用い,クエリを拡張した手法を用いたときに,最も精度が向上した.
著者
内田 英子 四倉 達夫 森島 繁生 山田 寛 大谷 淳 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.722, pp.1-6, 2000-03-21
被引用文献数
9

顔面表情に焦点をあて、意図的なコントロールを受けたものと、なんらかの情動喚起に伴い自発的に現れるものとの違い、特に動的な変化の違いを実験的に検討した。被験者の顔面表情の変化を次の2条件下で高速度カメラにより撮影した。1つが意図的表出(動作教示)条件、もう一つが自発的表出条件である。意図的表出条件では、顔面動作教示に従って被験者に6つの基本表情を演じさせた。一方、自発的表出条件では、情動喚起映像(喜び、驚き、怒り、悲しみ、嫌悪、恐れ)を提示し、被験者に自然な表情を自発させた。高速度カメラで撮影した顔面表情の動的変化(特徴点の変位)を、画像解析ツールを用いて測定した。
著者
長岡 千賀 小森 政嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.34, pp.65-68, 2010-05-06

著者らの先行研究では,高評価のカウンセリング事例の間で,カウンセラーの相槌的表現を最初に含む発話の時系列的生起パターンが共通すること,そのパターンは低評価カウンセリングや日常的悩み相談では観察されないことが示された.本研究では,これと同じ結果が,異なる理論的背景を持つカウンセラーによるカウンセリング対話においても観察されるかどうかを検討する.1人のクライエント役に対する,認知行動療法のカウンセラーによるカウンセリング対話,ユング学派のカウンセラーによるカウンセリング対話,および高校教師による悩み相談を分析した.結果は,両カウンセリング対話における,相槌的表現を含む発話の時系列的生起バターンが,共通性を持つことを示した.結果から,カウンセラーによるクライエント理解の心的プロセスについて考察した.
著者
武井 智彦 関 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.282, pp.101-105, 2008-10-31

把握動作はヒトを含めた霊長類が外部環境の情報を獲得するのに必須な運動である。この把握運動制御の脳内機構については、大脳皮質や小脳に関する研究が進んでいる一方、脊髄を対象とした研究は存在しなかった。この報告では把握運動の制御において脊髄が重要な役割を果たしている可能性について、実験結果をもとに議論する。
著者
大野木 碧 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.536, pp.83-88, 2006-01-13

集合写真を撮影する際, 2つの困難な点がある.1つは, 撮影対象となる人数が多いため1枚の写真にすべての人を収めるのが難しいという点である.2つめは, それぞれのタイミングで表情が変化するため, すべての人が同じ瞬間にベストショットの表情をすることが難しい点である.そこで本論文ではビデオカメラにより対象を撮影し, イメージモザイキングを用いて集合写真を合成する.そして, 提示された集合写真からユーザがインタラクティブに指定した人物の顔領域を交換できるシステムを提案する.本手法では, まず, KLT Feature Trackerによりフレーム間の対応点を抽出し, 画像間のホモグラフィを算出する.算出されたホモグラフィにを用いて, 画像をつなぎ合わせることによってシステム側がデフォルトの広角集合写真を提示する.ユーザは提示された集合写真に対して, 顔領域を交換したいと思った人物を指定し, それに対してシステムがホモグラフィを用いて入力動画像列から同一人物の顔領域を自動的に抽出する.そして, 抽出された交換顔領域の候補からユーザが交換する顔を指定することによって, インタラクティブな顔領域の交換を可能とした.
著者
山本 高裕 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.713, pp.35-42, 2001-03-21

本研究では,生体における眼球の小さな不随意性の運動(固視微動)に示唆を得たビジョンシステム構成の検討を行った.人間の眼球は回転中心と光学中心がずれているため,回転運動により視差が生じる.これと同様にCCDカメラの視軸を回転運動により微小量移動させる事で,カメラから対象までの距離に応じて,対象の画像上での移動量(視差)に違いが生じる.この視差量の違いを手がかりにして,対象の奥行きを判別するシステムを作成し,システムの相対奥行き判別特性を調査した.また,対象の奥行き方向の位置合わせに作成したシステムを使用した.実験により,単眼の小さな視線移動による簡易なシステム構成で,対象の奥行き判別支援に利用するのに十分な奥行き情報が得られることを確認した.
著者
小泉 敬寛 中村 裕一 佐藤 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.471, pp.395-399, 2010-03-08
参考文献数
6

ライフログを用いることで,記憶に障害を持つ人の日常生活を支援が可能になる.しかし,そのためにはライフログから日常の様々な出来事を簡単に素早く検索する必要がある.本稿では,このような支援のひとつとして,個人視点映像からさがし物検索を行なう手法について述べる.本研究では実際の個人視点映像から何かを手に取る,置く,動かす,といった行動を検出する手法について検討し,それを手掛かりにすることによって捜し物が簡単になることを確認した.
著者
鄭 承珠 崔 雄 橋本 直己 長谷川 晶一 佐藤 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.165, pp.49-53, 2003-06-26
被引用文献数
3

本研究では,ユーザから伝えられた力覚に応じて適切な視覚的反応を提示するとともに,インクラクションに応じたユーザヘの力覚提示が可能なバーチャルヒューマンを実現するシステムを提案する.このシステムは,力覚提示装置を備えた等身大仮想環境を用いてリアクティブな動作を取得し,データベース化を行う.その蓄積されたデータベースからユーザの動作に応じたバーチャルヒューマンの動作を等身大仮想環境に提示する.さらに,力覚情報をユーザに伝達することによって,リアクティブなインクラクションを実現する.そして,人間のインタラクティブ動作の例としてボールを相互に投げ合う動作を取り上げ,提案システムを試作した.その結果,我々はユーザの投げる動作に応じてバーチャルヒューマンのリアクティブ動作が生成されることを確認した.
著者
中西 美木子 堀越 力
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.279, pp.41-46, 2010-11-06

手帳やファイルなどの身の回りのある物を入出カデバイスの代用品として用い,身の回りにある物でコンテンツの閲覧・入力操作をすることができるシステムを提案した.システム実現には単眼光学シースルーHMDを用いることが最適であると考え,単眼光学シースルーHMD利用時に映像の閲覧・操作を行なった場合の物の重要性を評価した.物がない状態,視覚的に距離を把握できる物が存在している状態,実際に物を持った状態の3通りにおいて知覚の違いを評価したところ,実際に物を持った場合において,物の存在の有効性を確認することができた.そこで,物に対してインタラクションを行なうシステムを試作し,その有効性を確認した.
著者
竹谷 智良 淀川 英司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.699, pp.39-46, 2002-03-01
被引用文献数
1

今日、誰でも銀行のATM(Automated Teller Machine)を使用して、貯金、引出し、振込みや残高を確認できる。しかし、ATMは多くの機能と画面があり、一画面内でさえも多くの選択肢を持っているなどのため、多くの人にとって、非常に便利であるが、使い方に馴染めない人も少なくない。本研究では、ATMのシミュレーション・モデルを作成し、マンマシーン・インタフェースに関する実験を行い、より使いやすいATMのインタフェースを提案し、評価を行った。その結果、利用者に予測行動を起こさせる提示順番、用語に対する提示方法などの改善により操作性を向上できることを確認した。また、階層画面における画面間の関係を考慮した利用者の認識・行動パターンを明らかにした。
著者
田谷 修一郎 前原 吾朗 小島 治幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.328, pp.49-52, 2006-10-19
被引用文献数
1

視覚刺激呈示中の後頭部の血流変化を近赤外分光分析(NIRS)によって計測した.刺激は7.5Hzで明暗が反転する直径12度の放射状チェッカーパターンであり,視野全体,もしくは上下左右に4分割した視野に呈示された.1計測セッションでは15秒の刺激呈時と30秒の休息を5回繰り返し,この間の後頭部の血流変化を3cm間隔で正方形状に配置した4×4のプローブによって計測した.呈示視野条件別にそれぞれ2セッションの計測を行った結果,下半視野に刺激が呈示される場合にのみ,刺激呈時視野に対応した領野で酸化ヘモグロビン濃度の上昇と脱酸化ヘモグロビン濃度の減少が認められた.
著者
安藤 英由樹 飯塚 博幸 米村 朋子 前田 太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.34, pp.137-142, 2010-05-06

本稿では,パラサイト・ヒューマン・ネットワークを用いた五感情報通信によって安全安心応用を実現するために,光学共役な視覚共有システムを実現し,このシステムによって実時間支援,追体験学習の実現可能性を示す実験とその結果からパラメータの設計指針について報告する.
著者
中西 美木子 堀越 力
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.83, pp.33-38, 2009-06-08
被引用文献数
1

ARを実現寸る際に必要なデバイスの一つである光学式シースルーHMDに表示される映像について,壁やファイルなど手がかりとなる物体に投影するように映像を見た場合と,手がかりが何もない状態で映像を見た場合の知覚の差を評価した.その結果,映像を見る場合,映像とのインタラクションを行なう場合両方において,手がかりがあると有効であるという結果が得られた.これをもとに,手がかりを用いたHMDの新たな利用法によるシステムを構築し,提案手法の有効性を確認した.
著者
前田 一也 唐山 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.155, pp.5-10, 2011-07-16
被引用文献数
1

本研究は,従来のBCIの欠点であったユーザの身体拘束の緩和のため,携行性を持たせたウェアラブルブレインコンピュータインタフェースシステムを開発するのが目的である.そのために本研究では脳情報のみを用いて撮影することができるBCIカメラシステムを試作し,その性能を検証した.実験はラーニングフェイズとテストフェイズから成り,ラーニングフェイズでは,被験者は直立状態で2種類の聴覚刺激を用いたオドボール課題を行い,被験者のP300を計測した。ラーニングフェイズで計測した脳波を教師データとして,テストフェイズで被験者は屋外においてBCIカメラシステムを使って対象物を撮影する課題を行った,実験の結果,すべての被験者が課題を達成した.