- 著者
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村中 孝司
- 出版者
- 一般社団法人 日本生態学会
- 雑誌
- 保全生態学研究 (ISSN:13424327)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, no.1, pp.89-101, 2008-05-30 (Released:2018-02-09)
- 参考文献数
- 114
- 被引用文献数
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1
日本の外来植物(維管束植物)のリスト(合計2,237種)に基づき、外来植物の原産地、導入用途、確認年代を文献によって検討した。外来植物のうち用途では雑草1,022種、鑑賞863種、薬370種、食306種、牧草224種、木材・繊維等161種、緑化125種の順に多かった(ただし複数の用途等を持つ種を含む)。外来植物のうち原産地別では1601-1867年(江戸時代)には東アジア原産の種が多いのに対し、明治以降にはヨーロッパまたは北アメリカ原産の種が多かった。19世紀半ば以前における外来植物は主に観賞用の種であったが、1801年以降には牧草、および緑化植物の種数も増加した。緑化植物のうち34.40%がヨーロッパ原産の種と最も高い割合を示していたが、東アジア原産の種も32.80%とそれに次いで高かった。雑草とされる種(1,022種)は、1801年(江戸時代後期)以降に急速に増加し、そのうち36.69%がヨーロッパ原産と最も高かった。1860年代および1950年代前後に外来植物の侵入が急増していた。各年代の外来植物の原産地と用途は当時の貿易や日本国内の産業的需要を概ね反映していることが明らかにされた。