著者
枝崎 賢 築谷 隆雄 鷲見 育亮 東村 正巳 副井 裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.304, pp.37-41, 2004-09-10

本報告は,能動C形式における電流モードバイカッド回路の構成法について検討している.提案回路は,2出力型演算トランスコンダクタンス増幅器(DO-OTA),2出力型カレントフォロワ(DO-CF),および接地キャパシタを用いて構成されている.本回路は,特性を実現するための回路条件を必要とせず,電流出力の選択により低域通過特性,帯域通過特性,高域通過特性,帯域除去特性,および全域通過特性が実現できる.また,OTAのバイアス電流により特性パラメータを直交的に設定することができる.回路の構成要素に対する素子感度を求め,本回路が低素子感度特性を有することも明らかにしている.PSPICEシミュレーションによる実現例を示し,本回路の有効性を確認している.
著者
冨田 安志 池田 一二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-II, エレクトロニクス, II-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.77, no.11, pp.525-527, 1994-11-25

電流フォロワ付カレントコンベア2個用いて,電流信号源として適する低出力アドミタンス可変低周波CR発振器の一回路構成を提案する.
著者
広瀬 愛彦 大林 茂樹 藤野 良幸 早坂 隆 細金 明 石垣 佳之 栗山 祐忠 牧 幸生 本田 裕己 西村 安正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス
巻号頁・発行日
vol.93, no.349, pp.85-91, 1993-11-26

0.5μm BiCMOSプロセスを用いて、3.3V-TTLインタフェース互換の64K×18ビットBiCMOS超高速SRAMを開発した。TFT負荷型メモリセル及びエミッタフォロワ型センスアップの採用により、低電圧動作マージンを拡げ、最小動作電源電圧は2Vを実現した。またライトリカバリの高速化回路を工夫し、書込み直後の読み出しサイクルにおけるアクセス時間の増大を抑えた。試作の結果、Vcc=3.0Vで7.8nsのアクセス時間を達成した。
著者
中嶋 信二 浜本 隆之 半谷 精一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-08-13
被引用文献数
2

我々の生活の中でその個人が誰であるかを証明することが、セキュリティを保つ上で非常に重要である。中でも筆者照合は、サイン(署名)を人間が照合するのが一般的であるが、これを自動化することで電子商取引等への応用が期待できる。このような場合を想定し、文字形状とは違って後に残らない情報を積極的に利用した照合方法が研究されている。本報告では筆記運動の中の「ペンの傾き」に着目したしたオンライン筆者照合の一手法を提案する。
著者
崔 浩晢 菊池 浩明 中西 祥八郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.323, pp.29-34, 2000-09-21
被引用文献数
2

グループ署名[Cha 91][CS 97][KP 98]とは, グループメンバの誰でもグループの代表で署名が可能で, かつ検証者に対して匿名性を保証でき, プライバシ保護が必要な数多くのアプリケーションに適応出来る.しかし, グループ管理者だけは署名文からグループメンバを特定可能であった.そこで本稿では, グループ署名を拡張し, 管理者にも匿名性を保証するブラインドグループ署名を提案し, 電子投票への応用を試みる.
著者
境 隆一 笠原 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.212, pp.131-138, 2002-07-12
被引用文献数
4

2001年7月開催のISEC研究会で同一題目の発表を行い,ペアリングの双線形性を利用した幾つかの暗号方式を紹介し,新しい署名方式も提案した.また,筆者等はID情報に基づく公開鍵暗号方式も幾つか提案した.本論文では同様に,ペアリングの双線形性を利用した新しい形の公開鍵暗号方式および署名方式を提案する.そして,提案方式と従来のペアリングを用いた方式との差について考察する.
著者
佐竹 賢治 笠原 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.702-710, 1996-03-25
被引用文献数
2

RSA 暗号は高いセキュリティレベルを有し, またディジタル署名も可能な優れた暗号方式として, 活発に研究されてきている. しかしこの暗号方式は暗号化, 復号にべき乗および剰余演算を繰返し実行する必要があるため, その処理時間が膨大になるという実用上の欠点を有している. 本論文では, このRSA暗号システムに適用可能な高速化べき乗剰余演算法を提案している. この手法は剰余演算に用いる法 (合成数) を工夫することによって, 剰余演算の処理ステップを大幅に削減し, 高速化を実現するものである. この手法をRSA暗号に適用した場合, 演算処理の高速化に加え, 公開鍵情報の短縮化といった著しい特徴を有する暗号システムの実現が可能となる. 本論文では, この高速べき乗剰余演算手法を適用したRSA暗号を, ユーザインタフェースとしての簡便さと安全性とを, トレードオフの関係のもとに自由に設定し得る実用的な暗号方式として論じ, その安全性等について考察を加えている.
著者
石田 修一 三村 昌弘 瀬戸 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.213, pp.145-152, 2000-07-18
被引用文献数
1

インターネットなどを介した個人認証にはICカードと生体情報を組み合わせた認証が効果的である.認証はデジタル署名技術を用いたICカードの認証と, カードに格納した生体情報を用いたカード利用者の認証の2段階で行われる.生体情報によるカード利用者の認証は, 安全性等の面からICカード内部で行われるのが望ましい.本報告では, ICカード実装型の指紋照合技術について述べ, そのプロトタイプシステムを開発した結果を報告する.
著者
板倉 征男 岩田 哲 尾形 わかは 黒澤 馨 辻井 重男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.213, pp.137-144, 2000-07-18
被引用文献数
1

生体情報を用いて本人識別を適確に行う手法は, バイオメトリックス認証技術として近年脚光を浴びている課題であり, 多角的に研究実用化が進んでいる.本論文では, 個人識別情報として一意性のあるデジタル情報が得られるDNA情報の採取と取扱及びその特徴について述べ, それを公開鍵暗号体系に組込んだシステム及びその効果について論ずる.次に公開鍵に組込むなどの具体的な事例を数種提案する.
著者
伊藤 健二 田坂 修二 石橋 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2, 1999-03-08

マルチメディア通信では, 複数メディアを同時に扱 う。このとき, ネットワーク遅延の揺らぎ等によって, 各メディアの時間関係が乱されることがある。この時間関係を維持するためには, メディア同期制御を行う必要がある。一方, メディアの転送方式には単一ストリーム方式とマルチストリーム方式がある。筆者らは, トランスポートストリーム数の違いと出力先でのメディア同期制御の有無の組合せとによって, 四つのタイプ(タイプ0〜3)のメディア同期方式(プロトコルセットと呼ぶ)を考えている。既に, 音声・ヒデオ各1ストリームに対するメディア同期プロトコルセットの性能を, 実験により定量的に評価している。しかし, これまで三つ以上のメディアを対象とした, 定量的な評価実験は行われていない。複数のメディアを扱う場合, 一部, 及び全てのメディアをインタリーブして多重化することが考えられる。そこで, 本稿では, 三つのメディア(2ビデオ, 1音声)を同時に扱う場合において, メディアのインタリーブが, 各メディアの出力品質に及ぼす影響を実験によって調査する。このために, QoS保証のないネットワークにおいて, 性能測定を行う。
著者
岡 一博 松井 甲子雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.1186-1191, 1997-05-25
被引用文献数
23 5

画像データの著作権保護の一手段として署名情報を画像内に密かに埋め込んでおく方法がある. 本論文では, その埋込み位置の決定に関数を導入し, ブロックごとに埋込みを施すことを提案する. まず, 署名したい原画像と埋め込みたい署名データを準備する. 埋め込む署名データはサイズが原画像の縦横各1/3である2値または多値画像とする. ここで原画像を3×3画素のブロックに分割し, 署名データ1画素に対し原画像の1ブロックを対応させる. 更に, 埋込み関数を用いて埋込み位置を一意に決定する. 次に, 選択されたビットプレーン上の画像情報に依存して埋込みを施す. このとき, 画質維持と署名の強度保持のため, 画素値の補正を行う. その結果, 画質の劣化が少なく攻撃にも強い署名法となることを示す.
著者
植松 幸弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録
巻号頁・発行日
vol.97, no.538, pp.1-8, 1998-02-06

近年、MRヘッドの実用化によって磁気ディスク装置の面記録密度の向上は著しく、98年初にGbpsiを超える装置が出荷され、2001年の10Gbpsiの装置出荷は予想どおり実現されるだろう。BPI/TPI比は現状の15〜18:1程度はから、超高BPI化による記録データの磁気熱緩和の懸念によって、徐々に10:1程度になって行くものと考えている。従って10Gbpsiをこえる領域ではさらに超高TPI化に拍車がかかるためメカ・サーボの先進技術開発は磁気デイスク装置に益々重要なものとなりつつあり、特にピギーバックアクチュエータは重要である。ピギーバックアクチュエータにはその実現容易さの順に第一世代:サスペンション可動型、第二世代:スライダ可動型、第三世代:R/Wコア可動型があるが、1ヘッド当たりのコストを1ドル以下と月産数百万個以上の量産性の実現が最大の課題となっている。
著者
児玉 明 笠井 裕之 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18
被引用文献数
3

インタラクティブ画像提供サービス,有料放送などでの秘匿性制御を考慮したブラウジング機能実現方式を既に提案している.本方式では低品質画像はプラウザおよび秘匿性制御画像として自由に見ることができ,利用者が高品質画像を要求したときに課金するサービスを想定している.これらサービスへの応用を考え,本稿では信号劣化の観点からプラウジングのための画像品質の制御方式について,汎用動画像符号化方式(以下,MPEG2)に基づいて検討する.
著者
釜口 久史 梶川 嘉延
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.484, pp.263-266, 2009-03-06

本稿では,フォトアルバムのための人物仕分けシステムを提案する.従来の画像管理ソフトでは,サムネイルを閲覧しながらユーザが仕分けを行う,時系列やファイル名順に並び替えるのみであったため,ユーザの負担が大きい,画像の内容が反映されないなどの問題があった.そこで,本システムでは画像の内容に基づき自動的に画像を仕分けするシステムの構築を行う.また,入力した画像に近いものは抽出を行うことができたが,データベース中に抽出できなかったものが残るという問題点に対して,フィードバックシステムによって,抽出困難であった画像と入力画像を強制的に関連付け抽出を行う.そしてシステムの有効性を検証するため主観評価実験を行った.
著者
平 洋一 沼田 英俊 中川 茂 小原 さゆり 山田 文明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp."S-38"-"S-39", 2009-03-04

マイクロプロセッサの性能向上に応じて配線板の電気信号バンド幅を増加させる必要がある。しかしながら現状の電気インターコネクト技術だけでは困難が伴う。特に高速信号の減衰、劣化を補うため回路の消費電力の増加も大きなものとなる。光伝送を用いた光インターコネクトはより高いバンド幅と低消費電力を可能にする。すでに、長さ数十メートル以上の高速光リンクは高バンド幅・低損失の光ファイバーが用いられているが、より短距離までの光リンクを実現にするには新しい技術が必要である。このために効果的なのは、光リンクつき配線板である。これら、電気配線版の限界と、光配線板の機能、要件および現在の技術課題を検討する。
著者
上山 憲昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.83, no.7, pp.999-1011, 2000-07-25
被引用文献数
17

IP網の帯域割当サービスに対して定額課金を適用した場合, 同一料金を支払っているにもかかわらず, ふくそう時にはサービスを利用できるユーザと利用できないユーザが生じることから, ユーザ間の公平性が満たされない.そこで各々の通信セッションを課金単位とする新しい課金手法を提案する.提案手法では, 個々のサービスに応じた料金をセッションを単位に設定でき, またユーザは使用した量に応じて料金を払えばよく, ユーザ間の公平性が満たされる.セッション価格にサービス要求発生率と発呼時の同時接続数という二つの網状態を反映させることにより, 総需要を平滑化し呼損率の低減と網収入の向上を図る.ユーザの選択行動を非集計行動モデルで, サービス需要を数量化理論I類のカルマンフィルタモデルで各々予測し, 網収入を最大化する最適価格セットを導出, 適用する.数値計算により, 定額課金や静的課金モデルに対する提案方式の有効性を示す.
著者
西川 俊 高橋 秀知 小林 正幸 石原 保志 柴田 邦博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.1589-1597, 1995-11-25
被引用文献数
31

講演,講義などにおいて,健常者の話をリアルタイムで(即時に)ほとんど正確かつ忠実に文字に変換,表示し,聴覚障害者に伝える新しい音声情報の伝達手段として,リアルタイム字幕表示システム(RSVシステム)の研究開発に成功した.従来,聴覚障害者への音声情報の伝達手段は,口語(読唇術)と手話通訳と要約筆記しかなく,どの方法も大きな欠陥を持っていた.最近,コンピュータを利用したリアルタイム文字化システムの開発が試みられているが,多くの問題がある.RSVシステムでは,1991年に我々の1人(柴田)が開発した日本語高速入力用ステノワードキーボードを大幅に改良し,パソコンに接続する.そして,話者の話を高速入力,かな漢字変換し,高速字幕合成装置に送る.これを字幕として話者などを映したビデオ映像に合成し,リアルタイムで表示できる.このシステムの大きな特徴は,先にすべての読みを表示し,その後でかな漢字混じり文を表示することにより,聴覚障害者の中でも特に言語力の低い者に対する情報伝達を配慮したことである.そして,視聴実験により,この読みの効果を検証し,報告する.